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02事業拡大、縮小のタイミングの見極め方経営判断に迷うとき、何を基準に判断したらいいのか

02事業拡大、縮小のタイミングの見極め方経営判断に迷うとき、何を基準に判断したらいいのか「この事業、ここで拡大戦略をとって大丈夫か?」決断に迷いがあるときに優先的に考えるべきことは何か。 世の中の大きな流れに従い、高い目標を「ビジョン」として掲げる  一口に事業拡大、縮小のタイミングについて語るのはなかなか難しいことですが、基本的な考えとして、自分が決めなくてはいけないと考えるのではなく、「世の中が決めてくれる」と思えばいいのです。  自社が提供している商品やサービスが、本当に世の中に合っていたら、「もっとほしい、もっとほしい」と求められます。何か仕掛けをしたわけでもないのに、需要が伸びていたら、それは自然の摂理。拡大すればいいと思います。  当然、その逆もあります。自分たちは良い商品だと自信を持っているのに、全然売れない。それは、世の中から求められない要素が必ず何かあるのです。  ここでも、マーケティングとイノベーションです。  そして、世の中のニーズに合っていると思ったら、高い目標を設定するのです。長期的な「ビジョン(将来構想)」です。「シェアナンバーワンになる」「業界最高水準の技術力を持つ」などです。ビジョンを掲げたら、それに向かって邁進するのです。 自社の「弾み車」を把握せよ  私がよくお薦めしている『ビジョナリー・カンパニー 2』(ジム・コリンズ著、山岡洋一訳、日経BP社)という本があります。  その中に、何がその会社を飛躍させる「弾み車」になるかという内容があるのですが、その部分だけが抜粋されて、最近『ビジョナリー・カンパニー弾み車の法則』(ジム・コリンズ著、土方奈美訳、日経BP社)として出版されました。  弾み車とは、売上が飛躍的に上がるような仕組みやプロセスです。  自社の弾み車になり得るのは何なのか。  それが分かっていないのであれば、見つけ出すことです。弾み車になると確信できれば、積極的に資源を投入する覚悟もできるのではないでしょうか。  ただし、あまり攻めすぎると、安全性を損なうこともあり得ます。だから、自己資本比率等を踏まえたうえで、財務的なバランスを崩さない範囲でチャレンジするのがいいと思います。  最近、私が面白いと思ったのは、ワークマンです。いま、アパレル業界は軒並み大打撃です。新型コロナウイルスの影響で多くが利益を下げているなか、ワークマンは 2020年の上半期、確実に売上を伸ばしました。  もともと作業服専門店だったワークマンが飛躍的に伸びているのはなぜなのか。  その理由は、大きく次の2つだというのです。 1.強みを活かした 2.売り方を変えた  まずは、強みを活かした改革。作業服というのは、耐久性、防水や撥水などの機能性が優れているわけです。それを活かして、カジュアルウエア、アウトドアウエア、防水ウエアというプライベートブランドを起ち上げました。  価格もリーズナブルで、お客さまの求める QPSが変わったとも言えます。  もう一つが、売り方の改革。どこの店舗も同じ品揃えにするのではなく、アウトドアウエアやレインウエアを集めた業態の店と、従来型の店とで、取扱商品をはっきりと区別したのです。  これが当たり、従来ワークマンの客層ではなかった一般女性客が急速に増え、「ワークマン女子」という言葉まで生まれました。これこそ、弾み車を見つけ出した例といえるでしょう。こうなると、積極的に資源投入していくことができるわけです。  拡大、縮小といったことは、売れ方で変わる。結果で変わるもの。  良い商品、良いサービスを提供して高収益のために何をすべきかを見据えることができたら、拡大したらいいのか、縮小したらいいのかはおのずと見えてきます。  しかし、拡大する際にも「いきなりステーキ」の例でも分かるように、無謀ではダメなのです。緻密に計画を立てて、その上で大胆にやるのです。

一方、自社の経営が拡大によりバランスを崩したなと思ったら、踊り場をつくること。場合によっては縮小することも検討するべきです。 撤退や縮小のときは何を考えるべきか  撤退や縮小を判断する基準は、将来、キャッシュフローを生むかどうかが決め手になります。  早めにやったほうがいいのですが、退却、売却、縮小などの決断は、なかなか難しい。  この際も緻密に考えることが大切ですが、縮小時にはパニックになっていることも多く、社外役員やコンサルタント、税理士などに相談したほうがいいことも少なくありません。  もし、私が社外役員を務めている会社でそういうことがあったら、私は「こうするのがいいのではないでしょうか?」とはっきり指摘します。  ただし、その意見を受け入れるかどうかは、経営者の判断です。聞く耳を持っている場合もあれば、それでもやっぱり自分の思いや考えを貫こうとする経営者の方もいます。  経営者の最終判断が、私の意見とは相反することになっても、それはそれとしてやむを得ないことだと思います。リスクやその後の結果はすべて経営者が責任を持っているわけですからね。  ただし、本当に重要なことで、聞き入れていただけないのであれば、同じ船に乗っていられません。私はいままで、取締役会の場で社外取締役を辞任したことが二度あります。  経営コンサルタントとして、私が見ている会社がもしもつぶれるようなことになったら、私を信用してくれている他のお客さまにも迷惑がかかります。だから、言っても聞く耳を持たないところとは、袂を分かちます。  私も自分の考えが 100%正しいと頑なに言い張るつもりはありませんが、「これは危険だ」ということを察知する力は、経験的にあると思っています。ですから、警告を受け入れられないというなら、仕方ありません。  もう一つ言うならば、こういった「拡大するか」「縮小するか」といったことを考えるときは、将来、経営を担っていく人を、議論の場に入れておくことが大切です。  まともに議論が行われている会社なら、経営というのは、こういう視点、ああいう視点、いろいろな切り口で多面的に考えていかなければいけないことがよく分かる。経営のことを実践的に学ぶ絶好の機会になるわけです。  その議論の場に将来の経営人材を立ち会わせる。場合によっては、拡大する事業の一部でも舵取り役を任せる、ということだってあるかもしれません。  経営の実践での考え方を実体験で知ることが、経営人材を育てるのです。 Point事業拡大、縮小のタイミングは、世の中、お客さまの流れに従う。

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