01短所はカバーし、「長所」を活かせ伸びる会社は人やモノの長所を活かし、強みをつくる会社の限りある資源を活かすには、「長所」に目を向けてください。他社に負けない自社の強みは、長所を伸ばすところから生まれます。 資源の最適配分の要点は、「長所を活かす」「公私混同を避ける」 本章では、経営者がやるべき3つの仕事──「 1.方向づけ 2.資源の最適配分 3.人を動かす」の 2番目、「資源の最適配分」について、お話しします。 まず企業における「資源」とは何か。 おもには「ヒト」「モノ」「カネ」の3つです。あるいは「時間」も大切な資源です。 これら会社の資源をいかに最適に配分して生産性を上げ、成果を出すかを考える。これも社長の重要な仕事です。「資源の最適配分」のために、社長として心得ておくべきことは、次の2つです。 1.長所を活かす、強みを活かす 2.公私混同しない、私利私欲で会社を動かさない どちらも、「そんなの当たり前じゃないか」と思われるかもしれません。 しかし、その当たり前に思えることが、意外とできないものなのです。 伸びる組織のトップは、どうやって長所を伸ばしているか? まずは、「長所を活かす、強みを活かす」ことについて。「長所を活かす、強みを活かす」ことは、人やモノ、それぞれの「良い」面を見て、そこをいかにうまく活用するか、ということです。もちろんカネ(財務力)のある会社はそれも活かすのです。 例えば、野球でもサッカーでも、監督が代わったらチームのパフォーマンスが良くなった、ということがあります。個々の選手がもともと持っていた長所を引き出すことに成功した指導者の力が大きいわけです。 ダメなリーダーは、「短所をなくそう」と考えがちです。 しかし、マイナス要素がプラス要素にまで一転するということはまずないのです。大体、マイナスは消えてもゼロになるくらい。 短所がなくなっても、長所が増えるわけではありません。 せいぜい「並みの人」ができるだけです。「普通」です。 例えば、営業成績のとてもいい社員がいるとします。顧客受けがよく、常に成績がバツグンにいい。ただし、事務作業が得意でなくて、報告書類にいつも何かミスがある。 同僚も、やっかみなどから、それを上司などに報告する。凡庸なリーダーは、そのミスを叱るのです。「なんでこんなことができないんだ」「こういうところがなければ、ものすごく優秀なのに」と言う。要するに、自分たちにとって都合の良くない部分を矯正させるために、時間や労力というエネルギーを使わせるのです。 しかし、お客さまとうまく接遇して売り上げる能力と、不備なく書類が作成できる能力は、別物です。そこを切り離して考えればいい。 苦手な書類作成を無理やりやらせるよりは、その社員には書類作成の得意な人をサポートとしてつける。短所をカバーするのです。 これが、伸びる組織、人を活かせる上司の考え方です。組織はチームです。一人でやっているわけではないからこそ、そうやってカバーできます。 短所を直してもせいぜい「普通」になるだけですが、個々人の長所を伸ばすことで全体のパフォーマンスは上がります。社員も生き生きと働けます。そうやって「強み」になるところをいろいろ伸ばせると、どんどん強い組織になっていきます。 並みのことが並みにできる会社をつくっても、誰も評価してくれません。 自社の持ち味は長所を活かす工夫から生まれるのです。
だから、個人で評価に値する長所を、どう伸ばすか。会社全体でどういう長所を伸ばすか。そこに目を向けないといけない。 これは、働く人に関してだけではありません。他社にない設備を持っているなら、それを活かす仕事を受注しなければ活かしようがありません。財務力のある会社は、それを活かし、優秀な人の採用や他社と差別化できる投資を行う。 それができれば、パフォーマンスは上がります。これが、「資源の最適配分」の第一のポイントなのです。なお、長所の具体的な活かし方は、第 4章で詳しくご紹介します。 Point長所を伸ばせば、自社の強みが生まれる。
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