01できる社長は「指揮官先頭」経営者が身につけるべき「2つの覚悟」とは?社長がどんなに言葉巧みであろうと、それだけで人は動きません。自ら「先頭に立ち」、「責任を取る」姿勢を示す必要があるのです。 良い会社の条件は、「働く人が幸せである」こと 経営者がやるべき仕事とは、「 1.方向づけ 2.資源の最適配分 3.人を動かす」、この3つでした。本章では、「 3.人を動かす」ために心がけてほしいことを、まとめてご紹介したいと思います。 経営者は、商品やサービスを販売することで収益を上げていくにはどうしたらいいかを考える役目ですが、そのためになくてはならないのが社員の力です。極論、社長は一人では何もできません。 良い会社の条件に、「働いている人たちが幸せである」ことが挙げられます。「この会社にいて幸せ」とか、「この会社の一員に自分もなりたい」と人に思わせられるかどうか。 また、何か問題が起きたときに、「この人についていったら大丈夫だ」と思わせられるかどうか。社長には、こうした能力が求められています。 とくに、いまは仕事に対する考え方が多様化しています。 実質的な働き方の変化も大きい。 テレワークのような働き方をどう組織に取り入れながら、一人一人のパフォーマンスを引き出していくか。 業績もさることながら、組織を魅力的に導いている経営者のところには人が集まります。良い人材がどんどん入ってくるから、より結果が出る。待遇も良い。だから、そういう会社にいっそう人が集まります。 これは、日が経つにつれて大きな差になり、経営に大きく影響する要素になります。 残念な社長は「言って聞かせて」人を動かそうとする 私は、経営者には次の2つの「覚悟」が必要だと考えています。 1.「指揮官先頭」の覚悟 2.「責任を取る」覚悟「指揮官先頭」とは、まさに先頭に立って行動する姿勢です。 ドラッカーも、上司たるべきもの、部下の模範にならないといけないと言っています。 つまり、率先垂範できるかどうかです。 海軍大将、山本五十六の有名な言葉があります。「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」 この言葉の最初は「やってみせ」なのです。ここが重要なのです。 残念なリーダーは、「言って聞かせて」から入ります。しかし、自分は言うだけ、号令をかけるだけでは、部下を本気で動かすことはできないのです。 自分が先頭に立ってやってみせられる、そういう覚悟があるかが、問われています。 もう一つが「責任を取る」覚悟です。「電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも、すべて社長の責任であると思え」と言ったのは一倉定先生です。このように、自分自身の言動に責任を持つだけでなく、電信柱が高いのは無理でも、自社で起きたことはすべてひっくるめて自分の責任だと言いきる社長がいたら、部下も思い切って動くことができます。 社長の姿勢、言動が、部下が模範にしたいと思えるものであれば、それは彼らの求心力となります。「指揮官先頭」にしても、「責任を取る」にしても、普段からその覚悟が据わっていないとダメです。 普段からやっていないことは、いざというときもできません。
日ごろのちょっとしたことから率先垂範してやっているか、責任を取っているか、そういう姿勢が大きなことにもつながっていくのです。 トップの姿勢は会社の命運を左右する この経営者の2つの覚悟がよくあらわれていた出来事があります。 自動車用の安全部品、エアバッグ・シートベルト・チャイルドシートなどを製造していたタカタが、 2017年に経営破綻しました。 きっかけとなったのは、主力商品のエアバッグの欠陥問題でした。エアバッグの爆発による事故が多数起き、死亡事故まで発生してしまったのです。 タカタのエアバッグは、世界 2位のシェアでした。世界中で使われていたのです。事故が多く、問題が一番露わになったのがアメリカでした。 タカタはアメリカ政府の公聴会に呼ばれ、説明を求められましたが、このとき、社長は表に出てこず、品質保証責任者のシニアバイスプレジデントに説明させました。 結局、欠陥商品であることを明らかにしなかった姿勢が問題視され、リコール対象となり、負債が 1兆円を超えることになって、会社は空中分解することになったのです。 実はそのしばらく前、アメリカでトヨタ製自動車の事故が起き、大規模リコール問題が発生していました。やはり経営者がアメリカ政府の公聴会に呼ばれたのです。 このとき説明に出ていったのは、代表取締役社長の豊田章男さんでした。アメリカで教育を受けているので、英語に不自由しないということもあったと思いますが、質疑応答に対して、自分の口から説明し、真摯に対応したのです。 タカタとトヨタは、トップの姿勢が大違いでした。 その後どうなったか。 皆さんもご存じのように、タカタは完膚なきまでに分解され、一番いいところは中国企業に取られました。 トヨタは隆々として、日本で最強の企業としてあるわけです。 問題が発生したとき、会社の看板を背負っている社長が自ら先頭に立って対応するかどうかが大切なのです。危機対応も含めて社長の姿勢が会社の命運を分けるのです。 もちろん社員の士気にも大きな影響を与えます。 人を動かすためには、まず社長自身が、どれだけの覚悟を持っているかが問われるのです。 Point普段から指揮官先頭の覚悟、責任を取る覚悟を持って動いているか?
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