Part4輸出実務をおさえよう③保険の申込みと船積み、運送
- Story4コンテナに乗せた夢
- 20貨物海上保険を申込む
- 21輸出申告と輸出許可
- 22輸出とAEO
- 23コンテナ船への船積み①FCL貨物
- 24コンテナ船への船積み②LCL貨物
- 25在来船への船積み
- 26貨物にキズがあった場合
- 27船積通知をする
- 28船荷証券(B/L)
- 29航空運送状(AWB)
- 30保険証券
- 31代金の回収①L/Cの場合
- 32代金の回収②D/P、D/Aの場合
Part4輸出実務をおさえよう③保険の申込みと船積み、運送
Story4コンテナに乗せた夢
貨物海上保険を申込む20
貿易条件がCIFやCIPの場合は、輸出者が保険を申込み、保険料も負担します(付保する、といいます)。
この場合、保険の申込みをした輸出者が被保険者になるので、事故が発生したときに金額を受け取る権利は、輸出者にあります。
しかし、CIFでは輸出地で貨物が船上に置かれたときに、CIPでは輸出地で貨物が運送人に引き渡されたときに、危険負担は輸入者側へ移ります。
したがって、それ以降に発生した事故に対する保険金は、輸入者が受け取れるようにする必要があります。
そこで輸出者は、輸出者名義となっている保険証券の裏面に署名だけ(白地裏書)し、保険金を受け取る権利について、保険証券を所持する者に譲渡できるようにします。
信用状取引の場合、輸出者は、白地裏書した保険証券を、船積書類としてインボイスや船荷証券とともに買取銀行へ提出し、銀行を通じて輸入者の手に渡るようにします。
では、保険申込書の例を参考に、記載事項について確認していきましょう。
①被保険者名。
原則として、保険契約者(保険を申込む者)の名前です。
②輸出者が発行するインボイス番号を記載します。
③保険金額。
事故が起きた場合に、損害のてん補として支払われる最高限度額です。
通常、貨物のCIFまたはCIP金額の110%の金額(輸入者の希望利益として10%を加算したもの)となります。
④保険条件(どのような損害をカバーするか)を選びます。
貨物海上保険の対象となる損害には、貨物自体の損害(共同海損、単独海損)と費用損害があります。
共同海損:本船が座礁や沈没の危機にさらされた場合、船長の判断で貨物を海中へ投棄することがあります。
この場合に犠牲となった貨物などについて、船会社と全荷主が、定められた割合に応じて負担する費用的損害です。
単独海損:海上輸送中、個々の貨物に発生した損害で、被害を受けた荷主が単独で負担する損害です。
損害の度合いによって、全損と分損に分けられます。
費用損害:貨物への損害のほか、損害を防止するための費用、救助費用、サーベイ(調査)費用など、事故に付帯して発生した費用の損害です。
具体的にどのような損害をてん補するかについては保険約款で定められています。
この約款は、ロンドン保険業者協会が制定した約款(ICC)に準拠しており、従来からの約款(旧ICC)ではAllRisks,W.A.,F.P.A.、1982年に定められた新約款(新ICC)では(A)、(B)、(C)という、約款の基本条件が定められています。
FPA(FreefromParticularAverage):分損不担保・単独海損不担保/新ICC(C):共同海損と全損、本船やはしけの座礁・沈没・大火災があった場合の分損(特定分損)および本船の衝突に起因する分損事故(SSBC)、防止費用などの費用損害のみをてん補する条件です。
WA(WithAverage):分損担保・単独海損担保/新ICC(B):FPAがカバーする条件に加え、海水ぬれ損など海固有の危険によって被った分損を、一定の損害割合以上の場合にてん補する条件です。
A/R(AllRisks):全危険担保/新ICC(A):FPAやWAでカバーする危険に加え、貨物の運送に付随して生じた事故による損害もてん補する条件です。
ただし、戦争やストライキ、暴動などのリスクは免責(別途、特別約款を追加契約する必要あり)となります。
前述の図『保険申込書の例』では、新ICC(A)が保険条件として選択されています。
なお、貨物海上保険では、貨物固有の瑕疵(キズ)または性質による損害、梱包不備による損害、自然消耗、放射能汚染、航海の遅延による損害、被保険者の故意による損害などについては、免責(保険の対象外)となります。
⑤積載船(機)名、積込地、出港(予定)日、仕向地を記載します。
⑥貨物の荷印、個数と荷姿、貨物の明細や数量を記載します。
⑦発行依頼書類と部数。
ここでは信用状の要求にしたがって保険証券(InsurancePolicy)を2部としています。
⑧保険金額付保割合は、契約上特に定めのない限り、CIF/CIP価格の110%となります。
インボイス金額US$45,000.00の場合、10%のUS$4,500.00を加えたUS$49,500.00が保険金額となります。
⑨CIPまたはCIF建てのインボイス金額を記入します。
契約金額がFCAやDDPなどの場合は、CIP/CIF建てに換算した場合の金額を記入します。
⑩申込日と申込者名を記入し、署名します。
輸出申告と輸出許可21通関業者による申告業務は、NACCS(ナックス)という、通信回線で接続された端末機システムで行われます。
この端末機の回線は税関とつながっています。
NACCSによって輸出申告が税関になされると、税関長は申告内容と、必要に応じて別途提出された添付書類(通関用インボイス、パッキングリスト、カタログ、許可証など)を審査します。
また、必要に応じて保税地域に置かれている輸出貨物の現物検査を行います。
そして問題がなければ出力情報により輸出許可(E/P:ExportPermit)を通知します。
なお、コンテナ詰めされた貨物は、コンテナに詰め込まれた状態のまま輸出申告を行うことができます。
コンテナ貨物が現物検査となった場合は、保税地域であるCY(コンテナヤード)の検査場にて行われ、輸出許可を受けると船積みとなります。
輸出とAEO22テロに対するセキュリティ強化の一環として、税関による輸出検査がより厳格化されました。
しかしすべての貨物の検査を厳しくすると、迅速に通関することが難しくなります。
そこで、安全な通関システムを確保すべくAEO制度が設けられました。
AEO制度は、業者の申請によりコンプライアンスの側面およびセキュリティ管理の側面から審査を行い、税関が承認や認定した業者については、「リスクの低い荷主」として検査率を低くし、さらに通関上のベネフィットを与え、そうでない者の検査を重点的に行うようにするための制度です。
AEO制度によって承認や認定された輸出者は「特定輸出者」、通関業者は「認定通関業者」、自ら輸出しないメーカーは「認定製造者」で、その貨物を輸出する業者は「特定製造貨物輸出者」となります。
輸出貨物は原則、申告後速やかに保税地域に搬入しなければなりませんが、これら認定された業者が輸出通関を行う場合は、貨物を保税地域に搬入せずに、輸出申告から輸出許可までを受けることができます。
コンテナ船への船積み①FCL貨物23コンテナ単位の貨物(FCL:FullContainerLoad)の場合、輸出者(またはその委託者)は商品をコンテナ詰め(バン詰め)し、コンテナに施封(シール)します。
バン詰め後、商品をどのように積み込んだかわかるようにコンテナ内積付表(CLP:ContainerLoadPlan)を作成します。
その後、コンテナは運送人に引き渡され、船会社指定のCY(コンテナヤード)に持ち込まれることになります。
輸出者からのS/Iの指示にしたがって海貨業者は船会社に、船積申込書であるドック・レシート(D/R:DockReceipt)を提出します。
D/Rは8枚程度の複写式書類で、船会社はこの書類をもとにB/Lを作成します。
海貨業者はD/RとCLP、そして輸出許可後、輸出許可証(E/P)もCYのオペレーターに提出します。
海貨業者がコンテナをCYに搬入し終えると、D/Rの控え(B/L交換用)が渡され、それを船会社に提出するとB/Lを受領することができます。
その後、CYに搬入されたコンテナは、積載船が到着したらガントリークレーンにより船積みされます。
コンテナ船への船積み②LCL貨物24コンテナ単位未満の小口貨物(LCL:LessthanContainerLoad)の場合、輸出者は商品を、LCL貨物輸送を専門とする業者の指定倉庫(CFS:コンテナ・フレート・ステーション)に搬入します。
様々な荷主からの小口貨物はCFSでまとめられ、LCL貨物輸送の業者によりコンテナ詰めされ、コンテナ単位の貨物となります。
輸出者からのS/Iの指示にしたがって海貨業者はLCL貨物輸送業者に、船積申込書であるドック・レシート(D/R)を提出します。
LCL貨物の業者はこの書類をもとにB/Lを作成します。
海貨業者はD/R、そして輸出許可後、輸出許可証(E/P)をCFSのオペレーターに提出します。
海貨業者が小口貨物をCFSに搬入し終えると、D/Rの控え(B/L交換用)が渡され、それをLCL貨物輸送業者に提出するとB/Lを受領することができます。
なお、CLPはCFSで作成されます。
CFSでコンテナにまとめられた小口貨物は、コンテナ貨物としてCYに搬入され、積載船が到着したらガントリークレーンにより船積みされます。
在来船への船積み25コンテナに入らない形状の貨物の場合は、在来船に船積みします。
大口貨物の場合は、荷主が本船の船側まで貨物を持ち込む自家積み(直積み)、小口貨物の場合は船会社が他の貨物とまとめて積む総積みとなります。
海貨業者はS/Iの指示にしたがって船積申込書となるS/A(ShippingApplication)を船会社に提出します。
S/Aは8枚程度の綴りになっていて、ここに船積指示書(S/O:ShippingOrder)やメイツレシート(M/R:Mate’sReceipt)が含まれています。
海貨業者はS/Aと引換えにS/Oを船会社から受領し、S/O、輸出許可書(E/P)とともに貨物を本船(総積みの場合は船会社倉庫)へ引き渡します。
船積みには検数人が立会い確認の上、検数人が一等航海士へS/OとM/Rを提出します。
一等航海士はM/Rにサインして検数人に書類を返却します。
検数人はM/RとE/Pを税関に呈示し船積みの確認を受け、書類を海貨業者に返却します。
海貨業者はM/Rと引換えにB/Lを受け取り、輸出者にB/LとE/Pを渡します。
以上が在来船への船積みの流れです。
貨物にキズがあった場合26本船に持ち込まれた貨物にキズなどの瑕疵があった場合、コンテナ船ではD/R(B/L交換用)、在来船ではM/Rにその旨が記されます。
これがリマーク(Remark)です。
リマーク付きのD/RやM/Rを船会社に持ち込むと、発行されるB/LはFoulB/L(故障付船荷証券)となります。
信用状取引の場合、リマークのない無故障船荷証券(CleanB/L)が条件となっているので、リマーク付きB/Lは銀行から買取拒否されます。
この場合、輸出者は船会社に「瑕疵の責任はすべて輸出者が負う」とする補償状(L/I:LetterofIndemnity)を差し入れ、リマークをB/L上から消してもらうことができます。
ただし、貨物自体はキズがある状態のままですので、後に輸入者とトラブルになる危険は大です。
なお、コンテナ貨物の場合、船会社はコンテナの中身を確認できないため、B/L上に”Shipper’sLoadandCount”,”SaidtoContain”(荷主が中身の状態や数量を確認した)という不知文言が記載されますが、この文言は信用状取引に影響を与えません。
船積通知をする27輸出者は船積みが完了次第すみやかに船積通知(S/A:ShippingAdvice)を輸入者に発信しなければなりません。
通知は通常、メールやFAXで行います。
船積通知には一般的に、貨物の明細、金額、船名、出港日を記載します。
必要に応じて、B/Lのコピー(航空貨物の場合はAWB)を、船積みの証明として輸入者へ送信します。
輸入者は船積通知により、貨物の受け入れ準備を整えます。
輸入者が保険を付保するFOBやFCA条件などの場合は、船積通知により、輸入者は事前に申し込んでおいた予定保険(船名など一部情報が未確定なまま保険を申込むこと)を確定保険に切り替える手続きを行うことになります。
ですので、スムーズな貿易取引を実現するために、輸出者は輸入者へ、すみやかに船積通知を行うことが大切です。
船荷証券(B/L)28船荷証券(B/L:BillofLading)の重要な性質として、(1)受取証、(2)引換証、(3)有価証券、(4)流通証券の4つが挙げられます。
(1)受取証:船会社が輸出地で貨物を受け取ったことを証明する書類。
(2)引換証:輸入港で貨物を船会社から受け取るための引換証となる。
(3)有価証券:小切手などと同様の有価証券で、貨物引渡し請求権が証券化されたもの。
(4)流通証券:裏書することによって貨物引渡し請求権が、B/Lを所持する者に移転する(流通する)。
つまり、B/Lは単なる書類ではなく、記載されている貨物と同等の金銭的価値を持つ重要な書類なのです。
では、コンテナ貨物の場合のB/Lを参考に、B/Lについて学んでいきましょう。
①B/L番号。
船会社が発行します。
②船会社名。
その下の文章は、RECEIVED…から始まっており、このB/Lが受取式船荷証券(ReceivedB/L)であることがわかります。
コンテナ貨物はCYで船会社に貨物を受け渡すので、受取式船荷証券が発行されます。
なお、貨物を本船船側まで運ぶ在来船貨物の場合は、文章がSHIPPED…から始まる船積式船荷証券(ShippedB/L)が発行されます。
③荷送人(Shipper)。
通常、輸出者(ここではグッドトレード社)のこと。
④荷受人(Consignee:コンサイニー)。
貨物引渡し請求権を持つ者。
信用状取引ではここに”TOORDER”と記載します。
これはB/Lに流通性を持たせるためで、Orderは指図人(B/Lの権利者であるShipperに指図された不特定の者)を指します。
これを指図式船荷証券(OrderB/L)といい、輸出者はB/Lの裏面に署名(裏書)をして他の船積書類とともに買取銀行に持ち込みます。
なお、荷受人欄に特定人名(輸入者など)を記載したB/Lは記名式船荷証券(StraightB/L)と呼ばれ、流通性がありません。
これは、信用状を用いない送金による取引などの場合に利用されます。
⑤貨物の到着案内先(NotifyParty)。
仕向港に貨物(本船)が到着する際、運送人(船会社または代理店)はここにArrivalNotice(着荷通知)を発信し、貨物の到着を知らせます。
⑥貨物の受取地(コンテナの場合はCY)、と船積港が明記されます。
⑦OceanVesselは本船名です。
V.はVoyageの略で、航海次数を示しています。
⑧陸揚港(仕向港)と貨物引渡し地(コンテナの場合はCY)が明記されます。
⑨貨物のコンテナ番号、シール番号、荷印が記載されます。
⑩コンテナ本数(LCL貨物の場合は貨物の個数)が明記されます。
1×20’GPは20フィートのドライコンテナ1本(GPはGeneralPurpose:汎用コンテナの意味)を示します。
一般的に多用されるドライコンテナ(DryContainer)はGPやDV(DryVanの略)と表記されることがあります。
また、ドライコンテナの天井部分がないタイプのコンテナをオープントップコンテナ(OT)、天井部分および側壁部分がないコンテナをフラットラックコンテナ(FR)といいます。
これらは高さや幅が、コンテナの規定寸法を超える貨物を輸送する場合に用いられます。
⑪商品名、梱包情報、その他リマークなどが記載されます。
SHIPPER’SLOAD&COUNTは荷送人がコンテナに積み込んで検数した、という意味の不知文言です。
FREIGHTPREPAIDは運賃前払いで、船積港で運賃が支払われたことを意味します。
CIPやCPTの場合はFREIGHTPREPAID、FOBやFCAの場合はFREIGHTCOLLECT(運賃着払い、運賃は陸揚港で支払われる)と表記されます。
⑫貨物の重量です。
NetWeight(N.W.)は梱包を除いた重量、GrossWeight(G.W.)は梱包込みの重量です。
⑬貨物の容積です。
CBMはCubicMeterの略で、立法メートル(㎥)のことです。
㎥はM3(エムスリー)とも表記されます。
⑭海上運賃その他諸チャージがここに明記されます。
FREIGHTASARRANGEDは「事前に取り決めた運賃」の意味です。
⑮B/L原本の発行部数が記されます。
ここでは原本3部となっています。
⑯船積日と署名欄です。
船積した日が確定するとここに日付が明記されます。
受取式船荷書証券はここに船積日が明記されることによって、船積式船荷証券となります。
ここでPart3の図『信用状の例』と、前述のB/Lの例の書類を照らし合わせてみましょう。
信用状を見ると、⑫の5にB/Lの条件が記されています。
この意味は、「Fullsetof(B/L全通、3部発行なら3通)clean(無故障の、リマークのない)OnBoardOceanBillsofLading(船積式船荷証券)madeouttotheorder(指図式の)andblankendorsed(白地裏書されている)」、となっており、このB/Lと合致しています。
航空運送状(AWB)29ここでは、利用航空運送事業者(混載業者)が発行するHAWB(HouseAirWaybill)を例に見ていきましょう。
①荷送人。
輸出者名および住所を記載します。
②荷受人。
通常は輸入者。
信用状取引の場合は信用状発行銀行となります。
③混載業者名。
④出発空港。
⑤到着空港。
⑥積載便名および出発日が記されます。
⑦貨物の到着案内先。
⑧梱包込みの実重量。
⑨運賃重量(チャージャブルウエイト)。
貨物の寸法の縦(㎝)×横(㎝)×高さ(㎝)の合計を6000(6,000=1kgとして換算します)で割り、実重量と比較して数字の大きい方を運賃重量とします。
⑩航空運賃の合計額が記されます。
通貨は発地国建てです。
⑪商品名や荷印などを記載します。
⑫航空運賃その他諸チャージが記されます。
インコタームズがC条件・D条件の場合はPrepaid(前払い)欄に、F条件の場合はCollect(着払い)欄に明記されます。
⑬混載業者の署名。
保険証券30保険証券(表面)の例を参考に、その内容を確認していきましょう。
①被保険者(Assured):保険を申込み、保険の支払いを受ける者。
CIP/CIF条件では輸出者が付保します。
②保険金額(AmountInsured):通常、CIP/CIF金額の110%が限度額となります。
③保険金の支払地。
信用状取引でCIP/CIFの場合、輸出者が付保しますが、ここでは輸入者が輸入地で保険金を請求できるように、輸入地を記入しています。
④保険条件。
ここでは新ICC(A)条件に、戦争およびストライキ特約を付保しています。
⑤船積港、本船名および出港日、仕向地が明記されます。
⑥商品の数量・明細が記されます。
⑦保険証券の発行部数です。
ここでは信用状の要求にしたがって2部発行しています。
代金の回収①L/Cの場合31商品の輸出手配を終えたら、輸出者は輸入者から商品代金を回収しなければなりません。
ここでは、信用状取引の場合の、代金回収方法について学びましょう。
輸出者は信用状に記載された条件通りの船積書類をすべて揃え終えたら、それら書類に加え、為替手形(BillofExchange)を作成し、買取銀行に持ち込みます。
為替手形は通常2枚1組の組手形です。
この為替手形に船積書類(=荷)が添えられたものを、荷為替手形といいます。
荷為替手形には、手形金額(原則、信用状に記載された金額)と、その金額の請求先(輸入者名)、信用状発行銀行名と信用状番号などを明記します。
このようにして、輸出者は荷為替手形と引換えに、買取銀行経由で代金を回収することができます。
信用状と荷為替手形を組み合わせることで、輸出者は前払いでも後払いでもなく、輸出手配の完了とほぼ同時に、出荷後速やかに代金を回収できるのです。
では、見本を参考に、荷為替手形作成のポイントを確認していきましょう。
①手形番号。
②手形金額。
③手形振出地および振出日。
④手形の支払い期日。
AtXXXXSightは、AtSight(一覧払手形)の意味。
期限付手形(ユーザンス手形)は、At30daysSight(一覧後30日払い)のように、支払期日を明記。
⑤手形の受取人。
買取銀行名を明記。
⑥手形金額を文字で表記します。
⑦手形金額の請求先として、信用状発行依頼者である輸入者名と住所を記載。
⑧信用状発行銀行名。
⑨信用状番号および発行日。
⑩手形の名宛人(支払人)名および住所。
信用状の要求に応じて明記し、Drawnonusと信用状にあれば、信用状発行銀行名を記載します。
DrawnonApplicantならば輸入者名を記載します。
⑪手形の振出人(輸出者)名と署名。
なお、手形を買い取ってもらうには、輸出者が提出した書類が信用状に記載されている条件と合致していなければなりません。
船積書類と信用状が要求する内容とが不一致であることを、ディスクレ(Discrepancy)といいます。
輸出者が呈示した書類にディスクレがあると、買取銀行は荷為替手形の買取りができません。
ディスクレが見つかった場合、原則として、信用状の条件通りに船積書類の修正を行います。
船積書類の修正ができない場合は、信用状条件の変更(アメンド:Amendment)を行います。
アメンドには、信用状発行銀行および輸入者の同意も必要となり時間がかかります。
もしくは、書類にディスクレがある状態のまま買い取ってもらうため、輸出者が銀行にL/G(LetterofGuarantee:保証状)を差し入れる方法もあります。
これは、もし信用状発行銀行が買取を拒絶した場合、輸出者は銀行に買い取ってもらった手形を異議なく買い戻すという念書のことをいいます。
なお、アメンドやL/Gの差し入れを行わない場合は、代金取立手形(D/P手形やD/A手形)として処理されることになります。
代金の回収②D/P、D/Aの場合32信用状なしの取引で、輸出者が手形買取りにより代金を回収する方法には、D/P(支払時書類渡し)手形、またはD/A(引受時書類渡し)手形による決済があります。
D/P手形はDocumentsagainstPayment(手形支払書類渡し)で、支払人(輸入者)が一覧払手形の支払いを行うと同時に船積書類を引き渡す条件の手形です。
D/A手形はDocumentsagainstAcceptance(手形引受書類渡し)で、支払人(輸入者)が期限付手形の引受けを行うと同時に船積書類を引き渡す条件の手形です。
いずれも代金回収が保証されないので、原則として代金は取立ての方法で行われます。
この方法で輸出者が代金を回収できるのは、輸入者(支払人)が輸入地の銀行に代金の支払を行い、輸入地の銀行が輸出地の銀行へ支払いを行ってからとなります。
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