PART4「よく通る声」トレーニング
よく通る声は、そうでない声に比べ、同じ内容のことを話しているのに、説得力が格段に違います。このPARTでは「いい声」の最重要要素とも言える「通る声」を、トレーニングで手に入れましょう。
声の悩みのダントツ1位受講生の方たちから声に関する悩みを聞き取りした結果によると、「ノドが痛くなる」「声が小さい」などをおさえて、ダントツの1位が「声がこもって通らない」というお悩みでした。声が通らないことで、・何度も聞き返される・「言った言わない」のトラブルになる・飲み会の席で隣の人に声が届かず、話すのが億劫になって参加しなくなった・面接や商談などの場で暗い印象を与えてしまうなどの残念な経験をされている方が実に多いのです。「通る声」を出すのは難しいと感じている人も多いのですが、ちょっとしたコツさえつかめば、誰でも簡単に出すことができます。このPART4では、「声が通らない」を改善するいくつかのポイントをお伝えしていきます。聞き返されることなく、一度で相手に声が届くと、とても気持ちがいいものです。その爽快感を、あなたも以下のトレーニングを通じて味わってください。
相手との距離をはかるトレーニング人は「声」を出すとき、無意識のうちに相手との距離をはかり、それによって大きさを調節しています。相手の顔に向かって、「声」を出す感じですね。その距離を、これまでの倍に延ばして、声を出すトレーニングです。たとえば、誰かに、あなたの前1メートルに立ってもらうか、あるいは椅子に座ってもらいます。その人に話をするとき、相手の背後にある壁とか、相手の後ろ2メートルくらいの位置に向かって、「声」を出すのです。それだけで、自然に声が出てくるようになってきます。
肋骨を上げ、首を引くトレーニング「通る声」を出すためには、PART2で述べたように、姿勢と首の角度がポイントになります。ここでは、肋骨を10センチ引き上げるイメージで、軽くアゴを引いて、しっかり口を開いて「声」を出すトレーニングをしてください。パソコン作業やスマホ操作で、前かがみにアゴを突き出して座っている時間が長くなると、それ以外のときでも、ついそういう姿勢をとりがちです。これでは、声の出ていく方向が斜め下になってしまい、相手に声が届きません。ノドが締まって、声がこもるからです。そうならないよう、意識して姿勢と首の角度を整えるのです。
声帯の筋トレ「ニャニャニャ発声法」動画あり音が鼻から抜けるように「声」を出すと、声が通ってきます。声がこもる人の多くは、鼻からの音の抜けが悪いのが特徴です。鼻からの音の抜けがよくなると、一瞬で通りのいい声に変わります。そこでおすすめしたいのが「ニャニャニャ発声法」です。ノドが簡単に開き、すぐに通る声を出せるようになるトレーニングです。可能な限り高い声で、少し裏声に近い声を出すのがポイントです。ここで再び、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』の冒頭の文章を使ってみます。まずは次のように、最初は一文字ごとに口を開いて「ニャニャニャ……」と読んでみます。それから、ふつうに元の文章を読む、という手順です。ニャニャニャニャニャニャニャ→ある日の事でニャニャニャニャニャ→ございますニャニャニャニャニャニャ→御釈迦様はニャニャニャニャニャ→極楽のニャニャニャニャニャニャニャニャ→蓮池のふちをニャニャニャニャニャニャニャニャ→独りでぶらぶらニャニャニャニャニャニャニャ→御歩きになってニャニャニャニャニャニャニャ→いらっしゃいました。
このトレーニングを続けていけば、しだいにノドが開いて、くもりのない通る声が出るようになります。鼻炎気味で鼻がつまりやすい方にも効果的です。口角を引き上げて行なうことも大切です。「動画SNSなどで自身のコンテンツを発信したいけれど、リハーサルで撮影した声がくぐもっているので何とかしたい」という悩みをお持ちの方が多いのですが、このトレーニングは、そんな悩みを解消するのにぴったりです。
「ソ」と「ラ」トレーニング大勢の聴衆を相手に行なう講演やプレゼン、多くの人が出席する会議、イベントなどの際に、とくに話し始めの声は、いつもより少し高めの声で話すようにしましょう。ドレミの音階で言えば、「ソ」「ラ」の音です。声の通りがよくなり、エネルギーも湧いてくるので、前向きで力強い印象を与えます。自分のキーでかまいません。男女に関係なく、大勢を相手にしゃべるときの第一声は、「ソ」「ラ」あたりの音階を意識してみましょう。相手に声が届かないからといって、大声を張り上げるのはNG。威圧的な声になり、ノドにも大きな負担をかけてしまいます。「ソの音がよくわからない」という人のために、簡単な見つけ方を次にあげてみましょう。
■ソの音の見つけ方(ラの音も同じ方法で見つけます)1.ドレミファソラシドと声を出し、ソの音で止める。2.ソの音にあたりをつけたら、「ソ」「ソ」「ソ」と繰り返し声に出す。3.「ソ」の音を意識しながら、「ソー」につづいて、次のような簡単な言葉を言ってみる。
「ソー」おはようございます。「ソー」ありがとうございます。「ソー」みなさん、こんにちは、□□(名前)です。4.「ソ」の音で、「おはようございます」「ありがとうございます」「みなさん、こんにちは、□□(名前)です」と声に出す。録音をしてみると、違いは明確です。
ハミング・レッスンよく「口の中でモゴモゴ言っているように聞こえる」「もっとはっきりと話して」と言われる人は、声が効率よく相手に届いていません。そういう人は、「顔の中央」から声を出すようにすると、「通る声」になります。声がこもりやすい人は、鼻からの音の抜けが悪いことにくわえて、口元から「声」がダダ漏れになっています。「声」の出し方としては、非常に効率が悪いのです。顔の中央から声を出すには、ハミング・レッスンが最適です。たとえば、ドラマ『北の国から』のさだまさしさんのテーマソングをハミングで歌ってみてください。ノドでうならず、鼻先に声が響く感覚で歌ってみます。その感覚を覚えたら、好きな文章を読んでみてください。鼻の中の共鳴が増え、響きのある「いい声」になります。お気に入りの楽曲の一番はハミングで、2番は実際に歌ってみるという練習法でもOK。お試しください。
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