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PART3滑舌トレーニング

PART3滑舌トレーニング

聞き取りにくい声で話すと、話が間違って伝わる恐れがあります。くわえて、自信なさげに見える。このPARTでは、滑舌をよくするトレーニングをやっていただきます。

滑舌をよくしたいなら早口言葉は不要前のPARTのトレーニングで、「いい声」を出すための姿勢や体のポジションが定まりました。このPARTからは、いい声に必須の滑舌のよさを身につけていただきます。滑舌がよく、聞き取りやすい声の人は、それだけで説得力があります。交渉ごとなどで優位に立ちやすいし、人がついていくだけの魅力もあるでしょう。逆に滑舌が悪くモゴモゴこもった声の人は、自信なさげな印象を与えがちで、大事なことを話しても、相手に伝わりません。伝わらないどころか、相手を不安な気持ちにさせてしまいます。また、聞き取りにくいので、相手に誤った情報を受け取られるなど、誤解を招くことにもつながります。それが元で大きな損失を被ったり、逆に相手に損害を与えることになっては大変です。その意味で、滑舌のよさはとても重要なのです。通常、滑舌をよくする訓練として、「外郎売り」や、次のような早口言葉を練習するアプローチが取られます。「生麦生米生卵」「坊主が屛風に上手に坊主の絵を描いた」「菊栗菊栗三菊栗合わせて菊栗六菊栗」「この竹垣に竹立てかけたのは竹立てかけたかったから竹立てかけた」こういった早口言葉を練習すると、いかにも滑舌がよくなりそうですが、ほんとうにそうでしょうか?アナウンサーや劇団の俳優などが練習する風景がよくテレビで紹介されたりするので、「滑舌のよさが求められる仕事の人は、やっぱり早口言葉の練習が必須なんだ」というふうに思われるのかもしれません。しかし、気をつけなければならないことがあります。早口言葉は、いわば「早口になるための練習をしている」みたいなもの。ただでさえ人前でしゃべるときは、どうしても早口になりがちです。緊張していれば、なおさらです。もともと滑舌の悪い人が早口になると、聞き取りにくいことこの上ないですね。またメンタル面においても、早口で話すと、自律神経のうちの交感神経が優位に働くので、緊張や不安を増大させることにもつながります。ビジネスの場で早口が求められる場面はほとんどありません。ときに早口で持論をまくし立てる人がいますが、相手の心には届きませんし、不快感すら与えかねません。また早口でペラペラしゃべる人は、話の内容も存在も軽々しく受け取られます。ビジネスの場で求められるのは「説得力」です。とりわけリーダーの言葉には、これが必要とされます。リーダーの話し方は、ゆっくり過ぎるくらいがちょうどいい。嚙んで含めるように話しかける感じです。「しゃべり方がゆっくりすぎて、何を言っているのかわからなかった」なんてことはまずありません。また、早口で話すより、ゆっくり話したほうが、言葉を嚙んだり、つっかえたりする確率が低くなります。早くしゃべろうとするから、嚙んでしまうのです。ですから、滑舌が悪いという人は、まずは「ゆっくりしゃべる」ことを心がけましょう。「2週間後に2500人の前で講演をすることになった」と言って、ある大企業の役員の方が私のレッスンに来られたことがあります。滑舌の悪さを気にして、早口言葉を毎日練習していましたが、一向に滑舌の悪さは改善されなかったそうです。そこで、このPARTでご紹介するトレーニングをやっていただいたところ、講演の本番で嚙むことなく落ち着いて話すことができたと言います。滑舌とは、文字通り「舌が滑らか」に動くこと。そこで、まずは舌を含めた口まわりのリラックストレーニングをやっていただきます。そして、相手が聞き取りやすいスピード、言い換えれば、自分の話が伝わりやすいスピードが身につくトレーニングへと移ります。

クチビル筋トレ滑舌が悪い人は、唇の筋力が弱い人とも言えます。唇を開けたり閉めたりする筋力が不足していると、きれいな発音をするのは不可能です。そういう人におすすめなのが、「クチビル筋トレ」です。1.空のペットボトル(500ミリリットル)の口をくわえる。2.唇に力を入れて、ペットボトルの口を強く締めつけながら息を吐く(5秒)。3.ペットボトルを口からはずし、「おはようございます」とか「ありがとうございました」といった簡単な言葉を言う。4.1~3を3回繰り返す。

舌リラックス体操動画あり舌が口の奥のほうで丸まっていると、ノドがふさがれ、「声」がこもりがちになります。舌がノドをふさがないよう、舌の動きを柔軟にしましょう。舌リラックス体操①1.顔を正面に向けて、ハンカチなどで舌の先をつまむ。2.痛くならない程度に、舌を真正面に引っ張って5秒静止。3.真ん中にある舌を右にずらして5秒静止。4.舌を真ん中に戻し、左にずらして5秒静止。5.舌を真ん中に戻し、上にずらして5秒静止。6.舌を真ん中に戻し、下にずらして5秒静止。

右の全5方向で、舌を引っ張る動作を行なってください。このとき、舌の動きに引っ張られて、顔の向きが動かないよう注意しましょう。滑舌がよくなるだけでなく、ノドのつまり感や、呼吸が浅くて心臓がドキドキしてしまうといった状態が解消し、声がラクに出せる感覚を得ることができます。

舌リラックス体操②「舌リラックス体操①」の応用編です。実際に「声」を出して練習しましょう。1.顔を正面に向けて、ハンカチで舌の先をつまむ。2.痛くならない程度に、舌を真正面に引っ張って「アァーーー」と5秒ほど声を出す。これを2回繰り返す。これだけで、かなり「声」が出やすくなると思います。このトレーニングの仕上げとして、舌を引っ張った状態で次の例文を読んでみてください。「できるか?」と尋ねられた時はいつでも、「できる」と答えなさい。それから急いでどうすればいいかを探しなさい。今いるところで、今持っているもので、あなたができることをやりなさい。セオドア・ルーズベルト3.最後に、舌から手をはなして、声に出して例文を読んでみましょう。滑舌よく、なめらかに舌が動き、楽に発声できることを実感できるでしょう。

口・頰まわりの筋肉をほぐすトレーニング次に紹介するトレーニングは、口や頰のまわりの筋肉をほぐすトレーニングです。このあたりの筋肉がこわばっていると、滑舌が悪くなります。「毎日声のメンテナンスをしておきたい」という方は、とくに朝出かける前に、このトレーニングをやっておくといいでしょう。朝はそのあたりの筋肉がこわばっていて、「声」が出にくい状態になっています。トレーニングによって、その日出す声に効果がすぐに現れるでしょう。時間に余裕のある人は、朝晩の2回やればなおけっこう。夜のレッスンで習得したことが、寝ている間に記憶に定着することが期待できます。さらに、朝起きてもう一度やると、復習効果でよりトレーニング効果が上がるはずです。割り箸頰リフトアップストレッチこれは、割り箸を上下の前歯4本ずつで軽くくわえるだけのトレーニングです。お湯を沸かしたり、朝ごはんの用意をしたり、身支度をしたり、あるいは新聞やテレビを見ながらなど、「したり」や「ながら」でかまわないので、ぜひ試してみてください。口やアゴは、いわば「声」を出す楽器のようなもの。そのメンテナンスをしてあげるイメージで、割り箸をくわえるといいでしょう。

割り箸をくわえると、自然と口角が上がり、頰も上がって、笑顔になります。気分が落ち込んでいたとしても、無理やりにでも笑顔をつくれば、脳はコロッとダマされて「何かいいことがあったんだな」と判断します。結果、やる気や喜びに関わるA10神経が活性化し、前向きな気持ちがつくり出されるようになるのです。気持ちと声は連動します。前向きな気持ちからは「いい声」が出ます。1日の始まりにいい声が出ると、その日1日気分よく過ごせるでしょう。割り箸くわえてトーキングまず、割り箸をくわえた状態で、10秒しゃべってみてください。次に、割り箸をはずして、同じことをしゃべってみましょう。すると、割り箸をくわえる前に比べ、「声」が非常に明るく通ったものになっていることに気づくはずです。しゃべる内容は何でもOK。「おはようございます。お元気ですか?今日はとてもいいお天気ですね」といった他愛のないことでもいいし、好きな言葉でもかまいません。あるいは新聞や雑誌、ネットの気になった記事や、掛け算の九九を読み上げてもいいでしょう。好きな歌を歌ってみるのもおすすめです。「いい声」を出すためのウォーミングアップにもなります。

1分間300文字トレーニング以下の文章を、ジャスト1分で読めるよう時間を計りながら読んでください。路行く人を押しのけ、跳ねとばし、メロスは黒い風のように走った。野原で酒宴の、その宴席のまっただ中を駈け抜け、酒宴の人たちを仰天させ、犬を蹴とばし、小川を飛び越え、少しずつ沈んでゆく太陽の、十倍も早く走った。一団の旅人と颯っとすれちがった瞬間、不吉な会話を小耳にはさんだ。「いまごろは、あの男も、磔にかかっているよ」ああ、その男、その男のために私は、いまこんなに走っているのだ。その男を死なせてはならない。急げ、メロス。おくれてはならぬ。愛と誠の力を、いまこそ知らせてやるがよい。風態なんかは、どうでもいい。メロスは、いまは、ほとんど全裸体であった。呼吸も出来ず、二度、三度、口から血が噴き出た。見える。はるか向うに小さく、シラクスの市の塔楼が見える。塔楼は、夕陽を受けてきらきら光っている。アナウンサーがニュース原稿を読むとき、1分間に約300文字の速度で読んでいるといわれています。これが聞き手にとって聞きやすいスピードです。そこで、その速度になるよう、右の文章を繰り返し読んでみてください。こうして、相手に伝わりやすい理想の速度の感覚を一度つかんでしまえば、落ち着いて話せている自分を自覚することができます。

母音トレ言葉が不明瞭な人は、母音が流れる。言い換えれば、母音が子音に吸収される特徴があります。そのせいで、一音一音がくっついているように聞こえてしまうのです。一音一音がはっきりと粒立つように聞こえるようにするには、子音を抜いて発声する練習が効果的です。母音トレーニング①たとえば「おはようございます」なら、口を大きく開けて、「おあおうおあいあう」と発音します。これを5回ほど繰り返してから、「おはようございます」と言ってみてください。これだけで、「声」がずいぶんはっきりと聞こえるようになります。母音トレーニング②もう少し複雑な文章で練習してみましょう。次の文章は、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』の冒頭の部分です。ある日の事でございます。御釈迦様は極楽の蓮池のふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。ここから子音を抜くと、次の文章になります。「あういおおおえおあいあう。おあああああおうあうおあういえおういお、いおいえうあうあおあういいあえいあいあいあいあ」これを読んだ後、元の正しい文章を読んでください。いかがでしょう。一音一音が明瞭になった気がしませんか?もし「全然変わらない」というのでしたら、早く読もうとしすぎているのかもしれません。ゆっくりでいいので、何度か繰り返してみてください。きっと滑舌がよくなったことを実感できるはずです。この「母音トレーニング」は、劇団四季の浅利慶太さんの著書に紹介されていて、母音をはっきり発音するうえで効果的なトレーニングです。自分の好きな文章など、色々な文章を使ってやってみるといいでしょう。

文節の頭にアクセントを置くトレーニング話したことをよく聞き返される人の特徴として、1音目の音が消える、もしくは、ぼやけて、曖昧な言い方になる傾向があります。聞き返されないようにするコツは、1音目の音をはっきりと息を使って話すことです。次の例文で、文節の頭にアクセントを置いて読む練習をしてみましょう。しつけの目的は、自分で自分を支配する人間をつくることであって、人に支配される人間をつくることではない。ハーバード・スペンサー教育の大きな目的は知識ではない。行動だ。ハーバード・スペンサー□のところで息を強めにしっかりと読むことを心がけます。それだけで、リズム感のある、聞きやすい「声」に変わります。スピーチをする際は、スピーチ原稿に右のように印をつけておくといいでしょう。

コラム棒読みトレーニング人前で自然体で話すには、本当の自分を引き出すための練習が必要です。私のレッスンでは、その方法として「棒読みトレーニング」をおすすめしています。「自然体で話す」というのは、自分の感情を自然に表しながら話すということです。それには、伝えたい内容を「棒読み」でしゃべってみるのが効果的です。そこに感情を込めてはダメ。あくまで抑揚をつけず、淡々と話すようにします。続けていくうちに、違和感が大きくなってくるはずです。「このセンテンスはもう少し抑揚をつけてみたい」「ここは大きな声で話したほうが伝わりやすい」「ここは間を空けたほうがいい」など、自然な感情表現が見つかってくるのです。つくられた感情表現よりも、自然な感情表現のほうが相手にも伝わりやすいはずです。「うまく話さなきゃ」「上手に伝えなきゃ」という気持ちを捨て、素直な気持ちで話していると、どんなふうに表現すれば相手に説得力をもって伝わるかが体と心でつかめるのです。

 

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