経営を手放すのではなく、大きな会社の子会社になって、そのまま経営を続けさせてもらうという選択肢もあります。「単体でひたすら頑張るのが事業や社員の将来にとって本当にいいのか、それともビジョン実現のためにどこかと一緒になったほうがいいのか……」。変数が多いだけに、社長にとっては非常に難しい意思決定と言えるでしょう(*)。 そうはいっても、意外なほどシンプルな理由で決断するケースもあります。 リアルな話をすると、それまで売却する意思がなかったのに、具体的な金額を提示されるやいなや、スタートアップの経営陣の目の色が変わるケースがあります。 つい先月まで「ビジョンの実現のために人生を賭けて頑張ります」と宣言していた経営陣が目を「 ¥マーク」にして、「もう一押しすれば、 1億円で売却できるよ!」などと興奮気味に話すのです。 もちろん、育ててきた企業を売却する権利は創業者(より正確には株主)にあるわけで、こうした言動を否定するつもりはありません。 また、会社を売却したい経営陣が、反対派の社長を追い出したというケースもありました。具体的なお金が見えると、びっくりするほど人の考え方は変わるものです。だからこそ日頃から、目線合わせは大切だと思います。*今後の日本では子会社化による事業承継がものすごく増えると見ています。日本企業の 99%以上は中小企業ですが、その会社を継ぎたい人は少数なので、どうしても統合される流れにならざるをえないでしょう。
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