DAY7美人は内面も美しい
60ときにはアホになって親しみやすい美人になるアナウンサーになるには、主に2通りの方法があります。ひとつは放送局の就職試験を受けてアナウンサーになる方法で、東京にあるキー局といわれる放送局や地方の放送局の試験を受けて就職する方法です。もうひとつはフリーランスのアナウンサーになる方法です。こちらは主にアナウンサー事務所に所属して、番組ごとにオーディションを受けながら仕事を得ていきます。仕事のやり方や得意分野にもよるので一概にどちらがよいとはいえませんが、アナウンサーという仕事に共通していえることは〝最終伝達者としての責任が重くのしかかる仕事〟だということです。女性アナウンサーは、普段はスタッフからも比較的丁寧に扱われたり大事にされたりすることが多いのも事実です。しかし、失敗すると視聴者からの苦情も殺到、自分のミスではなくても全責任を負い、画面で謝罪をしなければならず、華やかな反面、精神的につらい仕事でもあります。そんなときに最も頼りになるのは、やはり仲間の存在です。フリーアナウンサーでも局アナでも、同じ番組をつくる仲間であるという意識を持って仕事をするアナウンサーは、いざというときに周囲が手を差し伸べてくれます。失敗しそうになると周囲が助けてくれるので、ぎりぎりセーフ!評判を落とさずよい仕事を重ねられます。人気のあるアナウンサーの秘密はスタッフに愛されているかどうかではないかと感じています。ただ、アナウンサーはチヤホヤされることが多いのも本当の話。一歩間違えると「自分は特別な存在」と勘違いをしやすいのです。そうなると、スタッフからも見放され、仕事がこなくなってしまいます。そんなふうに勘違いをしないで息の長いアナウンサー生活を送る人の共通点は何だと思いますか?美人?頭がいい?コネがある?いいえ、すべて違います。愛されるアナウンサーの共通点は、「アホになれる人」です。特別な美人でもないのに息の長いアナウンサーの魅力とは、「親しみの持てる感じのよさ」でした。仕事を離れた忘年会や打ち上げなどの楽しい席では、気取らずに率先して場を盛り上げ「アホになる」ことができ、男性も女性も関係なく盛り上がって楽しめる女性だからみんなから愛されるのです。みんなに愛される女性は、仕事も宴会も、その瞬間を仲間と思いきり楽しめる力を持っているのです。
61「さっぱり、はっきり、きっぱり」が人気の秘密「女性アナウンサーは優しくて穏やかで品がある。お嫁さんにしたい!」なんて声をときどき耳にします。うれしい噂ですが、実態とはちょっと違うような気もします(笑)。番組づくりは、多くの人が集まって一つのものをつくり上げる作業で、毎日熱い議論を交わして、ああでもないこうでもないと話し合いを重ねながら行います。男性が多い職場なので仕事に熱くなるあまり大声でケンカになることもしばしば。そんな中で、しっかり自己主張しながら最終伝達者としてまとめていかなくてはいけない女性アナウンサーの仕事はかなりハード!体力勝負なのです。アナウンサーにかぎらず、過酷な仕事現場で乗り切っていくために、性格は〝さっぱり、はっきり、きっぱり〟としていないと務まりません。テレビ画面では優しく微笑む女神のような女性アナウンサーたちも、本性(?)は元気いっぱい!居酒屋も行きますし、ガード下の焼き鳥屋さんにも入ります。仕事中はプロとして務め、仕事のあとは気取ることなく仲間とわいわい飲むことができる気さくな性格。そんなギャップのある女性って素敵だと思いませんか?地方局のアナウンサーとして勤めた後、キー局の番組でリポーターを務めていた友人は、飲み会には欠かせないキャラクターの持ち主。番組ではしっかり自分の意見を述べますが、打ち上げでは新橋の居酒屋や焼き鳥屋さんをはしごしてスタッフとわいわい楽しめる人気者です。そんなONとOFFのギャップが皆に愛されている彼女は、プライベートでも人気者。素敵な男性と結婚して幸せな家庭を築いています。私は「飲みニケーション」賛成派です。せっかく知り合ったのですから、仕事以外の場面でもよい関係を築けたら、人の輪が広がって人生が楽しくなりますよね。人の輪が広がれば世界がより広く深くなります。人脈は何よりの財産です。
62美人こそ、くしゃくしゃの笑顔で心を伝える好感度がすべてを左右する女性アナウンサー。気をつけなければ、無言で立っているだけでも「生意気」「気取っている」と批判されやすい職業です。「彼女、調子に乗ってるね」なんて知らないところで噂がひとり歩きして、本人とはかけ離れた人物像が語られ、悲しい思いをすることもあります。女性アナウンサーが、人に与える印象に人一倍気を配るのは悲しい職業病なのかもしれません。だからこそ、表情や言葉で勘違いをされないように、喜怒哀楽を表現して感情を相手に伝えることがとても上手です。特に、うれしいときはうれしいことを言葉や表情で思いきり表現します。それも、ただの笑顔ではなく、顔をくしゃくしゃにした笑顔が得意。それはなぜでしょうか?気取った笑顔や美しさ重視のつくり笑顔では、本当の気持ちは伝わらないからです。心が伝わるくしゃくしゃの笑顔目をぱっちり開けて口元だけでつくる笑顔のほうが写真写りはいいでしょう。首をかしげておしとやかに笑うほうが女性らしい雰囲気を醸し出せるかもしれません。しかし、女性アナウンサーがこだわるのはあくまで「好感度」です。あらゆる年代の男女を問わず好かれるためには、美しく見せたいという願望にとらわれずに、ときには大きな口を開けて顔をくしゃくしゃにして喜びや楽しさを表現することが大事だと知っているのです。なぜなら、人は相手の自然な気取らない一面を見たとき、自分の心を開いてみようという気持ちになります。その一面を表す表情がくしゃくしゃの笑顔なのです。心を開ける相手を心地よいと感じるのは当然であり、心地よい相手に対して好感を持つのは自然の成り行きですよね。美しい女性であったり、仕事で完璧な人であったり、隙のない人であればあるほど、ときに顔をくしゃくしゃにして思いきり笑ってみてください。知らないうちに築いていた周囲との垣根が低くなり、人間関係がスムーズになりますよ。
63凛としたたたずまいと行動で「おひとりさま上手」華やかなイメージのあるアナウンサーの世界。確かに、パーティなど華やかな場所に行かせていただくこともあります。しかし、それはほんの一部にすぎません。この仕事はとても不規則なので、土日休みとはかぎらず、なかなか友人との時間が合わせられません。たとえばロケの担当だった場合、早朝からの仕事になることが多く、前の晩は打ち合わせや台本チェックで遊びには行けません。朝の生放送を担当している場合は2時、3時という真夜中に起きる生活になるので、夜遊びは無理。毎晩のニュース担当になると、平日は全く身動きがとれません。でも、孤独な職業も悪いことばかりではありません。ひとりでどこにでも行ける、何でもできるようになると、バラエティに富んだ出会いの輪が広がっていきます。友人を介して知り合う知人は、共通項が多く心地よい存在ですが、なぜか自分と同じようなタイプの人が集まっていませんか?ひとりで行きつけのカフェや趣味の教室を見つけると、そこで出会った店員さんやなじみのお客さんとの交流を楽しむこともできます。すると、今までの自分の交流の輪では想像もできなかったような素晴らしい輪が広がっていくこともあるのです。輪が広がるおひとりさまテクニックでも、「私ってひとりで寂しいの~話しかけて!!」とマイナスオーラたっぷりな状態のおひとりさまには誰も声をかけてはくれません。「輪」が広がるおひとりさまテクニックは、「ひとりのときこそ背筋をピンと伸ばしてエレガントなたたずまいを意識する」こと。「ひとりだし、誰も見てないしまぁいっか!」と、おなかの筋肉をゆるめて前かがみに背中を丸めて座る背中はとても寂しそうに見えます。ひとりでいるときこそ、見られていることを意識したたたずまいと行動を心がけると、今まで経験したことのない素敵な出会いにめぐり合えるでしょう。
64「うまくいかないとき」は、神様がくれたチャンス放送局に就職したアナウンサーはアナウンス部の所属になります。アナウンス部の部屋には個々のデスクやロッカーはありますが、アナウンサーがデスクにいることはほとんどありません。あくまで仕事場は現場であり、スタジオであり、常に「外」だからです。どのアナウンサーに仕事を振り分けるかは、制作サイドからのオファーによって決定します。そのため、ときにアナウンス室は〝置き部屋〟と称されることもあります。仕事のオファーについては完全な実力社会。先輩後輩は一切なく、残酷なほど人気のある人に仕事は集中します。仕事がない時期、忙しい同僚の活躍を見ながらデスクに座っている時間のつらさは経験した人にしかわからないかもしれません。かくいう私も経験者。デスクで待ちながら、ずっと仕事で出ずっぱりで空いている同期の席を見て、あふれる涙をこらえきれずお手洗いに駆け込んだこともありました。心ない人からは、「座ってるだけでお給料もらえるんだからいいよね」なんて陰口を叩かれることもあります。実際、仕事がない時期が長くなると、「仕事なんて面倒だ、座ってるだけで給料もらえるならそれでいいもん」と投げやりになってしまう人もいます。不運なときに、どれだけ自分を高められるか私も心が折れそうなときがありました。そんなときは大先輩の女性アナウンサーから言われた言葉を思い出すようにしてきました。「仕事がないときに、くさらずにどれだけ自分を高めるために努力できるか。その努力は必ず報われる」その先輩は40代前半の物腰の柔らかい女性で、ご自分の子育ての経験を生かして教育系の番組を担当したいという希望を持っていました。しかし長い期間レギュラー番組がなく、勤務時間中のほとんどを読書や発声練習に費やしていました。その日も1日仕事がなく、私の心は張り裂けそうになっていました。「周囲は私をどう思っているんだろう?仕事ないんだ、かわいそう~と思われている。もうここにいたくない」、そんな気持ちでいました。そんなときに、隣に座っていたその先輩から「仕事がないときをいかに有意義に過ごすかで、その後が決まる」ということを教わったのです。先輩はその後、親子向けの教育番組のスタートメンバーに抜擢されました。仕事がない時期に幼児教育について勉強していた知識が役に立ち、教育分野に欠かせない存在となっています。高くジャンプするためには深く深くかがまなければなりません。〝うまくいかないとき〟は自分を高めるために神様がくれたチャンスだと思いましょう。
65自分磨きの努力は人に見せない女性アナウンサーは、男性中心の放送業界の中で、芸能人と一般社会人の狭間の微妙なラインを生き抜かなくてはなりません。華やかだけれど、過酷で厳しい世界です。実力主義の競争社会の中で生き残るためには、さまざまな経験を積み個性を磨かなければなりません。仕事を取るためには手段を選ばない、計算高いしたたかな女性じゃないと生き残っていけないようですが、実際はガツガツ感が前面に出たタイプではなく自然体で明るくゆとりを持って生きているタイプの女性が、周囲に好かれるアナウンサーとして残っているように思います。しかし、好感度が高い女性アナウンサーのポイントは、〝のほほんと見えるのは表面だけ〟だということです。白鳥が優雅に泳ぎながらも水面下では必死に水をかいているように、見えないところで、実はみんなさまざまな自分磨きの努力を重ねています。例えば、MBAを取得するためにひそかに勉強している人、趣味で始めた料理教室で栄養学に興味を持ち野菜ソムリエを取得した人、発声練習とストレス解消を兼ねて歌を習い仕事に役立てた人など、忙しい中でも内面を磨いています。努力は人に見せないですが、女性アナウンサーの自分磨きの大きなポイントは、努力家であることや必死さをアピールしないことなのです。ゆったりと構えているように見えるのに、実は夜間に大学院に通っている、英語の勉強をしていて突然の外国からのお客さまに対応することができた、長年書道を習っておりメモに残した字がとても美しかった等々、謙虚に学ぶ姿勢が何かの拍子に垣間見えたとき、その意外性が大きな好感度につながるのです。また、没頭できる趣味や習い事を持っていることは、男性から見ても魅力的。休みの日は彼と会うことだけがすべての女性より、他の世界を持っている女性に男性は惹かれるようです。キラッと光る自分磨きを、〝こっそり〟始めてみませんか。
66大人の女性は自分で決めるあなたはレストランでメニューを決めるとき、自分で決められますか?それとも彼や友人におまかせしますか?また、2通りの選択肢から選択を迫られたとき、すぐに決断できますか?アナウンサーの友人たちとレストランに入ると、オーダーするメニューが驚くほどすぐに決まります。2択も3択も一瞬のひらめきに任せるので迷うことはありません。結果が悪くても「あ~残念」と笑っておしまい。なぜ決断が早いかというと、放送の最終伝達者であるアナウンサーは、緊急時には自分で最終判断を下さないといけません。1分1秒を争う仕事の中ではとっさの判断が求められることも多くあり、迷っている暇がないのです。選んで決めるクセをつけるまた、「自分で決める」ということは「自分の判断に責任を持つ」ということでもあります。、、、。いきなり大きな決断をするのは怖いものです。まずは、ケーキを選ぶとき一瞬で決める、メニューを5秒で決めてみる等、小さなことから始めてみてください。その積み重ねは、「自分の意思で決定を下した」という自信になり、その自信は姿勢や表情に表れ、必ずあなたを一層輝かせるパワーにつながっていきます。
おわりに私は現在、話し方講師として、就職活動中の学生さん、ステップアップを目指す社会人の女性、会社役員の方など、多くの方に好感度をアップさせるための話し方や立ち居振る舞いのレッスンをさせていただいています。そして、そのノウハウを文書化して多くの人にお伝えすることは、私の夢でした。そんな折、ある会合で、偶然本書の出版元であるディスカヴァー・トゥエンティワンの干場社長にお目にかかる機会があり、出版のチャンスをいただくことができました。しかし、実はこの日、私はこの会合に参加するかどうか、直前まで悩んでいました。その理由は、その日の服装が普段着だったからです。オフィシャルな会合だったので、こんな服装では会場で気おくれしてしまう。根が臆病な私は、自分に不安材料があるとすぐ自信をなくすタイプ。今日は参加するのをやめようかな……。そんな私を励ましてくれたのは、この言葉でした。「迷ったらGO!」とある尊敬する女性のアドバイスを思い出したのです。急いで洋服を買い、その場で着替えて会場に向かいました。不安材料である外見から整えることによって、自信を持とうと思ったのです。結果、緊張はしましたが、背筋を伸ばして堂々と振る舞うことができ、こうして本を書き、みなさんにお会いすることができました。夢を叶えることができたのです。私は本書の中で、内面だけでなく「外見の大切さ」や「自分の見せ方」についても多くのページを割いています。それは、「自分を変えたい」と願ったとき、内面だけでなく、外見を整え周囲から認められることが大きな自信になると思うからです。自分を変えることは、とても勇気がいります。この本を手にとってくださった方の中にも、変わりたいと願う気持ちと同じくらい強く、変化への不安を抱えている方もいらっしゃることと思います。しかし、変わりたいと願った時点で、あなたは既に一歩前進しています。その気持ちを、具体的に表現するために、最初は1日1項目、生活の中に取り入れてみてください。外見の項目からでも、内面の項目からでも、好きな項目からで構いません。具体的な行動に移すことで、確実に「心」の在り方が変わります。今日から、一歩ずつゆっくり着実に、あなただけの美しい花を思い切り咲かせてみてください。私もまだまだ修行中の身です。みなさんと共にこれからも好感度をアップさせる方法を勉強していきたいと思っています!最後に、ディスカヴァー・トゥエンティワンのみなさま、編集部の石橋和佳さま、大竹朝子さま、素敵なイラストを描いてくださった石坂しづかさま、本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。二〇一三年秋田中未花
本書は2009年に小社が発行した『女性アナウンサーが教える好感度アップの66の法則』に最新データへの更新ほか修正を加えた改訂版です。
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