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CHAPTER11最優先の仕事をファースト・タスクにする

さて、ここまででメール、電話、書類、タスク、デイリー・タスクの対処法がわかりました。「これで仕事は全部カバーできた!」と言いたいところですが、まだ不十分です。

実は、これらはすべて〝受け身の仕事〟です。あなた自身の成長のためにも〝自主的に取り組む仕事〟に時間を割く必要があります。

そのために、この章では「ファースト・タスク」という考え方を紹介しましょう。

目次

ファースト・タスク─「最も進めたい仕事」に最初に取り組む

ファースト・タスクは、あなたが「今、最も進めたい仕事」です。メール、留守番電話、書類、タスク、デイリー・タスク……これらすべてを差し置いて、毎日の最初に行い、そこから1日をスタートさせるのが望ましい仕事です。

具体的に、このファースト・タスクはどう進めればよいのでしょうか。以下の順番で詳しくお話ししましょう。

原則1とにかく、する(Do)

原則2一番初めに、する(First)

原則3毎日、する(Everyday)

■原則1とにかく、する(Do)

仕事を終わらせるには、仕事を「する」しかありません。多くのドクターの卵が「論文が書けない」と私のところにコーチングを受けにくるのですが、「どのくらい前から書いていないのか?」と質問すると「何週間、何ヶ月も前からだ」と答えます。

そこで私は「簡単なことでいいから、毎日、論文を仕上げるために何かしてみては?」とアドバイスすると、それで問題はだいたい解決してしまいます。

つまり、毎日、ほんの少しでもファースト・タスクを手がければよいのです。量は問題ではありません。何もしなければ仕事は進まないままなのです。一気に進む日もあれば、ほとんど進まない日もあるでしょう。

しかしファースト・タスクにしておけば、日々、少しずつでも必ず先に進みます。気分が乗らない時でも、取りかかりさえすれば、実際には思った以上に仕事に取り組めるもの。もちろん、5分でやめても問題ありません。成功への一歩を進んだことに違いはないのですから。これがファースト・タスクの第1の原則「とにかく、する」ということです。

■原則2一番初めに、する(First)

ファースト・タスクになるくらいですから、あなたにとって大切な仕事であることはもちろんですが、「つらいから手をつけたくない」と放っておきたくなるような恐怖感のある仕事でもある可能性があります。

例えば今、あなたがレポートの作成をためらっているとします。「明日こそ3時間は書こう」と心に決めて、翌朝、やる気満々でオフィスに行きます。ところが、席に着くと、まずはコーヒーを片手にパソコンでメールをチェック。

それから、上司にご機嫌をうかがうついでに仕事の報告、それが終わったら、同僚に「誕生日おめでとう」と挨拶します。そうこうしているうちに気がつけば時刻は午後4時。

レポートを書き始めるには遅すぎるので「明日こそ必ず3時間」と決意はするものの、昨日も同じパターンだったことを思い出し、思わずため息が……。

こうした事態を防ぐためにも、朝、何よりも先に、たった5分間でもよいので、とにかくレポートを書くことです。

オフィスに出社→パソコンをONにする→レポートを書き始める。それだけです。ファースト・タスクは、朝一番を逃すと、まずその日のうちにはできないと思ってください。これがファースト・タスクの第2の原則「一番初めに、する」ということです。

■原則3毎日、する(Everyday)

「少しずつ頻繁に」の効用は、本書で何回か触れてきました。ファースト・タスクこそがまさに「少しずつ頻繁に」やるべき仕事です。とにかく「毎日」やることが大切、「毎日」の定義はあなた次第です。

1週間に7日という場合もあれば、週末を除いた週5日の場合もあるでしょう。大切なのは、あなたが決めたとおりに〝毎日、欠かさず〟やることです。ただし、毎日の目標が大きくなってしまわないように気をつけましょう。

例えば「毎日レポートを3時間書く」といった目標では、そもそも無理があります。3時間と考えるだけで、その目標の重みに意気消沈しませんか?「5分間だけでもいい」と思うから、毎日朝一番に取り組めるのです。

5分間なら、できないことの言い訳は作れません。旅行や出張中に取り組むのが難しいなら、はじめから「オフィスで仕事をする日、毎日」と決めておけば問題ありません。

できない日は前もって決めておくこと。その日になって「できない」というのは認められません。いくら言い訳をしても、あなた自身が「失敗した」と認識することになるからです。失敗は失敗を生み、成功は成功をさらに拡大します。

ファースト・タスクの達成には、成功体験の積み重ねが大切なのです。気分が乗る日はやれるだけ、調子の出ない日は5分間でかまいません。「毎日」する効果は、あなたの期待をはるかに超えるものです。これが、ファースト・タスクの第3の原則、「毎日、する」ということです。

EXERCISEファースト・タスクで目標を実現する

次のそれぞれのケースはファースト・タスクの目標設定として適切でしょうか?<Q1>仕事の前に毎日5キロ走る。

<A1>不適切です。目標が大きすぎるのは致命的な問題。いつかは必ず重荷になります。5キロを3キロにしても継続は困難でしょう。目標は「ジョギングができる服装で毎朝外に出る」で充分です。外に出れば走りたくなるもの。仮に外に出たけれど嫌になって部屋に戻っても、成功への第一歩です。

<Q2>毎日、最低1時間はフランス語の勉強をする。

<A2>不適切です。「毎日、最低1時間」ではいつかは挫折するおそれがあります。目標は「フランス語にかかわることを、夜、決まった時間にやる」というぐらいで充分です。小さい目標でも、できればうれしくなって、続けたくなるからです。

<Q3>毎日、新しいクライアント5人に電話をする。

<A3>不適切です。誰でも「毎日、初めての相手5人に電話をする」のは、気が重いでしょう。この場合の目標は「毎日、5人の電話番号リストを作る」くらいで充分です。リストができれば「電話をかけよう」という気持ちが高まる可能性もあります。

ファースト・タスクは1つだけ

ファースト・タスクはいくつ選べばよいのでしょうか?答えは1つです。毎朝最初にできる仕事は1つしかありません。ファースト・タスクは常に1つ。これが成功への道です。

では、ファースト・タスクはいつまで続けるべきか?答えは「終わるまで」です。「終わり」の定義を明確にしてから取り組んでください。

最後にファースト・タスクがどんな仕事に向いているかを説明します。ファースト・タスクにする仕事に決まりはありませんが、私の経験から言うと、次の3つが最もふさわしいと思います。

例1仕事の「やり残し」を片づける例2仕事のシステムを修正する例3プロジェクトを進めるそれぞれを詳しく見ていきましょう。

■1仕事の「やり残し」を片づける

「やり残し」の仕事がたまってしまったら、ファースト・タスクにして処理することをおすすめします。仕事の「やり残し」は気持ちを滅入らせ、他の仕事にも悪影響を与えます。ファースト・タスクで処理して、気分を一新しましょう。

まず、「やり残し」の仕事をクローズ・リストにします。そして毎朝一番に「やり残し」の山を切り崩して、リストを短くしましょう。これで、新しい仕事にも新鮮な気持ちで取り組めるようになります。「やり残し」の処理が進めば進むほど、エネルギーが湧いてくるでしょう。ただし、「やり残し」の仕事が積み上がった原因は、必ずつきとめてください。

■2仕事のシステムを改善する

本来、仕事のシステムとは仕事をスムーズに進めるためのものです。ですから、システム自体がブレーキになっていたら問題です。

例えば、事業を立ち上げる場合を考えてみましょう。新規事業では、どのくらい顧客を集められるかが重要です。事業が軌道に乗ったら、最大どのくらいの顧客に対応できるかはあらかじめ考えておく必要があります。

「どのくらいまで対応できるか」はシステムの良し悪しにかかっており、この時点でシステムが適正でないと、売り上げは伸びません。

問題が発生する以前にシステムが改良されている状態こそが理想ですが、実際のところ将来を予想することは難しく、問題がないか気を配るくらいがせいぜいです。

ですから、システムの欠陥を見つけたら「システムを直す」ことをファースト・タスクにしてください。システムの改善は見返りが大きいものです。

■3プロジェクトを進める

プロジェクトなら必ずファースト・タスクになるわけではありません。ファースト・タスクにしなくても進められるプロジェクトはたくさんあります。

さらに、プロジェクトには特に重要な時期が必ずあります。プロジェクトのスタート時期がまさにその典型でしょう。

私の場合、ホームページの立ち上げ、セミナーの企画、確定申告などのプロジェクトを、特定の期間を決めてファースト・タスクとして処理します。

逆に、外国語の習得、執筆、ダイエット、楽器の練習など、同じことをくり返すプロジェクトはファースト・タスクには向いていません。このことについては16章でお話ししましょう。

EXERCISE適切な仕事をファースト・タスクに選ぶ

次のうちファースト・タスクにふさわしいものはどれでしょうか?

<Q1>1月のある日、上司から「夏のパーティー」の開催責任者を務めるように指示された。地元の名士まで集める大きなパーティーだ。

<A1>当面はファースト・タスクにするべきです。プロジェクトは立ち上げが一番大変。実施計画の作成、委員会の設置、予算の確保、招待者リストの作成、会場の選定あたりまではファースト・タスクとして進めた方がよいでしょう。

無事にプロジェクトが立ち上がれば、多少仕事量が増えても、通常のタスクとして処理できるようになります。パーティー当日が近づいたら、このプロジェクトをファースト・タスクに復活させ、準備に拍車をかけるようにしましょう。

<Q2>あなたは会社の経営者です。顧客を増やさなければならないが、時間がまったくないのが問題だと悩んでいます。

<A2>マーケティングやセールスプランの立案が必要です。これはまさにファースト・タスクに適したプロジェクトです。

<Q3>新製品を発売したら、早速、新規の顧客から大口の注文が入った。

<A3>こうした状況への対応は、発売前に整備されているはずです。システムに欠陥がない限り、これをファースト・タスクにする必要はありません。

<Q4>新しいカタログのデザイン作業が遅れている。

<A4>これこそファースト・タスクにするべきです。

<Q5>2ヶ月前に書いたメモを探すのに半日かかった。

<A5>仕事のシステムに問題があります。ファースト・タスクでファイリングのシステムを改善しましょう。

CHAPTER11まとめ

●ファースト・タスクは毎日、朝一番に取り組むのが望ましい仕事。5分間でもいいので毎日やる。

●ファースト・タスクは「とにかく、する」「一番初めに、する」「毎日、する」が原則。

●ファースト・タスクには、次の3つの仕事が最もふさわしい。

1仕事の「やり残し」を片づける

2仕事のシステムを改善する

3プロジェクトを進める

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