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CHAPTER03機能するシステム・7つの原則

原則1「明確なビジョン」が存在するEXERCISE「しないことリスト」を作る原則2「一事に集中」するEXERCISE1つのことに完全に集中する原則3「少しずつ頻繁に」行う原則4「リミット」を設ける原則5「クローズ・リスト」を使う原則6突発の仕事を減らすEXERCISE「突発の仕事」を見極める原則7コミットメントと興味を区別するEXERCISE興味のあることからコミットするものを選ぶCHAPTER03まとめ

2章では、システムに必要な条件について、集中力と抵抗感という観点からお話ししました。

この章では、さらに具体的にシステムを作るに当たっての原則について述べていきたいと思います。

結論からお伝えすると、仕事のシステムとは次の「7つの原則」を備えていなければなりません。

  • 原則1「明確なビジョン」が存在する
  • 原則2「一事に集中」する
  • 原則3「少しずつ頻繁に」行う
  • 原則4「リミット」を設ける
  • 原則5「クローズ・リスト」を使う
  • 原則6突発の仕事を減らす
  • 原則7コミットメントと興味を区別する

この原則で、仕事に対する充実度と成果、満足感は劇的に変わります。どんな原則か、順にご説明していきましょう。

目次

原則1「明確なビジョン」が存在する

ビジョンの大切さについては、今さら言うまでもありません。個人でも、企業でも、ビジョンを持つことの大切さは語り尽くされています。

あなたも「ビジョンなら持っている」「ビジョン作りなら得意だ」とお思いかもしれません。

しかし、「ビジョンがある」と言っても、明確なものではなく、ビジョンが機能していないケースがあるので要注意です。

ビジョンが機能している状態とは、

①「ありたい姿が明確」かつ②「ありたい姿の実現に向けて力を集中できている」という状態です。

例えば、「専門分野で市場のリーダーになる」というビジョンは明確だと思いますか?市場の独占が本音なら、明確に「市場を支配する」をビジョンとすべきでしょう。

このように、対象を明確にするどころか、逆に煙にまいてしまうようなビジョンが世の中に氾濫しています。

達成したい目標を明確にしたくないのなら、目標など持たない方がましというものです。ビジョンを明確にするための鍵は「何をしないか?」にかかっていると言っても過言ではありません。

ビジョンとは「何をするか」を規定するものですが、同時にそれは「何をしないか」を規定します。

レストランでオーダーする時に、注文を決めることで「食べないもの」が決まってしまうように、1つの行動を選択すれば、選ばれなかったものを拒否することになります。

EXERCISE「」

ここでは「何をしないか?」をはっきりさせてみます。

次の例を参考にして(「TODOリスト」ではなく)「NOTTODOリスト」を作ってみてください。

《NOTTODOの例》

●午後11時から午前11時までは電話に出ない

●ランチタイムには仕事をしない

●午後6時以降は仕事をしない

●進行中のプロジェクト以外の仕事には手を出さない

●メールの処理に30分以上かけない

●計画した仕事が完了するまで他のことをしない

原則2「一事に集中」する

2つ目の原則は、原則1から導き出されるものです。手がける仕事の数にリミットを設けることで、力の分散を避けることができます。これは当たり前のことです。

例えば、レストランで「これを食べる」と決めたら、それ以外の料理を食べることはできません。ところが、レストランでは1つのメニューに決められるのに、「人生のメニュー」となると1つに絞るのが難しくなるのはよくあることです。

成功への王道は「一事に集中し、できたら次に進む」という方法です。

仕事の成果を出すために「もっとやるべきことをやらなくては」と考えてはいませんか?多くの場合、あなたがしなければいけないのはその反対です。

つまり、成果が出ない原因は「仕事を抱えすぎる」ことにあるのです。もちろん「一事に集中しろ」と言われても、現実はそう簡単にはいきません。まずはここで「一事に集中する」ことの効用を実際に経験してみてください。

EXERCISE

1つのことに完全に集中するあなたが「いつかやろう」と思っている事柄をリストアップしてください。仕事でもプライベートなことでもかまいません。

「いつまでに」という期日のあるものは避けてください。「意識してやろうと思わないと、いつまでもそのままになっている」という事柄を探してみましょう。

リストができたら、そこから「今からやってみよう」と思うものを1つ選んでください。最初ですから、できるだけ簡単なものを選ぶのがよいでしょう。決まったら、次の2つの決断をしてください。

  1. 1完了するまで、その課題に集中する
  2. 2完了するまで、他のことには手を出さない

これで、少なくとも1つ「いつかやろう」と思っていたことが完了します。これをくり返せば「いつかやろう」と先延ばしにしていたことが、どんどん実現するはずです。

原則3「少しずつ頻繁に」行う

これも必ずよい結果を生む原則です。「毎日、コツコツと」と言い換えてもよいでしょう。学校やスポーツの世界でよく言われる原則ですが、それは、ここには2つのメリットがあるからです。

メリット1

やってみれば、その経験を通して、学んだことを消化できる

メリット2

新たな学びから、新しいアイデアが生まれるこの原則は、もちろん仕事にも通じます。

「レポートを書く」とか「業務プロジェクト」といった〝完成させること〟が目的の仕事は、一度にまとめてやるより〝少しずつ頻繁に〟進める方が明らかに有利です。

原則4「リミット」を設ける

創造力の発揮には〝制限すること〟が有効です。何かを創造しようと思ったら「何でもあり」ではなく、制約を設けることで、焦点を明確にする方が有利なのです。

シェイクスピアや芭蕉の傑作が、詩や俳句という言葉を制限する形式のもとに生まれていることを考えてみてください。

創造力を引き出そうとして「型にはめずに考えろ」と言う人は多いのですが、「何でもあり、制限なし」という環境で創造力を発揮するのはまずムリです。

「仕事に集中できない」と悩んでいる人は、自分ができる以上の仕事を引き受けていたりするもの。「進路が決まらない」と悩んでいる人も、制限について考えてみるとよいでしょう。

制限することで、未来の選択肢は減りますが、その方が、目標の曖昧な人生を送るよりも、はるかに豊かな暮らしができるはずです。

原則5「クローズ・リスト」を使う

「クローズ・リスト」とは、聞いたことのない言葉かもしれません。簡単に言うと「ここまで!」というラインが引かれた仕事のリストです。ラインの下には何も追加できません。反対は「オープン・リスト」です。

この典型的な例が「TODOリスト」。やるべきことが増えれば、次々に仕事は追加されます。ここで注目していただきたいのはオープン・リストよりクローズ・リストの方が仕事がしやすいということです。

その理由は3つあります。

理由1クローズ・リストの仕事は、追加される仕事によって妨げられない理由2クローズ・リストは大きくならない。

仕事を続ければ、必ず小さくなる理由3「必要な仕事はすべてやる」という前提なら、優先順位は不要クローズ・リストの典型は「チェック・リスト」です。

1つの仕事を分解して進めるのがチェック・リスト方式です。クルマの点検時に整備士が使う点検項目表がそのよい例です。チェック・リストは、どれだけ細かいリストにしたとしても、結局は仕事が早く片づきます。

原則6突発の仕事を減らす

「今日やろう」と決めた仕事がその日に終わらないのはなぜでしょうか?一番の原因は「邪魔が入ること」つまり、突発の仕事が予定に入り込むからです。

突発の仕事をゼロにすることはできませんが、その影響を最小限に抑えることは可能です。突発の仕事の発生源は、クライアント、上司、部下、同僚(そして、あなた自身)と無限にあります。

そして、突発事象には、誰もが当たり前のように即座に対応します。これは〝衝動の脳〟が突発事象に反応するようになっているからです。

〝理性の脳〟を上手に使って、〝衝動の脳〟が突発の仕事に反応するのをコントロールし、計画への干渉を抑えることが、この原則を守る鍵になります。

EXERCISE

「」次のうち、突発の仕事はどれでしょうか?(理解度を試す意味で、先ほどと同じ問題が入っています)

<Q1>あなたは消防士。火災発生の連絡が入れば、いつでもすぐ出動する。

<A1>突発の仕事ではありません。

火災はいつ起こるかわからないものですが、その非常事態に対応するのが消防署員の仕事です。これを突発の仕事と思うようなら、あなたは消防士とは言えません。

<Q2>上司があなたを呼び、新しいプロジェクトに取りかかるよう指示をした。これから数週間、とても忙しくなりそうだ。

<A2>上司に呼ばれたのは突発事象です。しかし、与えられた仕事にどう対応するかは別の問題です。突発事象に反射的に反応しなければよいのです。

プロジェクトは数週間から数ヶ月かかるのが普通ですから、やみくもにとっつきやすい仕事から取り組むのではなく、まずは実行計画を作りましょう。

<Q3>友達からメールが届いた。面白いサイトを見つけたとのこと。早速、リンクをクリックし、そのサイトをチェックした。

<A3>これが典型的な突発の仕事です。すぐに対応する必要はありません。

<Q4>クライアントから電話があった。緊急の依頼なので、すぐに対応しなければならない。

<A4>なぜ、どのように緊急なのかを明らかにしてください。

クライアントの要望を無条件で100%受け入れることが、よい仕事であるとは限りません。クライアントへのすばやい対応が本当に必要なら、そのたびに対応するのではなく、適切なシステムを作ることです。

<Q5>上司から突然、仕事を依頼された。今日中に終わらせなければならない。

<A5>典型的な突発の仕事です。あなたの予定は完全に狂ってしまいます。もしも、こんなことが頻繁に起こるようなら、上司に抗議する必要があるでしょう。

<Q6>ここ数日、ある仕事にかかりきりだ。終わりが見えないので、その仕事は今日からアシスタントに任せることにした。

<A6>突発的な仕事です。計画を立てずに仕事を進め、さらに、今になって部下に押しつけるという罪を重ねています。これこそが上司が犯す仕事上の〝犯罪行為〟です。

<Q7>オフィスのコーヒーが切れてしまった。来客があるので、急いで買いに行かなければならない。気が利かない社員ばかりだ。

<A7>突発の仕事です。同情しますが社員個々人の気配りの問題ではありません。システムができていないことが、突発の仕事に翻弄される結果を生んでいるのです。

原則7コミットメントと興味を区別する

次の2つの文章を比較してください。

違いは何でしょうか?

A私は文章を書くのが好きだ

B私は地方紙にコラムを書くのを職業にしている

Aは「興味の範囲」のことです。それで生計を立てているわけではありません。

Bは、「コミットメント(「引き受ける」という宣言)」です。

つまり、それに人生をつぎ込んでいるのです。コミットしている(引き受けると宣言している)なら、Aのような表現は不自然です。

次のような言い方には違和感があることからもそれがわかるでしょう。

「ベートーベンは音楽が好きだった」「芭蕉は俳句に興味を持っていた」「デビッド・ベッカムはサッカーマニアだ」私のコーチングを受けにくる人の中には、自分は好奇心が旺盛で、好きなことがたくさんあるのだと言って、話ばかりしている人がいます。

興味の対象が広いこと自体には問題はありません。

しかし、その好きなことに何らかの共通性がない場合、本人はあちらこちらを飛び回って、どれも中途半端な状態になっているものです。

好きなことが趣味にとどまるなら、数が多くてもかまいませんが、仕事なら話は別です。

好きなことはたくさんあるけれど、何ひとつ本気で取り組む対象がないようなケースでは、コーチングの最初のステップは、クライアントが「これをやる」と周囲に宣言するもの、つまり「コミットする対象を見つけること」になります。

当然、コミットできる対象は数が限られます。つまり、ここでも制限が重要なのです。何かにコミットするならば、それ以外の対象はコミットしないものとして、排除しなければなりません。

いろいろなことに興味を持つことが悪いと言っているのではありません。むしろ私は、興味の対象が狭い人とはあまり友達になりたくありません。

しかし、「興味」と「コミットメント」は区別しなければならないのです。「これならコミットできる」と言えるかどうかは、大切な判断基準です。

日常で意思決定を迫られることはたくさんありますが、コミットメントを基準に判断をすれば、場当たり的な決断はずいぶん減るはずです。

EXERCISE

興味のあることからコミットするものを選ぶまず、あなたが興味を持っていることをリストアップしてください。

「やってみようかな」と思っていても、実際にはまだ手がけていないことを思いつく限り並べてみるとよいでしょう。

例を挙げておきましょう。

  • ●体重を減らす
  • ●ヨガをする
  • ●起業する
  • ●ボランティア活動をする
  • ●外国語を学ぶ
  • ●学位や資格を取得する
  • ●転職する

頭に浮かんだことはすべて書いてください。リストアップする段階では、コミットメントを気にする必要はありません。リストができたら「コミットするのは無理だ」と思われるものを1つずつ消してください。

最後に1つ残るまで、消していきます。最後の1つが決まったら、その項目に関し、次の質問をしてください。

  • ●これにコミットするには、何を始めるべきだろうか?
  • ●これにコミットするには、何をやめるべきだろうか?
  • ●これにコミットするために、私はどれだけの犠牲を払う覚悟があるだろうか?

答えを出してから、次の章に進みましょう。

CHAPTER03まとめ

●〝衝動の脳〟をコントロールできるシステムの原則は、次の7つ。

  1. 原則1「明確なビジョン」が存在する
  2. 原則2「一事に集中」する
  3. 原則3「少しずつ頻繁に」行う
  4. 原則4「リミット」を設ける
  5. 原則5「クローズ・リスト」を使う
  6. 原則6突発の仕事を減らす
  7. 原則7コミットメントと興味を区別する

●「1つのことに集中し、それが完了してから次に進む」これが成功の王道。

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