Chapter5アルバイトだけでもまわるマネジメント
アルバイト・マネジメントとは
基本的に仕事はすべてアルバイトスタッフに任せてしまおうというのが本書のテーマです。しかし、これは放任するということとは異なります。
アルバイトスタッフに責任を与えますが、それは責任を預けることであり、あくまでも責任の所在は社員のみなさんにあります。アルバイトスタッフに責任をもって仕事をしてもらうには、しっかりとした管理(マネジメント)が必要になります。
では、そもそも「管理」とは何でしょうか?辞書には、ある規準などから外れないよう、全体を統制することと書かれています。「ある規準」とは、会社のルールや理念、行動指針になると思います。
しかし、もう1つ意味があることを教えてくれた方がいます。「管理」を漢字の意味から考えてみましょう。「管」+「理」に分解して、読み方を変えます。「くだ」+「ことわり」となります。
「ことわり」には、たくさんの意味がありますが、ここでは「もっともであるさま」という意味で考えると、管理とは「もっともであるさま」に「くだ」を通すことになります。
ここでの「もっともであるさま」とは、会社のルールや理念とも考えられますが、私は違う意味でとらえています。接する相手にとって「もっともであるさま」、言い換えると「相手のなりたい姿」だということです。
もっと簡潔に言うと、相手のなりたい姿である「目標」に到達するためのサポートが、管理のもう1つの意味なのです。管理という言葉は、少し窮屈でネガティブな意味でとらえられてしまうことがあります。
しかし、相手のなりたい姿や目標に近づくようにお手伝いすることだと考えると、相手も自分も大きく印象が違い、ポジティブなイメージに変わります。
管理とは、相手をサポートすることなのです。
まず、みなさんが直接アルバイトスタッフを管理するのか、それともアルバイトスタッフを管理する社員を管理するのかを考えます。これは組織の大きさに左右されると思いますが、管理のポイントは変わりません。
「アルバイトだけでまわるチーム」をつくるためには、アルバイトスタッフを上手に管理することが必要です。そして、そのことと一緒にスタッフが働きやすい環境をつくるのです。
具体的に管理する内容は大きく2つです。1つは「作業内容」、もう1つは「働く環境」です。
◆「作業内容」をマネジメントす
詳細なマニュアルを作成し、それをもとにチェックリストを作成し、管理します。管理する内容をチェックリストにすることで、管理をマニュアル化することが大事です。しかし、管理している側がチェックを忘れてしまうこともよくあります。
これでは、せっかく作成したマニュアルが無駄になってしまいます。マニュアル作成とセットで、必ずそのマニュアルをチェックする仕組みと担当者が必要なのです。
そして、一番重要なのが、その担当者のチェックを、さらにチェックする仕組みを作ることです。おそらく、ここには社員であるみなさんが担当することになると思います。
具体的には、アルバイトスタッフがマニュアルを実践し、アルバイトリーダーがチェックを行い、みなさんがチェックの管理を行うのです。
ここでアルバイトリーダーが行うチェックリストには、細かくチェック項目を設ける必要がありますが、その上のチェックに関しては、チェックを実施しているかどうかの確認程度の内容で十分です。
しっかりとしたチェック内容をマニュアル化することが大前提ですが、あとはチェックがされているかの確認をすればいいだけなのです。
大手企業の強みは、このようなチェック機能がしっかり仕組み化されていることです。中小企業では、人手不足を理由に、せっかくつくった仕組みをチェックしていないことが多いもの。しかし、このチェックこそが管理のポイントになります。
簡単にで良いので、定期的かつ長期的に運用できる仕組みを考えてみてください。一番のお勧めは、今、自分が管理しなくてはいけない内容を、箇条書きでチェックリスト化して、定期的に確認することです。
ただし、サービス力や商品力に関わることについては話は別です。みなさんのサービスの根幹になることは、非常に詳細なチェックが必要になります。
ここは、こちらの求めるレベルと、相手の求められているレベルをしっかりと現場ですり合わせて、現場のチェックも、社員のチェックも詳細な内容にする仕組みが必要です。
管理に関しては、簡素化と詳細化のメリハリが重要です。
人の足りない中小・ベンチャー企業では、マニュアルで効率化できることを最大限増やし、非常に重要な根幹の部分については、詳細なチェックを行わなくてはなりません。
◆「働く環境」をマネジメントする
アルバイトスタッフが働きやすい環境をつくるには、本書で書かれているようなことが実行されているかどうかのチェックが必要です。ここで有効なのが会議です。
環境づくりに関する項目をチェックリスト化するのは良いのですが、実際にチェックするのは、毎日の業務に追われているため難しいと思います。
そこで、各担当者が環境づくりに関する内容で、同じ方向性と考えを持ってアルバイトスタッフたちと接しているかをチェックすることを会議で行うのが効果的です。会議では、チェックというよりも、価値観の共有と言ったほうがふさわしいかもしれません。
ここでチェックリストを用いて各項目を確認するなどして、企業理念に沿った行動がとれているかを確認します。私の会社では「サービス力会議」という名前で、月に一度実施をしています。
何か人材のことで問題があった場合は、その都度、最優先で会議を実施します。最近もスタッフからの報告で問題が出てきたので、すぐに会議を開き、各担当だけでなく、社内全体で解決方法や考え方を共有しました。
人に関することは非常にデリケートで答えのないことです。だからこそ、会社としての考え方を共有して、同じ答えを出せる思考を育てることが大切なのです。
アルバイトスタッフが働きやすい環境をつくるための管理は、細かな気遣いの積み重ねであり、その一つ一つの作業以上に、根幹となる思考の方が重要なのです。
作業内容に関する管理では、実際に作業をチェックして、環境に関する管理では、思考をチェックすることになるのです。また、アルバイトにも会議に参加してもらうことも大切です。
当社が運営している店舗では、アルバイトスタッフにも可能な限り会議に参加することをお願いしています。
会議に参加してもらうことで、自分の意見が会社の方針や方向性に影響することを実感してもらいつつ、積極的に意見をする大切さを学んでもらいます。
また、ルールを決めるときなどは、作成段階で参加をしてもらうことで、「会社から言われたからやらなきゃいけないルール」ではなく、「自らが決めたルール」になることで、浸透に雲泥の差が出てきます。
私の場合は、すでに自分の中でも答えがあるものも、どんどんアルバイトも参加する会議に回答を求めるようにしています。時に現場目線に偏り過ぎた決定になりそうな場合も当然あります。
その場合は、会社の事情や理由を話せばいいだけのことです。そしてなにより、やはり現場の最前線で働く彼らの意見は、我々が見落としがちなことに気付けることも多いのです。
トップダウンのマネジメントをしている人には、かなり面倒でしょう。しかし、これが習慣化されるとアルバイトだからという感覚は減り、自らが店舗や会社をつくっているというやりがいに変わります。
彼らから積極的に問題や課題が提案されるようになることで、あなたの仕事も楽になるのです。
アルバイトの面談
もう一つ大事な仕組みがあります。社員面談を行う会社は多いでしょうが、アルバイトにも定期的な面談を行うことお勧めします。その方法はあなた自身が実施をしても、直属の上司となる社員が実施をするのでも構いません。
まずは、面談を仕組み化することが大切です。面談には2つの目的があります。
会社の問題点を探る「会社のための面談」とモチベーションを高める「相手のための面談」です。私の質問は相手が社員の場合もアルバイトの場合も非常にシンプルです。
「今働いている上で、困っていること、悩んでいること、こうなったらいいのになってことはありますか?」というものです。
仕事上のアルバイトの困りごとの多くは、会社にとっても問題になる予備群であることや、すでに問題であることも少なくはありません。もちろん人間関係についての悩みもよく聞きます。いずれの問題も大切なのは聞いたことは即解決することです。
相手に誤解や間違った考えがある場合は説明をして、気が付かず迷惑をかけていることであれば、謝罪をするというアクションを起こすことです。
問題を放置することは絶対にしてはいけません。問題を放置すると、この上司は言っても無駄だと思われ、本音を話してくれなくなることでしょう。
また、せっかく勇気を出して問題提起をしたことに対しての、頭ごなしの押しつけは最悪です。その後は絶対に本音を引き出せなくなるのです。
精神的安全性というのですが、必ず「この人には本音で話をしても安全」という関係を構築しなくてはいけないのです。私の場合は、「チャンスカード」と呼んでいるのですが、相手の悩みや困りごとが出てきたときが、自分の腕の見せ所です。
上司として可能な限り素早い対応をすることで、頼れる上司、頼れる社員をアピールしてください。当然ですが、これを繰り返していくと、アルバイトと面談者の関係は深くなり、信頼関係が育ちます。この信頼関係のある上司との面談は、アルバイトのモチベーションを大きく上げる結果になるのです。
シフト管理がうまくいかない
アルバイトスタッフを管理する上で、シフト管理は外せない重要事項です。システムがしっかり構築されている会社は良いですが、中小・ベンチャー企業では、まだまだ上手にアルバイトのシフト管理ができていないと悩んでいるところも多いようです。
シフトに関してよく聞く悩みは大きく分けて次の3つです。
①具体的なシフト管理の方法を知らない
②繁忙期や曜日によるシフトの偏りがある
③急なキャンセルによる欠勤
この問題を踏まえて、私の会社のやり方を説明します。
当社の場合は、少ない社員数で常時200人から300人くらいのアルバイトを管理しているので、アルバイトが少ない会社も多い会社も、どちらにも応用できる方法だと思います。
◆シフトの提出方法
まず、シフトの提出方法ですが、紙またはメールで必ず記述が残る方法で提出してもらいます。あとで言ったとか言わないという問題をなくすためです。提出期限もきっちり決めます。
翌月のシフトは、当月の20日が提出期限です。この期限までに、確実に仕事ができる日程を提出します。後日に勤務する日程を追加することはOKですが、いったん提出した日程のキャンセルは絶対にNGです。
そのため、ここでは慎重にシフトを提出してもらうことになります。これが重要で、プロ意識がまだできていない彼らに、「何かあったら休めばいい」という感覚をなくさせるのです。
慎重になることで、仕事の重要性を感じてもらうのです。早めに提出することにも意味があります。スケジュールの確保です。彼らがスケジュールを決める際に天秤にかける内容は、「プライベートの用事」「別のアルバイト」「学校の用事」などが多いです。
いずれにしても、自分たちの仕事を優先してもらいたいのが本音ですが、彼らには関係ありません。ですから、シフトを先に提出してもらうことで、スケジュールを確保するのです。
いったんここでスケジュールを提出してもらい、現状の仕事量と照らし合わせるとで、アルバイトスタッフの人数の過不足がわかります。
これで、月単位のシフトの目安ができるので、足らないところには、こちらから積極的にシフト交渉をしていけば良いのです。また、週単位でシフトを提出させたり、提出のタイミングを彼らに任せている会社もあります。
アルバイトスタッフが気軽にシフトを提出できて、自分たちのスケジュールを優先できるという環境づくりは、彼らが働きやすいという意味では良い方法だと思います。しかし、私の会社のように毎日決められた日までに提出というようにルールをつける方がいいでしょう。
当社も追加のシフト提出は受けていますが、追加の場合、アルバイトスタッフがたくさんいて不要な日程は断りやすくなるからです。
「追加の提出はいいけど、先にシフトを出している人を優先するから、人員が足りている場合はシフトには入れないかもしれないからね」と話しておくことで、スケジュールの確保をしつつ、自由にシフトの提出ができるアルバイトスタッフにとって働きやすい環境づくりができるのです。
◆シフトの偏りをなくす
ここで重要なのが、アルバイトのシフトに関するこちら側の考え方です。せっかく提出してくれているシフトを、ぎりぎりまで引っ張り、最後に「やっぱり来なくていい」と伝えられたらどのように感じるでしょう。
みなさんも、以前から決められていたアポイントを、ぎりぎりのタイミングでキャンセルされたら良い気分はしないはずです。人の時間を何だと思っているのかと不快に感じるのが普通です。
でも、なぜかアルバイトの時間に関しては軽視する人が多いのです。
そうならないためにも、早いタイミングで断ること、断る際にはしっかりと謝ること、この2つを徹底することが非常に重要です。具体的には、当社の場合は週確認というやり方で、毎週月曜日に翌週のシフトの確認をとります。
言い換えると、1週間前まではシフトの確定の猶予をもらい、休みと伝えることもあると理解してもらっているのです。1週間前に休みとなることもあると事前に伝えていることで、アルバイトスタッフの不満は大きく解消できるのです。
どの業界も、仕事の忙しさには波があることでしょう。また、繁忙期も様々だと思いますが、みなさんの会社に合ったシフトの提出方法をつくることは可能です。
シフトのバラつきを抑えるためには、シフトの多いアルバイトスタッフにシフトを減らしてもらうことも管理として大切なことです。
かわいそうだからといって、仕事をつくるほど余裕はありません。必要なときにだけ来てもらうためには、日頃から断れる環境もつくっておかなくてはいけないのです。
◆繁忙期にシフトを増やしてもらうには
アルバイトスタッフにシフトを増やしてもらう方法ですが、ここは地道に仕事の楽しさを伝えていくことが一番の近道です。前述したように、シフトと天秤になるプライベートや別のアルバイトなどと比べて、仕事にやりがいを感じ始めてくれれば、必ずシフトは増えていきます。
特にフリーターの場合は、やる気と比例してシフトが増える傾向が顕著です。学生の場合も、授業以外はすべてアルバイトに時間をあてているというのも珍しくはありません。
要は、仕事に気持ちのベクトルが向けば、当たり前のように働きたいという感情が湧いてくるのです。そのためにも、アルバイトが働きやすい環境づくりが大切です。それでも、忙しいときに人手不足になることがあります。
そういう場合、アルバイトスタッフに「シフトを増やしてほしい」ときちんとお願いをすることが大切です。私も自分でスタッフ管理をしていたときは、何度も頭を下げてお願いをしたのを覚えています。
彼らに頭を下げることに抵抗感がある人もいるかもしれませんが、そんな考えは改めてください。こういうときにこそ、アルバイトスタッフへの感謝も生まれますし、人間関係も前進するのです。
私の無理なお願いに幾度となく、たくさんのアルバイトスタッフが対応してくれました。プライベートな用事はもちろん、学校の授業、別のアルバイト等、他の用事を変更してまで対応してくれたことも数えきれません。
学業優先でなくてはいけないこともわかっていますし、彼らの他のアルバイト先に迷惑をかけているかもしれないので非常に胸が痛むのですが、それ以上に、そこまで無理をしてくれる彼らに対して、強い感謝の気持ちが生まれるのです。
普段からの人間関係の構築が重要だと実感する瞬間です。普段からのアルバイトスタッフに対する行いが、自分の困ったときに表れることになります。
◆急なキャンセル、無責任な欠勤の防ぎ方
もう1つみなさんを悩ませるのが、アルバイトの急なキャンセルでしょう。私の会社では、「いかなる理由でもスケジュールのキャンセルは認めません。病気になっても、現場に行ってもらいます。万が一、キャンセルが起きたときは、罰金をとります」と言ってあります。
これは入ったばかりの新人研修のときから言い続けています。なぜなら、厳しいルールを敷くことが重要だからです。「社員ではなくアルバイトだから簡単に休める」という雰囲気を断ち切るためです。
「このことが理解できなければ、ウチでは働けません」と、入社時に説明をします。ここで気軽な気持ちのアルバイトをふるいにかけていて、研修後に辞退を申し出てきたり、スケジュールを出さない人が出てきたりします。それでいいのです。
厳しいルールを敷くことで気軽に休めない空気、甘えられない環境をつくるのです。でも実際は、罰金をとったこともありませんし、病欠でアルバイトが休むこともあります。
どうしても行きたい企業の就職試験が入ってくることもあります。そのような相談がなくなるはずがありません。それでも、厳しいルールを敷いてあるので、こちらが首を傾げてしまうほどのおかしな理由での欠勤はほとんどありません。
話を聞いて、こちらが納得のいく内容であれば快く対応してあげることもあるのです。
さっきは絶対に駄目だと言ったではないかと聞こえてきそうですが、厳しくルールを敷いた上で、それでも相談してくるというのは、本人にとってどうしようもない状況だと思います。
その理由を聞き、納得ができれば、対応してあげるのは当然のことです。実際、病欠などはどうしようもないことです。何度も言いますが、重要なのは甘えられない環境づくりです。
ここで必要なのが、欠勤を許す判断基準を社内で共有することです。
この人は甘いけど、この人は厳しいというように判断基準にバラつきがあってはいけません。できれば、社員数人で判断できる仕組みづくりをしたほうが良いと思います。
これだけ厳しく伝えているにも関わらず、本当にアルバイトスタッフが困ったときに快く対応をしてあげると、彼らに大きな感謝の気持ちが生まれます。
日頃から厳しいルールを言っているにも関わらず、困ったときには頼りになるということは、信頼関係の構築に大きく役立ちます。
こちらが困ったときも、相手が困ったときも、お互いが気持ち良く助け合える関係を構築するのが理想的です。そのためにも、厳しいルールと柔軟な対応の使い分けは効果があるのです。それでも、欠勤の理由に納得できない場合もあります。
実際にこちらが対応できずに、代役を立てられない場合もあります。そのときは、約束通りにルールを守ってもらうことが重要です。例外はありません。
アルバイトスタッフにそこまでさせるのかと思う方もいるかもしれませんが、みなさんの会社の社員に置き換えて考えてみてください。
責任のある人は、少々具合が悪くても無理をしてでも出社します。そこに役職や立場は関係ないはずです。社員もアルバイトスタッフも、自分の責任を感じて働く人を育てなくてはいけないのです。
仕事のマニュアルは、アルバイトスタッフにつくらせる
上手にアルバイトマネジメントをするには、マニュアルをつくって活用することが不可欠です。ただ、サービス業においてはマニュアルの必要性について議論されることがよくあります。
ハンバーガー10個の注文に対して、「お持ち帰りですか、こちらでお召し上がりですか」とマニュアル通りにたずねるのはいかがなものか、などと揶揄されることも多いですね。
マニュアル化されたサービスには私も疑問を持ちますが、マニュアルは絶対に必要です。マニュアルがなくては、最低限のサービスを共有化することができないからです。
基礎の上に、はじめて個性のあるサービスが確立されます。また、しっかり現場を理解した上でつくられたマニュアルであれば、ほとんどのことに対応は可能です。
例えば4つ以上のハンバーガーの注文に対しては「お持ち帰りでよろしいですか」と聞いてください、とマニュアルに記載しておけば良いだけのことです。
このマニュアルについて考えてもらいたいことがあります。それは、誰がマニュアルをつくるかということです。アルバイトスタッフが仕事する内容のマニュアルは、彼ら自身につくらせることを強く勧めます。
このことは、株式会社リバークレインの稲田さんに教えてもらいました。リバークレインは、町田で間借りした倉庫で創業し、10年で30億以上を売り上げるまでに成長した人気のバイク用品店を運営する会社です。
ここでは、クルーと呼ばれるアルバイト、パートさんがたくさん働いており、通販事業における発送業務を担っています。その作業マニュアルを作成したのがアルバイトスタッフだということでした。
アルバイトスタッフの仕事を一番詳しく知っているのは、アルバイトである彼ら自身。社員よりも良いマニュアルをつくることができるというのが、稲田さんの考えでした。
早速、私の会社でもやってみようとチャレンジしました。稲田さんの会社同様、当時はネットショップも運営していたので、まずは発送業務を担当しているアルバイトスタッフにマニュアル作成をしてもらいました。
すると驚くような変化がありました。毎月二、三度は必ず起こっていた発送ミスがまったくなくなったのです。人はアウトプットする時に大きく成長することを実感しました。
この体験の後、イベント業のマニュアルを振り返ってみると、これは私が入社して2ヶ月目に作成したものでした。バージョンアップはされてはいるものの、基本的な内容は当時のままです。
そのときのことを振り返ってみると、私自身もまだまだ社員の目線ではなく、アルバイトスタッフの目線で作成したマニュアルだったことを思い出しました。
アルバイトスタッフでもマニュアルは作成できるし、業務についてより細かな指摘ができるということです。これから、アルバイトスタッフ向けのマニュアルを作成する方は、アルバイト自身に作成してもらってはいかがでしょうか。
すでに、マニュアルがある場合は、アルバイトスタッフに改善をお願いするのも良いでしょう。現場の生の声を生かした、より良いマニュアルにバージョンアップすることは間違いありません。
マニュアルは社員がつくるものだという既成概念を無視して、アルバイトスタッフにチャレンジさせることは、彼らにとってもあなたの会社にとっても良い変化になります。特にリスクもないので、試してみてください。
外国人アルバイトをマネジメントする
ここ数年、飲食店やコンビニなどアルバイトスタッフが多い現場で、外国人のアルバイトスタッフが活躍しているのをよく目にします。
現在の人材確保が困難な環境にて、外国人の求人はまだまだしやすいため、今後もこのような風景はますます増えることでしょう。
仕事に意欲的に取り組む中国人、韓国人などアジアの国の留学生がアルバイトスタッフとして活躍できる環境づくりも、今後のアルバイト・マネジメントの課題となることで「しょう。
当社では2012年から中国でも人材ビジネスを開始しました。上海、北京、深圳をはじめ、中国13都市に事務所を構えています。我々が中国に進出したのには、中国における小売りの現場での人材問題が背景にあります。
現在の中国は消費が盛んで、その消費を支える小売りの現場では、日本のようにお客様へのサービスが徹底していないという人材の質の問題を抱えています。
今や中国全土に、イトーヨーカドー、イオンに代表されるような日本の小売店が展開されています。日本だけでなく、全世界からスーパーやデパートなどが進出しています。
その小売店舗では、たくさんの企業が様々なアイデアを駆使してプロモーションを展開しているのですが、それを運営する現地の人の質が残念なことに低いのです。
店頭でのおしゃべりや愛想のなさは当たり前。見張っていないと帰ってしまうスタッフまでいる始末です。せっかく企業が様々なプロモーションを用意しても、運営ができていないことが多いのです。
これでは、せっかくお金をかけたプロモーションの機会が無駄になってしまいます。なぜこのようなことが起きるのか?答えは簡単です。
「教育」と「管理」を徹底していないからです。販売の最前線で売り上げを左右するのがアルバイトスタッフなのにもかかわらず、彼らが軽視されているのです。
徹底した教育と管理をしている企業では、販売担当者のレベルが高いです。それは、彼らが社員だからということではありません。
社員とアルバイトスタッフに大きな違いはなく、教育をしっかりして管理をきちんとしているかどうかで差が出るのです。また、当社ではドクターストレッチというストレッチ専門店を上海にて展開しています。
こちらでも感じるのが、やはり教育の重要性です。サービス的な教育はもちろんですが、それ以上に価値観共有のような考え方に対する教育は日本以上に大切です。
元々、文化の違う外国人ですから、日本の当たり前、ましてやその企業の当たり前を理解しているはずはなく、定期的に伝え続ける必要があるのです。当社の場合は「基礎研修」という名前で、代表自らが定期的に現地で研修を行っております。
会社の仕組みとして、理念を伝え、価値観の統一を図っているのです。増え続ける日本の外国人労働者にも、仕組みとして教育を続けることは必須です。
外国人をアルバイトスタッフとして雇用する場合、就労ビザや留学ビザ(週28時間以内の範囲であれば勤務可能)の保持や日本語の能力をチェックすること以外は、基本的に日本人のアルバイトスタッフと変わりはありません。
これからは、外国人スタッフへの教育システムの有り無しが、企業の今後の明暗を左右するかもしれません。中国では人件費の高騰が大きな社会問題となっているため、今後アルバイトへの注目はますます大きくなると思います。
私の会社では、中国の学生を中心とした若者に働きがいを伝えることで、お客様が楽しんでくれ、結果を出すプロモーションができる人材を提供していく予定です。
中国でも、彼らが働きやすい環境を提供し、働きがいを伝えることで、間違いなくアルバイトだけでまわるチームをつくることができます。
彼らが仕事の楽しさを知り、目を輝かせている姿に日本人との違いは感じません。私たちは中国でも変わらず、アルバイトスタッフが意欲的に働くことを応援していきたいと思います。
コメント