会計には、大きく分けて次の三つがあります。 1 財務会計 2 税務会計 3 管理会計 「財務会計」というのは、これまでお話ししてきた「貸借対照表」( BS)、「損益計算書」( PL)、「キャッシュフロー計算書」( CS)の、いわゆる財務三表を用いて、企業活動の実態を表します。上場企業の場合は、これらを公開する義務があり、投資家は、その内容を吟味して投資活動を行い、企業をチェックしたり、改善を要求したりします。 「税務会計」というのは、税額を計算するための会計です。なぜ、これが必要かというと、財務会計上の利益と税金を計算するベースとなる課税所得とは異なる場合が多いからです。 たとえば、接待交際費はお金が出ていくので、「財務会計」上はもちろん「費用」として扱われますが、税務会計上は「損金」とはなりません。だから、接交費を使うと、税金分のキャッシュフローを損することになります。 最近は、財務会計と税務会計との開きが大きくなってきています。 ちなみに、財務会計上作成される財務諸表などのアドバイスや監査を行うのが「公認会計士」や「監査法人」で、税務の専門家が「税理士」です。 以上の二つは、定められた規則にしたがって計算され、企業が外部に向けて発表するものであるのに対し(非上場の会社では、貸借対照表と損益計算書を公開する必要はありませんが、作成義務はあります)、「管理会計」は、企業内部でおもに経営者が経営判断を行うために使う会計です。 管理会計でも、財務会計上のデータやその他の数字を利用しますが、内部向けのものですので、財務会計のように決まったルールはありません。 たとえば、店舗なら「坪当たりの売上高」、「従業員一人当たりの付加価値額」など、経営判断のために必要なものを適宜設けて、算出します。 最近、大企業などでよく使われるようになった「 EVA(経済付加価値)」や「フリーキャッシュフロー」なども管理会計上の指標で、これらは財務会計上での開示は要求されていません。「人時生産性」(一人一時間当たりの付加価値額)を使っている会社も多くあります。 ですので、この管理会計こそが、経営者の腕の見せどころ。経営者は、財務諸表上の利益やキャッシュフローなどの数字に加えて、自社のパフォーマンスがよく分かる指標をいくつか選定すべきだとわたしは思っています。 この指標の選び方次第で、会社の見え方が変わります。 間違った指標を選ぶと、従業員がムダな努力をしてパフォーマンスが出ません。 また、その際、指標の数は、できるだけ少ないほうがいい。 少ないけれど的確な指標で自社の状況を把握したいものです。指標が多くなると、何を見ればよいかが分からなくなります。中小企業なら複雑な指標はかえって邪魔です。 たとえば、中小企業なら、 「一時間当たりの生産性」や「一人当たりの売上高と付加価値額」程度で十分な場合も多いでしょう。 大企業などで、企画部門に提出する数字作成のために営業に行けないという話をよく聞きますが、まさに本末転倒。システムを整備し、指標を絞ることが重要です。どんな場合も、「お客さま第一」が大前提です。
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