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8章 チームに「運気」を招き寄せる上司の行動とは

57強い軍団を作ろうあなたの部門を強い軍団にしましょう。

経営計画と目標を、余裕で確実にやり切る強い部門を作るのです。

目標を達成できない部門では「運気」は去っていきます。

ギリギリの達成では強い部門とは言えません。

目標数値を大きく超える結果が出せる部門づくりをしましょう。

売り上げ目標、利益目標、生産目標、コスト目標、開発目標など、経営計画に従って部門に与えられた目標数値に対して、部下は張り切って取り組んでいますか。

部下がヤル気に燃えているという上司の声は、少ないのが現状です。

なぜでしょうか。

上司が「待ちの姿勢」だからです。

上司の「攻めの姿勢」が必要です。

それには上司のリーダーシップの発揮しかありません。

上司が部下に働きかけ、部下のヤル気を燃え上がらせてください。

強い軍団とは、スポーツの世界では、野球でも、サッカーでも、ラグビーでも、勝つという執念に燃えたチームのことを言います。

勝つためには、どんな厳しい練習でも喜んで取り組みます。

そして優勝という王座を獲得するのです。

すべて監督のリーダーシップから選手のヤル気を燃え上がらせているのです。

ビジネスの世界も勝利を手にする原理は同じです。

上司のリーダーシップがあれば、部門を強い軍団に育てあげ、経営の目標数値をはるかに超える大きな結果を生み出すことができます。

あなたは、上司という「幸運な立場」を得ています。

リーダーシップにより「運気」を招き寄せ、さらに上をめざしましょう。

具体的に何をすればよいかは、この後の各章や項目で述べていきます。

強い軍団づくりはただ一つ。

上司の熱き心と燃えるリーダーシップがあればよいのです。

経営計画の目標数値を余裕でやり切る強い部門を作りましょう。

上司のリーダーシップで、部門を強い軍団に育てあげましょう。

58夢を語ろう夢は未来にあります。

過去は変えようと思っても変えられません。

しかし、これからくる未来はこれまでの延長ではなく、違う未来に変えられるのです。

これまではどうだったでしょう。

いつも目標が達成できずに終わり、惨めな思いをしていませんでしたか。

苦しんで頑張り、ギリギリでやっと達成していませんでしたか。

もっと早くに追い込んで頑張ればよかったと思うことはありませんでしたか。

これからの未来も同じ状況が続くとしたら、それでよいのでしょうか。

未来を変えましょう。

そのための強い軍団を作るのです。

そのための最初のリーダーシップは、夢を部下に語りかけることです。

江戸時代に同じことをした有名人がいます。

上杉鷹山という人です。

知らない人はネットで検索してみてください。

米沢藩の藩主になったとき、藩は莫大な借金を抱えていました。

藩政改革という夢を心ある藩士たちに語り、藩内の産業を興し、収入を豊かにして借金を返し財政を立て直したのです。

アメリカのJ・F・ケネディ大統領や、ビル・クリントン大統領が、もっとも尊敬する日本の政治家だと称賛しているほど、歴史上の誇るべき偉人です。

上杉鷹山が残した歌があります。

「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」プロサッカー選手として世界的に活躍している本田圭佑氏は、中学生時代はあまり目立たない存在で活躍の場は少なかったそうです。

しかしプロへの夢を持ち、「過去は変えられないが未来は変えられる」という信念を持って練習に取り組み、現在の活躍の場を手にしたそうです。

あなたの部門の未来を変える夢を語りましょう。

どういう部門にしたいのか。

部門としてどんな結果を出したいのか。

「為せば成る」のです。

部下に熱く部門の夢、上司の夢を語ってください。

未来はこれまでの延長ではなく、違う未来に変えられるのです。

「為せば成る」のです。

部下に熱く部門の夢を語ってください。

59一期一会の精神でいこう部下との関係は、「一期一会」の精神で接しましょう。

部下たちと仕事をする瞬間は、ふたたびめぐってこない一度きりの時間なのです。

一期一会とは、この瞬間を大事にして部下と仕事をしていくことを意味しています。

これは、千利休の言葉で、茶道に由来することわざとされています。

茶会の席では、二度とこのような機会はないと思って、最高のもてなしと心配りをしなさいという教えなのです。

部下の好き嫌いを言う上司がいますが、一期一会で受け止めれば、部下になってくれた人に感謝の気持ちを持って接するのが当然なのです。

自分を上司として、従ってくれることに感謝しましょう。

茶会で席を同じくするというのは、場所を同じくし時間も同じくすることです。

それは深い縁があるからだと考えて、茶会を大切に思うことに通じます。

この教えは、上司と部下との関係は深い縁があり、その関係を大切することにも通じます。

部下は上司を選べません。

上司もまた部下を選べません。

たまたま部下と上司の関係なのです。

ですから、この関係は縁が深いといえるのです。

そして、この瞬間は二度とないという教えでもあります。

あした頑張るのではなく、今頑張りましょうと言っているのです。

今全力を出さなければあしたはないということです。

上司のあなたは当然、この瞬間に力を出し切って仕事をしてください。

部下にもリーダーシップを発揮して、働きかけてください。

朝礼で、ミーティングで、今日という一日を全力で仕事に取り組もうと一人ひとりに声かけして、励ましてください。

誉めてください。

ヤル気を引き出してください。

上司の声がビンビン響いているでしょうか。

笑顔があふれているでしょうか。

二度とこの時間、この日はないと思って、最高最善の判断と行動をしていきましょう。

「一期一会」の精神こそ、強いリーダーシップの発揮そのものなのです。

一期一会とは、この瞬間を大事にして部下と仕事をしていくことです。

二度とこの時間、この日はないと思って、最高最善の判断と行動をしていきましょう。

60大義を掲げて前進しよう部下の心を大きく揺り動かす何かを持ちましょう。

上司を先頭にして、部下が心から従ってそれに続く何かが必要です。

織田信長は、「天下布武」という大義を掲げて織田軍団の武将を統率しました。

楽市楽座や関所の撤廃など、天下統一のための様々な政策を実行しました。

既得権を持つ土豪や神社仏閣など宗教武装集団を敵に回しましたが、信長の部下となる諸将は心を一つにして戦いました。

彼ら諸将と兵士に至るまで、信長様が天下を平定なさるのだという大義を胸に抱きました。

自分も一国一城の主になれるかもしれないという夢を見て、心を踊らせていたことでしょう。

あの時代はそうだが今は違う、と思わないでください。

オリンピックで金メダルをとろうと燃えた野球の日本代表選手たちがいました。

ワールドカップ大会での予選勝ち抜きに、代表選手もサポーターも必死になりました。

これこそ、金メダルをとる、予選を勝ち抜く、という大義の持つ高揚心なのです。

部門をまとめていく上司の大義にどんなものがあるでしょうか。

わたしの経験で20代の後半の頃、不景気になり会社が倒産の危機にありました。

会社を辞めていく幹部や社員がいるなかで、3人の部下に相談しました。

ある部下が、「ここで会社を辞めたら負け犬だ」と言いました。

わたしも部下も、踏みとどまって勝ち犬になろうと決意しました。

死ぬ気で頑張り5倍の売り上げを半年ほど続けました。

われわれにとって、「負け犬になりたくない」がおそらく大義だったのです。

50代のとき、ある自動車ディーラーを研修しました。

2年にわたって研修するあいだに、日本一の成績を上げて自動車メーカーから表彰をされました。

このときは、メーカー系列販社300社で日本一をめざそうという大義がありました。

社長も幹部も社員も一丸となり燃える心で、営業も修理サービスも事務も社内システムの改革を進めてました。

日本一の接客対応や迅速な業務処理が実現でき、目を見張る成績を上げたのです。

上司を先頭にして、部下が心から従って続く大義が必要です。

昔も今も、大義には部下の心をまとめ、燃える高揚心をかきたてる力があります。

61リーダーシップで上司を動かそうリーダーシップをとる相手は、部下ばかりではありません。

意外に思われるかもしれませんが、部下よりもあなたの上司を動かしましょう。

とくに社長を動かさないと、ものごとが決まらないことがよくあります。

あなたが決めて部下に指示を出したあと、それをひっくり返されたことがありませんか。

課長が決めて、部長が違うと言い、常務がそれをひっくり返すなど、よく聞きます。

最終決定権者は誰かを、分かっていないとリーダーシップはとれません。

中小企業の場合は、ほとんど社長が決定権者です。

大きな問題、難しい問題は、社長の許可をとるしかありません。

上司のあなたが、自分の判断で決められることがあります。

それはたいてい小さなことで、ルーティンワークの範囲のことばかりです。

しかし「運気」を招き寄せるような仕事は、ルーティンワークには少ないのです。

新しい仕事、困難な仕事、大きな仕事に、「運気」をあげ大きくする種が潜んでいます。

そしてこれらは、これまでのやりかたや考えかただけではうまくいきません。

新しい発想が必要です。

やりかたを大きく変えていくこともあるでしょう。

斬新なアイデアだっていります。

多くのことで、これまでと違う決定をして実行しなければなりません。

あなた自身の決定ではできないとき、あなたがリーダーシップをとり、あなたの上司を動かさなければ前へ進めません。

必要なら上を飛び越えて、社長に許可をとることもあるでしょう。

あなたが課長で、上に部長がいたら、まず部長を動かしてください。

部長を動かすためには、日頃のコミュニケーションをしっかりとることです。

今、何を考え、何をしようとしているのか。

なぜそれが必要なのか。

それをやればどういう効果があるか。

仕事の現状をより良くするためのアイデアは何か。

このようなことを細かく具体的にふだんから相談しておくのです。

そうすれば、いざ決断が必要なとき、部長は課長の立場に立って判断してくれるでしょう。

課長はリーダーシップを発揮して部長を動かし大きな仕事ができるのです。

最終決定権者は誰かを分かっていないと、リーダーシップはとれません。

決定権がない大きな仕事はリーダーシップをとり、上司を動かし許可をとりましょう。

62責任をとる姿勢が、部下の信頼を得られますリーダーシップをとるには、部下からの信頼がなければ空回りをします。

どんな計画も、どんな行動も、部下が疑って及び腰であればうまくいきません。

信頼のある上司とはどんな人でしょうか。

頼れる人、能力のある人、結果を出せる人は信頼できます。

しかし、いつも能力を発揮し結果を出せるとは限りません。

でも、部下が上司を見ているのはそういうことではありません。

上司を信頼できないと思う瞬間は、上司の無責任さを見たときなのです。

逃げる上司、責任逃れの上司、責任をとらない上司、部下に責任を押しつける上司ほど、部下にとって軽蔑したくなることはありません。

上司の失敗はまだいいのです。

許せるのです。

上司も人の子です。

神様ではありません。

人間なのです。

だから失敗はあってもいいのです。

しかし、責任逃れし、失敗を部下のせいにする上司は許せません。

まず責任をとらない上司は、決してリーダーシップはとれないことを肝に銘じておきましょう。

自分の失敗はもちろん、部下の失敗も、上司の責任なのです。

部下が失敗したとき、上に対して「わたしの責任です」と言い切りましょう。

いさぎよい上司の姿を見たとき、部下は信頼感でしびれます。

上司を尊敬します。

部下に難しい仕事を与えるとき、部下は不安に思うでしょう。

うまくいかなかったらどうしようと悩みます。

上司はこう言って励ましてください。

「君ならできる。

全力を尽くせ。

最後はわたしが責任をとる」上司の大きさと温かさとを感じ、包み込まれるような安心感を得るでしょう。

そして、必ず成功させる、上司に迷惑をかけられないと強く思うことでしょう。

部門のすべての責任は自分がとる。

この姿勢を常に持っていれば、発言する内容も、態度、動作も、堂々としてきます。

部下の信頼が得られリーダーシップが発揮できます。

上司を信頼できないと思う瞬間は、上司の無責任さを見たときなのです。

責任をとる姿勢があれば、部下の信頼を得られリーダーシップが発揮できます。

63最後まであきらめずにやり通しましょうどれもこれも中途半端になっていると、ある社長がなげいていました。

この会社の部長と、課長のことでした。

部長も課長もまじめな人で、始業一時間前には出社し、掃除と仕事の準備をして、汗水流し働いていました。

どこが不足なのか、社長に訊きました。

「指示命令したことをちゃんとやっていない。

途中で放り投げている」部長と課長にも訊きました。

それなりに努力はしていました。

ただやることが多すぎて、こなせない状態でした。

あることに取り組むと新しい指示が社長から来ます。

部下にそれは伝えますが、以前の指示事項が中途半端になっているのです。

そしてまた、新しい指示命令が来ます。

そういうことが重なり、新しいことにしか目がいかなくなっていました。

ずっと前に出した指示命令に対しては、ある程度できているからいいだろうと気にかけなくなっていたのです。

営業部長は、訪問件数の徹底を部下に指示しました。

しばらくは、部下は守って実行していました。

次に、お客様からのニーズの聞き取りを指示しました。

部下は新しい指示を実行しましたが、訪問件数が落ちてきました。

社長は、訪問件数が中途半端になっていると叱りました。

製造課長が、安全作業を指示しました。

現場社員は安全な作業をしました。

次に、機械周りの清掃の指示が出ました。

これに意識が集中して、安全作業がおろそかになりました。

社長は安全作業が中途半端になっていると注意しました。

営業部長も製造課長も、ある程度やっているからこれぐらいでいいだろうと思っていました。

これ以上の徹底はムリだとあきらめていました。

少しぐらいできていなくても問題はないと思っていました。

社長の意識と、部長と課長の意識には大きな差がありました。

社長は危機意識があり、やるべきことをあきらめてはいませんでした。

上司の責任は、やるべきことを最後まであきらめずにやり通すことです。

古い指示事項が中途半端になっていませんか?やるべきことが徹底するまであきらめてはいけません。

64士気を高めるメッセージは「」部門を強い軍団にするには、一人ひとりの知識と技能を高めなくてはなりません。

教育と訓練によって、知識と技能を高めます。

しかし、やらされているという意識が部下にあるかぎり、高い効果は望めません。

知識と技能を高めるためには、部下のヤル気が重要です。

あなたが「士気」を高める気づかいをしてほしいのです。

多くの上司が、飲食を共にして気心を通じて士気を高めると言います。

これも必要です。

しかし、お金も時間もかかるし、そんなにはできません。

それよりメッセージの発信が少ないのです。

ですからメッセージを多く発信してください。

部下は部門に貢献できていると分かれば、頑張る気持ちが湧いてきます。

しかも一人ひとりが貢献度を感じると、その部門のチームワークが良くなり士気が高まります。

ところが主力のメンバーだけが注目されていると、中堅や新人は主力メンバーがなんとかやってくれると思います。

自分は力不足だと思い、全力を出そうとしないでしょう。

日の当たる人には、「よくやっている」と認めるメッセージが集まります。

陰の人たちへのメッセージに気を配りましょう。

彼らの一人ひとりに、「君が必要だ」というメッセージを発信してください。

「君の努力でミスが防げた」「君が動いたので交渉がうまくいった」「君がいるから、ここの現場は安心だ」こういうメッセージを本人に直接でも間接でも伝えてください。

さらに、仕事の進行過程で達成感を与えるメッセージを発信しましょう。

「不良率が下がり始めた。

君の力だ。

次のステップも必ずできる」もらった部下は存在感を確認でき、「士気」が高まりヤル気に燃えるでしょう。

士気が高まれば、上司が黙っていても仕事の知識と技能を高めることでしょう。

豊富な知識と高い技能を持つ集団は、とうぜんのことに強い軍団になります。

一人ひとりに、「君が必要だ」というメッセージを発信してください。

もらった部下は存在感を確認でき、「士気」が高まりヤル気に燃えるでしょう。

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