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7「むずかしい理屈」よりも「素直に思う」

 昔、松下幸之助さんの講演の演題に「ダム経営」というのがあったそうです。  ダム経営とは、「ダムに水が貯まっていると、晴れの日が続いても下流に安定して水や電気を供給できる。同じように、経営も、ヒト・モノ・カネに少しいつも余裕を持っている必要がある」ということだそうです。  あるときに松下さんが、このダム経営をテーマに講演をしたら、聴衆のひとりから、「どうすればダム経営ができるようになるのか?」という質問が出たそうです。  さて、松下さんの答えは?  それは、「ダム経営をしようと思うことだ」というものでした。  相手は経営の神さまですから、聴衆の多くは何か特別な答えを期待したのでしょう、「思う」という答えに、期待が裏切られたようすでした。しかし、聴衆のひとりの若い経営者だけは、「そうか、ダム経営をしようと思うことだ」と素直に考え、自分の町工場に戻ってダム経営をできるようにしようとしました。  わたしはこの話を、この若い経営者がその後、数十年経って書いた本で読みました。  本を書かれたのは、京セラの創業者、稲盛和夫さんです。(本は『稲盛和夫の実学』(日本経済新聞社刊)。技術者だった稲盛さんが、「利益が出るのに、お金が足りなくなるのはなぜか」という素朴な疑問から、自分なりのキャッシュフロー経営についての考え方を確立されたいきさつなどを書かれた本で、会計や財務、さらに独特の「アメーバ経営」などを理解するのによい本です)。  やはり、何か役に立ちそうなことは、素直に「やろう」と、まず「思う」ことが大切なのです。成功する人は、総じて素直です。  人が成功しているやり方を、まず素直に受け入れて、そしてそれを自分のものとしていきます。それが成功への近道だとわたしも思います。頭のよい人が必ずしも成功しないのは、下手な理屈をこねくり回して、自分流のやり方にこだわるからではないでしょうか。

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