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5章 部下とのコミュニケーションは難しくない

34情報が入りやすくなる方法上場企業のS社の係長から聞いた話です。

頭の回転が良く仕事ができる課長のもとで、この係長は働いていました。

あるとき、台湾へ協力工場の視察に行くことになりました。

新製品のための部品調達先をどこにするかの重要な視察でした。

視察メンバーは、本部長、部長、そして係長です。

わたしは少し変だと思って、「課長は、どうして行かなかったの?」と訊きました。

係長はニヤッとして「わかりません」と答えました。

そのあと、いろいろ話すうち、わたしはピンときて「課長は、部長に返事しないでしょう」と言い、「ええ、そうです」と係長。

「あなたはどうですか」とわたし。

「しっかり返事しています」と係長。

たぶん部長が、この課長を視察メンバーから除外したのだと推理しました。

なぜだかわかりますか。

頭の良い人、仕事のできる人、プライドの高い人は気をつけてください。

こういう人たちはだいたい返事が悪いです。

そして上司の考えや方針に理屈を言って、上司をやり込めます。

この課長もなにかと部長をやり込め、自分の力を誇示していたそうです。

部長のほうが課長に気を使って何かをやるとき相談をして了解をとり、係長が言うには、どちらが上司か分からない感じだったそうです。

その後この課長は仕事で失敗をして、重要ポストからはずされました。

失敗は、情報が適切に課長へ入ってこなかったからでした。

誰が情報を伝えなかったか想像がつきます。

おそらく部長でしょう。

あなたはあり得ないと思いますか。

そうです、あり得ない、あってはいけないことです。

でも、部長には悪意がなくても、課長とはコミュニケーションがとりづらかったのだと同情します。

必要な情報は伝えたつもりでいたけれど、何か肝心なことを伝え忘れていたのでしょう。

情報伝達は、システムやルールだけでは解決できない人間的要素がからみます。

返事が良い人、屁理屈を言わない人、自分を誇示しない人は情報が集まります。

なぜなら話して気持ちが良く、話しやすい雰囲気があるからです。

頭の良い人、仕事のできる人、プライドの高い人は、返事に気をつけてください。

話して気持ち良く、話しやすい雰囲気のある人に情報が集まります。

35部下のミスを防ぐシンプルな第一原則部下のミスは単純な原因で起きます。

難しいことでは、注意をしますからあまり起こりません。

起きても勉強だと思って仕方がないことだとあきらめもつきます。

しかし、当たり前にできることでミスをされると、上司としては頭を抱えてしまいます。

こういう単純ミスを防ぐには油断させないで、基本をしっかり実行させることです。

もう一つ重要なことがあります。

それは、正しく指示命令を受けさせることです。

よくミスする人の多くは、思い違いや言われたことと違うことをやっています。

こういう人はメモをしていません。

だから忘れます。

指示された通りに実行できていません。

準備資材の一部を忘れる。

チェック項目が漏れる。

連絡内容が不足する。

とくに慣れた仕事でこういうことが起こります。

慣れているから分かっているつもりでメモをせず聞き流しています。

でも、毎回まったく同じ仕事内容ではありません。

どこかに違う要素があります。

そのときメモをしていないと間違えるのです。

記憶だけに頼ると指示された一部を忘れ、やるべきことが抜けてしまいます。

それだけではなく、作業手順を部下が間違えます。

手順を変えることもあります。

古い手順と新しい手順を混同します。

メモをさせて正確に手順通りやらせてください。

指示命令を出すときは、「メモの用意をしてください」と言いましょう。

ふだんからメモノートとボールペンを携帯させてください。

メモはポイントだけを記録させてください。

そうしないと上司の話すスピードに追いつけません。

内容を文章で書くのではなく、キーワードを書き留めるようにさせてください。

5W2Hの要領でメモすることを教えましょう。

理解できたところは、部下に「ハイッ」と相槌を打つように指導してください。

理解が確認できて上司のあなたは話を進めやすくなります。

部下には、毎日何回でもメモを確認させて漏れやミスが起きないように、徹底させてください。

部下には、メモノートとボールペンを携帯させてメモを取らせましょう。

部下には、何回でもメモを確認させて漏れやミスを防ぎましょう。

36部下に正しく情報を理解させるには逆質問が効果的です気が利かない。

切れ味が悪い。

ぼんやりしている。

こんな部下を、頭にきてどやしつけるという上司がいます。

けっこう仕事ができる上司にこういう人が多いのです。

気持ちはわかりますが、お奨めできることではありません。

研修では、むしろ絶対やめてくださいと申し上げます。

これを繰り返しているだけでは、部下も上司も人間的に成長できないし、能力も高められません。

部下は委縮してミスが増えるし、上司は部下の育成ができないままとなります。

部下が正しく情報を理解していないことが問題なのです。

お奨めは、「逆質問」です。

指示や命令を出して、「わかりましたか」と訊き、「わかりました」の返答で安心しないでください。

気が利かない人は、わかったつもりになっているのです。

心配なことを逆に質問してみましょう。

「もしこういう場合は、どう処理しますか?」「この部分はどう作業するか分かりますか?」これに正しく答えられたら安心できるでしょう。

間違っていたら教え直してください。

仕事ができる部下には、ふつうの仕事でしたら、この質問はいりません。

しかし、できる部下でも、新しい仕事や難しい課題のときは、「逆質問」がとても役立ちます。

部下が気をつけることや、上司自身にも曖昧なところをはっきりさせられるからです。

でも、「逆質問」の内容がとっさに思いつかないという上司の悩みを聞きました。

それはそうでしょう。

ですから、質問内容を事前に考えてメモしておくのです。

これはどうするかな。

あの手順は分かるかな。

パッと頭に浮かび、思いつく心配ごとが出てきます。

そのままにしておくと忘れます。

思い出せません。

その場でメモしておいて、部下に逆質問するときに活用してください。

部下が、「どうしましょう」と相談してきたときにも活用できます。

すぐ答えないで、「どうしたらよいと思いますか?」と逆質問すると、部下の考える力がレベルアップします。

できない部下はどやしつけるより、「逆質問」が効果的です。

「逆質問」の内容はふだんから考えてメモしておきましょう。

377つの基本確認(5W2H)で正確な情報が伝わります部下が細かいところまで気が利くように育てると、上司は助かるはずです。

でもそんなこと、ムリですよと言う上司が多いのです。

だからそういう上司には、とっておきの方法がありますと申し上げて教えています。

「5W2Hを、7つの確認事項として部下を育ててください」と言います。

なんだ、そんなことかという顔をされます。

でも言いたいのです。

ちゃんとそれを実行していますか?だれが(Who)、いつ(When)、どこで(Where)、何を(What)、なぜ(Why)、の5W。

いくら(Howmany・Howmuch)、どのようにして(How)の2H。

気が利かないぼんやりした部下は、これらのポイントが曖昧なまま仕事に取りかかり、途中で判断できなくなり上司に「どうしたらよいでしょう」と相談してきます。

上司は二度手間で面倒くさくなり、「気が利かないヤツだ」と怒鳴ります。

わたしからすれば、部下を育てられない上司、ダメなのはあなたですと言いたくなります。

「開発会議をやるから、会場の準備と参加メンバーへの連絡を頼む」と仕事を与えます。

このあと、7つの確認事項を質問してください。

正確な情報を伝えましょう。

「連絡する参加メンバーは、誰か分かりますか」「出欠確認はいつまでにやりますか」「会議を開く場所はわかりますか」欠席の場合は代理出席を徹底する。

会議の日時、終了予定時刻を確認する。

会議室はどこにするか、参加人数で判断する。

7つの確認事項を参考に質問し決めていきましょう。

上司がすべてを決めて伝えるやりかたでは部下が育ちません。

7つの確認事項で部下に質問し考えさせましょう。

これを繰り返すと、部下はどう考え決定していけばよいかが判断できるようになります。

上司と同じ発想で判断し行動するようになります。

部下が自分で考えて正確に仕事を進められるようになります。

いちいち細かいことを言わなくても正確に仕事ができ、気が利く部下に育つのです。

7つの確認事項を質問して正確な情報を伝えましょう。

部下に質問し考えさせ決めると、気が利く部下に育ちます。

38メモを取らせると部下の頭脳が鍛えられますできる部下は、上司とのコミュニケーションが正確にできています。

ですから、あなたはもちろん、部下にも必ずメモを取らせてください。

メモを取ることで、仕事が正確になり、速くできるようになります。

なぜでしょうか。

考える力が鍛えられるからです。

メモを取ることは頭脳を鍛えるのです。

メモを取るためには、相手の話を集中して聞かなければなりません。

頭脳はフル回転しています。

話の内容を理解しないとメモはできません。

要点を的確に判断することも必要です。

このようにメモをさせることで、部下は自然に頭脳を鍛えられるのです。

ですから正確であるだけでなく、仕事が速くなる効果があるのです。

大事なことがもう一つあります。

部下にメモを速く正確に書き取らせるコツをお伝えします。

第一に、箇条書きをマスターさせましょう。

5W2Hの要領で、要点のみを短文で箇条書きにさせましょう。

ポイントを正確につかむ訓練になります。

相手の話を整理して理解する能力が身につきます。

第二に、キーワードをメモさせましょう。

「毎週金曜日に、午後6時から50分間、システム改善委員会を開きます。

場所は第一会議室です。

参加者は改善提案を一つ以上文書で提出してください」と伝えたとします。

これをメモするキーワードは、「金、6じより、50分、システム改善会、1会ぎしつ、てい案1いじょう、文書」です。

難しい漢字はひらがなが速いです。

こうやれば話すスピードに追いつけます。

メモしてすぐなら意味は通じます。

あとで読んでも分かるように文章に書き直させておきましょう。

第三に、メモ取りのトレーニングをさせましょう。

指示命令以外にも、メモ取りは必要です。

会議の要点を記録するには話の流れを整理する高度な能力が求められます。

テレビでニュースを見て、要点を書き取る練習でメモ力を磨かせましょう。

メモを取る作業は、集中力と頭脳を鍛えます。

部下には、箇条書きとキーワードのメモ取りをマスターさせましょう。

39「報、連、相」より「、、」報告、連絡、相談を、野菜の「ほうれん草」にならって組織の栄養と言い、重要視しています。

上司の立場にいる人は、とうぜん分かっていることと思います。

ここではむしろ、命令、報告、連絡、「めいほうれん」の徹底をとりあげます。

とくに命令について、どこまで徹底しているかが問題なのです。

整理整頓の命令を出しても、できていない人がいて見逃しています。

同じように、5S、書類の提出期限、安全管理、営業の訪問内容、改善案の提出など、多くの命令事項や仕事のルールがおざなりになったままに放置されています。

命令やルールは言いっ放し、出しっ放しにしないで、必ず再確認しチェックし、必ずやり切るように徹底してください。

命令の徹底は情報の徹底そのものなのです。

そのために「指示命令ノート」の活用をお奨めします。

いつ誰にどんな指示命令を出したか、要点をメモして、実行できているかを確認しノートに記録しておくのです。

部下の人数が多い上司には、強力な手助けとなります。

部下の報告は、部下の仕事を把握する上で重要なビジネスツールです。

部下の仕事の動きをよく知っている上司と、知らない上司がいます。

それは、部下から集まる情報の量と質の差なのです。

部下からくる情報のパイプが太い上司は、仕事の変化が早くつかめ適切なアドバイスができ、部下の成果が上がります。

部下との情報のパイプを太くするには、話す頻度を多くすることです。

しかし、そうできない人もいるでしょう。

その場合は、情報の種をまいてください。

どんな情報が欲しいのか、具体的に箇条書きにしてメールや文書で部下に伝えておくのです。

そうすればポイントを絞って現場から問題点や有効な情報をつかみやすくなります。

さらに連絡がとても大事です。

A君は知っていたが、B君は知らなかったなどということが起きないようにしましょう。

そこで最近はメール報告や連絡を直接関係しない人にも流すようにして、情報の共有化を図っている会社が増えています。

情報の徹底で、情報に強い上司と職場は、情報と一緒に「運気」を確実に呼び込みます。

命令、報告、連絡、「めいほうれん」の徹底を強化しましょう。

部下との情報パイプを太くするには、話す頻度を多くし情報の種を多くまきましょう。

40メールの落とし穴にはまらないようにEメールが活用され、情報交換がとても便利になりました。

手紙のような形式もなく比較的簡素で自由な表現ができます。

電話では不在でなかなか連絡がとれなくても、メールで送れば伝えられます。

電車やバス、新幹線の座席では電話ができませんが、メールでの会話はできます。

メールに添付して申請書や設計図、見積書など重要書類も送っています。

また、社内の報告はメールでおこなうことがほとんどになりました。

プライベートでは、親しい相手に絵文字や写真、動画を送り楽しめます。

ますますメールでの情報交換やコミュニケーションが増えることでしょう。

ただし、ここには落とし穴があることに注意しましょう。

リスクは、一方通行になりがちな点です。

また、文面が冷たく伝わって誤解されるかもしれません。

読み落としが出てきます。

思い違いして削除することがあります。

表情や声が伝わりません。

なにより、便利なため、つい部下とメールだけでやりとりしていると、その部下と疎遠になります。

ある課長は部下が隣に座っているのにメールで連絡していました。

文面がビジネスライクで冷たい言葉になって伝わり、部下のモチベーションがさがっていました。

部下は上司にメールでは伝えにくいこともありました。

顔をあわせ、生の声で上司と会話し聞いてもらいたいことがあったのです。

メールだけに偏らずに、顔を合わせて会話をすることをお奨めします。

部下の頑張っていることや困っていることなどを聞けば細かい状況がわかります。

聞いてあげるだけでも心がかよいあい、部下のモチベーションアップになります。

取引先ともメールだけのやりとりに頼っていたら、いつの間にか競合会社が食い込んできて顧客をとられたという話も聞きました。

顔を合わせて会話すれば微妙なニュアンスも感じられて、お客様の意向もつかめます。

メールチェックや返信、そして顔を合わせての意思疎通を図ることが大切です。

メールは便利ですが、落とし穴があり、はまらないように注意しましょう。

メールは便利ですが、一方通行や読み落としがあることに気をつけましょう。

顔を合わせて会話すれば心がかよいあい、部下の細かい状況がわかります。

 

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