MENU

4「稼いで貯める」よりも「稼いで使う」

 キャッシュフローについて説明したので、つづいて、キャッシュフロー経営の話をしましょう。  キャッシュフロー経営というと、キャッシュ(現預金)を稼いで「貯め込む」と思っている人が少なからずいるようですが、そうではありません。稼いで「使う」が大原則です。「稼いで貯め込む」とどうなるか?  というと、村上ファンドがやってみせたように、 M& A、それも敵対的買収のターゲットになりやすい。多額の配当を要求されるのはまだましで、場合によっては会社を乗っ取られ、その後、解散させられ、資産をばらばらにして売られた挙句に、キャッシュまでとられるということにもなりかねません。  現預金を必要以上に多く持っていると、グリーンメーラー(株を買い占めることにより会社を恐喝する者のこと。英語で恐喝のことを「ブラックメール」というが、米国の紙幣が緑がかっていることからこの名がついた)に狙われやすいのです。  非上場会社ならその心配はありませんが、キャッシュをあまりに貯め込み、挑戦しない会社は、社風がのんびりして、時代の変化についていけない傾向があるようです(ただし、「手元流動性」に余裕があることは重要です。要はバランスです)。  それでは、稼いだキャッシュを何に使うか?  といったら、次の三つです。  まず、借入れの多い会社は、「借入れの返済」に使います。あとの項でも説明しますが、会社は負債が返済できなくなってつぶれるのです。  適正な範囲に収まるまで、負債を削減するために稼いだキャッシュを使う。  会社の安全性を高めるために使うともいえます。負債、特に有利子負債が少ない会社は、この部分の心配をする必要はありません(ただし、前項で説明したように手元流動性が十分でない場合には、返済よりまず、手元流動性確保を優先します)。  二番目は「未来投資」です。  会社の将来のために稼いだキャッシュを使う。  設備投資のみならず、優秀な人材を雇ったり、技術を育てるのに使います。未来投資を行わない企業は、株主にとっても従業員にとっても魅力の少ない会社となります。(ちょっとむずかしい言い方になりますが、企業の価値は「将来のキャッシュフローの現在価値」から「有利子負債」を引いたもの〈企業の価値 =将来のキャッシュフローの現在価値─有利子負債〉なので、借入れの返済は直接的に、未来投資は将来のキャッシュフローを稼ぐことによって、企業価値向上に役立つのです。)  三番目のキャッシュフローの使い方は、「株主への還元」です。  具体的には、配当や自社株の買入れです。これも現在の株主にとっての企業価値を向上させます。  ところで、キャッシュフローを「使う」話ばかりで、「稼ぐ」話をしませんでしたが、これはもちろん、「お客さま第一」を徹底して、売上やキャッシュフローを稼ぐことしかありません。そもそも、これなしに「使う」はできませんね。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次