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4「アウトプット」がバリューを左右する

4「アウトプット」がバリューを左右する01アウトプットは具体的にする02アウトプットは「3」でまとめる03上司の「期待値」を握る04100%を目指さない。

80%で十分05タスク完了時間を設定する

アウトプットをデザインすることは、仕事の質×スピードを上げるために必要不可欠。

思考の質とスピードをアップする技法といえます。

そのためには、最終成果物の具体的なイメージをもつことがポイントです。

たとえば、「お菓子をつくる」というゴールイメージでは、何をつくればいいかわかりません。

クッキーをつくるのとケーキをつくるのとでは、用意すべき材料が違いますし、製造のプロセスや時間も異なります。

しかし、「ショートケーキをつくる」「シュークリームをつくる」というゴールイメージがあれば、材料も決まりますし、製造のプロセスも見えてきます。

これは仕事の段取りについても同じです。

単に「企画書を作成する」よりも、仮説にもとづいて「20代の女性向けの健康食品に関する企画書を作成する」というゴールイメージをもっていたほうが、最短距離でアウトプットを出すことができます。

また、「企画書3枚で」「パワーポイントで9枚にまとめる」「図やデータを盛り込んだ資料をつくる」といったように最終成果物の完成イメージをもっていたほうが、そこから逆算して情報の取捨選択をしたり、まとめたりすることができ、作業のムダを省くことができます。

ゴールが見えれば余計なことをしなくて済むアウトプットをデザインして最終成果物をはっきりさせることのメリットのひとつは、必要のないことをやらなくて済むということです。

たとえば、会社のホームページを作成することになったとします。

このとき、最終的な目的が、「ホームページを使って会社のブランドイメージを構築すること」であれば、やるべきことは絞られてきます。

「ホームページを見た人が、この会社の商品を使いたい、この会社で働きたいと思ってくれること」が最終ゴールですから、少なくとも詳細な商品説明や買い物機能の充実は後回しにしていいでしょう。

しかし、最終的な成果物のイメージがあいまいなままだと、「あの情報も載せたほうがいい、あの機能があったほうがいい」と、その過程で作業がどんどん膨れ上がっていきます。

完成目前になって、「やっぱりこれはいらないのではないか」という事態になるのがオチです。

仕事に取りかかる前に、「どんなバリューを出すべきか」と自問自答し、アウトプットの形を明確にすることが大切です。

プレゼンをしたり、資料をつくったりするときには、「3」という数字がポイントになります。

たとえば、「ここでのポイントは3つです」「その理由は3つあります」というように、3つにまとめるのです。

「3」という数字は少なすぎず、多すぎず、相手の印象に残りやすい数字です。

それ以上少ないと物足りなく感じ、それ以上多いと理解や記憶がむずかしくなります。

数字の「3」を意識して資料を作成します。

たとえば「3つのポイントがあります」と言うときにも、1つのポイントにつき1枚の資料にまとめて計3枚の資料で表現します。

もちろん、3枚ですべての内容を表現できるわけではないので、それができないときは1つのポイントにつき、その要点や根拠、データなどを示すことになりますが、これらの1つのポイントについても、3つの資料に細分化していきます。

さらに、この細分化した資料についても、その要点や根拠、データなどを示します。

つまり、3つのポイントを示すときには、それぞれのポイントにつき3枚、計9枚の資料をつくることになるのです。

これを私は「3乗の法則」と呼んでいます。

3枚、9枚、27枚、81枚……というように3を3乗した数字で資料を作成するのです。

こうしたアウトプットのイメージをもって資料をまとめることを習慣にすると仕事の質とスピードが上がります。

コンサルタント時代に「伝えるときは3つのポイントにまとめなさい。

そうすれば話は伝わりやすくなる」とよく言われました。

「3」という数字にこだわった最終成果物のイメージを描き、的確に自分の考えやアイデアを伝えるのです。

結果、納得を得やすくなり、成果につながる技法です。

「主張+3つの根拠」でまとめる「空・雨・傘」のフレームワークは、提案書や企画書などをつくるときに便利なツールですが、これも3つにまとめるという意味で、「3」がキーワードといえます。

「空・雨・傘」のほかにもうひとつ、おすすめしたいフレームワークがあります。

それは、「主張+3つの根拠」。

自分が最も伝えたい主張と、それを裏づける理由を3つ示すのです。

たとえば、食品会社が「当社は中国市場に進出すべき」という主張を伝えるときは、3つの根拠も同時に並べます。

「当社は中国市場に進出すべき。

その理由は3つあります。

①日本での市場は飽和状態である(Company)②中国人の所得が増えて高級志向になっている(Customer)③ライバル企業も中国市場に進出して高級食品市場ができつつある(Competitor)」このような感じです。

ちなみに、ここでは3Cのフレームワークにもとづいてまとめましたが、このようにモレなくダブりなく、複数の角度から主張を補強することによって説得力が増します。

もちろん、根拠の土台となるデータを一緒に示すことを忘れてはいけません。

最終成果物をまとめるときには、「主張+3つの根拠」のフレームワークを使うことによって、思考の質×スピードもアップするのです。

どのようにアウトプットをまとめていいかわからないというケースでは、「主張+3つの根拠」のフレームワークを使うと、自分の考えをまとめやすくなります。

仕事の多くは、「この仕事を頼む」と上司から指示されてからはじめることになります。

だからこそ、仕事の段取りをするうえでは、上司の「期待値」を握ることが大切です。

つまり、仕事に取りかかる前に、上司はどんな最終成果物を期待しているのかを把握するのです。

どのレベルの質を求めているのか、いつまでに仕上げればいいのか、どんな背景から頼んでいるのかを事前につかみ、それに沿った成果を出す。

そんな「アウトプットをデザインする技術」が必要になります。

上司が求めていることを把握していなければ、多くの努力がムダになる可能性があります。

それは好きな人をデートに誘うときと同じです。

最近アウトドアが流行っているからといって、バーベキューに誘っても、相手がアウトドアは苦手なタイプであれば、おそらく「ごめんなさい」と言われてしまう可能性大。

お付き合いするためのチャンスさえ失ってしまうことになります。

一方で、デートに誘うことに成功する人は、相手のことを知ろうとします。

知り合いから相手の好みを聞き出したりするでしょう。

たとえば、相手が「オーガニックレストランに興味がある」ということがわかれば、「今度お得意さまをオーガニックレストランで接待したいんだけど、一緒に下見に行ってアドバイスしてほしいんだけど、どうかな?」というような誘い方ができます。

たとえ相手に恋愛感情がなくても、自分の興味のあることなら、心が動くのではないでしょうか。

これは、営業活動でも同じです。

お客様が求めていることがわかっていなければ、独りよがりの営業トークを繰り広げることになります。

営業の仕事のゴールは、相手にイエスと言ってもらうことです。

そのためにも、相手の求めていること(期待値)を事前に知る必要があるのです。

スピード重視か、内容重視かを見極めるでは、上司から報告書の作成を頼まれた場合は、どうすればいいでしょうか。

「A商品の販売状況について報告書をまとめてほしい」と言われたとき、仕事が丁寧な人であれば、数枚にもわたる詳細な報告書を何日もかけて作成するかもしれません。

しかし、上司は詳細なデータは必要とせず、A商品の販売状況についてざっくりと把握しておきたかっただけかもしれません。

それであれば、詳細な報告書を何日もあとに提出されるよりも、依頼したその日のうちに紙1枚の報告書があったほうが上司としては助かります。

その部下に対する評価も高くなるでしょう。

反対に、上司が報告書の内容を重視しているようであれば、時間をかけて丁寧に仕上げることが大切ですし、スピードを重視しているのであれば、内容よりも早くまとめることを心がけることで、上司の期待に応えることができます。

「お客様への提案書を作成してほしい」と上司に頼まれたときも、先にどのような意図や背景があるのか、上司の期待値を把握しておけば、必要以上の作業をしなくて済みます。

たとえば、お客様になる可能性がきわめて低い相手に出す提案書であれば、つくりこんだ詳細な資料は必要なく、簡易版で事足ります。

仕事の段取りがうまい人は、このように上司の期待値を握っているのです。

段取りがうまくできる人は、どのレベルの報告書や提案書をいつまでに必要としているか、そしてどんな背景から仕事を頼んでいるのか、上司にヒアリングしてから取りかかります。

「どのような情報が入っていればいいですか?」「いつまでに必要ですか?」「その報告書はどのような用途で使いますか?」といった質問をすれば、自分がつくるべきアウトプットのイメージがつかめます。

報告書や提案書にかぎらず、「この仕事は何のために必要なのか」という意図や背景を漠然とでもいいから把握しておくこと。

そうすることで、質×スピードはアップするのです。

仕事の頼み方ひとつで成果が変わる仕事を頼む立場の場合は、自分の期待値をきちんと相手に伝えておくことでチーム全体の仕事の段取りはよくなります。

たいした説明もせずに「これをお願いします」とメンバーに仕事を振っていないでしょうか。

「メンバーもわかっているだろう」と高をくくっていると、自分が期待しているような成果が上がってきません。

すると、何度も修正を余儀なくされ、時間もムダにしてしまいます。

結局、「自分でやったほうがよかった」と後悔して、仕事を抱え込んでしまったら元も子もありません。

したがって、仕事の①レベル、②背景、③期日をあらかじめ伝えてから相手に仕事に取りかかってもらうことが重要です。

たとえば、企画書の作成を頼むときも、「企画書を出してほしい」と言うだけでなく、どんな仕事を期待しているか明確に伝えます。

企画書はアイデアレベルの簡単なものでいいのか、それとも、しっかりと練り込み、データなど資料もそろえてほしいのか。

自分が求めている仕事の質(レベル)について伝えます。

その企画書は、お客様を獲得するためのものなのか、誰かを説得するためのものなのか、上司に報告するためのものなのか。

企画書をどのように使うかという「背景」も重要です。

そして、肝心の期日。

いつまでに仕上げればいいのかについても、明確に伝えておきます。

抽象度が高く、レベルの高い仕事を頼むのであれば、途中経過を報告してもらう期日を設定することも必要でしょう。

メンバー同士が最終成果物のイメージを合わせることが、ムダなく段取りを進めるためのポイントとなります。

アウトプットは、必ずしも100%を目指す必要はありません。

仕事の「質」と「時間」の間には80%:20%のルールが存在します。

仕事の「質」が最大100%だとしたら、80%まで高めるのは、そんなにむずかしいことではありません。

それなりに時間をかけて適切なプロセスで仕事をすれば、多くの人は80%のクオリティーまで高めることができます。

しかし、80%の質から100%の質まで高めるのは簡単ではありません。

完璧な仕事をするには、集める情報も大量になりますし、作業量も増えていきます。

結局、0%から80%に質を高めるケースの何倍もの時間を費やすことになるのです。

たとえば議事録を作成する場合、議題や結論、おもな発言内容が記されていれば事足ります。

これが80%の仕事だとすれば、100%の仕事は出席者の発言を一言一句もらさずに記載するイメージです。

仕事のゴールは、バリューを実現するようなアウトプットを出すこと。

100%の仕事をすることではありません。

仕事の質にこだわって、時間がかかる人は、100%を目指す傾向にあります。

だから、質は高いけれども、スピード感のない仕事になってしまうのです。

もちろん、100%の仕事のほうが質は高いかもしれません。

しかし、80%と100%では決定的な差になりません。

スピードが求められるビジネスの世界では、80%の質でも十分に及第点と評価されます。

むしろ100%を目指してもたもたしているよりも、高く評価されるのです。

実際、上司や顧客の視点から見ると、時間とともにその評価は下がる可能性があり、100%の仕事は見せかけの100%でしかありません。

したがって、ミニマム思考ができる人は、時間をかけて100%の質を目指すのではなく、短時間で80%の質を達成するのが基本です。

なお、いち早く80%の質を達成するためには、仮説を立てることが重要になります。

仮説がないままに情報収集をはじめれば、膨大な作業量と時間が必要になります。

たとえば、「新規事業の企画書を書く」という場合、何も仮説がなければ、80%の情報を集めることさえ時間がかかりますし、そもそもアウトプットのイメージが不明確なので、どこまでやれば80%に達するのか見当がつきません。

しかし、「男性高齢者に売れるスイーツは何か」という仮説があれば、集めるべき情報も絞られて、どこまでやれば80%の質になるか想像がつきます。

仮説は、仕事のスピードを上げることにもつながるのです。

人は期限が決められていると、それに間に合わせようとします。

「終電まであと30分しかない」という状況に追い込まれたら、仕事にぐっと集中でき、普段以上のスピードで仕事を片づけられるものです。

みなさんもそのような経験は何度もしているのではないでしょうか。

これが「締め切り効果」です。

仕事をするときも、この締め切り効果を活用することによって、段取りのスピードアップを図ることができます。

人は苦しいことが大嫌いですから、期限ギリギリまで作業をはじめません。

夏休みの宿題を夏休み最終日にあわてて仕上げるという経験をした人も少なくないでしょう。

仕事についても、ついつい締め切り日に合わせて仕事に取りかかりがちです。

しかし、このような段取りで仕事をしていると、急な仕事が入って期限に間に合わなくなったり、他の仕事が滞ったりする原因にもなります。

これらを防ぐには、最終的な期限を意識するだけでなく、1日単位で作業の期限を設定することがポイントになります。

たとえば、「今日10時から11時まで1時間デスクワークができるので、この1時間で報告書作成のための情報収集までは終わらせる」というように、「〇時までに、〇〇までやる」と期限を自分で設けてから取りかかるのです。

自分で定めた期限や目標が達成できないのは気持ち悪いので、人はその期限に間に合わせようと必死になるものです。

ミニマム思考の人は、だらだらと遅くまで仕事をしていません。

実際コンサルタント時代も「夕食までに帰る」と決めたら、その時間に間に合うように仕事を進める。

そんな人がたくさんいました。

これも締め切り効果のひとつ。

何時までに1日の仕事を終わらせるという期限を設けているから、それに向けて仕事に集中することができます。

期限通りに終わりそうもなければ、少し朝早く出社して仕事がはかどる午前中に仕事を片づけていきます。

一方、段取りが悪い人は「終わらなければ残業すればいいや」という意識で仕事をしています。

だから、日中をだらだらと過ごし、夕方になってからあわてはじめるという仕事ぶりになってしまいがちです。

残業が多くなってしまう人は、一度、帰宅時間を設定して仕事をはじめてみてください。

普段いかに成果に結びつかない仕事をのんびりとしていたか実感できるはずです。

質×スピードのレベルの高い仕事をしたければ、朝、段取りを確認する段階で「今日は〇時までに終わらせて帰る」と期限を決めることが大切です。

たった5分、10分といったすきま時間でも有効に使うことが大切です。

「こんな短い時間では何もできない」といって、ボーッと過ごしたり、なんとなくネットサーフィンをしたりしがちですが、それはもったいない。

時間を意識して使うと、たとえ1分でも長く感じるものです。

短い時間でもできることはたくさんあります。

「5分以内に○○を終わらせる」と意識すると、締め切り効果も働き、サクサクと仕事を進めることができるはずです。

緊急の仕事はスピード優先緊急の仕事をするときほど期限を設定することが大切です。

しかも、できるだけ短い時間で済ませるのです。

緊急の仕事の中には、急を要する作業であったり、トラブルであったりと、短時間で成果が求められるものがあります。

たとえば、お客様のクレーム電話があったら、1日後に対応するよりも、すぐに対応したほうがお客様にこちらの誠意が伝わります。

後回しにすることによって、それがさらなるクレームを生む事態も考えられます。

緊急の仕事の中には、重要ではない仕事もあります。

たとえば、経費書類の提出や上司から頼まれた事務作業などなど……このような重要ではないけれど、緊急の仕事では、質よりもスピードを優先するのが原則です。

「5分以内でやる」というように、短い目標時間を設定して、一気に対応するようにします。

スピードが優先されるような仕事では、相手は丁寧で質の高い仕事を求めていません。

重要ではない仕事では相手の期待値を超える必要はないのです。

このような仕事は時間をかければかけるほど、相手の満足度は下がります。

スピード優先で対応すれば、重要ではない仕事でも相手は「よくやってくれた」と満足してくれます。

 

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