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3 感情系脳番地トレーニング

目次

死ぬまで成長し続ける脳番地

感情系脳番地脳の奥深くには、感情を左右する扁桃体という部位がありますが、この扁桃体は、感情系脳番地の中心的な部位です。

左脳側の脳番地は「私はあなたが好き(嫌い)です」というように、言葉を使って感情を刺激しますが、右脳側では「好きかもしれないし、嫌いかもしれない」と、まだ決定していない、漠然とした感情が刺激されます。

感情系脳番地の最大の特徴は、一生涯にわたって育ち続け、しかも老化が遅いこと。

実際、 MRIの画像を見ても、感情系脳番地は衰えにくく、仮に 100歳まで生きたとしても成長を続けることがわかっています。

感情系脳番地が発達しやすい職業の代表格が俳優です。彼(彼女)らは年齢を重ねるごとに演技に円熟味が増していきます。これも感情の表現力が発達し続けているからでしょう。

もっとも、普段、突然怒り出したり、すぐに落ち込んだりと感情の起伏が激しい人は、どんなに優秀でも、人から敬遠されてしまいます。

自分の感情をはっきり示すことも必要ですが、タイミングを見誤ると人間関係に悪影響を与えかねないので、注意が必要です。

また、感情系脳番地は思考系脳番地と相関関係にあります。たとえて言うならガスバーナー(感情系)とお湯が入ったやかん(思考系)のようなもの。

ガスバーナーをつければ加熱されてお湯が沸き、ガスを切ったらお湯も冷めます。

同様に、思考を盛り上げたければ感情を高ぶらせ、冷静に考えたければ感情を抑えなければなりません。ところが感情が不安定だと、思考も揺さぶられてしまい、いい考えが浮かばなくなってしまいます。

そのような事態を避けるためにも、感情の起伏が激しい人は、この感情系脳番地を鍛えて穏やかな気持ちを維持する必要があると思います。

10出かける前に「何があっても怒らない」と唱える

病気やケガ、虫歯などがひどくなると、多くの血液が脳の「超前頭野」に流れることは前章で述べました。

超前頭野には、このように体に不調があるときだけでなく、怒ったり興奮したりしたときにも大量の血液が流れ込みます。これが、いわゆる「頭に血が上る」状態です。

あなたのまわりにも、頭に血が上りやすく、ちょっとしたことですぐに怒ってしまうような人がいるのではないでしょうか。

こういう人の怒る理由を探ってみると、「疲れている」「肩が凝っている」「足腰が痛いのを我慢している」など、体調不良が隠れた要因になっていることが多いようです。

体調が悪いことで思考力が低下し、それがもとで感情がブレやすくなるため、怒りや不満の感情が出やすくなるというわけです。

このことからも、感情系脳番地と思考系脳番地が、密接に関係していることがわかるでしょうもっとも、原因は何であれ、些細なことですぐに怒ってしまうようでは、人格が疑われてしまいますし、日常生活を送るうえでも支障をきたします。

こうしたことを避けるべく、朝出かける前に、「何があっても怒らない。キレたらその場を離れる、人にはやさしく、やさしく……」と自分にいい聞かせましょう。

これだけのことで、超前頭野にひとつの「目的」を与えることになり、思考や感情の些細な変化に惑わされることなく、穏やかな状態で過ごすことができるのです。

ちなみに、脳では知識を得る場所と感情をコントロールする場所が異なります。つまり、「頭がいい人」が「心が豊かな人」であるとは限らないのです。

知識人と呼ばれる人たちが感情豊かかといえば、それはまた別の話でしょう。実際、頭が良くてもドライな性格の人はたくさんいますし、その逆もまた然り、です。知識を得ることと感情を豊かにすることは、それぞれ別々に訓練しなければならないのです。

11「楽しかったことベスト 10」を決める

日常生活を送っていると、決して楽しいことばかりが起きるわけではありません。ときにはつらい思いをすることや、気持ちが落ち込むこともあるでしょう。

しかし、目の前のことに集中するには、マイナスの感情は心の奥に沈め、即座に気持ちを切り替えることが大事です。時間は待ってはくれませんし、いつまでもクヨクヨしているわけにはいかないのです。

気持ちを切り替える方法のひとつに、「過去の楽しかったことを思い出す」というものがあります。

「小さいとき、海で心ゆくまで遊んだ」「学生時代、友人と旅行に行ってハメを外した」というような、忘れられない思い出は誰にでもあるでしょう。

このような楽しかった出来事を思い返すと、たとえ嫌なことがあってもつらさや苦しみが和らいで、気持ちを切り替えることができます。

そこで、気持ちが落ち込んだときには、過去の楽しかった思い出をいくつか挙げ、それを「ベスト 10」形式で並べてみてください。

これは、感情系脳番地を鍛えるトレーニングになります。なぜでしょうか。このトレーニングは、過去の記憶を利用して現在の感情を意識的にコントロールしていることに他なりません。

「過去の記憶を思い出す」ことは、楽しかった感情を再現することですから、その再現のプロセスが感情系脳番地に刺激を与えるというわけです。

なお、楽しかった出来事を思い出すときには、何が楽しかったのか、なぜ楽しかったのか、という点も併せて思い出すようにしましょう。

そうすることで、当時の感情が新たな形で刷り込まれるため、感情の記憶がさらに強化されるのです。

12「大好きなもの」を 10日間絶つ

仕事の休憩時間に、喫煙所に行ってタバコを吸う人がいます。

本人にとってはリラックスするための一番の方法なのかもしれませんが、気持ちをスッキリさせるという点では、タバコには一時的な効果しかありません。

それだけではなく、長い目で見るとタバコは健康に害を与えるばかりか、集中力が持続しなくなる、イライラしやすくなるなど、日常生活にも悪影響を与えかねないのです。

しかも、タバコに含まれるニコチンには常習性があるため、なかなかやめられなくなり、ひどい場合には依存症になることも。まさに「百害あって一利なし」です。

お酒に関しても、大量の飲酒によって脳細胞が死んでしまうことが実証されていますし、タバコと同様に依存しやすくなる傾向があります。

飲み会などでお酒を飲みすぎてしまい、そのせいで翌日思うように仕事が進められなかったという経験のある人もいるでしょう。体調に異常があれば脳の働きも鈍りますから、飲みすぎには十分注意しなければなりません。

とはいえ、こうした嗜好品に一度慣れてしまうと、その後でどんなに禁煙や禁酒を心がけてもうまくいかないものです。

そんな人は、まず「 10日間」と期間を区切り、強制的に酒やタバコを断つことに挑戦してみましょう。好きなだけ喫煙や飲酒をしてきた人は、最初のうちはつらい思いをするかもしれません。

それでも「 10日間だけ」と我慢して続けるうちに、やがて酒やタバコに頼らなくても、過ごせることに気づくはずです。

このトレーニングのポイントは、「誘惑」に打ち勝つことだけでなく、感情系脳番地にちょっとした負荷を与えることです。すなわち、それまで無条件に得られていた「楽しい感情」を少しだけ制御することに意味があるのです。

喫煙や飲酒の習慣がない人は、コーヒーや甘いものなど依存性のある嗜好品を「断つ」ことでも同様の効果が得られます。

コーヒーも甘いものも過度に摂取すると健康面に悪影響を及ぼしますから、止めること自体は、体にとっていいかもしれません。

ただし、このトレーニング本来の目的は、あくまでも脳への刺激を変えたときに感情がどう変化するかを観察することにあります。

好きなものを止めることで過度のストレスがかからないよう、ほどほどに実行しましょう。

13「ほめノート」をつくる

何をやってもうまくいかない時期というのは、確かにあります。そういうときは、どうしても気持ちが後ろ向きになってしまうもの。

気持ちがあまりに後ろ向きになると、いざという場面でもあきらめの気持ちが先に立ち、 普段なら成功するようなことがうまくいかなくなってしまいます。

そうなると、成功体験が少なくなるので、気持ちがますます消極的になってしまう。結果的にマイナスの感情を生み出し続ける悪いスパイラルに入ってしまうのです。

この悪循環を抜けるには、常に自分の心の動きに気を配り、気持ちがネガティブな状態に傾いたら、すばやく「応急処置」をすることです。そのために有効なのが、「ほめノート」です。

この「ほめノート」には、日々の生活の中で「自分で自分をほめたい」と思ったことを書き留めておきます。内容は、些細なことで構いません。

「定時に仕事が終わった。最近はいい調子だ!」「コンビニで 1品多く買いたかったが我慢した。よくあそこで踏みとどまれた」など、何でもいいのです。

もちろん、まわりの人からほめられるようなことがあったら、それも合わせて書き留めておきましょう。

「上司に怒られても口ごたえしなかった。反論していたら上司の逆鱗にふれていただろう」という記述があってもいいと思います。

ほめる基準は、その人の自由なのですから。

ほめられてウキウキすると、感情系脳番地に隣接する思考系脳番地も一緒に刺激され、2つの番地の間に良い循環が生まれます。

「ほめノート」は感情系脳番地と思考系脳番地の間を良好に保つツールでもあるのです。

14新しい美容院を開拓する

脳は、常に挑戦し続けていないと育たない器官です。「挑戦」といっても難しく考えることはありません。要するに、脳は「新しい体験」を求めているのです。

たとえば、「今まで行ったことのない場所に行ってみる」「いつもと違う色の服を着てみる」「髪型をガラッと変えてみる」という程度でいいのです。

髪型を大きく変えようと思っても、失敗したときのことを考えてしまいますから、よほど思い切らない限り、挑戦をためらってしまうかもしれません。

しかし、イメージチェンジがうまくいけば、周囲に新鮮な印象を与えられますし、それによって自分の気持ちにも新たな変化が生まれます。ですから、チャレンジしてみる価値は十分あるでしょう。

どうせ髪型を変えるなら、いっそ美容院ごと変えてみてはいかがでしょうか。カットの出来・不出来は、初対面の美容師の腕にかかっているので、かなりの緊張感を覚えるかもしれません。

もちろん、そこで失敗すれば高くつくかもしれませんが、失敗であれ成功であれ自分の感情が大きく揺さぶられるのは確かで、これが感情系脳番地にいい刺激を与えることになるのです。

また、美容院を変えれば、新たな個性を持つ美容師との出会いがあります。人にはそれぞれ個性がありますが、個性が違えば変え方も違うもの。ゆえに自分が持っていないものを持っている人と接することは、脳を刺激するうえでも大変重要です。

自分にないものを持っている人は、自分とは異なる脳番地の使い方をしている人です。ですからコミュニケーションを深めれば、それまでとは違う感情の変化が得られるでしょう。

感情体験は、人間にとってとても大切なこと。知的な体験も必要ですが、その一方で感情を揺さぶられるような体験をしなければ、人間の能力は伸びません。

15植物に話しかけてみる

何もしゃべらない植物に話しかけるというと、人によっては奇異な印象を持つのではないでしょうか。

しかし、農家の人たちが声をかけながら農作物を育てることはよくあるようですし、実際、「愛情をかけて育てるとおいしくなる」とも言います。自宅で育てるような観葉植物にしても、サボテンなどは話しかけながら育てたほうがよく育つそうです。

私も実際にやってみたことがありますが、確かに「元気そうだな」「ちょっと弱っているみたいだね。水分が足りないのかな?」と話しながら育てるだけで、目の前の植物がそれまでとはまったく違って見えてくるから不思議です。

声かけと植物の生育との間に、科学的な因果関係があるかどうかはわかりません。

しかし、もの言わぬ相手とはいえ、絶えず気持ちを伝えることで植物と人との間に相互作用が生まれ、それが成長のエネルギーになるのではないでしょうか。

結果的に良く育つかどうかは別として、植物に話しかけることは感情系脳番地を大いに刺激してくれます。なぜなら、話しかけること自体が、感情表現になっているからです。

実は、このトレーニングにはもうひとつの効果があります。それは、自分の気持ちが穏やかになること。

たとえば仕事が終わって帰宅した直後は、脳が興奮し、感情が高ぶっている状態です。その状態で植物に語りかけると、興奮していた脳がクールダウンされるのです。

気持ちを落ち着かせる方法としては半身浴やアロマなどもありますが、植物に話しかけることでも十分なリラックス効果が得られるのです。

また、このトレーニングによって刺激を受けるのは感情系脳番地だけではありません。話しかけるときに植物の健康状態を見ることで、視覚系脳番地も刺激されるのです。ちなみに、話しかける対象は、犬や猫などのペットや水槽の熱帯魚でも構いません。

飼い猫にその日の出来事を話したり、熱帯魚にエサをあげながら「おいしそうに食べているね」と声をかけてもいいでしょう。

言葉が通じないという前提は動物も変わりませんが、動物は何らかの反応を返してくれるので、植物よりも以心伝心のコミュニケーションが取りやすいと思います。

16まわりの人にその日の印象を伝える

職場でいつも顔を合わせている人を見て、「今日はいつもと違う」と感じることはありませんか。

「髪型が変わった」「ネクタイが派手だ」と明らかに原因がわかるときもあれば、「何かが違う……」というような、漠然とした「?」が生まれるときもあります。

後者のように、人の表情や雰囲気から違和感を「察知」するのは、感情系脳番地の働きです。そこで、この「察知力」を高めるトレーニングをしましょう。人と会ったときに、相手の体調や心理状態を一瞬で感じ取り、気づいたことを伝えるようにするのです。

「今日は何だかお疲れですね」「機嫌がいいみたいだけど、何かあった?」「風邪ひいたんじゃない?」「つまらなそうな顔をしているね」こんな感じです。

服装、表情、声の調子、皮膚の状態、テンションなど、言葉を使わなくてもキャッチできる情報はたくさんあります。こうしたさまざまな情報に注目しながら、受けた印象を相手に伝えるのです。

ポイントは、あくまでも〝一瞬〟で判断すること。じっくり観察すれば何か変化を見つけることはできるでしょうが、時間をかければいいというものではありません。相手の状態をわずかな時間で感じ取ることが、「察知力」の向上につながるのです。

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