前の項目で、経営を構成している大事な要因について説明してきましたが、ドラッカーが言うとおり、効果が高い経営をして業績を良くするには、それらの要因のウエイト付けをしておく必要があります。 ウエイト付けをしないで経営をすると、あれも重要、これも重要、みんな重要、という総花主義に陥ってしまい、業績は良くなりません。 では、前の項であげた8つの大事な要因をウエイト付けしてみましょう。 項目の数が多すぎると計算がむずかしくなるので、まず8つ目の仕事時間は、性質が違うことから除外します。 次に営業地域、業界と客層、それに営業方法と顧客維持の4つは1つにまとめて、「広い意味での営業対策」とします。これで項目は、「広い意味での営業対策」「商品対策」「組織対策」「資金と経費対策」の4つになります。 これら4つの項目を、第 2次世界大戦が始まる前、アメリカ国防省のプロジェクトチームが新しく開発したオペレーションズ・リサーチの方法と、競争の法則と呼ばれるランチェスター法則の2つを使って計算してウエイト付けすると、次のようになります。「広い意味での営業対策」―― 53%「商品対策」―― 27%「組織対策」―― 13%「資金と経費対策」―― 7% ちなみに「広い意味での営業対策」と「商品対策」の2つに限定してウエイト付けをすると、「広い意味での営業対策」が 67%で、「商品対策」は 33%になります。営業 7分に商品 3分、ということです。 次に、広い意味での営業と商品の2つを合わせて「お客づくり関連」としてくくってみると、 80%になります。一方でそれら以外、つまり組織と資金・経費の2つを「内部関連」としてくくると、 20%になります。 つまり、お客づくり関連と内部関連の比は 4対 1となり、お客づくり関連のほうが 4倍もウエイトが高くなるので、業績を良くするには、お客活動を必ず差別化し、そのレベルを高めなければならないことがはっきりします。 もちろん、だからといって、お客づくりだけに力を注げばいいというわけではありません。業績は両方の掛け算なので、双方のレベルを同業者より高めていく必要があります。 しかし従業員 30人以下の社長は、何かと雑用が多く時間に余裕がないことから、すべての要因を業界平均より高めようとしてもなかなかうまくいきません。 であれば、従業員 30人以下の社長は、お客づくり関連により大きな力を注がなければなりません。内部関連の仕事は、直接粗利益をつくらないからです。 ですから「組織、資金・経費」の内部関連は業界の「平均的なレベル」にしておいて、経営で最も重要なお客づくりに注力すべきなのです。中でも経営力が弱い従業員 20人以下の会社は、このことを肝に銘じなければなりません。
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