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3 「後半30分」で夢への「種まき」を進める

こんなとき、どうする?──将来を見越した「種まき」の仕分け方前章では前半30分でタスクを段取る「種まき」分解法を紹介しました。この章では困ったときの対処法や、仕事だけでなく、将来につながる「種まき」をどうタスク化していくかについて解説していきます。やる気が出ないときは「書かなくても分かる」をタスク化する「朝1時間」のタスク分けを進めていく中で、なかなかタスクをつぶすことができずにモチベーションが下がるときもあります。そんなときはタスクの「粒度」が大きい場合が多いです。そんなときは、あえて「書かなくてもできる」ことをタスク化してみると、粒を細かくするコツが分かるようになります。一例として「家の中を片づける」を分解してみましょう。1.リビングを片づける2.キッチンを片づける3.書斎を片づける4.お風呂を片づける5.子供部屋を片づける6.クローゼットを片づける場所の軸で分解すれば、タスクは6つに増えます。6つのうちいくつできたかを数えることができるので、進捗が見える化できます。さらに細かく、「片づける」を分解してみましょう。1.いらないものを捨てる2.散らかったものを元にもどす3.掃除機をかける4.拭き掃除をする場所に加えて片づけ方で分解してみると、「家の中を片づける」のタスクは、少なくとも場所軸6×片づけ方軸4=24個以上あることになります。

これだけリスト化すれば、1個もクリアできなかった、ということはあり得ません。この手法だと達成率も計算できるようになり、どうしてできたか、できなかったか、原因も分析できます。タスクを「できた!」と思って消せる達成感もたくさん味わうことができるようになり、自己肯定感が上がります。モチベーションが下がったときのポイントは、「書かなくても覚えている」ような些細なことも、躊躇なく書き込むことです。掃除の仕方に自分なりのルールを持っていて、いちいち書き出さなくても分かるという場合も、達成感を得ることを目的にあえて書き出しておきましょう。書いたことを少しでも終わらせることで、「自分は作業を進めている」と実感して前に進むことができるようになりますし、「忘れないようにしないと!」と頭を使う必要がなくなります。試してみてください。

コントロールできる悩みに注力し「モヤキャリ」を打破自分の志向(ワーク&ワーク、ワーク&セカンドジョブ、ワーク&プライベート、ワーク&インベスト)により優先順位は変わると前述しましたが、自分がどのタイプを目指したらいいのか、将来どうなりたいのかモヤモヤしている人もいますよね。このような状況から抜け出すためには、「朝1時間」を使って、目の前の「コントロールできること」に注目して優先順位をつけることです。それがあなたにとっての「種まき」になります。頭の中にある不安を、頭から一旦放出して外から眺め、悩みやストレスを「見える化」して分類をしていきましょう。手順は次の3つです。1.悩みや不安の原因を「1テーマ1ふせん」でランダムに書き出す2.横軸に時間軸、縦軸に解決できるかどうかで表を作り、1の悩みを分類する3.自分が動くことで解決しない(コントロールできない)悩みは心配するのをやめ、自分が動くことで解決する(コントロール可能な)悩みに注力。短期的なものから徐々に解決策を考えていくポイントは、頭に思いついたものを順番や悩みの大きさを気にせずに記入し、頭の中のモヤモヤを空っぽになるまで「ふせん」に吐き出すことです。たとえば、責任がある仕事を任せてもらえない会社が倒産するかもしれない先月の仕事の大失敗がトラウマになった会社をリストラされたらどうしようこのまま彼氏ができなかったらどうしようなど、仕事・プライベートの区別なく、思いついたまま、自由に書いてみてください。その後、次のような表にペタペタと、先ほど書いたふせんを貼りつけていきます。この作業のメリットは、悩みの大きさや時間軸など、頭でぐるぐる考えているだけでは解決策が見えてこない問題を、一歩離れた視点で見つめなおせることです。

じつは私たちは、すでに起きたミスを後悔したり、起きてもいないことを心配したり、「自力ではどうにもならない悩み」を考えては、ため息をつくことが多いのです。たとえば、「同僚が自分よりも先に出世してしまった」事実を、「どうしよう」と悩み続けても、同僚が先に出世したという「事実」は変わらないわけですよね。だったらクヨクヨ考えている暇はない、と割り切り、逆に同僚の出世ポイントを分析してみよう、と思うことができたら、足を引っ張ったり嫉妬したり、というネガティブな行動からは決別できます。このように、頭では分かっていても感情につい引っ張られて割り切れないことも、「朝1時間」を活用することで心を整理整頓して前に進む力とすることができます。もちろん天災や景気の動向など、どうにもならなくても備えておかなければいけないこともありますが、解決可能な問題に注力し、目の前のことを一生懸命やろう!と心を定めるためにも、定期的にこの作業をしてみることをおすすめします。なお、横軸は時間軸になっているので、まずは手をつけやすい短期的問題から解決策を考えていくと、徐々に頭がスッキリしてくるのが分かるはずです。その勢いで中期的、長期的な問題にも取り組んでいきましょう。

「コンプレックス」と「できること」に強みが隠されている「いまの職場では力を発揮できない」「この仕事は本当にやりたいことではない」という思いにはまってしまうと、どの志向で優先順位をつけるべきか戸惑うこともあるでしょう。そんなときは次の2つを「種まき」としてやってみてください。1.「自分がコンプレックスだと感じていること」を書き出す2.「自分が当たり前にできてしまうこと」を書き出し、周囲が「すごい」と言ってくれるかを確かめてみる順番に解説します。1.「自分がコンプレックスだと感じていること」を書き出す「コンプレックスだと感じていること」を書き出す理由は、自分が「苦手だ」と思っていることに、強みややりがいが隠れていることが多いからです。実は「○○の専門家」と言われる人は、「○○」が得意だったからではなくて、苦手意識を持っていたからこそ、体系化したり研究したりしている場合が多いのです。モテテクを教えている人はモテなかったから必死に「モテ」研究していたし、私だって早起きができなかったから工夫した結果「朝活」を伝えているわけです。私の周囲は人前で教える立場の人が多いのですが、人の気持ちを考えるのがずっと苦手だったから、相手の気持ちを配慮できるような話し方の先生をしている人や、公認会計士試験に一度も受からなかったけど、公認会計士試験を研究しまくったお陰で人気ナンバーワンの講師になった人など数多くいます。もともとできる人は、苦労しなくても自然にできるから法則を体系化できません。でも「できない、でもできるようになりたい」と思い続けている人は、できるまでのプロセスを丁寧に追うことができるのです。だから、コンプレックスはあってもいいし、コンプレックスがあるからこそ、それをことさらに意識することがあなたの強みにつながります。コンプレックスは強みの裏返しということを知っておくと、次々と起こるトラブルや落ち込みにも冷静に対処できるようになります。視点が変わるので、日々の出来事が楽しくなります。あなたの「普通」は誰かの「すごい」。皆さんの中にも必ず、コンプレックスの裏返しで得意になるものがあるはずなので、ぜひ書き出してみてください。2.周囲が「すごい」と言ってくれるかを確かめる次におすすめするのが、自分が当たり前にできてしまうことを書き出し、周囲が「すごい」と言ってくれるかを確かめてみることです。私の場合、「朝4時起き」が自分の中で長い間習慣となっていたので、あまりにも普通すぎて、自分がほかの人とはちょっと違うということに気づかないまま朝4時起きを続けていました。ある日「朝4時起きをしている」という話を、ランチ中に何気なく伝えてみたところ、皆の目の色が変わって、「何時に寝るの?」「なんで4時起きなんてしてるの?」「どうやったら起きられるの?」とものすごい勢いで質問されたのです。その内容が面白い、ということで、2009年に『「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす!』(マガジンハウス)の出版が決まりいまに至ります。このように、自分の中で「当たり前すぎて言うまでもない」と考えていることは、実はほかの人にとっては、ものすごく貴重なことかもしれません。ただし注意すべきは、自分のすごさは自分自身でなかなか気づかないため、「もしかしてこれは意外とすごいかも?」と思ったことを周囲に発信して反応を見てみましょう。発信するときの指標になるのは、「すごい」とどのくらい言われるかです。そのためには当たり前にできていることを10個書き出して、それぞれ「すごい」の数を比べることで自分の強みを探してみましょう。直接言われた数でなく、Facebookの「いいね」の数や、ツイッターのリツイートの数で比べるのもいいかもしれません。このように、「朝1時間」の「種まき」で自分について書き出すことで、とらわれや思い込みから解放されます。定期的に時間を作ってぜひ書き出してみてください。

希望的観測のタスク化には5W2Hを使う「ワーク&ワーク」「ワーク&セカンドジョブ」「ワーク&プライベート」「ワーク&インベスト」……どのタイプも「こんな未来になったら最高だな!」とイメージするのは「種まき」にあたります。そして、そのイメージがただの「妄想」で終わるか、きちんと「予定」として機能するかは「5W2H」の切り口でタスク化できるかどうかにかかっています。5W2Hとは、いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、どのように(How)、なぜ(Why)、いくらで(Howmuch)という切り口です。きっとあなたも仕事上などで聞いたことがあるでしょう。これを仕事だけでなく、プライベートの妄想でも活用するのです。たとえば、次のような妄想をするとします。海外のビーチリゾートに別荘を持ったあなたが、ベランダで海に沈む夕日を眺めつつ、のんびりビールを飲みながら大好きな本を好きなだけ読んでいるダイエットに成功して、いままでは絶対に着られなかった、体の線がはっきり出る服を着て堂々と銀座の街を歩いているこのとき、夢が叶ったときに着ている洋服の手触りや、そのとき感じたいい香り、自分が食べている高級レストランのメニューや味まで、具体的に細かく細かく想像し、あたかもそれが現実になったかのように先取りしていい気分になってみましょう。楽しい未来を想像し、幸せな気分になったあとは、それを具体化していくプロセスに入ります。「ビーチリゾートの別荘でのんびりするには」を5W2Hでさらに具体化してみると、こんな感じになります。たくさんあるビーチリゾートから、世界地図を広げたり、ネットで調べたりして、候補地を探す(Where)なぜそのリゾートがいいと思うのかを考える(Why)何年後にその地に別荘を手に入れたいかを考える(When)そのころ、誰と一緒かを考える。家族は増えている?友人はどんな人?(Who)そのリゾートに別荘を買うにはいくら必要かを考える(Howmuch)いまの現状とその目標のギャップを埋めるために、いまからできることを考える(How)別荘を手に入れるためにとても現実的とは言えない費用がかかるとしたら、ほかの方法がないかを考える(年に数ヶ月だけ借りるには?など)(How)5W2Hで細かく突き詰めると、思い描けずに行き詰まる箇所があります。行き詰まる箇所を認識できたらラッキーです。クリアするためにはどうしたらいいのかな?というところまで深く深く考えることができるわけですから。そこまで落とし込むことができれば、妄想が現実になる確率は格段に高くなります。こうしてできたプランの「How」の部分をさらに細分化し、はじめの一歩としてタスク化していけば、夢に一歩進むきっかけができます。妄想→5W2Hを「朝1時間」の習慣にすることのメリットは、願望が具体的なプランとなっているために「これがやりたい!」と周囲に伝えることを躊躇しなくなるということです。「こんなことを言って結局できなかったら恥ずかしい」「失敗したらどうしよう」と心配し、やりたいことを心の中にとどめておくだけでは、せっかくのチャンスを逃してしまいます。声に出すのは勇気がいることかもしれません。でも、きちんと時間を作り、しっかりと分析して、やりたいことを具体化していけば、何も恥ずかしいことなんてありません。仮に失敗したとしても、また5W2Hを使って計画しなおせばいいだけの話です。「朝1時間」は毎日訪れます。いつだって、どこからでも始めることができます。

朝読書を「種まき時間」にする方法「ワーク&ワーク」「ワーク&セカンドジョブ」「ワーク&プライベート」「ワーク&インベスト」、どのタイプも、朝の読書を「種まき」としてとらえることは有効です。朝読書のメリットは大きく2つあります。・外部に中断されないから、集中できる・本で得た知識を、ブランクなしにすぐ実践できる私は朝読書のおかげで、クリアな頭でしっかり本の中身を理解し、サクサク物事がすすむ気持ちよさを味わうことができています。夜、本を読んで、「へぇーなるほど。試してみよう」と思っても、一晩寝ると何を試すのか忘れてしまうこと、よくありますよね。朝のまとまった時間で読書をすると、集中して読めるから意識が分散しない上、試してみよう、と思ったことをすぐに実践できるようになります。得た知識にブランクを入れず、すぐに実行することで、さまざまなスキルアップが可能になるのです。何も、スキルアップに限ったことではありません。たとえば朝読んだ雑誌にオフィス近くのおすすめランチ情報が載っていたら、今日のランチはそこにしよう、と決める。そんな些細なことでもいいのです。「いつか行こう」じゃなくて「今日行こう」と決めることで、また新たなお店情報ストックが増える。これもまた楽しいことですよね。とはいえ、朝読書に向く本、向かない本もあるので、どんなジャンルでもやみくもに早朝読書がいい、というつもりはありません。たとえば、恋愛小説やミステリーなど、ドキドキした気分を味わうようなものは、ワインやハーブティーとともに、ゆっくりと夜読んだほうが楽しめるのではないかと思います。つまり、夜は自分の感情を大切に扱うようなもの、「応用に時間がかかるもの」がおすすめです。「これってどういうことだろう?」「自分だったらどうするだろう?」というような、自分自身と対話するものを楽しむのもいいですね。読んだあと寝ることで、感情が整理され、熟成されていく感覚が味わえます。反対に、朝は「すぐ応用できそうなもの」、自分の実際の行動につながるような情報をインプットするようなものを読むのがおすすめです。スピード感をもって物事を進め、仕事のエンジンを暖めるという意味でも、ノウハウ系の本や雑誌などの軽いものや、勉強している方は資格試験のテキストなどがいいでしょう(ただし、眠い頭で読むと寝てしまう場合があるので、手をしっかり動かしつつ、ノートを取るのをおすすめします)。このように、さまざまな目的によって本の読み方や応用の仕方は変わってきます。

仕事の「ひとりダメダシ」で客観的になれるワーク&ワーク志向の人は「朝1時間」も仕事を進める方も多いことでしょう。そんな人におすすめなのは、プレゼン資料や提出資料を「ひとりダメダシ」してみるのを「種まき」とすることです。プレゼン資料や提出する長めの文章は、なかなか手につかなかったり、逆に集中して気分が乗りすぎたりして、後で振り返るとちょっと支離滅裂になっていた、ということはありませんか?そんなときは、文章を書いたり資料を作ったりしながら、ツッコミどころも一緒に書き出して「ひとりダメダシ」しましょう。私の場合は、連載や本の執筆のときも、文章を書きながら「ひとりダメダシ」をするようにしています。具体的には次のようにします。文章を書いていて論理の飛躍に気づいたとき、執筆を止めるのではなくて、「前の文章と後の文章で言っていることが違う」とか「何を偉そうに書いてんの?」「この話の流れ意味不明」「あとでデータの裏づけ必要」といった「心のつぶやき」「ツッコミ言葉」を、赤字で入れながら書くのです。こうすれば文章を書く手は止まらないので、勢いのあるまま、すっと文章を書くことができます。そしてあとで見直したとき、赤字のツッコミを気にしながら、もう一度文章を練り直すこともできます。この段階では文章がめちゃくちゃでも、とりあえず量は書けた、ということで達成感を得ることができます。その上で、何度も見直す際に冷静にこのツッコミ言葉を分析し、文章を整えるようにするのです。これは自己客観化の訓練にもなる上、何度も冷静な目で文章を見直すことになるので、独りよがりの言葉がだんだん少なくなってきます。夜この作業をすると脳が疲れているのでダメダシも甘いのですが、朝なら切れ味がいいダメダシができるようになります。

仕事と人生に優先順位をつけるには働き方改革に関する講演会で、「朝1時間」の仕事での優先順位づけについて話す機会があり、参加者から次の質問が出ました。「目の前の仕事の優先順位と、将来役立つ仕事・やりがいのある仕事・自分のキャリアにつながる仕事の優先順位づけにいつも迷ってしまいます。たとえば、この企画は会社にとっても世の中にとっても絶対いいものだし、私も力を入れて取り組みたい!と思うアイデアがあるけれど、直接の業務ではないから真っ先に取りかかることは難しく、折り合いのつけ方にモヤモヤしてしまいます」「絶対いいものだ!」と信じている仕事はぜひ推進したいものですが、目の前の仕事も放っておくわけにはいかない……悩ましい問題ですよね。目の前の仕事に追われて、やりがいのある仕事やキャリアにつながる仕事になかなか着手できないでいると、だんだん「このままで大丈夫かな」と不安にもなります。とはいえ仕事は好きだし、「こんな会社やめてやる!」と辞表を突きつけるわけにもいかないとき、現状の不満から楽しみを見いだすヒントを考えるのも「種まき」のひとつです。たとえば次の2つを試してみるのも手です。1.いまの仕事と将来の仕事の「かけはし」を考える2.会社に納得してもらえるほどの意義を考え、プレゼンする順番に解説します。1.いまの仕事と将来の仕事の「かけはし」を考えるまずは無理にでも「会社にとって絶対にいい」施策と、「いまやっている仕事」、それぞれの価値を見つけましょう。これを私は「かけはしをかける」と言っています。たとえば、「『あいつが言うなら』と誰もが納得して自由な裁量で仕事ができるようになるために、目の前の仕事を1年間集中して頑張ろう!」でもいいですし、「今後副業解禁が加速すると、私がやっている事務代行の仕事はひとり起業家にニーズがあるはず。いまのうちにどういう事務フローだと商品化しやすいか考えておけば副業や起業したときに役立つはず」でもいいでしょう。2.会社に納得してもらえるほどの意義を考え、プレゼンするもうひとつの方法は、決裁者にプレゼンしたらどうなるか?をイメージし、実際にプレゼン資料を作ってみることです。会社の未来にとって「絶対いい」と信じ、あなたが情熱をもって取り組める仕事が、どれだけ会社の未来を変えるかをまとめてみましょう。ここで大切なのが、会社の文脈で考えてみること。会社の文脈とは何かというと、一言でいって「儲かるかどうか」です。「儲かるか」というと生々しいと感じる方も多いかもしれませんが、会社は利益の追求によって世の中をよくすることで成り立っているため、「社会にいい」活動を提案しても、それが「儲からない」のならGOは出ません。ですから、たとえば会社の今期、次期の経営戦略や会社の創業時からの経営目的とリンクさせ、あなたの施策がいかに会社の「儲け」にとって必要不可欠かをプレゼンとして組み立てることを「朝1時間」で試してみてください。

仕事に「種まき」がないと悩んだら?「朝1時間」のタスク分けは企業研修でも紹介し、社員に実践もしていただいているのですが、一般職の方から次の質問をいただくことがあります。「優先順位づけが大切なのはよく分かったのですが、自分の仕事はサポート的な仕事ばかりで種まきの赤が見つかりません」。つまり、自分にとって「種まき」にあたる仕事はないと感じているということ。そういうときは、どうすればいいと思いますか?結論から言うと、どんな仕事にも「種まき」は必ず存在します。仕事を「誰にでもできる仕事」「種まきなんてない」という言葉でジャッジし、思考停止してしまうと、目の前にある大切な「種」を見落としてしまいます。実は私もかつては自分の仕事を「種まきがない」と思って焦る一人でした。コンサルティング会社勤務といっても資料作成のサポートスタッフでコンサルタントではありませんでした。本当は花形のコンサルタントになりたかったのに能力不足でなれなかった自分にウツウツとしていました。毎日何百枚もパワーポイントの資料を作っていると、自分が「資料作成マシーン」のように思えてくることもありました。自分の名前で仕事がしたいと思っても、ただの作成部隊の一人だと思われている気がしていました。資料作成だけをしている部署は、当時コンサルティング業界以外に無かったため、転職しようにもできないと思っていました。そんなとき、上司に言われた次の言葉で私の仕事に対する意識が変わりました。「私たちの仕事は、ただのサポートスタッフではなく、会社のクオリティを維持する最後の砦だ」コンサルティングという仕事は、頭の中が商品です。形のない商品を、形として見えるものにするのが、私たちの部署でした。だからこそ、細部にこだわった美しい資料、分かりやすい資料を作ることが、この会社のブランドをしょって立つことになるのだ、という意味でした。意味づけが変わった瞬間、見える世界が変わりました。改めて自分の仕事を見てみると、資料作成の部署というのは経営戦略が作られていく過程を生で形として見ることができるすごい場所だと気づきました。資料を読み込むことで、企業が戦略を立てていくダイナミズムを少しですが伺い知ることができました。資料を読み込むと「こうしたほうが分かりやすい」と思えるようになり、表現方法を提案することも、徐々にできるようになりました。「意味」を見いだすと心構えも変わります。心構えが変わるまでは散々だった社内評価も、徐々に上がっていきました。自分の仕事を「作業」ととらえれば「間引き(青)」や「塩漬け(黒)」に見えるかもしれませんが、「価値」ととらえれば、会社の価値を底上げしている仕事、つまり「種まき(赤)」になります。

たとえば現場の事務工程に精通している人が全部AI(人工知能)やRPA(ロボットによる業務効率化)に取って代わられるわけではありません。「機械にもできる/機械には任せられない」作業の目利き力、判断力は磨かれます。「自分の仕事はしょせん機械にとって代わられる」と思って仕事をするのと、「自分の仕事は人間にしかできない目利き力を育む」仕事だと思って仕事をするのとでは、おのずと仕事への意義や楽しみの見いだし方は違ってくるでしょう。いまある会社という環境を使って、せっかくだから自分のやりたいことを実現してやろう!そう思えば日々の仕事にも張り合いがでてくるのではないでしょうか。自分の仕事はサポートばかりで「種まき」がない、つぶしがきかないと思ったら、どうすれば「つぶしがきく」のか?を「朝1時間」で考えていくのも立派な「種まき」のはずです。

「刈り取り」のマニュアル化も「種まき」になる趣味のためにいかに家事や仕事を効率化するか?を考えることも「種まき」に当たります。時短や効率化を意識するときのポイントは「刈り取り(緑)」の部分をいかに機械的に処理できるかです。マニュアルを作って効率化する作業を「朝1時間」の種まきとして進めてみましょう。マニュアル化では「数字で」「具体的に」を意識してください。「状況次第で」「必要に応じて」という曖昧な言葉を使ってマニュアルを作ると、その都度迷うことになります。判断の余地がなく、自分が機械になったかのように仕事ができる状態に作り込むことができれば、自分もラクなだけでなく、周囲にも共有できるようになります。たとえば月イチの定例会議なら、会議前、会議中、会議後に関するタスクや作業内容をまとめておきます。

ちなみに私の子どもがまだ1歳未満のときは、プライベートのマニュアルを作っていました。「朝起きたら…朝ミルク100cc/連絡帳記入/ゴミ捨て」「帰宅後…お湯を沸かしてポットに/離乳食おかゆキューブ4個を解凍/晩ごはん用ミルクをセット」などと、具体的に何時までに何をセットするかをマニュアル化しました。このことにより、夫とスムーズに家事分担ができるようになりました。

「好きを仕事に」するための朝活イベントの作り方不労所得で大きく稼ぐことを目指さないまでも、自分がコツコツ続けてきた趣味を発信することで世の役に立ちたい人も多いはずです。その場合、SNSで発信したり、小さな会を企画してみる準備をするのも「種まき」のひとつです。SNSで趣味の作品を発信したり、興味をもってくれそうな友人知人に声をかけたりして、まずは無料でもいいので反応を見る目的で会を開催してみることをおすすめします。いまはTwitter/ブログ/SNSなどで、「集まりましょう!」と声をかければ、すぐに集まることができる時代です。最初は友人を誘いあうところからのスタートでもOKですので、イベントを開催する垣根は昔よりずっと低くなっています。特に参加者の時間の都合がつけやすい「朝活」を定期的に主催するのはおすすめです。夜は予定が見えない人も、朝なら自分さえ早起きすれば開催できますし、始業時間が決まっているためダラダラ開催することもなく、習慣化させやすいです。主催というと大げさに聞こえるかもしれませんが、発起人になって友人や仲間を誘ってみる、という気軽なイメージで始めてみましょう。ポイントは、ネタ切れしない形式を選ぶことです。たとえばあなたが勉強して得たお金関連の資格を活かして「お金に対する知識を深める勉強会」を開こう!と考えたとき、教科書に載っているような内容の会を開催したとすると、教科書の知識の提供が終わるとすぐに朝活が終了してしまいます。あなたの経験を活かして教えたいのであれば、お金に関わる読書会やニュースを報告する会を開き、あなたならではの視点で議論する場をつくるとネタ切れしません。本は毎日出版されつづけていますし、ニュースも日々生まれるので「次はどうしようかな?」と悩む時間も短縮されます。私も「早朝グルメの会」というレストランでおいしい朝食を食べる会を10年以上主宰していますが、朝食営業のレストランはなくならないのでずっと続けることができます。

「自分テストマーケティング」を始めよういまの職場は嫌だ、自分らしくない気がする、もっと自由に働きたい……。そういう気持ちから、職場以外の「第三の場」をつくりたい人も多いかもしれません。そのとき考えてほしいのは、自分にとっての「自由」とは何か、「自分らしい」とは何かといったような価値観をきちんと言語化できているか?ということです。なぜなら、「仕事が遊びで、遊びが仕事」の状態にするためには、自分が何を必要としているかをしっかり把握し、優先順位をつけて取捨選択することが必要だからです。いまの会社には「自由」がない、そう考えると思考停止になりますが、一人ではとうてい成し遂げられない成果でも、会社という組織なら大きな権限と予算を与えられることで実現できる。そう考えると、実は会社にも「自由」が眠っていることが分かります。自分にとっての「自由」を見つけるために、何が好きで、何が嫌いかという価値観を過去の行動から探るのも立派な「種まき」です。多くの人は、自己分析を就職活動や転職のときに面接官にアピールする材料として表面的に終わらせてしまっていますが、自分のためにも定期的に、徹底的に行う必要があるのです。自己分析をしっかり終わらせずに人生をやり過ごすと、毎回同じピンチに直面したり、本当に必要な学びを無視して別な勉強に時間を費やしたりして学びを成果につなげるのが難しくなるからです。ではどうすればいいか。外に目を向けて比べて焦るのをいったんやめ、自分の中にある資産を見つめていくことを提案します。具体的には保育園・幼稚園・小学校・中学校・高校……と、区切りごとに「三大うれしかったこと」「三大悲しかったこと」として、どうしてうれしかったのか?どうして悲しかったのか?を書き出すと効果的です。過去を振り返り、寝食を忘れて没頭して遊んだ原体験や、昔からどんなことに憤りを感じていたかを思い出してみましょう。徹底的に自分の棚卸しを進めると、「私は人や物や事をつなげるのが好きなんだな」「ナンバーワンになるというより、ナンバーワンの人を陰で支える参謀役だと能力を発揮しやすいな」「商人というより職人気質だな」「チームプレーよりも一人で黙々と目標達成するのが好きなんだな」といったように、自分のキャリアや好きの方向性が見えてきます。ここまでは自分の「キャリアの方向性」の仮説です。まだ仮説段階なので、いきなりそのキャリアや好きの方向性に転職や異動をしようと動くのはおすすめしません。まずはキャリアの方向性をいまの環境を使って小さく試していきましょう。前述の例でいうと、「何かをつなげる」「参謀気質」「職人が生きる」「一人で黙々」というキーワードを生かした仕事ができないかを、いまの環境で試してみましょう。会社で見つからない場合は所属する会社以外のコミュニティや、仕事で培った知識を無償で提供する「プロボノ」活動などで、自分の「新キャラ」として試すのもおすすめです。ブログやSNSで発信していくこともいいでしょう。これが「自分をテストマーケティング」するということです。自分の軸の方向性を仮決めして、小さく試して、調整するというやり方で、自分の「好き」や自分が大切にしている価値観が世の中に通用するのか、やっていて楽しいかを実験していきましょう。

「おせっかい」を「種まき」にする方法自分の強みを棚卸しして来たるべき副業解禁時代に備えたいときおすすめの種まきは、「ついついダメだししたくなること、勝手におせっかいしたくなることを文章化してみる」です。実は、「もどかしい」「イライラする」「私だったらうまくできる」と思うことに、あなただけが解決できる問題や専門性が隠れていることが多いのです。朝の30分を使い、ついついダメだししたくなること、勝手におせっかいしたくなることを文章化してみましょう。たとえば私の場合、長年プレゼン資料作成の仕事をしていたので、電車に乗っている最中も車内広告や雑誌広告などをついついプレゼン視点で見てしまうクセがあります。長すぎたりまとまっていなかったりする文章や、落ち着かない配色、デザインなどを自分の頭の中で勝手に直してスッキリするのです。このように勝手についついやってしまうこと、「もったいない!」「残念!」とイライラしたりすることに、あなたが「ワーク&セカンドジョブ」を実現するためのヒントがあります。・残念と思った出来事・なぜ残念と思ったのかを、自分の専門的な知識から説明・Before→Afterでどう変えればスッキリするかなどを、まず文章化してみると、SNSやブログに発信するネタができ上がります。これなら機密保持についての心配は少ないですよね。たとえば美容やメークに詳しくて専門知識豊富な人なら、街を歩く人の眉毛をついつい見てしまう、という人もいるかもしれません。この顔形にはこの眉毛の形のほうが絶対合うのに!変な形でソンしていてもったいない!といった、残念に思う気持ち、もっとこうしたらいいのに!という気持ちを文章にぶつけてみると、それがそのままあなたらしい切り口になるのです。この前、元編集者の知人から聞き、その視点は「ならでは」で面白い!と思ったのは、美術館の説明文がいつも分かりにくいという不満でした。分かりにくい説明文を読むためにお客さんが絵の前で長時間立ち止まってしまい、美術館も混んでしまっていいことがない。分かりやすい見出しをつけたり文章をまとめたりする能力があったら、もっと美術館も楽しくなるのに!という考えに、彼女「ならでは」のプロとしての視点があると思いました。専門的な知識なら、教科書がいちばん詳しいのは当然のことです。教科書と比べたら絶対に知識の数や完全さでは負けてしまいます。「ワーク&セカンドジョブ」を実現することは、完璧な知識を相手に伝えるということではありません。あなたから見て、残念な状態、理想の状態があって、あなたの知識や経験で、何をどのように変えることができるかの「ものの見方」「視点」が商品になっていくのです。「朝1時間」を、こんなアイデア出しから始められたら、始業後もワクワクできると思いませんか?

経験は商品として加工する「自分の経験を本にしたい、教えたい、コンテンツ化したい」という希望も「種まき」です。会社員で得たスキルで、プロとして活躍できたら嬉しいですよね。商業出版や映像化が可能になると、印税という不労所得も生まれるので「ワーク&インベスト」的な働き方もできるようになるかもしれません。「朝1時間」であなたの知識を一般化することにチャレンジしてみてください。あなたの知識を一般化して、体系化するためのステップは、次の3つです。1.自分の経験を洗いざらい思い出す(仕事もプライベートも含めて)2.自分の経験でほかの人の「困った」を解決できないかを考える3.コンセプトを考え、周囲に反応を聞く順番に説明しましょう。1.自分の経験を洗いざらい思い出す(仕事もプライベートも含めて)成功体験はもちろんのこと、失敗体験や反省点、いまの自分が過去を振り返って「こうしておけばよかったのに」といったようなことを詳しく書き出してみましょう。ポイントは、仕事の経験だけでなく、プライベートでの経験も振り返ることです。なぜなら、仕事で成果をあげた一因に、あなたのプライベートでの気質がかかわっていたりすることが多く、仕事とプライベートは切っても切れない関係だからです。「仕事だから」「プライベートだから」と思考を分断させてしまうと、その分発想もしぼんでしまいますので自由に思い出してみましょう。2.自分の経験でほかの人の「困った」を解決できないかを考えるこんな人が、こういう悩みで苦しんでいないかな?それを私の経験で助けることができないかな?ということを箇条書きにします。私がプロデュースしている朝専用手帳『朝活手帳』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の例でいうと、早起きしたいのにできない自分の自由な時間を作りたいのにできない早起きや習慣化の本を読んでやる気になるけれど、やる気が3日以上続かない早起きができないと自己嫌悪に陥ってしまうといった悩みを、「図解で整理できる」「テンプレートに落とし込める」「ネガティブな思い込みをポジティブに変えられる」という自分のスキルを活用して手帳化することで解決できないか?と考えました。3.コンセプトを考え、周囲に反応を聞く朝活手帳の場合は「早起きしたいけどできない」を仕組みで解決できる「朝専用手帳」=「朝活手帳」というコンセプトで企画書を作成し、出版社に提案したところ採用になりました。朝活手帳のコンセプトは2011年の発売当時、ツイッターで発信したところ多くの反響をいただき、最初の『朝活手帳2011』は、刷り部数が店頭から全くなくなるほど売れ、翌年3月に出版社としては異例の対応として『朝活手帳日付フリー式』を発売することになりました。それから10年連続で支持されています。

本当の「働き方改革」はルールを疑うところから「ワーク&ワーク」「ワーク&セカンドジョブ」「ワーク&プライベート」「ワーク&インベスト」いずれの志向でも、いまある仕事のムリムダムラを見つけて、作業効率を上げることは共通の課題です。「朝1時間」の「種まき」として、会社内の「ルールだから」「そういうことになっている」を疑ってみるのもいい時間の使い方です。先日、とある企業の事業部長に対し提案プレゼンをする会に立ち会いました。発表者は管理職候補の女性十数人。彼女たちには、私が事前にプレゼンの設計方法、アイデアを伝えるためのデータの集め方などを個別指導し、1ヶ月後、自らが企画したアイデアを一人10分で事業部長に向け提案する、というトレーニングでした。発表者の皆さんの意見は皆、よくまとまっておりそつがないものでした。しかし、そつがない分、残念なことに面白みに欠けたものもいくつかありました。「事前に個別の打ち合わせをしたときに出たアイデアはワクワクするようなものだったのに、どうしてこうなってしまったのだろう?」と不思議に思い、あとで事情を聞いてみると、「自分のアイデアを説得力あるものにするために必要なデータを見つけることができなかったからあきらめて、データを集められる内容でプレゼンした」という声が何人かから聞こえてきました。社外の公式プレゼンの場合は、「まだまとまっていませんが」と言って、中途半端なプレゼンをすることはもちろんNGです。しかし、今回はアイデアの発表を目的とした会でした。私は、データが仮にまだ集められなくても、ワクワクするほうでプレゼンしてほしいと思っていました。「このデータはまだ見つかっていませんが、私はこのアイデアがいいと思います!」と言い切るくらいの勢いが欲しかったのです。「残念だな」という気持ちがぬぐいきれませんでした。とはいえ、そこまで詳細に彼女たちへの期待を伝えていなかったのは私です。説得するにはデータが重要という話を私が強調したということもあり、自分の至らなさを反省した出来事でした。「ルールだから」の一言には、思考停止を招く甘い誘惑が混じります。何も考えずにルールに従っておけば、とりあえず誰からも注意されることもなく、楽だからです。しかし、「本当はこうしたいアイデアがあるのに、ルールに則ってプレゼン資料を作るとうまくいかないから、ルール通りにできる次善のアイデアに変更する」ことは、社内プレゼン本来の目的からずれています。自分が信じるアイデアを消してしまったからです。つまり、目的と手段がいつの間にか入れ替わっているのです。「ルールだから」「そういうことになっている」と、ルールを絶対に変えられないものとして物事を進めようとする自分に気づいたら「そもそも何のためのルールなのか?」を立ち止まって考えてみてください。ルールを守ることに一生懸命になりすぎると、思考の枠にかっちりとはまってしまって、そこから抜け出せなくなってしまいます。変更可能なルールを「変えられない」と思い込むことで、のびのびしたアイデアをしぼませないようにしましょう。あなたが感じたワクワクを、前例がないからとか、ルールに則していないからと言って、どうかあきらめないでください。自分がやりたいことを躊躇なく提案し、未来を現実のものにする第一歩が、今回お伝えした、「朝1時間」を使ったモーニングルーティンなのです。

 

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