「前半30分」でタスクを仮決めする1日の予定をタスク化し、優先順位を決めていくプロセスは、自分にとって何が大切で、どれを捨てるべきか、日々の決断に責任を持つことにつながります。人生は判断の連続です。忙しいから、まだ先だからと判断を先送りにしていくと、あとで振り返ったとき大きな後悔となります。朝のタスク整理は、自分にとって譲れない「種まき」を見つけて進めていくプロセスです。これはまさに、自分が何を大切にして、どういう人生を生きたいかを占う試金石となります。タスク化しても1日で終わらせることができなかったとき、自分に足りないところが見えてきます。足りないところが見えれば補うべきところも明確化されます。自分にできないなら得意な人に頼もう、という判断も、「タスク化」から始まるのです。タスク化による7つのメリットタスク化を「モーニングルーティン」に組み込むことができると、次の7つのメリットがあります。1.「決めグセ」がつき、行動が早くなる2.「念のため思考」を排除できる3.自分の作業見積もりができるようになる4.仕事を抱え込まなくなる5.自分の仕事のFAQ集ができる6.すべき残業とやめるべき残業の違いが分かる7.日中の集中力が増す順番に解説します。1.「決めグセ」がつき、行動が早くなるこれは、本当に「いま」しなければいけないことか?これは、私がするべきことなのだろうか?忙しい毎日、心の中ではそう思っていても、立場上言えなかったり、言うとかえって面倒くさくなるからやめておこう、と思ったり、そもそも考える時間すら惜しくてつい体を動かしてしまう。そんな心当たりはありませんか?その原因は、「決めグセ」がつけられていないことにあります。たとえばメールの返信に時間がかかる人は「相手からどういう答えを引き出せばいいか」を決めていないし「いつもこの作業に時間がかかる」と言いつつ、なんとなく時間を過ごす人は、自分の仕事内容を改善しよう!と決めていません。タスク化を続けることで、「決めグセ」をつけることができるようになります。決めグセとは、言い換えると自分の価値観・好き嫌いを明確化し、瞬時に判断して割り振る力のことです。毎日の出来事の意味を一つ一つ、「やる!」と決めてやるか、なんとなく過ごすかで、1日の達成感と充実感がまるで変わってきます。まずは小さなことからでいいので、すぐに決めるクセづけをしていきましょう。その決断が間違いでも決断する力は確実につきます。積み重ねれば判断力自体の精度も向上し、仕事全体にかかる時間も短縮できるようになります。2.「念のため思考」を排除できる「朝1時間」で集中してタスク分けをすると、一日の「あれもこれも」の情報を詰め込む余裕がありませんので、厳選してリストにすることができます。たとえば、相手に最終確認だけをしてもらえばいい資料なのに「念のため現段階のものです」と途中経過をメールして見せるのはよくある行為です。しかし、それを「緊急で重要な」タスクとしては扱わないはずですし、朝一番のタスクにしようとも思わないでしょう。そもそも、送られた相手は、送られてきた未完成の資料をどう扱ったらいいか迷ってしまいます。なんとなく考えなしに手が動いてしまう仕事の仕方を改めるためにも、タスク分けは有効です。メールの「CC」機能も「念のため」志向がよく出るものです。「念のためこの人の耳にもいれておこう」と、CCの宛先がものすごい数になっていませんか?CCメールを見ていないからといって、責めることはできません。「CCで入れましたけど」と抗議をするのなら、直接相手にメールをすればよかっただけの話です(ある企業の幹部に聞いた話ですが、CCメールは見ない、と決めているそうです。こう決めるのは、忙しい人に特に多いです)。自分と相手に対する時間のムダは「念のため」を疑うことで防ぐことができます。念のためを疑った上で、それでも送らなければいけない、と思ったメールなら、「朝1時間」のタスクにしっかりと入るはずです。3.自分の作業見積もりができるようになる残業時間削減や生産性の向上、リモートワークの推進など「働き方改革」のニュースが話題になっています。生産性を向上させ、残業を減らすにはどう
したらいいかが論点となっていますが、私は生産性向上のキモは「それぞれの仕事の〝当たり前〟の見える化と共有」だと考えています。作業を自分ひとりで抱えてしまう、見積もりが甘い、仕事をひとつひとつ丁寧に終わらせないと気が済まないなど、残業問題は一般的に性格の問題と片づけられがちです。「見積もりの、どこがどう甘いのか」「丁寧すぎるところとちょうどいいところの見極めはどうしたらよいのか」などの具体的なことは、人と比較しないままだと曖昧になってしまいます。ひとくくりに「メール作成」「資料準備」といっても、人によって手順は様々です。仕事が速く正確な人の行動=当たり前が共有化され、シェアできる環境をつくることができれば、生産性は劇的に高まります。仕事が雑で悩んでいる人も、なんとなくこなしている仕事を「見える化」できれば、仕事ができる人と比べることができます。比べれば、どこが抜けると雑になるかも分かるようになります。先輩や仕事ができる人に「私はこのように仕事をすすめているのですが、先輩はどのようにしていますか?」と具体的に質問ができれば、的確なアドバイスも受けられます。その結果、自分の作業を正確に見積もれるようになるのです。4.仕事を抱え込まなくなる管理職候補に向けての講演で、参加者の一人からこんな悩みを聞きました。「うちの上司は、アイデアを出すと『いいね!じゃあやって!』と、すぐに任せてくれます。それはありがたいのですが、いまの状態でもパツパツなのに、その上で新しいプロジェクトをスタートさせるのは無理です……」ちなみにこの悩みを打ち明けてくれたのは、ベテランで仕事も速く、思いやりや責任感もあり周囲からの信頼も厚い方でした。「仕事は忙しい人に頼め」とはよく聞く話ですが、優秀であればあるほど、どんどん仕事を任せられ、うまく回してしまうからこそ、また仕事が降ってくる──。やりがいがある反面、心理的負担も大きいことでしょう。ここで盲点となるのが、仕事ができる人ほど、自分の作業プロセスを、実はよく分かっていないことが多いことです。なんとなくできてしまうから、手順をわざわざ数えたり書き出したりするのがまどろっこしく感じ「説明するくらいなら自分がやったほうが速い」とばかりにまとめて引き受けてしまいがちです。結果、雪だるま式に仕事が増え、いつまでも仕事を抱えてしまうことになります。できるからとキャパ以上の仕事を受けて「ひとりブラック企業」にならないためにも、タスク化は重要です。すべきことを分解して、ここはできるけれど、それ以外は助けて、と言えるところまできちんと考えれば、実は「そんなに大変ではなかった」と感じる仕事も多いのです。5.自分の仕事のFAQ集ができるほかにも人がいるのに、なぜかあなたにばかり質問が集中することはありませんか?忙しく過ごしていると「なんで自分ばかり」「自分でググれ」などと思ってしまうかもしれませんが、繰り返し聞かれることは、「誰もが知りたいけど、なかなか答えにたどり着けないから、答えを知っているあなたに質問してくる」ことなのかもしれません。つまり、この類の質問には、あなただからこそできる価値が潜んでいることが多いのです。タスク化で何をしているかを明らかにしていくことは自分の仕事について自分で「FAQ集(よく聞かれる質問集)」をまとめてみるようなものです。「いつも同じ質問だ」とうんざりしてしまう仕事の中に、自分「ならでは」の問題解決の「宝」が潜んでいると思えば、それだけで仕事もちょっと楽しいものになりませんか?「朝1時間」でタスクリストを作ることは、自分が無意識にしていることを言語化する作業です。言語化することができれば1.自分がどのようにスキルを身につけてきたかを棚卸しし2.相手にきちんと分かってもらえるように言語化し3.それを誰にでもできる形で標準化・体系化することにつながります。体系化できればほかの人に任せることができ、相手に喜ばれて自分もラクになります。また、「教えよう」の視点で物事を見ると、コミュニケーションの取り方も変わるし日々の仕事について楽しみも見いだせるようになります。6.すべき残業とやめるべき残業の違いが分かるタスク分けをしておくと、できた/できなかったが明確になるため、見積もりの甘さも見えてきます。たとえば「残業」と一言で言っても、「やむを得ない残業」と「自分の工夫で防げたはずの残業」の二種類あります。タスク化して作業を振り返れば、「自分の工夫で防げたはずの残業」が明らかになり、削減のための方策を練ることができます。こんな経験はありませんか。クライアントや上司から企画書作成の指示を受けたとき、その内容を完全に把握せず請け負ってしまったため質問ができなかった。案の定作業中に確認しないと分からないことが出てきてしまった。でも確認したい相手は会議や外出でなかなか戻ってこず、結局チェックしてもらうまでに3時間待ってしまった……。これは指示を受けた時点で不明点を確認していれば防げたはずの残業です。タスク分けをしっかり済ませておけば、企画書作成というタスクには指示内容の確認・作成・成果物のチェックなども含まれることがあらかじめ分かるので、ムダな残業の改善に取り組むことができます。自分の残業だけでなく、上司の残業理由も観察して、「自分ならどう改善する」と考えられるようになれば「やむを得ない残業」にモヤモヤすることもなくなります。7.日中の集中力が増す「朝1時間」のタスク管理が習慣化すると、朝があなたの「ピークマネジメント」の時間となります。「ピークマネジメント」とは、アスリートが試合の本番に自分を最高の状態に持っていくために、いつもの「勝ちパターン」を儀式として行うことをいいます。2015年にはラグビーの五郎丸歩選手がキック前にする「あのポーズ」が話題となりました。元大リーガーの松井秀喜選手も現役時代、自分の名前がコールされ、打席に向かうまでに次の動作
で精神統一をはかっていたそうです。・両手でバットの端を持つ。・体を前に倒す。・体を旋回するストレッチで体をほぐす。・左右で素振りをした後、ピッチャーの投球モーションに合わせて素振りをする。・打席に入ったとき、足で土をならす。・構えに入るときにバットの先を一瞬見つめる。(出所:『壁を打ち破る100%思考法』PHP文庫)このように、自分が「のってくる」状況を意識的につくる儀式として朝1時間をタスク管理に充てていきましょう。「この行動で私はうまくいった」というパターンを繰り返し、「モーニングルーティン」とすることによって、自分にいい暗示をかけることができます。自然と身体が動くような習慣になれば、行動の幅が広がります。心理学者ミハイ・チクセントミハイは周囲のざわめきが気にならないくらい思いきり物事に集中している状態を「フロー状態」と名づけました。朝の1時間でタスクを段取りする行為を「フロー状態」でつくることができれば、朝イチから「このタスクを今日1日でクリアするぞ!」という気持ちが高まります。また、「朝1時間」でリスト化が済んでいれば、すべきことが自動的に決まってくるため、急な相談や突然のトラブルで仕事が中断したとしてもすぐに「すべきこと」に戻ってくることができます。
慣れないうちはネット断ちをするいつでもネットにつながっているいまの時代、タスクリストをすぐに作成できるスマホアプリもたくさんあります。しかし「朝1時間」のタスク管理は、慣れるまでは面倒でも紙の手帳やノートを使い、アナログで作ることをおすすめします。通勤電車内などでしか「朝1時間」を作れない場合はやむを得ないのですが、ウェブ閲覧やメールチェックに時間を費やさないよう気をつける必要があります。理由は2つあります。1.集中力や判断力を維持するため2.惰性でタスクを先送りするのを避けるため「情報の豊かさは、注意の貧困をもたらす」と述べたのは、ノーベル経済学賞を受賞したハーバート・サイモン氏です。情報量が多すぎると、選ぶのに疲れて考えることをやめてしまうので、自分自身の判断軸が鈍ってきてしまい、優先順位づけにも影響が生まれます。いまはスマホを触るたび、PCを開くたび、見たくなくても情報は目につきます。そういった情報に日々接し続けていると、自分が本当に頭で考えた意見なのか、それともネット論客が言っていた意見なのか、その判断基準も曖昧になってきてしまいます。あふれる情報を鵜呑みにして、その情報を得ることで「自分はちゃんと考えている」と思い込んでしまう危険性があるのです。「朝1時間」だけでもインプットを止め、自分の中にあるものをアウトプットするのを習慣化してみましょう。アウトプットはスマホでもできますが、スマホを手に取ると、ついついメモ以外のこともついでにやってしまいます。本来のタスクリスト作成に集中するため、ネットから意識的に離れる時間をつくるのをおすすめします。また、デジタルでタスクリストを作成すると、簡単にコピー&ペーストできてしまいます。便利な機能ではありますが、「本当にこのタスクは必要なのかな?」と改めて検証する大切な時間までショートカットしてしまいます。また、同じタスクを前日にクリアできなかったという罪悪感も軽減してしまうため、クリアしようという執念も薄まってしまいます。なお、ふせんに一つひとつタスクを書き、目立つところに貼りつけ、終わったら捨てるスタイルの方もいらっしゃいますが、これもおすすめしません。なぜなら、せっかく達成したものをはがして捨ててしまうことは、チャレンジの軌跡まで捨てることになるからです。あなたが達成したり、判断したりして色分けした軌跡は、ノートや手帳にぜひ残しておいて振り返りにも活用してください。終わった印として、赤ペンで上から線を引けば、達成感も味わうことができます。移動中のタスク分けにオススメのメモアプリ「Captio」基本的に「朝1時間」はネット断ちを推奨していますが、電車の移動中、しかも満員電車の中や通勤の車の中でしかタスクを考えられない、という人も多いかもしれません。その場合のオススメアプリが「Captio」です(有料)。メモをメールにして自分に送るだけのシンプルなアプリですが、アプリを起動→メモ→送る、といったように操作がシンプルで動作も速く、とても便利です。音声入力と連動させることもできます。送ったメールはあらかじめ設定したタイトルでメールボックスに届くので、職場に着いたり職場近くのカフェなどに到着したりして落ちついたときに見なおせば、それだけでタスクリストができます。私は移動中の思いつきメモなどもすべてCaptioで自分にメールしています。
専用ノート・ペンを用意する「朝1時間」生活を始めるとき、私がおすすめするのは「形から入る」ことです。「朝1時間」のタスク分けは紙やペンがあればできますが、手触り、ペンのすべり、持ち歩きやすさなど、妥協せずに最高だと思えるものを選んでみると、やる気も高まります。高級なブランドノートである必要はありません(高級なブランドノートだと気分があがるのなら、それでも全くかまいません)。毎日、朝いちばんに手に取るのにふさわしいノートを選んでみてください。ちなみに私の場合、ノートは次の3冊を愛用しています。毎日、毎週、毎月のタスク管理用に、10年連続でプロデュースしている『朝活手帳』3~6ヶ月単位のビジョンを描く用(後述します)に、LIFENOBLENOTEPLAINB6無地モーニングページ(後述します)用に、ミドリノートMDノート文庫無罫1タスクを色分けするために愛用している4色ボールペンはLAMY(ラミー)4色ボールペン油性2000L401です。4色ボールペンはデザインがイマイチのものが多い中、こちらはスタイリッシュで持っているだけで気分があがります。ただし、ラミーのボールペンはインクの粘度が強く、強い圧をかけないと書けません。そのためジェットストリームの替芯に入れ直すという裏ワザを使っています。3~6ヶ月単位のビジョンを描く用には、トンボ鉛筆の水性サインペンプレイカラーK12色セットを使っています。
「前半30分」を最大化する仕分けの3ステップでは具体的に、どのように仕分けしていくかについて解説します。「朝1時間」のタスク管理には、毎日の習慣、毎週の習慣、毎月の習慣、3ヶ月~半年ごとの習慣があります。基本動作は同じなのでまずは「毎日の習慣」から説明します。1.頭に浮かんだ今日のタスクを洗いざらい頭の外に出し切る2.4色に色分けして「種まき」を見極める3.「種まき」を細かい粒に仕分けし、すぐに取りかかれる状態にする順番に解説します
1.今日のタスクを頭の外に出し切るまずは今日進めておきたいタスクを、「やりたいこと」「やるべきこと」などのジャッジはせず、全部出し切ります。目的は「忘れないようにしておく」ために貴重な脳のキャパを使わないようにすることです。脳の外部メモリを紙やノートに担ってもらうイメージです。その際、「思い出したけどこれは今日じゃなくて明日でもいいや」「来週のこれが気がかり」といった、1日にとどまらないタスクも思い出しますが、思考の流れを止めずにまずはいったん、そのまま書き出します(明日以降のタスクの管理法については、毎週、毎月、3ヶ月~半年ごとの習慣のところで解説します)。「忘れないようにしなければ」「やらないといけない」というぼんやりとしたプレッシャーが心の負担になり、すべきことを後回しにしてしまったりするのはよくあることです。漠然とした頭のなかのモヤモヤを出し切るつもりで書き出してみましょう。
この段階で色分けを意識すると記入の勢いが止まってしまうので、色分けはしなくてもOKです(慣れてくると、この段階で自然に色分けの判断ができるようになります)。黒ペンや鉛筆でひたすらリストアップしてみてください。移動中しか時間が取れない方は、先ほど紹介したCaptioなどを活用して自分にメールを送っておいてください。キレイにリストアップしようと思うと止まってしまうので、タスクの大小にかかわらず、とにかく「出し切る」ことが大切です。1日のタスクは大体、次の5つに分けられることが多いので、「なんでもいいから頭の中を書いて」と言われてもなかなか思い浮かばない場合は、次の項目をリスト化するところから始めてみてください。・連絡したい人・今後進めたいプロジェクト・将来やりたいこと・提出する課題・読みたい本・資料私の場合はプロデュースしている『朝活手帳』のバーチカル部分を活用し、時間軸を無視して1日のタスクリストとしています。朝活手帳は「朝4時~9時」の時間軸の手帳ですが、巻末のプラスαコンテンツで紹介した早起きのコツを実践し早起きが自然にできるようになると、朝の「タスク化」以外の作業(たとえば何時に起きて何時に朝食を食べるといったこと)についていちいち記入する必要がなくなります。『朝活手帳』に限らず、バーチカルタイプ(1週間で見開きになっていて、30分~1時間ごとに縦に目盛りが刻まれているタイプ)の手帳なら同じように活用できるので試してみてください。
何も思い浮かばない場合は準備運動として「モーニングページ」を採用するいきなり朝からタスク分けをする気が起きないときは、準備運動的に「モーニングページ」に取り組んでみましょう。「モーニングページ」とは、ジュリア・キャメロン著『新版ずっとやりたかったことを、やりなさい。』(サンマーク出版)で紹介されている手法で、「朝の時間に1日3ページだけ、頭の中の思い浮かんだ言葉をそのままノートに書く」というものです。書く内容は何でもOKです。すべての思考を吐き出すイメージで書き殴ります。かしこまったことではなく、「今日は何にも書くことがないけど、どうしよう、3ページも書くの、きついな」といったような、正直な気持ちで大丈夫。勢いにまかせてどんどん書いていきます。モーニングページで、あえて答えを出さず自分の考えをそのままダーっと書きなぐると思考が拡散され、ページの中に「今日やりたいこと」「やるべきこと」も自然と書けるようになります。そこから「今日は何をする」「今週は何をする」「今月は何をする」「将来何をする」という明確なタスクが見つかり、思考を収束させることができます。つまり、モーニングページではオープンクエスチョンで自分の頭の中を「だだ漏れ」にし、その後タスク分けをすると、「何をしたいのか」「今週は何をするのか」というクローズドクエスチョンに落ちつきます。モヤモヤしてタスク分けに手をつけることができないときにおすすめの方法です。
2.4色に色分けし「種まき」を見極めるつぎに、それぞれの項目を、例外なしに次の4色に色分けしていきます。緊急でない×重要:種まきの赤緊急×重要:刈り取りの緑緊急×重要でない:間引きの青緊急でない×重要でない:塩漬けの黒
これにより、視覚的に優先順位が分かりやすくなります。色分けに慣れないうちは、1日のタスクを黒でパパっと書いた上で、色分けした下線を引いたり、色がついた○をつけたり、マーカーでしるしをつけたりしてください。ポイントは、迷っても、書く段階で「えい!」と優先度を決めてしまうことです。もちろん、迷ったり、間違った判断をしてしまったりすることもあるでしょう。それでも反省点も色で把握できるので、黒だけで書くよりも振り返りやすくなります。色分けに慣れてくると、メールでも即レスすべきものか、少し時間をかけるべきかなども色で見えるようになってきます。物事の判断スピードが速くなり、結果的に自分で自由にできる時間が増えます。
具体的には次のようなものです。全志向共通の「種まき」(赤)心身の健康を維持するための投資、健康管理、運動、家族や恋人、親友、メンターなど、自分にとって大切なこと・人にかかわることワーク&ワーク志向の「種まき」(赤)将来的にためになる施策、会社の価値を底上げするための施策、たとえば新規商品開発、他社動向リサーチなど、調査・計画・勉強に関わるもの、評価を上げるための自己投資、苦手だけれど成長のためには必要なスキルの取得ワーク&プライベート志向の「種まき」(赤)趣味のスキルアップ、会社の仕事を効率的に終わらせ、趣味ややりたいことに集中するためのスキルの習得ワーク&セカンドジョブ志向の「種まき」(赤)いままで自分がやってきたことの棚卸し、今後のキャリア設計の見直し、仕事の生産性向上による副業時間の捻出方法研究、本業の会社への根回し、いまのスキルを活かせる仕事を探す、ロールモデル研究ワーク&インベスト志向の「種まき」(赤)お金を生み出すための準備。株や不動産の勉強、市場価値があるもののリサーチ、成功者からの学び刈り取り、間引き、塩漬けは全志向に共通しています。次のようなものです。刈り取り(緑)いま目の前の生活や仕事に直結するもの。たとえば重要取引先からの連絡、日時が決まっているプレゼン、重要な会議の資料間引き(青)やらなくても本当は大きな影響はないけれど、目の前の状況のせいですぐに取りかからなければいけない気持ちになるもの。たとえば急がない電話やメールなど、空いた時間でまとめてこなせばいいもの塩漬け(黒)そもそもやっている意味がないまま思考停止で続けているもの。雑用、暇つぶし優先順位づけは失礼でも面倒でもないこの優先順位づけの手法をお伝えすると、「相手の約束に優劣をつけたり、えこひいきしたりなんてできないし、そんな判断をしたくない」という方もいらっしゃいます。でも、いい人のふりをしつつストレスをため込み、モヤモヤしながら相手とつきあうほうが、よっぽど相手に対して失礼なのではないでしょうか。自分の時間を犠牲にしてまで相手のために時間を使うのはなぜか、その判断をあなた自身はどういう基準でしているのかを色分けで明確化できれば、日々納得感のある選択ができてスッキリします。優先順位を決めて行動に移すことは、窮屈ではなくむしろ自由を生むと私は考えています。ルールに沿って、迷いなく、リズムに乗って決めた結果、自由に物事をデザインできる余白が生まれます。意識的な作業を極めると無意識に作業ができるようになります。意識的にまずはルールに沿って入れてみましょう。職業柄「手帳を見せてください」という取材を多く受けますが、「すごい!」と言われつつ、言外に、私にはこんなに細かくできない……と引かれたように感じることもあります。しかし、細かいようで、していることは[書き出す→色分けする→種まき(赤)を分解する]の3ステップだけ。とても簡単です。
3.「種まき」を仕分けし、取りかかれる状態にする色分けが済んだら、「種まき」の赤の部分の「粒」を細かくし、実行可能な状態にしていきます。もしも1日のタスクに「種まき」が見当たらない場合は、向こう1週間の予定を確認し、「種まき」をピックアップしてもかまいません。たとえばイベント会社社員が、急ぎではないけれど、新規顧客となるクライアントに新しいイベントを提案していきたい、という場合は、会社の売上げアップと取引先拡大のための「種まき」(赤)です。ここで「新規取引先に向けた企画書作成」を分解してみましょう。□新規顧客候補のクライアントの悩みが何かを調べる□新規顧客候補のクライアントが来ていただきたいお客様はどんな人で、何を解決したがっているかを調べる□新規顧客候補のクライアントがどうなったらゴールかを考える□5W2Hをまとめた企画案を考える:When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、Why(なぜ)、What(何を)、How(どのように)、Howmuch(いくら)□新規顧客候補から出そうな反論や質問をリストアップする□新規顧客候補から出そうな反論や質問に対する回答を用意する□開催スケジュールを確認する□開催のために必要なスタッフ数を確認する□ノートに企画ラフを書き、いったん上司に見せて方向性をすりあわせる□上司に一度チェックしてもらう□資料作成開始□資料を上司に最終チェックしてもらい、必要があれば修正する□プレゼンのリハーサルをする□明日の打ち合わせに備え、プレゼン資料をカラーで3部印刷する
ここまで分解して準備しておけば、進めるべきタイミング(刈り取り)がきたとき、あとは計画通り進めていくだけなので気がラクになる上、ここまでは自分ができる、これ以外は自分ではできない、という見極めができ、人に仕事を振りやすくなります。たとえば「新規顧客候補のクライアントの悩みが何かを調べる」「開催のために必要なスタッフ数を確認する」「来て欲しいターゲットのニーズを調べる」「カラーで3部印刷する」という作業なら、頼もうと思えばほかの人もできる仕事だな、と気づくはずです。仮にこれを自分ひとりでやることになったとしても、「いま自分は人に振れることをやっている」「これは自分しかできない仕事だ」と意識するだけでも、今後の仕事の仕方が変わってきます。また、手順を細かく記録しておくことにより、振り返ったときに大切だった準備、そうでもなかった準備が分かるので、次回同じように新規顧客に提案するときにはそこまで時間がかからずに仕事を進めることができます。ちなみにこの分解スキルを磨けば、「すごく忙しいと思っていたのに仕事が終わって振り返ってみたら、結局何も進んでいなかった」という徒労感からも解放されます。なぜならば、仕事の「粒」が細かいので、1日仕事をしていて一個も粒を消せなかった、ということはあり得ないからです。また、この手法は「種まき」だけではなく、「刈り取り」すべきことが多すぎて途方にくれたときにも活用できます。〆切りが迫っているのになかなか手がつけられず、つい普段はしない「掃除」や「メールの整理」をして現実逃避してしまうことは誰にでもあるでしょう。現実逃避してしまうのは、何を、どこから、どうするかが曖昧になっているからです。「刈り取り」仕事を細かく分解して取りかかれる状態にするプロセスは、今後の仕事をスムーズに進めるための立派な「種まき」作業といえるので、「朝1時間」で進めてみてください。仕事でもプライベートでも、「種まき」タスクの「粒」を細かくすることができると、進捗を客観的に測ることができます。たとえすべきことが1日で終わらなくても、「70パーセント進めることができた」と進捗が分かるので、「今日終わらなかった」と落ち込むことが減り、自己肯定感もあがります。また、全部のタスクを一日で消化できなかったとしても、朝の時間を「種まき」に充てたことで「今日は自分にとって大事なことに取りかかることができた」というスッキリ感を味わうことができます。
ひとつの「種まき」につき、1枚の紙を用意する種まきタスクの分解は、「1種まき、1シート」(専用のノートなどを使う場合は1種まき、1ページ)での運用をおすすめします。1つのページに複数の「種まき」を入れると、何をどこまでやったかが分かりづらくなってしまう上、キチキチに詰め込んで書いてしまうと「こんなにしなきゃいけないことがあるのか……」と心理的圧迫感でやる気が減退してしまいます。「1種まき、1シート」と決めておけば、種まきタスクがいくつあるかも紙の枚数を数えればいいだけなのでラクです。この「種まき」を分解し、シートに落とし込む作業は慣れるまでは時間がかかるので、「朝1時間」で終わらない場合は何日かに分けて作成してもかまいません。また、そもそも「種まき」案件は1日で全部終わらせることができないような作業量のものが多いため、1日が終わった時に全部キレイにタスクを終了できなくてもかまいません。「朝1時間」でタスクを作り、あとはそれを進めるだけの状態にすること自体が重要な「種まき」となります。「種まき」の分解に慣れてきたら、目標所要時間も記入しておくと、自分の作業見積もりが見えて今後の対策も練ることができるのでオススメです(ただし心理的に負担になるくらいならやらなくても大丈夫です)。たとえば、チームで定期的に開催するイベントがあり、毎回誰でも同じような動きができるよう具体的にマニュアル化しておく作業も「種まき」にあたります。その場合は、所要時間の欄は「担当者」に変えて応用してみてください。
細かくすべき粒の見分け方1日のすべてのタスクの「粒」をどんどん細かくしていたら、その作業だけで1日かかってしまう。1時間ではとても足りない!と思ってしまいますよね。その心配は無用です。タスクの「粒」を細かくする目的は、具体的に行動につなげられるようになることです。つまり、すでに動きをマスターし、息を吸って吐くようにできているものをわざわざ細かくする必要はありません「粒」を細かくする必要があるのは、「種まき」タスクの中でも、次のようなものだけでOKです。「もっとうまいやり方がないかな」「これでいいのかな?」と迷っているけれどそのままにしてしまっていること今後自分の生活に組み込みたいこと新しいチャレンジをしたいけれどまだ取り組めていないこと手順が確定しておらずモヤモヤしていることいつも余計な時間がかかってしまうことつまり、「大事だと分かっているのに手つかずになっているモヤモヤ」「気になっているのに進まない」種まきのみを分解するという認識です。色分け・粒度に迷ったら「色分け」と「粒度の判断」は多くの人が判断に迷う箇所ですので、ここでよくある質問をまとめます。色分けに関するQ1種まきの「赤」が見当たらない!1日のタスクの色分けにチャレンジしましたが、見事に「刈り取り(緑)」「間引き(青)」「塩漬け(黒)」ばかりで「種まき(赤)」がひとつもなく、自分の一日はなんだったのだろう、と愕然としてしまいました。種まきが見当たらないときはどうしたらいいでしょうか?基本的に「種まき(赤)」がほかの色より少ないのは当たり前なので必要以上に気にする必要はありません。割合としては大体「刈り取り(緑)」が7割、そのほかの色が1割ずつくらいが普通ですし、1日のうちに「種まき(赤)」がないように見える日もあるでしょう。しかし、「大したことではない」と思い込んで種まきタスクを見逃している場合も往々にしてあります。一つでも、小さなことでもいいので朝の時間で種まきタスクを見つけてみましょう。また、「今日1日の種まきを探そう」と限定すると書けなくなってしまうので、来週、来月、来年など幅広に「こうだったらいいな」を探すことを意識すると、だんだん「種まき(赤)」が増えてきます。なお、「刈り取り(緑)」を早く終わらせるために手順を明らかにする作業も「種まき(赤)」にあたりますので、見当たらない場合は、まずはそこから始めてみてください。色分けに関するQ2メールチェックは何色になる?海外と仕事をしていて時差があるため、朝、海外からの新着メールチェックをしないとそもそも仕事の色分けができません。メールチェックは「刈り取り(緑)」と「種まき(赤)」のどちらに当たりますか?メールチェックで朝の情報を仕入れることは、1日の仕事の戦略を練るにあたり重要なことなので「種まき」としていただいて結構です。しかしメールの中身についてはすぐ対応すべきもの、そうでないものがあるので、慣れてきたらメールの内容についても色の判断をしていきましょう。メールの対応の所要時間は状況により変わると思いますが、自分なりのルールをもって、なるべく限られた時間でやるとサクサク進みます。だからこそ邪魔の入らない朝1時間の間に「種まき」タスクを進めましょう。例・メールの中身をざっと眺めて緊急度、重要度をはかる→「種まきの赤」(15分)・対応を分類する→「種まきの赤」(20分)・個別対応をする→「刈り取りの緑」(20分)色分けに関するQ3どうしても日々「刈り取り(緑)」業務に追われてしまう毎日仕事を進める上で、現時点ではやはり「刈り取り(緑)」業務に追われてしまい、それを早く処理して「種まき(赤)」へと移行しようとしても、どうしても「刈り取り(緑)」が堆積してしまい大切なことに手をつけることができません。
「刈り取り」の堆積についての悩みはどんな人にも起こり得ます。一定の期間をおいて、「刈り取り」全体を見直し、仕分けをし直すプロセスをスケジュールに組み込みましょう(この「仕分けの見直し」自体は「種まき(赤)」に当たります)。私の場合は、『朝活手帳』にある「今月の振り返りシート」を活用しています。・連絡したい人・今後進めたいプロジェクト・将来やりたいこと・提出する課題・読みたい本・資料・そのほか気になることを手帳を見なおして月末に整理し、1ヶ月処理しなくても支障がなかったものに関しては、思い切ってやめるようにしています。やめて支障があれば、復活すればいいだけの話ですし、案外支障がないことが多いです。洋服の整理などでも、2シーズン着ないものは結局着ないので、捨てても生活に支障がなかったりしますよね。それと同様で、たまった「刈り取り(緑)」を全部処理しきれるものではありません。時間が経つことで「刈り取り(緑)」から「塩漬け(黒)」に降格することもあるので、1ヶ月ごとに整理すると心理的負担も減るようになります。
色分けに関するQ4「刈り取り」の緑と「種まき」の赤の区別で迷う一般的に「刈り取り(緑)」と「種まき(赤)」の区別で迷うことが多い気がします。「緊急性」の定義が人によって・状況によって曖昧なのが理由だと思いますが、どうしたら迷わずにすみますか?おっしゃる通り、緊急性というのは日々状況に応じて変わるものですし、主観的なものなので、食いぶちと種まきの区別に迷うのは仕方がないことかと思います。同じ仕事でも今日「種まき(赤)」だったことが明日は「刈り取り(緑)」になることもあり得ます。「刈り取り(緑)」は「緊急×重要」なことなので急かされているイメージがありますが、「刈り取り(緑)」が一律に悪いわけではなく、まいた「種」が実って刈り取りになるのは望ましいことなのです。迷っているときは自分の志向(ワーク&ワーク、ワーク&セカンドジョブ、ワーク&インベスト、ワーク&プライベート)が定まっていないことが多いので、いったん自分の志向を見なおしてみましょう。なお、実は色分けで重要となるのは、分類が間違っているかそうでないかではなく、その場で「刈り取り(緑)」か「種まき(赤)」かどうかを瞬時に決めることができるようになることです。ですから、ご自分がそのとき思った分類で判断して結構です(色分けをしておけば、仮に色分けの判断が間違っていても後ほど振り返ったときに、思考が色で可視化できます)。ただ、どうしても「緊急性の感覚が曖昧だと気持ちが悪い」というのであれば、たとえば自分なりのルールで「3日以内にできるものが刈り取り(緑)」「それ以上かかるものが種まき(赤)」など、数字を設定していただいてもかまいません。色分けに関するQ5「種まき(赤)」の中にほかの色が入れ子になってしまう「種まき(赤)」タスクを分解すると、分解されたタスクのうち最初に取り組むべきものは必然的に緊急性が高くなってしまいます。その場合、入れ子のように「種まき(赤)」にほかの色が混じりますが、それでいいですか?「種まき(赤)」のタスクを分解すると、中に「刈り取り(緑)」や「間引き(青)」などが混じってきます。作業タスクとしてはいろいろな色が混じった入れ子のような状態になります(そこまで色分けするのがベストですが、慣れるまでは混乱するので色分けする必要はありません)。従って、「朝1時間」ですすめるタスク分けは大きな意味の「種まき(赤)」作業ですが、具体的なタスクとしては「刈り取り(緑)」や「間引き(青)」作業になってもかまいません。色分けに関するQ6競合他社リサーチの色分けはどうするか競合他社がどんな会社なのか、ホームページを見て調査を行う仕事は何色になりますか?大きな意味では新規事業開拓のための投資なので「種まき」ですが、ホームページを漫然と見るとだけ決めてしまうと見るべきポイントが分からないまま、ただ時間が経ってしまい、「塩漬け(黒)」になる可能性があります。「種まき(赤)」を細かく手順分けして「粒」を細かくすることが大切です。たとえば次のように細かくしましょう。・競合他社のパートナーのどの情報を探すかを決める(種まきの赤)・比較表を作る(種まきの赤)・特定のキーワード検索で情報を探す(雑務だが調べないとはじまらないので間引きの青)・比較表を埋める(埋めるだけなら誰でもできるので塩漬けの黒)慣れてくると、入れ子になるタスクの色分けも自然にできるようになりますが、いまの段階では調査は「種まき」と思っていただいて結構です(余力があればすべきタスクについても色分けしていくと手順も見える化できていいです)。色分けに関するQ7業務中の急な相談の色分けはどうするか?在席時に持ちかけられた業務相談は、緊急度が高いとして「刈り取り(緑)」となりますか?それとも「間引き(青)」や「塩漬け(黒)」の場合もありますか?
持ちかけられた業務相談は、持ちかけた側からすれば「刈り取り(緑)」ですが、持ちかけられたあなたから見てどう感じるかによって「間引き(青)」や「塩漬け(黒)」の場合もあります。仕事において達成感や充実感を得ることが今回の色分けの目的なので、「自分がどう感じるか」で色分けしていただいてかまいません。たとえば、本来きちんと根回しをしていれば防げたはずのクレーム対応が急いで進めたために発生した、という場合は、無駄な二度手間が発生したという意味においては「間引き(青)」かもしれません。前述したとおり、色分けで重要となるのは、分類が正しいかそうでないかではなく、その場で瞬時に決めるようになることです。ですから、ご自分がそのとき思った分類で判断していただいて結構です。
毎週・毎月の「タスクの棚卸し」でやり残しを防止するQ&Aでも言及しましたが「刈り取り(緑)」に追われ、「種まき(赤)」へと移行しようとしても、どうしても「刈り取り(緑)」が貯まってしまってストレスになる、ということもあるでしょう。そこで、毎週・毎月・3ヶ月~半年に一度のタイミングで、自分のタスクを棚卸しする作業が必要になってきます。先延ばししているタスクやなかなか着手できていないこと、腰を据えて進めていきたいことを書き出してみましょう。具体的には、朝イチのタスク書き出しにも使っている次の項目を、週に一度、見なおす時間を設けてみましょう。私の場合は『朝活手帳』のスッキリリストを活用し、月曜の朝1時間のうち、30分はこの作業に充てるようにしています。・連絡したい人・今後進めたいプロジェクト・将来やりたいこと・提出する課題・読みたい本・資料
1週間も経つと、だいぶ片づいているタスクもあれば、全然進んでいないタスクも見えてきます。この段階で一度、「来週に持ち越すべきか否か」を判断します。ここで、持ち越さなくても支障がないと判断したものに関しては潔くやるのをやめてしまいます。持ち越すことに決めた場合は、「やり残しになってしまった」と落ち込むのではなく「戦略的先送り」とラベルを変えて、来週また新たにタスクに組み込むようにしましょう。同じように、1ヶ月の終わりには全部のタスクをもう一度見なおし、「棚卸し」します。
このプロセスを経ることにより、できなかった自分を責めるのではなく、自分ですべきことを選んで、来月に持ち越すことに決めた!と切り替えることができます。「やり残し」は「戦略的先送り」と言い換えて毎週リセットする真面目な人ほど仕事になかなか「キリ」をつけられず、遅くまで働いてしまったり、タスクをめいっぱい詰め込んだりしがちです。1日でカタをつけないと眠れない、という脅迫観念から、疲れた頭で細かい作業を遅くまでしてしまい、結局計算ミスなどで家に帰るのが遅くなる、という方も多いのではないでしょうか。そんな人におすすめしたいのが先述した「戦略的先送り」という考えです。そもそも、タスク分けのコツは「やれなかった」にフォーカスして落ち込まないことです。繰り返し書いていてもそのタスクを潰せないのなら、何かほかに原因があるはずです。もしかしたら、本当に心からやりたいと思っていないのかもしれませんし、別に問題なく日々が回っているのであれば、それは実は必要がないこと(塩漬けの黒)かもしれません。やれなかった、と落ち込むだけで解決策も講じないなら、いっそのこと自分にとって必要がないことだと思って潔くやめてしまいましょう。どうしてもやめられない、やめたくない、でもまだ潰せていないタスクは、「戦略的先送り」と名前を変えて再度チャレンジしていきます。「やり残しリスト」を作ろう、と思うと、毎月やろうやろうと思っているのに結局やれていないものや、実はやらなくても毎日に支障がなかったものまで大事に記入しようとしてしまいます。しかし「戦略的先送りリスト」なら、モヤモヤしているタスクは思いきって捨ててしまうこともできます。このプロセスを経ることにより、だらだらとしてできなかった自分を責めることなく、「自分ですべきことを選びとり、来月に持ち越すことに決めたんだ!」と意識的に「仕切り直し」ができるようになります。実はこの手法、「AI:AppreciativeInquiry」という、アメリカのシカゴ大学で研究されている組織開発の手法と同じだと友人に教えてもらいました。実際に行動自体のラベルを変えることで行動がいい方向へ向かうという研究結果も出ているとのことです。達成率は8割でOKとゆるく考える最初から完璧にタスク分けを実行しようとすると、たった1日思い通りにできなかっただけで「もういいや」とあきらめがちになります。まずは8割達成でOK、といったようにゆるい感じではじめてみましょう。1週間頑張って、万が一できなくても土日で追いつけるくらいの量に決める1週間・1ヶ月ごとにタスクを見なおし、必要によって「戦略的に先送り」するこれがモチベーションを維持するポイントです。これなら、「平日が無理でも土日がんばろう!」「今週が無理でも来週はがんばろう!」といったようにやる気を途切れさせることなくはじめることができますよ。まずは1週間単位で試してみましょう
3~6ヶ月に一度夢への解像度を上げ下げする毎日の「朝1時間」のタスク分け作業は、目の前のことを積み上げていく思考法です。しかし、「積み上げ」だけを毎日続けてしまうと、全体像をつい忘れてしまいがちです。たとえばダイエット、語学の勉強、ブログを書く、資格試験の勉強、セミナー受講などを毎日コツコツと続けていくことはとても大切ですが、コツコツやりすぎるうちに、いつの間にか手段と目的が混同し、なんのため、誰のためにやっているかが分からなくなってしまうことにもなりかねません。「朝1時間」のタスク分けも、それだけに集中してしまうと、状況の変化に気づかず「とにかく目の前のタスクを片づけなければ」と手段の目的化が発生してしまいます。これを防ぐために、3~6ヶ月に一度、マインドマップとガントチャートを活用し、「鳥の目」を取り戻すようにすることをおすすめします。マインドマップとは、イギリスの著述家、トニー・ブザン氏が提唱する思考整理の方法で、中心にキーワードやイメージを置き、そこから放射状にキーワードやイメージを広げ、つなげていく方法です。詳しいやり方は『ザ・マインドマップ』(ダイヤモンド社)を一度読んでみることをおすすめします。私の場合は中心にグランドデザインを入れ、放射状にすべきことを広げていきます。この作業を進めると、「誰が」「何を」「いつまでに」「どうする」が明確になるので、それをもとに次に「ガントチャート」を作成します。ガントチャートとは工程管理に用いられる表の一種です。仕事で使っている方も多いのではないでしょうか。3~6ヶ月を見通せる手帳があれば、代用してもかまいません。
マインドマップで思考を広げ、その後具体的に何をするかをガントチャートでまとめておけば、「朝1時間」のタスク管理が「虫の目」になりすぎず、手段と目的の混在を防ぐことができます。タスクの「粒度」は、マインドマップ→ガントチャート→モーニングページ→「朝1時間」の種まきとなります。毎日の習慣としては「朝1時間」をベースにしつつ、大きな流れを定期的に見なおしたいときには活用してみてください。
逆算思考の落とし穴とは今回紹介した「朝1時間」のタスク分けの手法は、最初に目標を定め、それに向かって計画を進める逆算型ではありません。目の前のことを積み上げていく「積み上げ型」です。人生をよりよいものにしたいと考えたとき、ときに逆算思考は夢の邪魔になると私は考えています。もちろん前項で紹介したように3ヶ月~半年単位、1年単位でざっくりと「鳥の目」で目標を俯瞰することは必要ですが、それ以上の緻密な計画は必要ありません。あまりにもキッチリ逆算して立てすぎてしまうと、その計画に自分自身が縛られ、予想もしなかった、もっと良い未来へのチャンスを逃してしまう可能性が高いからです。3年後、5年後、いま勤めている会社が「何屋」になっているかすら不確定ないまの時代、未来を正確に予測することは難しいですし、将来もっと経験や分別のある人間になっている自分が、過去に立てた緻密な計画に振り回されることがいいこととは思えません。スタンフォード大学のジョン・クランボルツ教授が提唱しているのが〝計画された偶発性=プランド・ハプンスタンス・セオリー〟です。クランボルツ教授によると、キャリア形成のきっかけは80%が「たまたま」だそうです。たまたま自分に降ってきたチャンスをどう捕まえるかが将来の鍵を握ります。本書で提唱したように、ライフステージや置かれている立場によって変化する「志向」を確認し、どこかひとつの「志向」に軸足を置き、もう一つの足をほかの「志向」に置きつつ柔軟に計画を立てていきましょう。
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