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1章俯瞰力の気くばり「全体を見る」ことで、つねに先を読む

はじめに……

仕事は気くばりに始まり、気くばりに終わるあなたは、「気くばり」というものに、どのようなイメージをお持ちでしょうか。

気が利くかどうかはもともとの資質だし、気くばりはできるに越したことはないけれど、仕事で一番大事なことではない……そんなふうにとらえているかもしれません。

しかし、「気くばり」とは──相手を快適にするだけでなく、自分自身にとっても「圧倒的なメリット」のある、ビジネスにおいてもっとも大事なものなのです。

私は現在、企業の役員や経営者から、管理職、新入社員まで、ビジネスシーンでのコミュニケーションを教える研修を行なっています。

仕事柄、年間に数千~万単位の方と接し、さまざまな日本のビジネスパーソンの姿を見てきました。

そんな、数々の「働く人」を観察してきた経験から──「気くばり」こそが、すべての仕事の土台になる。

「気くばり」こそが、すべての仕事の成果を生み出す「源泉」である。

いや、「すべての仕事は気くばりに始まり、気くばりに終わる」と言っても過言ではない。

こう痛感しています。

私は35歳のときに独立を決心し、自分の会社を設立しました。

それまでとは、知り合う人のスケールが変わり、成功している企業の役員や経営者と、お目にかかる機会が増えて、気づかされることがありました。

それは、そうした一流の方々は、みなさん1人残らず、気くばりの〝達人〟だということです。

ですから、どなたも──一緒に仕事をしていると、なぜだかわからないけれどすごく居心地がよくて、スムーズに事が運ぶ。

なにげない話をしていても、決してわざとらしくはなく、ごくさりげなくて自然なのに、会えば必ず好印象が残る。

会うたびに、好印象が増していく。

だから、また一緒に仕事をしたくなる。

そんな気くばりを発揮してきたからこそ、目上の人にはかわいがられ、目下の人からは人望を集めて、それだけのキャリアを築き上げたのでしょう。

一流の一流たるゆえんは、ここにあったのです。

「ほんのちょっとしたこと」が、仕事を大きく左右する私自身は、この「気くばりの重要さ」に気づくのが遅かったと感じています。

そのために、英語研修の講師を始めてまだ日の浅い若いころに、今でも忘れることのできない、大失敗をしたことがありました。

講師として相手先の企業を訪問し、無事に研修が終わった後に、お食事をご馳走になったのです。

担当者の方と楽しくお話ししながら、お酒を酌み交わしました。

しかし、その翌日にも朝早くから、別の企業での研修が入っていたため、私はご馳走してくださった企業にお礼の連絡をすることをすっかり忘れてしまい──3日ほど経って、ようやく気づいたのです。

気づいた瞬間、頭が真っ白になりました。

あわてて、その企業の担当者の方に電話をかけます。

「先日は、ご馳走になり、本当にありがとうございました……」しかしこれは、お礼のタイミングとしては、あまりにも遅すぎました。

電話に出た担当者の方は、「ええ」とそっけない反応です。

そしてそれ以降、その企業から研修で呼んでいただけることは二度となかったのです。

お礼の言葉を、タイミングを逃さずに、伝える。

そんな、ほんのちょっとした「気くばり」を忘れたがゆえに、私は大事な取引先を失い、そこからもっと広がっていったかもしれなかったビジネスチャンスをも失ったのです。

この大失敗以降、私は「お礼」をいつ、どんなふうにするかを、つねに頭に置くようになりました。

メールの時代になってからは、ご馳走になったら、「その翌日の朝7時」には、必ずお礼のメールを送信することを、自らの中でルール化したのです。

こんなかつての私のように、気くばりができない人は、人間関係に〝ひずみ〟を生じさせ、場の空気をなんとなくよどませます。

すると、仕事の循環が少しずつ滞ります。

そして、本人が気づかないうちに、本来得られるはずだった成果をも、遠ざけてしまうのです。

この本を手にとってくださったあなたには、私のような失敗をしてほしくありません。

自分も周囲も、快適かつ楽しく仕事ができるステージを作り、効率よく仕事を進め、どのような環境でも、はやばやと評価を得、より大きな仕事に取り組んでいただきたいのです。

人生がうまくいく秘訣は、つまるところ、人と人との間の〝見えない空気〟を、よいものにすること。

これこそが、仕事の枠を広げ、成果と評価を高め、お金も幸せも運んできてくれる。

そしてそれを左右しているものこそが、「気くばり」なのです。

気くばりに必要な〝5つのアンテナ〟とは

ここで、最初にお伝えしておきたい、大切なポイントがあります。

それは、「気くばり」がまったくできない人はゼロだということ。

これは、研修で多くのビジネスパーソンと接してきて実感しているところです。

ただ、一人ひとりの性格や経験値によって、「得意な気くばり」と「苦手な気くばり」があるのです。

これまで「気くばり」というと、会食の席で相手のグラスが空になっていないか目をくばるとか、「とにかく気を遣う」といった大ざっぱなとらえ方をされてきました。

しかし、多くの方々を観察していると、「気くばり」と言われているものは、大きく5つの要素から成っていることがわかりました。

「俯瞰する」─────→1章「共感する」──────→2章「論理を通す」─────→3章「サービス精神を持つ」─→4章「尊重する」─────→5章これらの要素を私は「アンテナ」と称していますが──この5つのアンテナを必要に応じて立て、アンテナがキャッチしたことを自身の言葉や行動に反映していくこと。

これこそが「気くばり」なのです。

この5つのアンテナがいずれも高感度であれば、申し分ない気くばりができるでしょう。

しかし、多くの人は、5つのアンテナの感度によし悪しがあったり、まだその必要性に気づいていなかったりしているのです。

この5つのアンテナを、グラフにしてみましょうか。

たとえば、メーカーの営業職のAさん(次図上)は、「サービス精神」は人一倍旺盛で、周囲もそんなAさんに好感を持っています。

ですが、どうも仕事やスケジュールを一段高い視点から「俯瞰する」ことができない。

そのためか、段取りがイマイチだったり、お客様のニーズと若干のズレが生じたりすることが多く、「いい人なんだけれど……」と重きを置いてもらえていないのです。

また、アパレル関係の製造部門のBさん(次図下)は、人当たりがよく「空気を読む」ことのできる人。

お客様や関係者が何を求めているか、敏感に察知し、「共感する」ことができます。

そこから生まれるアイデアも豊富です。

しかし、そんなアイデアを社内外に伝えるために「論理を通す」ことが苦手であるがゆえに、大きな実績につながっていないのです。

つまり、AさんもBさんも、5つのアンテナの感度にムラがある。

感度のいいアンテナと、イマイチなアンテナがあるのです。

でも、その自覚がないゆえに、「自分は気が利かない」「なぜだか仕事でうまくいかない面がある」と思い込んでしまっているのです。

そこで、すでに感度の高いアンテナは大いに伸ばし、感度の低いアンテナ、今あまり使っていないアンテナを意識して、少しずつ改善していく。

すると、成果も評価も、周囲が目をみはるほど劇的に変わっていきます。

そしてこのグラフがバランスよくなると、「仕事ができる人」になるのです。

5つのアンテナすべての感度が高くなれば、ビジネスの現場で、全方向に向かって、どのような相手にも、柔軟に対応できるようになります。

私がこれまでに指導した方たちの中には、わずか数カ月で、それまでの2倍近い仕事を受注できるようになった人営業先に気に入られ、大口顧客をつかんでトップ営業マンになった人20人いる部下をコントロールできていないことに悩んでいたが、ごく自然にいい関係を築けるようになり、チーム全体の連帯感が生まれたという人数字だけでない社内での評価が高まり、管理職に昇進した人仕事・プライベートを問わず苦手な人が減り、一度会った後にも縁がつながっていくようになったという人が、多数いらっしゃいます。

どなたも、何も特別難しいことをしたわけではありません。

自分自身をよく知り、5つのアンテナの状態を見極めたうえで改善し、よりこまやかな気くばりを総合的にできるようにしていったのです。

そう、「気くばり力」とは「総合力」。

本書は、これまで定義も曖昧で、個々人の資質によるとされることが多かった「ビジネスシーンで求められている気くばり」を、初めて体系化しました。

各章ごとに、その「アンテナ」の感度を高めるにはどうしたらいいか、読んだ瞬間からその場で実践できるよう、具体的なシチュエーションや方法を挙げて、お話ししていきます。

巻末には、今の自分のアンテナの状態がわかる、簡単なセルフチェックも用意しましたので、ぜひやってみてください。

本書が、あなたがより仕事を楽しみ、思い通りに成果を上げていくことにつながれば、著者としてそれ以上にうれしいことはありません。

安田正

はじめに……仕事は気くばりに始まり、気くばりに終わる

1章俯瞰力の気くばり「全体を見る」ことで、つねに先を読む

そのとき、求められていることの「一歩先」を読む「先までよく見通す」ためのチェックポイント相手目線で、仕事の「スケジュール」を組む期待されていることを、外さない人に頼むときは、「お願いします」ではなく「お願いできますか?」「一緒に仕事をしやすい」と思わせたら、勝ち相手を観察し、「タイミング」よく話しかけるお互いに〝スムーズに〟仕事をする秘訣打合せ・商談・接待中はコンマ数秒の気も抜かない「打てば必ず響く人」になるお礼こそ、「即・送信」忘れられない存在になる、超シンプルな方法小さな仕事でも「プラスα」になる改善点を探してみるやがて〝圧倒的な差〟を生む習慣

2章共感力の気くばり相手に寄り添い、スマートに気を利かせる

ひと声かける、「勇気」と「手間」を惜しまない「あの人は、なぜか感じがいい」理由言葉がけは「共感+提案」のセットで「気が利くなあ」と思わせるのは、意外と簡単相手の「立場」から、「感情」を想像する「この人は、わかってくれている」と印象づける言いにくいことの前に、「勉強になりました」のひと言でワンクッション余計な角を立てないために労力・努力への「ねぎらいの気持ち」をさりげなく伝える結局、「自分を見てくれている人」に、人は弱い「1個120円のたい焼き」の差し入れで、職場をなごませる人のためにお金を使うと、驚くほどいいことがある「目につくところ」はいつも清潔に、整えておく「人は見た目で判断される」からこそ

3章論理力の気くばり「冷静でフェアな人」として、信頼を集める

相手にとってメリットのある「もくじ」を立てて話す「あの人の話はわかりやすくていい」と思われるどんなときでも、よどみなく話すための「フォーマット」を持っておく説得力のレベルを、底上げする「冷静」と「情熱」のバランスをとる有事でも「感情的にならない人」は、輝いている「感情的なダメ出し」より「客観的な助言」をする他人のミスへの対し方を、人は見ているトラブルの処理では、両者のメンツを考える「いつも公平な人」が心がけていること「地味な仕事」も、進んで引き受ける。

そして、継続するそう簡単には消えない〝信頼の貯金〟

4章サービス精神の気くばり「ゆき届いた会話」で、3倍好かれる

会話では、期待されている「3割増しのリアクション」を「あの人がいると楽しいよね」と思われる表情と声にひと工夫して、〝かわいがられ度〟アップ「なぜか魅力的な人」のふるまいうなずき、あいづち、会話のペースを合わせて「ウマが合う」印象に相性のよさは、演出できる相手の気持ちを上げたいときは、話を「ちょっと盛る」〝ユーモアのさじ加減〟を知っておく使える「たとえ話」の引き出しを持っておく〝スパイス〟のきいた伝え方ワンセンテンスは短く、テンポよく、映像が浮かぶように「つい聞き入ってしまう」話ができる親父ギャグにも、いっさいの躊躇なくウケてみせる離れた世代ともうまく付き合えると、強い

5章尊重の気くばりさりげない配慮が、心をわしづかみする

「相手の名前」を意識して呼ぶ「あなたを尊重している」と、自然かつ頻繁に伝える「相手と話したこと」を次に会うときのためにメモしておく「覚えてくれていた!」という、うれしいサプライズ考えが違っても、すぐに反論せず、一度は素直に受け入れてみる「人の意見を聞ける人」は、味方を着々と増やす話を聞くときは、「相手を肯定する姿勢」をなにげなくアピール「聞き上手」を手放そうとする人は、いないその集まりの「キーパーソン」を見つけて、テンションを合わせる場にすぐなじめると、どこへ行っても平気何があっても、「相手より先」に待ち合わせ場所に到着「絶対に期待を裏切らない」という頼もしさ手柄を人に譲り、「花を持たせる」ことも惜しまない尊敬を集める存在にあなたの気くばりの「アンテナ感度」をチェック編集協力:樋口由夏/イラスト:岸潤一

気くばりに必要な「俯瞰のアンテナ」とは企業のトップに立つ人、何かを成し遂げた人は、私の知る限りでは、1人残らずつねに「一歩先を読んで」います。

そのうえで、あらかじめ各方面に配慮や根回しをし、準備万端整えています。

つまり先手を打っているのです。

それは、自分の担当する仕事に関してだけではありません。

職場やプロジェクト全般にわたって、次にどのようなことが起こるか、何が必要になるかを見極め、万全を期しているのです。

そんなふうに先を読むことができるのは、その人が仕事全体、職場全体を「俯瞰」しているから。

俯瞰とは、高い視点から全体を見下ろすこと。

自分の仕事だけしか見られない、視野の狭い人には、到底、気くばりはできません。

高い視点から、広く全体を見渡す。

さらに、上司の視点、部下の視点、同僚の視点からも、自分や職場を見つめてみる。

そうすることで、自分に今、何が求められ、期待されているかがわかり、十分な気くばりができるのです。

すると、周囲にとっても自分にとっても、スムーズかつ快適に仕事ができるようになるでしょう。

リーダーとして頼りになる人、誰もが「できる人」と認めるようなタイプの人たちはみな、高感度の「俯瞰のアンテナ」を備えているものです。

この章では、そんな「俯瞰のアンテナ」を持つ人が、どのような気くばりをしているかを見ていきましょう。

この「俯瞰のアンテナ」の感度が高くなると、「私はこう思います」「こうするとよいと考えています」と、自分の意見を自信を持って述べることができます。

しかも、口で言うだけでなく、行動で結果を出していくことができるようになります。

行動力、指導力、責任感の強さ、チャレンジする勇気、みんなをまとめるリーダシップのある、いわば、「頼れる父親」のような存在になれるのです。

この気くばりができると、こんな「あなた」に変わります!自分だけでなく、職場全体の仕事を見られるようになる優先順位を立てるのがうまくなる、仕事の効率がアップする「」、「」周囲に自然と頼りにされるような〝存在感〟のある人になれる

「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」の重要性は、ビジネスパーソンなら誰でも知っていますよね。

でもこれ、若いビジネスパーソンのうち、「求められているホウレンソウ」をできている人はどれくらいいるか、知っていますか?30%?20%?いえいえ、とんでもない。

実は、1%もいないのが現実です。

なぜ、これほどできていないのでしょうか。

その理由は明快です。

そのホウレンソウに「何を期待されているか」まで考えて、それに応えられている人は、驚くほど少ないからです。

逆に言えば、「期待に120%応えるホウレンソウ」ができれば、気が利くと思われ、仕事でも頭ひとつ抜けた成果を出せる存在になれること、間違いありません。

必ず盛り込みたい「3つのポイント」「ホウレンソウ」ができていると思い込んでいる人の多くが、実は「自分がやったこと」だけしか報告していないのです。

繰り返しになりますが、報告をする以上、必ずそこに「期待されている結果」があるはずです。

「今日、△△会社の××さんに会ってきました!」「お客様から、15時ごろにクレームのお電話がありました……」これだけで、報告したと思っている人がいます。

私が上司なら、ズッコケてイスから滑り落ちてしまいますね。

これだけでは「報告」ではなく、「ただ事実を述べただけ」です。

「……で?」と言いたくなってしまいます。

「俯瞰のアンテナ」を持っている人は、「報告」する際には、次のような〝展開〟を意識しています。

①現状誰からメールがきた、仕事をした、○○会社の××さんに会った、など。

上司にとって〝知る必要のあること〟だけを、できるだけ簡潔に伝える。

②見通し①の現状を踏まえて、それについて自分が得た感触、手ごたえ。

今後、どうなりそうか。

どのような展開が想定できるか。

③対処②の見通しを踏まえたうえで、自分はどう対処するつもりか。

特に、見通しが悪い場合、どのようにそれに対処するのか。

具体的な解決法があるか。

新たに提案できることはあるか。

いつまでに何をする必要があるか。

この3点を盛り込むと、先ほどの「報告」は、こうなります。

「今日、○○会社の××さんに会ってきました(①現状)。

お話ししてきた感触では、今週中には、受注をとることができそうです(②見通し)。

メールでも、もうひと押ししたいと思います(③対処)」「お客様から、クレームのお電話がありました。

商品に欠陥があったということで、ていねいにお詫びをし、交換の品をお送りするとお伝えしたところ、お許しいただけました(①現状)。

××が原因の欠陥なので、今のところ同じ欠陥のある商品はないかと思います(②見通し)。

ですが今後のために、○○部と再発防止策を検討し、また来週の会議でも、みなさんに報告したいと思います(③対処)」「③対処」まで盛り込めて初めて、報告です。

そして、③の対処の仕方を、考えてもどうしても思いつかないときは、「どのようにすればよろしいでしょうか」と上司にお伺いを立てる。

その報告が「相談」になるということです。

上司に「……で?」「それで、どうするの?」などと絶対に言わせない、内心でも思わせないホウレンソウができるようになりましょう。

「③対処」が具体的になればなるほど、一気に差がつく先に挙げた3点の中では、「③対処」が一番大切です。

①の現状や②の見通しがあっても、③の対処がなければ、その仕事は少しも発展していきません。

ここにこそ、すべての気くばりが集約される、ここで気の利く人と気の利かない人の差が大きくついてしまうと言っても過言ではありません。

あるいは、この本を例にとりましょうか。

私はこの本の著者ですから、本書を多くの人に読んでもらいたい、つまり売りたいと思っています。

そこで、社員にもうまく宣伝するように指示します。

そのときに「絶対に売りますから!」「みんな売る気でいますから任せてください!」と言われたらどうでしょうか。

もちろん嫌な気持ちはしません。

でも、ここで期待しているのは、〝一歩先を読んだ、具体的な行動〟です。

「SNSでフォロワー数の多い知人に、この本を渡して、紹介する投稿をしてもらいました。

これから発売日に向けて、どんどん拡散されていくと思います!」こんなふうに、多くの人に読んでもらうための具体的な行動まで報告してもらえたら、素晴らしいですよね。

つまり、「①現状」「②見通し」を踏まえて、「③対処」につなげるために「次の行動」、「次の行動」と具体的に動いていくのです。

「自分は次に何をすればいいか、何ができるか」つねにこれを頭に置いて行動することが、すなわち「気くばり」です。

実は、相手の求めているものの一歩先を読むことだけなら、できている人は意外と多いものです。

ところが、一歩先を読んでいるだけ、という人が多いのです。

「俯瞰のアンテナ」の感度が本当に高い人は、一歩先を読んだら、もう行動しています。

行動するかしないかで、天と地ほどの違いが出てきてしまうのです。

「見通し」を踏まえ、「次の行動」をいち早く起こす

ビジネスにおいての気くばりで、何より大切なこと。

それは、上司や取引先といった、相手のスケジュールに配慮することです。

「スケジュールに配慮する」と言いましたが、何も秘書のように、つねに相手の予定をチェックしておきましょう、ということではありません。

相手のスケジュールに配慮するとは、相手にとってのプライオリティ(優先順位)を理解しておくということです。

プライオリティの立て方が下手な人は、どんなにモーレツに働いているように見えても、仕事が遅かったり、周囲に評価されなかったりするもの。

「すべての仕事は、プライオリティを立てることから始まる」のです。

仕事の「優先度」を5段階に分ける社内においては、自分の仕事のプライオリティを立てることも大切ですが、上司にとっての仕事のプライオリティを正確に把握することが求められます。

あなたが上司から、仕事を指示されたとしましょう。

そのときにまず、その仕事が上司にとってどのくらい重要なのかを考えます。

ここでは、重要度の高さ=仕上げるまでのスピードの速さと考えてください。

上司から指示された仕事を、受けたほうは勝手に「後でやればいいや」と判断してしまった。

ところがそれは上司にとっては、最優先でやってほしい仕事だった、というケースはよくあります。

つまり、その仕事をどのくらいの速さでやるべきかを正確に評価し、期限を切ることが「気くばり」になるのです。

この評価の目安は、以下の5段階です。

11時間以内2半日以内31日以内4翌日を含め、日をまたいでもいい51週間以内(この5段階より長い期間のものは、もはや当面のプライオリティには関係のない仕事です)仕事を指示されて、いつも同じ対応しかできないようでは、気くばりができているとはとても言えません。

上司が「1(1時間以内)」で対応してほしいと思っているのに「4(日をまたぐ)」の対応をしてしまったら上司を困らせることになります。

逆に、上司にとってのプライオリティを理解せずに、必要以上に急いで「1(1時間以内)」のスピードで対応したら、「悪いね。

そんなに急かしてるつもりはなかったんだけどさ……」と、せっかくの努力がムダになってしまいます。

「あれ、どうなっている?」と言わせない「俯瞰のアンテナ」の感度の高い人は、仕事を引き受けるときに必ず、「いつまでですか?」と締め切りを確認します。

これをビジネス英語では「due(デュー)」といい、「締め切り」や「期限」を表わします。

現実には、仕事を指示されても、多くの人は、このdueを確認しようとしません。

「○○の資料を作っておいてくれるかな?」と上司。

「はい、かしこまりました」といい返事をする部下。

でも、「これは、いつまでに必要でしょうか?」とは聞かないのです。

逆に言えば、仕事を頼まれたとき、間髪入れずに「いつまでですか?」と聞けば、「この人は気くばり力が高い」「仕事ができる!」と評価してもらえるということです。

もちろん、言われた期限は、必ず守ることが必要です。

すでに急ぎの仕事を抱えていたり、まだその仕事に不慣れだったりする場合は、「●日の何時までにお渡しできれば、大丈夫でしょうか?」などとより細かく期日を確認してもいいでしょう。

上司に「あれ、どうなっている?」とだけは、絶対に言わせてはいけません。

このひと言を言ってくるということは、上司はそれまでに相当、「どうなっているのかな?」「進んでいるのかな?」と内心では不安になったりイライラしたりしていて、とうとうそれに耐えかねて聞いてきた、ということです。

もし、そう言われてしまったなら、その仕事に対する上司とあなたの重要度の理解がずれていたと自覚し、今後は必ず締め切りの確認をするようにしましょう。

相手にとっての「優先順位」をもっとも重視する

今度は、あなたが同僚や後輩、取引先などに、急ぎの仕事を依頼する場面を想定してみましょう。

相手に「どうしても今日中に終わらせてほしい」場合、あなたならどう伝えますか?相手が忙しいから大変そうだとか、こんなことを頼んで相手が気を悪くしないかと考えることが気くばりのように思われがちですが、ビジネスにおいて、絶対に期限を守ってもらわなければならないときには、そんなことは言っていられません。

相手に「なんとしても期限通りに仕上げよう」ときっちり意識させ、実際にそうできるようにしてあげるのが、本当の気くばりです。

「なぜ」と「いつまで」を2点セットでここで重要なのは、「相手がその仕事の緊急性を理解するだけの理由」を説明できるかどうか。

そして、締め切りをはっきりと示すことです。

たとえば、こんな具合です。

「実は急に、重要な取り引き先のA社に、明日の15時からプレゼンすることが決まりました。

そのため、明日の13時までには資料を仕上げる必要があります。

お忙しいところ大変申し訳ないのですが、お願いできますか?」このように、「なぜ」急がなければならないのかという理由と、「いつまで」という期限を、必ず示すこと。

「なぜ」がなければ、意味もなく急かされている、こちらの状況などまったく考慮せずに頼んできているという印象を相手に与えかねません。

「いつまで」がなければ、相手の仕事の進み方次第では、当初もくろんでいた出来上がりに間に合わないということになりかねず、あとあと自分が困ることになります。

この2点を盛り込んだうえで、どれだけ筋道を立てて、相手に理解してもらえるように説明をできるかということが重要です。

ここではさらに、もうひとつ気くばりのポイントがあります。

それは、相手の「許可を得る」形で依頼すること。

つまり、「お願いします」ではなく「お願いできますか?」という、相手の許可を乞う言い方をするのです。

取引先に仕事を頼む場合は特に、それを引き受けるかどうかは、あくまで自分ではなく、相手が決めることだという態度で伝えなければなりません。

そんな気くばりがあれば相手も、他の仕事を後回しにしてでも「仕方ない、やってやろう」「そう言うなら、引き受けてもいいか」と優先順位の変更をしてくれるでしょう。

「人に渡すための準備期間」を確保する蛇足ながら、このような急ぎの頼みごとは、よほどのことでない限りしないこと。

さもないと「自分勝手なやつ」というレッテルを貼られてしまうかもしれません。

あなたのまわりにも、いつもギリギリになって言ってくる人、いませんか?「あと1週間、せめて2、3日でも早く言ってくれれば……」ということも多いのではないでしょうか。

それほど、スケジュール管理は気くばりの影響が大きく、難しいものなのです。

「俯瞰のアンテナ」の感度が高い人は、普段から、仕事を依頼するときは「早めにアクションを起こすこと」「できる限り前倒しすること」を心がけています。

そして、前倒しで人に仕事を頼めるようにするために、「この仕事は、この日までに○○さんに渡す」と自ら期限を切って、そのための準備期間を、自分のスケジュールに組み込んでいます。

余裕を持って、「1日前倒し」ぐらいの感覚で渡せるように、スケジュールを組めれば理想です。

誰に言われるでもなく、自分で期限を設定し、それを必ず守る。

これができる人は、「気の利く人」「一緒に仕事のしやすい人」と周囲に思わせることができます。

「自分の仕事」の中にも、「他の人に部分的に頼んだり、チェックしてもらったりする必要のある仕事」と「自分1人で済ませられる仕事」があることでしょう。

人に頼まなければならない仕事は、最優先で進める。

自分1人で済ませられる仕事は、一番後回し。

これは、超基本中の基本です。

他の人と進める仕事は、必ず「1日前倒し」

気くばりには、努力が必要です。

このように書くと、「えー、努力なんて無理、無理!」という声が聞こえてきそうですが、それほど難しいことではありません。

要は、「相手のリズムに乗ること」なのです。

「俯瞰のアンテナ」の感度が高い人は、これができています。

相手の「仕事のリズム」をつかめると、ぐっとラクになるここまで、「この人は自分に何を期待しているのか」を考えることの重要性について書いてきましたが、それができるためには、その人の「傾向」を理解しておく必要があります。

たとえば、上司が何事も時間を早め早めに設定して進めるタイプだったら、それに合わせて、何事においても早め早めに先を読んで行動することが必要です。

相手がどういうタイプかを知るには、日ごろからよく観察しておくことが重要になってきます。

「上司の○○さんは、いつも始業時間の1時間前に出社するから、なんでも早めに進めたほうがいいな」「□□さんは、午前中は集中してデスクワークをしているから、相談事は昼休みが終わってからにしよう」といった具合です。

しばらく観察していると、その人の〝仕事のリズム〟がわかってきます。

「あの上司は、ものすごく朝型だ。

出社後、毎朝デスクで新聞を読んでいるから、それを読み終わったころに声をかけると、話が通りやすい。

逆に、16時以降に何かを持っていくと『遅い』と思われる」あるいは、「あの課長は朝が苦手なタイプだから、午前中はエンジンがかからない。

昼過ぎごろが、一番機嫌がいい。

だから、新しい企画の話を持っていくのは、14時ぐらいがいい」または、「あの同僚は週末はいつも早く帰りたがるから、できれば込み入った相談事や頼み事は、水・木曜までに終わらせたほうがいい」などなど。

もっと大きなリズムでは、「あの部署は月末になると忙しくなる。

だから、その月の中旬までに持っていこう」と考えることもできます。

そういった相手のリズムを知り、それに合わせるようにすると、ごく自然に、お互いに気持ちよくスムーズに仕事を進められるのです。

話しかける「タイミング」を読めている?相手のリズムをつかむこと。

これが、気くばりができるようになる第一歩です。

そして、リズムをつかむと見えてくるのが、「タイミング」です。

声をかける、報告や相談をするタイミングは非常に大切です。

でも、仕事には突発的に入ってくるものもありますから、いつもリズムをつかんでベストタイミングに、というわけにはいかないときもあるでしょう。

上司に話しかけるタイミングをうまくつかめないと感じている人も多いのではないでしょうか。

特に、忙しそうにしている上司には、話しかけづらいものです。

かといって、一日中、様子をうかがっているわけにもいきません。

グズグズしていたら、気がつけばもう退社時刻──ということにもなりかねません。

そんな時間になって「お話ししたいことがあるのですが……」と言ってこられたら、やっと今日の仕事を終えた、と思い始めていた相手にとっては大迷惑です。

相手が忙しそうで話しかけるタイミングをつかめない、でもどうしても今日中に話さなければならないことがある。

そんなときは、メモを書いて渡すのもひとつの手です。

「○○の件でご相談したいことがあります。

10分ほどお時間をいただけないでしょうか」などと書き、渡すときには、「○○課長、失礼いたします。

メモを置いておきます」と言って、すぐ引きあげるようにしましょう。

こうすれば、仕事に集中している相手の邪魔になることもありません。

相手の「仕事のリズム」を把握する

タイミングを見計らい、それを逃さない人は、大きな仕事をつかむきっかけを逃さない人でもあります。

先日もこんなことがありました。

よく行くお気に入りの和風居酒屋で、スタッフと一杯やっていたときのこと。

お酒の席といっても、話している内容は営業会議の延長のようなものでした。

店の中に他のお客さんはそう多くはなく、そこに外国人のカップルが入ってきました。

その2人は日本語がまったく話せないようだったので、私とスタッフが、「ここはこの料理がおいしいですよ」と教えてあげると、よほどうれしかったのか、私たちの席にパッと入ってきたのです。

このとき、もしあなたが同席しているスタッフだったらどうしますか。

「一緒にどうぞ」と言うべきか、主催者である私が言うのを待つべきか、戸惑うのではないでしょうか。

しかも、営業の大事な話をしていたのですから。

結果としては、私が「どうぞ」と言いました。

そして私が「どうぞ」と言い終わらないうちに、スタッフも「どうぞ」と言いました。

コンマ何秒の判断です。

もしスタッフが先に「どうぞ」と言っていたら、私は「今日は、営業会議なんだから」とピシャリと止めていたかもしれません。

あるいは、私が「どうぞ」と言っているのに、スタッフがすぐに「どうぞ」と同調してくれなかったら、なんだか私の好意が反故にされたような気分になります。

仮にスタッフが同調したとしても、言うのが3秒遅れたら、やはり同じでしょう。

一瞬のタイミングが、人生を左右することもあるコンマ何秒と3秒、この違いがわかるでしょうか?特に商談などの席では、タイミングが1秒遅れただけで、人の気持ちは180度変わることもあります。

それが人生の分かれ目になることさえあるのです。

これは大げさな話ではありません。

私の知っている出世した人たちは皆、ここに敏感でした。

そして「俯瞰のアンテナ」の感度が高い人は、大切な局面では、相手に全神経を集中させ、1秒たりとも気を抜きません。

私は若いときから英語研修の営業を続けてきましたが、当時売っていた研修の内容は、今振り返れば決して特別いいものではありませんでした。

でも、売れていたのです。

それはなぜかと聞かれたら、商談やお付き合いの場で、コンマ数秒でも、相手に対して気を抜いていなかったからにほかなりません。

大切なクライアントとの飲み会では、1秒たりとも気を抜かず、その方が気持ちよく飲めるよう気くばりをしていましたから、「あなたがいると、なんだか知らないけど楽しいよね」と言われ、そして最後に「あの研修、頼むわ」と言われたのです。

大事な局面では、全神経を相手に集中

タイミングを外さないこと、求められているスピードをつかむことが大事な気くばりだと、繰り返し書いてきました。

なかでも、スピードが何より重要になるシチュエーションは、「お礼」をする場面でしょう。

たとえば、取引先から接待を受けた、仕事を引き受けてほしいとずっと思っていた相手先を、やっと訪問させてもらえたとしましょう。

そのお礼のメールを、あなただったら、いつ送りますか?夜の接待のお礼なら、翌朝出社して、自分のデスクについたら何をするより真っ先に、「昨晩はありがとうございました」と送信。

昼間のアポのお礼なら、必ずその日のうちに、遅くともその日の夕方ごろには、「本日はありがとうございました」と送信。

絶対に、このタイミングを逃してはいけません。

翌日の夕方ごろになってお礼メールを送っても、「あっ、そういえば、昨日はどうも……」と、やっと思い出しましたという印象になってしまいます。

相手は、本当に大事に思われているとは思えず、社交辞令としてしか受け取らないでしょう。

さらにいえば、本当に感謝の気持ちを伝えたいなら、やはりメールではなく、直筆の手紙に限るでしょう。

何事もスマートに電子化されているこの時代だからこそ、便せんに時間をかけてしたためるというアナログなやり方が、相手の気持ちに響くのです。

これは、広告業界のある女性から聞いた話です。

彼女は以前、コピーライター養成講座というセミナーに通っていて、その講座には毎回、業界の有名人が講師として登壇していたそうです。

そして、セミナーが終わると懇親会があって、そこで講師から名刺がもらえるのですね。

すると彼女は、懇親会が終わって、夜遅くに帰宅するとすぐに、その日の講師に宛てて、直筆でお礼の手紙を書いたそうです。

「こんなお話が、大変勉強になりました」と。

そして、翌朝には投函する。

都内であれば、早ければ翌日には手紙は届きますから、「おとといの受講生から、もう礼状がきた。

しかも、すごくていねいな内容だ」と驚かれるわけです。

そうやって自分の名前を覚えてもらって、講師との人脈を築き、気に入られて仕事も紹介してもらえた。

その結果として、彼女は今では売れっ子のコピーライターとして活躍しています。

スピーディーでていねいなお礼が、いかに相手の心をつかむかが、よくわかるエピソードです。

ところで私の会社では、社員全員に、本人のキャラクターをイメージしたアイコンをデザインした便せんを作っています。

私の便せんのアイコンは、テニスが趣味なので、テニスラケットのデザインです。

そんな小さなところから、「忘れられない存在」として印象づけていくのです。

「直筆の文字」で心をつかむ

「俯瞰のアンテナ」の感度が高いということは、「自分も相手もwinwinの状況になる準備ができる」ということです。

ただ、これは、一朝一夕にできることではありませんから、先読みをする習慣、クセをつけてしまうことが大事です。

そのためにはビジネスの場だけでなく、日常生活でも、相手の「先」を読むようにすることです。

たとえば、行列のできる店でランチを食べたのなら、支払いのときは忙しい店員さんの手をわずらわせないようにお釣りのないように支払う。

あるいはEdyなどの電子マネーで支払う。

そんなことでいいのです。

先読みをして相手が喜んでくれ、自分もうれしい──それがwinwinの関係です。

人に指示されていなくても「自分で」考える職場で一歩先を読むには、どうすればいいのでしょうか。

たとえば、あるプロジェクトのメンバーに選ばれたとしましょう。

そこであなたが、上司から頼まれていないのに、資料をブラッシュアップしました。

そして上司にこんなふうに言います。

「部長、この資料ですが、あまり目を引かないように見えたので、ちょっと直してみました。

あまりうまくできていないかもしれませんが……」指示されたことしかできない〝指示待ち君〟が多い中で、あなたがこんな仕事をしたら、上司は口では「それは君の仕事じゃないだろう」などと言いながらも、心の中では「なかなかやるな」と思っていることは間違いありません。

つまり、頼まれていないプラスαの仕事をするということです。

豊臣秀吉が、上司である織田信長に気に入られた有名な逸話があります。

秀吉がまだ木下藤吉郎と呼ばれていたころのこと。

冬の寒い夜、信長が草履を履くと、ほんのり暖かい。

信長は「わしの草履の上に腰かけた不届き者」と秀吉を叱りました。

ところが、秀吉は「寒い夜ですから、おみ足が冷えていらっしゃると思い、懐で温めておりました」と言ったのです。

信長はその場では何も言わなかったものの、後日、秀吉により重要な仕事を与えたという話です。

どれだけ「余計なこと」を考えつくか、どれだけプラスαの仕事ができるかとは、このようなことではないでしょうか。

もしも上司から「余計なことをしなくていい」と言われたら、それはほめ言葉。

一歩先を読むことができている証と思って、自信を持ってください。

「まず行動」してみて、後から修正するところが、「余計なことをしてはいけない」と思っている人も多いと思います。

でも、ここではっきり申し上げたいのですが、「余計なことをしてはいけない」と思っている人は、たいてい何もしていない人です。

確かに、本当に「余計なこと」である場合もあります。

それで注意されることもあるかもしれません。

しかし、余計か余計でないかは、行動してみなければわからないのです。

行動してみて余計だったら、後から修正すればいいのです。

そう、修正は後からいくらでもできるのです。

だから、まずは一歩動いてみる。

余計なことかもしれないな、と思ってもやってみることです。

たとえ結果として余計なことであったとしても、まったく動かなかった人よりも得るものは確実にあります。

一歩先を読むために必要なエンジンは2つあります。

それは「相手を喜ばせたい」「相手の役に立ちたい」というものです。

秀吉が信長の草履を温めておいたように。

この気持ちがあれば、余計なことをするのが苦ではなくなるどころか、楽しくなるでしょう。

「この書類、もっとこうしたらいいんじゃないか?」「明後日の打合せ、こういう準備をしておくと、喜ばれるかもしれない」そんなアイデアやシミュレーションが、自然に湧いてくるかもしれません。

仕事が面白くなる、一番シンプルな考え方あなたが一歩動き始めたら、人生は「受動」から「能動」に変わります。

上司から指示された仕事だけをする。

これが受動です。

受動の人はきっとほとんどが「どうしてこんな仕事ばかりさせられるのだろう」と思っているでしょう。

仕事がさぞかしつまらないでしょう。

就業中も早く帰りたい、早く飲みに行きたい、と思っているかもしれませんね。

一方で、仕事に対して、「こんなふうにやってみようか」「こうしてみたらどうだろう?」と考えながら仕事をする。

これが能動です。

この両者には、雲泥の違いがあります。

同じ仕事内容でも、受動から能動に変わった瞬間、楽しくなるのです。

おまけに、あなたの評価もアップしますから、ますます仕事が楽しく、面白くなるという好循環が生まれます。

仕事そのものが面白いものに変わるわけではありません。

あなたの思い、心がけひとつで変わるということです。

受動はつらい。

能動は楽しいのです。

仕事が「能動」に変わる瞬間能動で仕事をしていると、「俯瞰のアンテナ」の感度が高まり、どんどん仕事を広げていくことができます。

受動的な人は、能動的な人には絶対にかないません。

能動的な人は、ときに失敗もします。

しかし必ず、この失敗をどう活かすかを考えています。

受動的な人は、失敗したらただ落ち込むだけです。

たとえば営業成績が悪かったとき、「何が悪かったんだろう」と考えて終わるのではなく、さらに掘り下げて分析をします。

分析した結果、「ここを変更しようかな」と考えられたら、その瞬間、仕事は能動に変わるのです。

たとえば私自身も、営業の電話をかけることが日常的によくあります。

でも私が研修の講師をしている時間は、当たり前ですが営業の電話をかけられません。

すると、契約がとれなかったらと怖くなります。

ですから研修中(英語を教えているときなどに)「じゃあみなさん、ちょっと考えておいてくださいね」と伝え、受講中のみなさんが考えている間にちょっと席を外して、営業の電話をかけるという荒技をすることもあります。

そこまでやるの?と言われそうですが、そこまで自ら考えて動く人が他にいないから、「誰にも負けない」という自信がつくのではないでしょうか。

「指示待ち」「とりあえず現状維持」の逆を行く

気くばりに必要な「共感のアンテナ」とはあなたのまわりに、いつも笑顔で話を聞いてくれ、心から深く共感してくれるようなタイプの人が、1人か2人はいないでしょうか。

いわゆる「感じのいい人」「とてもやさしい印象を与える人」です。

このような人は、これから紹介する「共感のアンテナ」の感度の高い人です。

人は誰しも、自分の立場や感情を理解し、共感してもらいたいと思っています。

共感してもらうことで、「自分を受け入れてもらえた」と感じ、共感してくれた人と接すると心が安らぎ、その人を信頼するようになります。

家庭でいえば、やさしく見守ってくれる母親のようなタイプが、「共感のアンテナ」の感度の高い人です。

このような人は相手を否定することなく、ひたすら話を聞いてくれますから、話すほうも、つい心を開いてしまいます。

相手の立場、考え方、感情、価値観に共感し、寄り添うこと。

これこそが、気くばりの出発点です。

共感するということは、決して表面的なうわべだけのことではできません。

しかし、「共感のアンテナ」のある人は、それが自然にできてしまいます。

心が温かく、周囲から信頼を得ることが多いため、組織にはなくてはならない人材です。

やさしさや思いやりが深く、他人に対して寛容なぶん、やや決断力に乏しく頼りない面もありますが、当たりがソフトなため、決して嫌われることがありません。

頑固なほうだ、臨機応変に対応するのが苦手だ、つい理詰めで考えてしまう……といった自覚がある人は、ぜひ、今日から「共感のアンテナ」の感度を高める努力をしてください。

きっと、ビジネスパーソンとしてのあなたのバランスを整える一助になることでしょう。

また「私はこう思います」と自分の意見ばかり主張するのではなく、相手の気持ちに配慮したり、相手の考え方を尊重したりすることができるようになります。

「共感のアンテナ」の感度を高めたうえで、「よければ、こうしましょうか」という提案をプラスできれば、それは相手にとってうれしい気くばりになるでしょう。

高性能の「共感のアンテナ」は、最強の武器になるのです。

この気くばりができると、こんな「あなた」に変わります!相手が何を求めているのか、「察する」ことができるようになる礼儀正しく、しっかりした人という印象を与える「気が利く人、マメな人」として評価されるどんな立場の人からも、〝職場の潤滑油〟として重宝され、感謝される人当たりがやさしくなり、周囲にもやさしくしてもらえる

 

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