社長力 5 リーダーシップと人間力結局はリーダーの人間力がものを言う
1「総花的」よりも「重点主義」 仕事柄、経営方針発表会などに出る機会が多くあります。そこでいつも思うのは、発表される方針の多さ! しかも、期限が短い! 「そんなたくさんのことをできるの? もし自分でやるとしたら?」と首を傾げたくなります。どうも、「わたし言う人、あなたやる人」的に、ある意味、無責任に部下に命じている人が多いような気がします。 もちろん、いろいろ言いたくなる気持ちは分からないでもありません。会社をよくしたいという気持ちから多くのことを望むようになるのは分かります。けれども、経営において、そして人生においても、そうだと思いますが、 数少ないことでも十分にはやれないもの。 ましてや多くのことを一度にできるものではない。 すなわち、何事にも「優先順位づけ」が必要です。「重点主義」です。 1 現状のお客さまやライバル企業の状況などの「外部環境」 2 ヒト・モノ・カネや与えられた時間などの「内部環境」の両面から考えて、優先順位を見極めることが必要です。 多くを行おうとすると、結局何もできなくなってしまいます。大きな実をつけるには、実が小さなうちに、多くを摘果しなければなりません。つまり、捨てる勇気が必要です。 では、実際に、数ある重要なことのうち、何を優先させたらいいのか? どれもこれも重要だと思うから、挙げているわけです。そのなかで優先順位をつけるのは、ほんとうにむずかしい。万一、優先順位づけを間違うと、部下がどんなに一生懸命働いても十分な結果が得られなくなってしまいます。 それをできるだけ的確に行うには、やはりふだんから、お客さまやライバル企業などの外部環境を把握しながら、社内の事情に精通している、これ以外にないでしょう。すなわち、徹底した現場主義に加えて、観察力と判断力がものを言うわけです。 前の章でも書きましたが、社内にいて社外に出ない「穴熊」では到底できません。 「総花的」に関連して言うと、ちょっとよそで勉強してきたことや知っていることをこれ見よがしに話すリーダーがいます。部下に対して「自分はこれだけ分かっている」ということを「見せびらかしたい」のかもしれませんが、付け焼き刃で話してもすぐにバレます。 部下だって多くのことを知っているし、部下のほうは、「それじゃあ、あなたがそれを実践しているの?」と思っているかもしれません(思っていても口に出して言えないのが部下のつらいところです)。 部下の心が動くのは、上司が、自分がほんとうに心から信じて、かつ、実践していることだけを部下に伝えたときです。そして、自身が先頭に立ってそれをやろうと思っているときだけです。
コメント