会社の体質を、儲かる体質に方向づけ、同時に絶対につぶれない体質に育てる。経営はバ
ランス、というのも大事な定石である。
要するに社長は、常にバランスシートから、わが社の体質を正しくつかみ、実態が効率の
いい経営となるように、なおかつ同時に、万全の健康な体質となるように、必要な手を逐次
打っていかなければならない。そのためには、これまでに述べた指標のうちで、少なくとも「総
資本利益率」と「流動比率」の二つだけは、常時、わが社の実際の数値を社長の頭に入れて
おく必要がある。
つまり、
・総資本利益率は絶対に市中金利以上
。流動比率が一二五%以上
という具体的な数値目標に対して、自社の現実との落差こそ、長期計画の基本テーマとなる
ものなのだ。
さらに必要な指標といえば、総資本利益率と流動比率に加えて、当座比率、現金比率の二
つだけである。それ以外は必要がない。あとの細かい計算は経理に任せておけばいい。バラ
ンスシートに目をやったとき、大まかな暗算でいいから、これらの指標がたちどころにパッ
と数字で出てくるようにしておくことが大事なのだ。過去の数字を読みながら、現在のわが
社の実態を数字の約束ごとから客観的にとらえて、どこを改善すべきか、何を伸ばすべきか、
その明確な根拠を頭にしっかりたたき込むことが必要なのである。それが長期計画を地につ
いた、社長自身の支えとなってくれるものとする急所といえよう。
モデル会社D精機のケーススタディ
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