車は割賦購入 VS車はリース 10年ほど前に、クライアントの紹介で知り合った運送会社の話です。 その会社に行った際に、車庫にたくさんのトラックが駐車されていたのです。「運送業なのに平日にこんなにトラックがあるなんてどうしたんだろう?」と不思議に思って社長に話を聞くと、「ドライバーがいないので駐車しているんだよね」とのこと。「こんなにトラックがあったら維持費が大変でしょう。売却しないのですか?」と聞くと、実はこれらのトラック、全部リースで契約が残っているから処分できないのだと、社長は項垂れながら話していました。 景気のいいときに契約したそうですが、大口の契約が切れてしまい、ドライバーなどの人員整理をした結果、最終的に残ったのがリース契約で処分できないトラックだけになってしまったというわけです。「割賦だったら処分ができたのに……」と社長は後悔しながら話していましたが、結局リースだからどうにもなりません。結果的にその運送会社は倒産してしまいました。 こういった会社を見てきたこともあり、私は自分の顧問先の社長が車を購入する際には、必ず「割賦で買うようにしてください」とアドバイスしています。 もちろん、「リースにしようと考えていたのに」と不満を言ってくる社長もいます。そこで「なんでリースがいいんですか?」と聞いてみると、「リースだと所有者が自分ではないので税金も払わなくていいし、車検もない、全部相手がやってくれるから楽なんだ」と返ってくることが多いです。 たしかにその気持ちはわかりますが、先の運送会社のように、リースは契約で縛られていることもあり、経営の安全性という点から考えると非常にリスクが高いのです。 何か会社に大きな変化があったとき、その変化に対応できるのは、リースではなく割賦購入です。 一つ、事例をご紹介しましょう。資金繰りが悪くなったとある社長は、乗っていた高級車を背に腹は代えられずに処分して、会社に売却代金が振り込まれました。 それからの 2年間、割賦未払金を約定通りに支払っていましたが、その割賦未払金を払い終える頃に会社の業績も V字回復することができました。その後、この社長はまた新たに高級車を割賦購入したのです。 ここでのポイントは2つ。一つは、割賦購入の場合には、売却することにより会社に真水の資金が入る、ということです。つまり、お金がある =企業再生する時間になります。 そしてもう一つは、「車両を売る」ということです。これが意外にできません。「資産を売却する vs借入れをする」でご紹介したスタジオ経営者もそうでしたね。 ほとんどの経営者は車両を残して、金利の高いところでお金を借りて、割賦未払金の支払いや運転資金に回します。すると、車両の価値は毎年下がり、金利の高い借入金だけが増えていくため、会社の状況がもっと悪くなるのです。 資金的に厳しくなったときに最初に社長がするべきことは、「アセットファイナンス」。つまり資産売却です。これをできる社長は、生き残れる可能性が非常に高いのです。 また、リースだと中途解約した場合に違約金を支払わなければならないというデメリットもあります。割賦であれば未払金は残ってしまいますが、売却も可能ですし何よりもキャッシュが入ってきます。 資金繰りとして安全性を考えるのであれば、リースよりも割賦購入です。
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