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要員についての実証

もう一度、ここでD精機の運用基本計画の前提条件を、復習してみよう。

・付加価値の社員への配分比率は、現在の二五%を五年後も維持する

。付加価値は毎年〇・五%下がるものとする

。なおかつ五年後に税引前利益を五億三八〇〇万円あげる

。そのためには毎年売上を一二%伸ばす

というものであった。思い出していただいたであろうか。(本書の二〇四頁)

さて、現在の人員を増やさずに、毎年一二%の売上を伸ばすことが可能であろうか。この

条件をただ単に理屈のうえで考えてみると、

①前年より一二%以上多く売れるヒット商品を、毎年必ず開発する

②前年より単価を毎年一二%上げて、個数は維持していく

③毎年、前年の一二%増の残業でこなす

というようなことが挙げられよう。

しかしどれも現実的ではない。②や③にいたっては、毎年繰り返していけば、五年後に約

八割の値上げとか八割の残業増となるわけで、考えるまでもないことだ。①は、事業経営の

本来の大切なポイントであって、人員を増やさないためのものではない。まして毎年ヒット

商品が見つかることを前提にして、人件費の計画を組むことはできない相談だ。

一部を外注に回す、設備を更新して生産性を上げるということもあるが、外注に回せば付

加価値率がぐ―んと下がってしまうし、設備を入れれば金利負担が増えてやはり利益が下

がってしまう。

そうすると、常識で考えて、毎年一二%アップの売上を続けていくためには、人は若干ず

つでも増やしていくと考えるのが妥当だ。しかし、なるべく最小限の人員増に抑えなければ

なるまい。計画としては、毎年二人の増員が妥当なところとしてみた。

この会社の社長は、「俺のところでは、九八人の正社員に対して六人しかパートがいない。

もうちょっとパートが多くてもいいのではないか。仕事の内容を検討して、単純化、標準化

してパートで十分な仕事を増やし、人員増はパートを中心に対応していこう」と考えた。

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