銀行は「決算書のココがおかしい」と思っても、すぐには突っ込まないことがある 商売をしていれば、どんな会社でも不良在庫や売掛金はあるものです。銀行はたくさんの企業の決算書を見てきているので、目利きがあります。中小企業が多少なりとも粉飾していると思っているのではないでしょうか。 たとえば、決算書に前年と同じ金額の売掛金があると、入ってこない売掛金ではないかと勘づきます。在庫もやたらと多いと怪しまれます。適正な在庫があるでしょうから、仕入れていないのに在庫が増えているのもおかしな話です。 仮払いを使い勝手がいい隠れ蓑として使う会社もあります。仮払いは、中途半端な科目で何なのかよくわからないからです。特に、社長が何か会社のお金を使って、落とせないものや不透明なお金の使い方をしているケースがあります。 しかし、銀行は「おかしいな」と思っても、突っ込んでこないことがあります。 それは、厳しく追及しすぎると会社が傾いてしまうからです。融資を続けるために、あえて浮上してくるのを待ってくれているケースもあります。 それも、銀行との関係がすごく大切になってきます。「今期は、絶対に黒字を出してくださいよ」と念を押されるときは、「今期の決算内容は、今後支援していく上で大切ですよ」という合図なのです。膿は徐々に出していくことを銀行も望んでいる!? いろいろな会社を見ていますが、銀行から最低これぐらいの利益を計上してくださいねと言われたケースもあります。 支店長としては、一生懸命やっている社長なので、将来性を買ってそう言ってくれたのだと思います。確かに、その会社は伸びしろ抜群でした。 それに気づかずに、「積年の膿を出す」と言って、正直に巨額の赤字を計上した会社がありました。年商 5億円の会社が 8000万円の赤字を出せば、銀行がどう思うか明らかです。案の定、融資が止まって大変なことになってしまいました。 社長の真面目な性格からしたことでしょうが、間違いなく失敗です。もちろん、粉飾はよくありませんが、膿を一度に出すのはいかがなものかと思います。 不良在庫や売掛金を処理するときには、徐々に行なうのがセオリーです。 銀行がどう思うかを考えないといけないケースもあります。 銀行として支援体制で臨んでいるのに、何でこんなことをするんだと思っているでしょう。銀行の恩情や気持ちを察して、処理を先延ばしすることも、経営者として大切なことです。 商売とは、いいときもあれば、悪いときもあります。悪いときにどう乗り切って、会社を立て直すかが、社長の力量です。
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