‐ MRI検査の受付から会計までの運用方法の改善 6o竹田綜合病院
5S活動のスタートから15 年を経て、活動が「モノの5S」から「業務の5S」へと進化しています。 対象となるのは業務プロセス。患者の立場から仕事のやり方を見直し、ムダを省いて満足度を向上させました。
患者の視点で従来の業務を見直す
発想のきっかけは? 山鹿クリニック内にはMRI検 査機械がないので、竹田綜合病院 で検査を行っています。中でも、 小児のMRI検査は鎮静が必要な ので、竹田綜合病院小児科の医師 に鎮静の指示を出してもらってい ます。 そのため、患者は竹田綜合病院 1階の外来受付で、山鹿クリニッ クの案内票1枚を受け取って、2 階の小児科で受付をして、小児科 分の2枚目の案内票を受け取りま す。 患者は乳。幼児なので対象は親 です。子供にも手がかかるところ に、受付が2ヵ所、案内票も2枚 と混乱しやすいので、改善したい と思いました。 苦労した点は? 山鹿クリニックの医事課、竹田 綜合病院の医事課と小児科に現状 を説明して、どのようにすれば患 者の負担が軽減できるかという改 善策を提案しました。 他部署への依頼となるので、相 手に大きな負担をかける対策では、 受け入れてもらえません。 そこで、最小限の変更にとどめ るためのヒアリングを行いました (左上のQ&A)。 このように各部署の業務内容を 明確にしたことで、流れを整理す ることができました。 従来のやり方を変えることには 抵抗があることも多いでしょう。 しかし、実施している内容を検討 していくと、その必要性が薄い場 合もあります。これを止めてしま うことで、業務改善ができるとと もに、面倒な手続きもなくすこと ができました。図は、患者の動き を改善前・後で比較したものです。 5S の成果は? 整理できたことにより、患者ヘ の説明時間が短縮できました。看 護師から患者へは、MRI検査の 内容、造影時の注意点、食事につ いてというように、検査以外にも 受付や会計の方法まで説明には30 分程度要していました。改善後は 1回の説明時間が3分程度短縮で きました。 こうした説明時間の短縮もさる ことながら、2ヵ所で受付するこ とがなくなり、案内票の提出も1 ヵ所になったことで、患者の負担 の軽減ができました。 自部署だけでは、解決できない こともありますが、まずは問題提 起し、他部門と話し合いをもつこ とが、解決のカギになることを感 じる結果でした。 かかった費用は? 0円です。
関連部署に ヒヤリング した結果 Q Q 受付を2ヵ所で行う必 要性はありますか? 小児科で来院確認をし なければならないので 必要です。そこで、患者は山 鹿クリニックの案内票を持っ ているので、その案内票で患 者確認をしてもらって電子カ ルテ上で受付をするようにし ました(小児科)。 会計はどの時点で発生 するのでしょうか? 山鹿クリニックの指示 によるMRI検査です から、それに付属する内容 (診察、点滴など)は山鹿クリ ニック医事課で請求します。

2 地道に話し合って全員の意識を統一する! 62つくばセントラル病院
5Sは全員で取り組むもの。必死でやっている後姿を見て、 周囲のみんなも少しずつ真剣に取り組んでくれるようになります。それは医師だって同じこと。 こうして5Sの理解が広がつていき、成果が生まれ、チームワークも良くなっていきます。
話し合いで決めた物品管理の基準
改善した困りごとは?
手術室は器具や衛生材料などの 物品がとても多く、それらの管理 が徹底できていませんでした。物 品の紛失が多いだけでなく、期限 切れの衛生材料やデッドストック が生まれる危険性もありました。 必要なときに、必要なものがな ければ、手術に支障をきたしてし まいます。早急な改善が必要でし た。 どのように進めたの? 2008年から5S活動につい て勉強をはじめ、少しずつ活動し てきたので、比較的スムーズに取 り組むことができました。 まず、病院の整理・整頓の基準 を参考にして手術室内の基準を作 成し、スタッフの認識を統一しま した。その後、担当場所を決定し、 小グループで助け合いながら、基 準どおりの整理・整頓を進めまし た。 この段階では、期限を設定して、 リーダーが進捗状況を確認できる ようにしました。変更があった場 合は、その内容を朝のブリーフィ ングで報告し合い、必要に応じて 申送リノートに記載して、情報を 共有しました。 挫折しそうになったことは? 活動時間の調整に苦労しました。 スタッフによって整理・整頓に対 する取組み方、進め方が違うので、 なるべく遅れが出ないように気を 配りました。また、プラスチック ケースやプラスチツクダンボール などの5S物品が揃わず、活動し たいときにできないこともありま した。 手術では、使用頻度が少なくて も緊急用で置いておくべき器具や 材料があります。これらは基準ど おりにはいきません。 そのようなときには、1つひと つ医師と話し合いながら決めてい きました。医師が変わると、使用 する物品も変わってしまうので、 その対応にも苦労しました。 どうやって打開したの? 常に進捗状況を確認して、遅れ ているスタッフの活動時間が確保 できるように業務分担を調整しま した。また、先行しているスタッ フには手伝ってもらうなどの配慮 をしました。 物品の購入に関しては、手術室 運営会議で医師に5Sについて説 明して、相談しやすい環境をつく りました。医師からどうしても捨 てられないと言われたモノは、「5 SBOX」をつくって期限を決め て管理し、期限を過ぎると医師に 相談しました。
発想のきっかけは?
棚の上にモノが乱雑に置かれていました。必要なモノが混在していて、ファイルも色や形、大きさがまちまちでした。常に探す手間が発生していて、快適に仕事ができる環境を作りたいと思いました。
5Sの進め方は?
まず、棚の上にはモノを置 一かないように決めました。棚 の上、パソコン周辺を整理・ 整頓して、不要なモノを廃棄 しました。廃棄した分で収納 スベースが確保できました。
ここを見てほしい―
ファイルの形状を統一して、 一見出しを揃えてナンバリング 一しました。見た目がキレイに 一なっただけでなく、定置管理 一もできるようになりました。

3 多職種の人誰もがわかる物品の管理! 64東京医科歯科大学。歯学部附属病院
多くの部署が行き交う場所は、それぞれの部署の 責任者が協議して必要。不要を1つずつ決めていくので、時間も手間もかかります。 しかし、その作業によって、コミュニケーションが円滑になり、互いの理解も深まつてきます。
不良在庫を一掃するための地道な活動
改善したかった困リゴトは? 歯科材料の収納棚には「いつか 使うかも」「急に必要になったとき 困る」「捨てるのはもったいない」 といった不良在庫が大量にありま した。 頻繁に使う材料もかなりの在庫 数があり、モノがあふれている状 況でした。また、収納場所が点在 していたこともあり、必要なモノ を探すのに時間がかかっていまし た。 どのように進めたの , 徹底的に整理をしました。まず 必要・不要に分けて、不要と判断 したものは責任者が確認して、処 分または他部署での再利用品とし ました。それによって在庫量が大 幅に削減できたので、収納棚を廃 棄し、スペースが確保できました。 そこで、動線を考えた収納に変更 できました。 また、看護師、歯科衛生士、看 護助手それぞれが現状の問題点を 出し合って、どう改善するかをみ んなで検討しました。整理・整頓 を実施するにあたっては、5Sリ ーダーがつくった綿密な計画をも とに役割分担し、全員で実行しま した。 苦労した点は? 多職種がかかわる場所なので、 歯科材料などの知識に差があって、 配置の決定には苦労しました。ま た、女性がほとんどという部署な ので、大きなモノの移動は大変で した。 どうやって打開したの? 歯科材料などの配置については、 歯科衛生士がリーダーとなって決 定しました。また、力仕事は他の 部署や5S推進委員会の委員に手 伝ってもらいました。 5Sの成果は? 歯科器材・材料の在庫量を見直 し、定数を減らしたことで、モノ の整理・整頓がしやすくなり、整 頓の状態が維持しやすくなりまし た。 また、収納方法を棚から引出し に変更したことで見やすくなり、 モノを探す時間が短縮され、在庫 量の管理もしやすくなりました。 さらに、歯科材料の保管スベー スが減少して棚を廃棄できたので、 新たなスペースが生まれ、それを 有効活用することができました。 棚卸実施者数は、3人から2人 に減らすことができ、業務改善に つながりました。 こうした経験によって自分たち の業務を見直し、改善する習慣が つきました。多職種で話し合う機 会も増え、連携が取りやすくな∪ ました。
収納方法を変えた歯科材料の見える化

4 5Sを通じて徹底した人づくりを! 66広島市医師会臨床検査センター
臨床検査センターの5Sは「5Sを通じて、職員すべての意識改革をする」のひと言に尽きます。 誰もが「整った状態を当たり前だと感じる」、そんな雰囲気の職場をつくるのは人、だからこそ人づくりなんですね。
試行錯誤して物品管理を徹底
改善したかった困リゴトは? 不用品が多く、日で見る管理が できていないために、ヒューマン エラーが発生していました。 また、 ・情報伝達がうまくいかない 。決められたことが守られない 。現状を正しく理解できず、今の ままでいいと改善につながらな 。書物や資料が私物化され共有化 できていない 。保管理由が不明なまま、長い間 放置されている不用品により作 業スペースが少なくなっている といったことが蔓延していました。 これらの課題すべてを、人づく りによって改善したいと思ってい ました。 どのように進めたの? 全社的な案件としてプロジェク ト体制を組んで、5年計画で進め ています(現在は4年目になりま す)。 外部講師を招いて、定期的な監 査を実施するとともに、すべての 職員(臨時職員含む)を対象とし た研修会を開催して、職員全員の 意識改革を図りました。
挫折しそうになったことは? 整理のルールづくりです。とく に、書類の保管期間の決定と管理 方法などは、たいへん苦労しまし た。 また、全員への情報展開や、間 題意識を共有できていない職員に 対する対応にも苦慮しました。 5S の成果は? 清潔な職場に変わり、在庫管理 ができるようになりました。また、 5S活動を続けることによって、 常に改善活動を行える風土が根付 いてきて、職員同士のコミュニヶ lションが増えて雰囲気がよくな りました。 これらのすべてが、人づくりに つながったと考えています。 5Sに取り組んで 感じたことは? やつてよかったと思っています。 コストを抑制しながら業務効率を 向上させることができました。キ レイな職場で気持ちよく仕事がで き、5Sの成果を実感できました。 1人ひとりが少しずう改善を進め ていった効果は、実に大きいと感 じています。また、ルールがはっ きりしたことで、「当たり前のこ とを当たり前に行動できる」職員 を評価できる環境ができました。 5Sはやり続けなければ、元に 戻ってしまいます。そうならない よう、これからも継続していきま す。

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