「会社の経営は毎日きちんと仕事をすればうまくいくというものではありません。事業を継続させ、目標を達成するためには、目標へのロードマップが不可欠です。そのためには経営計画が必要なのです」 なーんて、経営計画の重要性を訴えるコンサルタントは多いのですが、私は経営計画を作っていません。厳密に言うと今は作っていませんが、会社を設立して 10年ぐらいまでは私も経営計画を作っていました。「来期は売上 20%アップ、純利益は 1000万円ぐらい欲しいなぁ」と毎年毎年、経営計画をずっと作ってきました。しかしそのとおりになったことは一度もありません。そして来期こそは必ず達成するぞ! とまた同じことを繰り返し、 1年後にまたため息をつくのです。 あなたの会社も同じではありませんか。いえいえ、あなただけではありません。ほとんどの会社が経営計画どおりにはいかないのです。 経営計画を何のために作るかというと「業績を上げるため」ですよね。では、経営計画を作っている会社 100社と作っていない会社 100社を比べてみたときに、どちらの会社の業績がよくなっているでしょうか。たぶん変わらないんじゃないかと思います。経営計画のコンサルティング会社の社長が「井上さん! うちの会社がついに 7年ぶりに黒字になりました!」と言ってました(笑)。 なぜ経営計画はいつも失敗するのかというと、経営計画が「売上」や「利益」という「結果」を目標にするからです。 社員「社長、今期は 98%達成できました」 社長「そうか、惜しかったな。何が達成できなかったんだ」 社員「売上と利益以外の予算はすべて達成しました」 会社経営にはコントロールできるものとできないものがあります。経費はいくらでもコントロールできます。しかし、売上と利益だけはコントロールできません。経営計画の一番の問題点はコントロールできるものとできないものが、ごっちゃになってしまっていることです。だからいつもうまくいかないのです。 経営計画よりも売上や利益が上回りそうになった場合、経営計画どおりに進めるために売ることをやめる会社があるでしょうか。決算のときに経営計画よりも売上や利益が上がってしまい計画どおりにいかなかったと嘆く社長よりも、大喜びする社長のほうが多いはずです。 昔を思い出してみてください。受験生の頃の話です。 例えばある学校は 80点以上が合格だとします。では、あなたは当時 80点を目指して勉強の計画を立てていましたか。そうではありませんよね。ここでいう 80点は「結果」なのでコントロールできません。ゆえに 100点を取るために必死に勉強したのではありませんか。 勉強とは自分のレベルを上げること。言い換えると自分の「品質」を高める努力なんです。実は会社経営も同じです。私は売上や利益を上げる方法を計画することこそが本当の「経営計画」なんだと思います。 売上と利益を上げる方法なんてどうするのという声が聞こえてきそうですが、実は私も聞きたいぐらいです(笑)。とはいえ会社を経営してきて 30年、ようやく売上と利益を上げる方法がなんとなくわかってきました。これに関しては後述します。 さて、一般的な経営計画は不要と書きましたが、これは会社を経営する指標としては不要ということで、日本という社会で会社経営をする上では必要な場面もあります。 それは金融機関からお金を借りるために経営計画が必要な場合です。ただ金融機関にとって重要なのは、あなたの会社が成長するかどうかではなく、貸したお金が返ってくるかどうかを知りたいだけです。そのために「彼らを安心させるための経営計画」を作ることは必要なのかもしれません。
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