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粗利益を重視する VS売上を重視する

粗利益を重視する VS売上を重視する   20年ほど前でしょうか、携帯電話をとんでもない安値で販売している会社をよく見かけませんでしたか?  私も知り合いから「年商 3億円の会社が税理士を探しているから相談に乗ってほしい」と言われて、携帯電話の販売を行っている会社を訪問したことがあります。「 3億円か……なかなか大きい会社だな」と思っていたのですが、行った先でそこの社長から決算書を渡されて驚きました。なんとその会社、粗利益がたったの 6%しかなかったのです。  売上 3億円の 6%ですから、粗利益が 1800万円しかなかったわけです。経常利益でも営業利益でもなく、粗利益が 1800万円なのです。そしてその会社には社員が 4名いて、携帯電話を売るためのアルバイトも 20名ほど抱えている状態でした。  決算書を見ながら仕事の内容を聞き、すぐに大赤字の会社だとわかりました。当時はまだいろいろな金融会社があって、赤字でも月商の 3カ月分であればお金を貸してもらえたため、大赤字なのに借入れが 1億円もありました。  これは絶対に返せないだろうなと思いながら「どうして新しい税理士を探しているのですか?」と訊ねると、「急に先生が病気になって、来られなくなったんです」という答えが。普通の税理士事務所であれば、先生が病気でもスタッフが訪問しますから、「スタッフの方も来ないんですか?」ととぼけながら聞くと、「どうしてか来てくれないんですよ」と……。  私はきっと税理士に報酬を払っていないのだろうと思い、元帳のデータをチェックしてみました。すると案の定、税理士への支払いがまったく出てこなかったのです。  要するに、ずっと支払いを踏み倒していたため、税理士に契約を切られてしまったようでした。せっかくの紹介でしたが、最終的に丁重にお断りさせていただくことになりました。何も考えなければ、利益は後からついてこない  経営者の中には、「とにかく売上!  利益は後からついてくる!」と考える方がいらっしゃいます。ただ、これはそれなりの利益率があることが大前提です。  売上を上げても赤字になっていたら、そんなことは絶対に言えません。やはり最低限の利益は確保した上で、売上を上げていかなければならないのです。  粗利益は、売上から仕入れや外注費など、売上に直接対応する費用を差し引いた大元の利益です。この粗利益から人件費や家賃、借入れの返済、利息を払うことになります。  粗利益は、人間で言うところの基礎代謝に当たります。基礎代謝が低ければ人間は健康ではいられないのと同じように、粗利益が低ければ会社は存続しません。  だから、経営者は売上よりも粗利益を重点的に見て、粗利益が低いようであればそれを改善する施策を打たなければならないのです。  売上ももちろん大事ですが、まずはしっかりと利益率を確保して、その上で売上を考えるようにしてください。そうしないとこの携帯電話販売会社のように、どれだけたくさん売上を上げても自社の経費が賄えないような状態になってしまいますよ。

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