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第6章アルバイト育成の未来へ[シニア活用]

目次

TOPIC21シニア人材をどう活用すべきか?

DIALOGUE

「来週から新人がシフトに入るから、いろいろ教えてあげてね」「はい!ビシビシ鍛えていきますよ。どんな人ですか?」「おとなしい感じの男性だよ。年齢は62歳だったかな」「えええっ、60代!!仕事、教えられるかな…」

今後、高齢者人口は年々増加していく見通しだ。そんないま、アルバイト不足の解消の糸口として、注目を集めているのがシニア層の活用だ。シニアはどんな仕事、どんな働き方を求めているのか?シニアのニーズを探る。

アルバイト人材のブルーオーシャン

それでも働き手は減っていく…

ここまでお伝えしてきた「入口対策」と「出口対策」を十分に進めたとしても、よりマクロなレベルで人手不足は進んでいきます。

日本の生産年齢人口(15〜64歳の人口)の減少が起こることはかなり確実な未来ですから、政府レベルでもいろいろな対策が打ち出されています。減っていく働き手をどう補うかということについて、一般的に考えられる対策は次の4パターンです。

  1. 女性の働き手を増やす
  2. シニアの働き手を増やす
  3. 外国人の働き手を増やす
  4. 生産性を高める

このうち、店長が職場で実質的に取れる対策は、②や③でしょう。「①女性人材の活用」についてはアルバイトは比較的進んでいますし、「④生産性の向上」については職場での努力では限界があります。

また、「③外国人人材の活用」については、都市部など限られたエリアではかなり一般的に見られるようになりましたが、全国的に見るとまだまだこれからという領域です。

接客の現場などでは言葉の壁があったり、マネジメントにおいても相手の文化に応じた工夫が求められたりと、この点については将来的な調査・研究の余地があります。

これから増える「シニア人材」の秘められたポテンシャル

一方、「②シニア人材の活用」は(もちろん職種や業態にもよりますが)店長が避けては通れないテーマになっています。そこで、アルバイト人材としてのシニア世代について考えてみることにしましょう。

2035年には、日本の人口の約33.4%、つまり3人に1人が65歳以上になると言われています。しかし、今後は「高齢者になってからも働き続ける人」も増えていくと予想されています。次の図表65上段のデータは、全国の60歳以上の男女に「何歳ごろまで仕事をしたいか?」を尋ねた結果です。

なんと「いつまでも働きたい」と答えた人が約30%もいます。さらに、約66%の高齢者が65歳を超えても働きたいと考えていることがわかります。

これは国際的に見ても高い水準で、「今後も収入の伴う仕事をしたい(続けたい)」と思っている日本の高齢者の割合は、アメリカやスウェーデンを上回り、ドイツに至っては倍近くの差で上回っています。

これにはいくつかの理由が考えられますが、1つは収入を得るためでしょう(図表65下段)。いま検討されている年金支給開始年齢の引き上げが実現すれば、アルバイトを含めた仕事を続けるシニアは確実に増えます。

一方で、純粋に経済的な不安以外にも、「健康のため」「老化防止のため」「社会との接点を持ち続けるため」といった理由で、働きたいと思っているシニアも多くいます。

店長としては、経済面以外のこうしたニーズも念頭に置いておくことが必要でしょう。ここまで意欲の高いシニア人材を活用しない手はありません。

とはいえ、アルバイトの世界ではシニア活用について、さほど知見が蓄積されているわけではありません。シニア世代のアルバイトが活躍している職場・企業もありますが、まだ成功例はひと握りです。

学生・主婦・フリーターなど、多様な人材が入り混じって働くアルバイトの職場で、シニアの方々にも働いてもらうためには、どんなことが必要なのでしょうか?まずは「採用」の面から考えていってみましょう。

では、シニアのアルバイト求職者は、どのような関心を持ちながら仕事を探しているのでしょうか?年代ごとの微妙な変化を見るために、50歳以上の男女のデータを見てみましょう(図表66)。

「前向き・真面目」で「つながり」を求める

男性は収入以外の関心、とくに「社会との接点」「時間の活用」「社会貢献」などが年齢を重ねるごとに高まっています。一方、女性の場合は、定年退職まで勤め上げる人がほとんどいないからなのか、全体として変化は見られません。

ただ、やはり「社会との接点」を求める傾向だけは、年齢が上がるほど強くなる傾向にあるようです。これらはほかの世代の関心とは大きく異なる特徴です。

「働くこと」そのものに対する意識も、ほかの年代とは少し違いがあるようです。「50歳以上」と「それより下の世代」とで比較してみましょう。

図表67のとおり、雇用形態よりも「やりたい仕事」を重視していたり、「社会貢献」を意識する人の割合が高く出ています。

一方、若い世代や学生に見られる「仕事は嫌になったら辞めてもいい」「仕事はお金を得るための方法と割り切っている」といった考え方は、シニア層にはあまり見られません。

仕事に対して真面目かつ前向きな態度があるという意味では、シニア人材のポテンシャルはとても高いと言えそうです。

シニアに好まれる職種は?

さらに、シニア人材はどんなニーズを持ちながら職探しをしているのでしょうか?彼らのニーズを探ってみたのが図表68です。

ほかの世代との差が顕著だったのが、ギャップの数値を示した項目です。

「安全に働きたい」というニーズと同時に見えてくるのが、やはり「同世代の人が働いている」「職場の雰囲気がいい」といった人間関係に対するニーズです。

これは先ほど見た「社会との接点」への関心の高さとも符合すると言えます。

では、具体的にどんな仕事が好まれるのでしょうか?性別の差が大きいので、これも男女別で見てみましょう(図表69)。

女性の場合は、講師とコールセンターが好まれていますが、そもそも選択の幅が狭くなっている傾向があります。

会社勤めだった人は少なく、専業主婦やパートをやってきた人が多いためか、そもそも職種に対するこだわりが少ないようです。

男性のほうは、どうしても「会社勤め時代にやってきたのと近い仕事に就きたい」という傾向が強く出ています。

これまでの経験やスキルを活かせそうな職種が好まれており、営業や軽作業のライン、講師、技術職、事務などが人気です。

逆に、コンビニやファストフードなどのサービス業は敬遠され、新しいことに挑戦したり、知らないことを覚えたりすることにストレスを感じるようです。

POINT

  • □シニアの就業意欲は「将来への経済的不安」と「老化防止」が支える
  • □安全で雰囲気のよい職場で、時間的に無理のない範囲で働きたい
  • □同世代の人がいる職場で、スタッフとの関係性もしっかり築きたい

TOPIC22シニアが輝ける職場をつくるには?シニアの離職&モチベーション対策

DIALOGUE

「あれ?さっきの荷物、もう運び終わったの?」「いや、私たちが運ぼうとしてたら、川口さんが手伝ってくれて…」「川口さんは60代だし、さすがにきついと思って君に任せたんだけどな〜」「でも、なんだかとってもうれしそうでしたよ!」

実際にシニアのアルバイトに活躍してもらううえでは、どんな点が課題となるのだろうか?また、シニアの離職を防ぐためには、どのような点に気をつけながら意欲を高めていけばいいだろうか?「シニアスタッフの育成」について考えてみよう。

体力面と人間関係でつまずくケースが多い

シニアのアルバイトは、職場でどのような困難を感じているのでしょうか?また、シニア特有の課題はどんなところにあるのでしょうか?ほかの世代と比較したときに目立つポイントをまとめてみました(図表70)。シニアが感じている課題は、大きく分けると、次の3つです。

①仕事の負荷の高さ

仕事の負荷の高さは、体力面で無理がきかない高齢者ならではの悩みと言えます。体力の衰えにより、以前はできた仕事ができなくなり、「想像以上に仕事量が多かった」「仕事がきつすぎる」と感じてしまうわけです。こうした点で本人が悩んでいないか、店長としてはしっかりフォローする必要がありそうです。

②孤立感

またシニアは、同世代のスタッフがいない職場だと、困ったときになかなか気軽に相談できなかったりして、孤立してしまいがちです。とくに定年退職までバリバリと働いていた男性などは、仕事に対するプライドも高く、店長がしっかりと評価・フォローをしないと孤立感を強めてしまうようです。「社会との接点」を求めて働くシニアアルバイトならではの課題とも言えるでしょう。

③店長やベテランスタッフとの人間関係

人間関係の点でも、一定の難しさはあります。

自分よりも年下の店長やベテランスタッフに囲まれているため、高圧的な態度をとられると素直に従えなかったり、わからないことがあるのに恥ずかしくて質問できなかったりというケースがあります。こうしたミスコミュニケーションがきっかけで、店長やベテランとの確執が生まれてしまうと面倒なことになりかねません。

育成のステップにおいては、年齢に関係なく、言うべきことは言わなくてはなりませんが、相手を年長者として敬う態度も欠かさないようにしましょう。

「特別扱い」はされたくない

シニアスタッフを受け入れるうえで、店長や現場が何よりも戸惑うのが、コミュニケーションのとり方でしょう。冒頭のダイアローグのように、年上の人に一から仕事を教えることになったとき、戸惑いを覚える人は多いように思います。シニアがどのような関係性を職場で求めているのか、データを見てみましょう。

図表71は、シニア層の継続意欲(働き続けたい気持ち)と関係性が見られた職場の特徴です。トラブル時にフォローがあるかを気にしている(1位)のは、「新しい仕事を覚えること」に対する不安の表れでしょう。

このあたりは、周りの人間がしっかりとフォローをする姿勢を見せていくことが大切になります。もう1つ興味深いのが、「ほかのスタッフとの公平性」(2・3位)を求めているという点です。

店長やベテランがへんに遠慮して他人行儀に接したりしていると、シニアスタッフは孤立してしまいます。「年齢に関係なく平等に接してもらいたい」「仕事ぶりに見合った評価をされたい」という気持ちを持っている方が多いことは気に留めておきましょう。

人は何歳になっても「仕事を通じた成長」を求めている

では、シニア層に高いモチベーションを持って働き続けてもらうためには、どのようなマネジメントが効果的なのでしょうか?次の図表72ではシニア層の貢献意欲を高める要素について分析してみました。結論から言えば、この点についてはほかの世代と大きな差はありません。

スキルや能力が身につくような仕事、つまりストレッチゾーン→TOPIC17に属するような少し背伸びするくらいの仕事を店長から任されることで、シニアスタッフの意欲は高まっています。

応募の段階では、新しい仕事を覚えられるか不安に思っているシニアはかなり多いのですが、実地で働きはじめるや、積極的に自分が成長できる環境を求めるようになります。

何歳になろうと、やはり働く意欲を引き出すのは、自分を成長させてくれる仕事の存在なのです。店長がスタッフを信頼し、まとまった仕事を任せると、シニア人材も「もっとこの職場に貢献したい」と思ってくれます。

結局のところ、年上だからと特別扱いをするのではなく、一定のリスペクトは持ちつつも、平等に接する、不安な点は十分なフォローをする、そのうえで仕事を任せるといったことが、シニアのマネジメントには求められます。

POINT

□負荷がかかりすぎていないか、体力面でのフォローをする

□職場で孤立・対立していないかに気を配る

□年上だからとあまり特別扱いはせず、平等に接する

第6章のまとめ

Q.シニア人材をどう活用すべきか?

▼人材マーケットの広がりの点からも、持っているポテンシャルの点からも、シニア人材はアルバイトの現場でも積極的に活用していくべきです。彼らがどんなことに興味を持ち、どんなことを不安に思っているのかを踏まえた求人を展開しましょう。

Q.シニアが輝ける職場をつくるには?

▼体力面や人間関係などで注意すべきところもありますが、重要なのは「特別扱い」をしないということ。人は何歳になっても、仕事を通じて「成長」したいものです。店長としても、そのニーズに応えていけるマネジメントを心がけるべきです。

応募者は〝見ている〟——(中原淳)

近年、あらゆる業界で人手不足が深刻化していますが、とくにアルバイト不足への対策は、2パターンしかないと思うんです。

入口(採用)を増やすか、出口(離職)を減らすかです。ただ、「入口を増やす」といっても、時給を上げればいいかというと、そう簡単にはいきませんよね。

今回、東大・中原研究室とパーソルグループさんとで共同調査を行ったわけなんですが、アルバイトの人手不足を解消するには、まず「よい職場づくり」が欠かせないという仮説に至りました。

この調査は、これまで行われたアルバイト・パート関連の雇用調査としては過去最大規模だと思いますが…一方で、数字とかデータって無味乾燥じゃないですか?みなさんが働いていらっしゃる現場で実際に何が起こっているのかは、数字を眺めているだけではなかなかわからないという思いもあります。

そこで今日は、外食店の店長さんであるみなさんをお招きして、アルバイトの採用・育成について、具体的なお話をいただければと思っています。

みなさんのお名前はもちろん、店舗や会社を特定できるような情報も明かさない「覆面座談会」ですので、生々しいエピソードも含めて、思う存分に語っていただければなと。

よろしくお願いいたします!よろしくお願いします。私は某ファミレスチェーンの店長をして13年くらいになります。いまの店舗(東京都心部)を立て直すという理由で店長になったのが昨年のことです。この店舗の特徴は、採用がとにかく苦しいことでした。

ご存じのように、このエリアは飲食店が立ち並んでいまして、アルバイト1人あたりの採用単価が15〜20万円くらいです。しかも、それを1カ月使ったとしても、1人採れるかどうかという状況。いまは15人ほどアルバイトがいますが、すべて学生さんです。

——そのエリアだと近くに大学がたくさんあって学生も多いですよね。

それでもアルバイトが採れないというのは、競合するアルバイト先が多いのでほかの店に行ってしまうからですか?それもありますが、時給だけでいうと、ウチは他店に比べて低いので…。

ですから私にできるのは、先生が先ほどおっしゃったように「内部の環境をよくすること」だと考えています。

ふだん来店しているお客さんが、将来のアルバイト応募者になる確率が高いですから、お店のイメージとか、従業員同士のやりとりも当然気をつけています。そこでいい印象を持ってもらわないと、どんどん人が採れなくなる。

——「内部の環境をよくすること」、すなわち「よい職場をつくること」ですね。

私たちの調査によると、外食では、5割近い人が応募前に〝下見〟に行っているという結果が出ました。実感として、この数字に近いものはありますか?あると思います。店長着任当初は本当に人が足りませんでしたが、いまは随分と店の雰囲気も明るくなりました。今年は多少なりとも応募者が多くなったのは、そういった雰囲気づくりに尽力したおかげもあるのかなと思っています。続けやすい仕組みづくりを導入するはじめまして。

私は都内(東京郊外)で某ファストフードチェーンの店長をしています。

——これまで何店舗かで店長をされてきたんですか?

はい。入社自体は2005年で、いままで10店舗くらいで勤務しました。

——10年で10店舗ということは、1年に1店舗ずつくらいですか?1年に3店舗を掛け持ちしたりもありますね。

いまのお店ではだいたい2年くらい店長をやっています。

人材に関してはA店長さんと同じで、いまのお店はもともと伝統的に「人が集まりにくい店」と言われていました。

去年は売上があまりよくなかったこともあり、人手不足感は少し落ち着いていましたが、「(シフトに入れなくて)稼げないから辞めます」という人が多かったです。

ほかのチェーン店舗に応援を要請してアルバイトさんを融通してもらい、ギリギリOKという状況でした。

——採用はどうですか?今年は1カ月に1回のペースで募集チラシを出しています。

4月末までで10名ほど採用できそうなので、徐々に回復している感じですね。シフトの体制も、フルタイムでなくても時間限定や曜日限定というかたちでもよいというようにゆるくしました。店舗の主力となる人材を流出させないようにするなど、「辞めるメリットが少ない状況」をつくるようにしています。外国人アルバイトを戦力にすることへの課題今日はよろしくお願いします。私は2010年に入社して現在7年目で、3年目に店長を任されました。場所は同じく東京郊外エリアです。会社は毎年新卒を採ってはいますが、出店数を加速させ続けているので、店長が毎年30人くらい必要になります。アルバイト人員も足りていませんが、それ以前にかなり深刻な〝店長不足〟の状態ですね。

——人手不足ということで、外国人の労働力に目を向けようという動きがありますが、実際にはどうなのでしょう?ウチの店舗では、最近は外国人留学生が増えていますね。

最初は中国人が多かったんですが、最近はベトナム人、ネパール人といった、過去にあまり来なかったような国からの留学生からの応募が多くなっています。逆に、日本人の応募はすごく減っているなと。外食の仕事はイメージがつらいというのと、時給のいいほかの店に行くなどで、ちょっと敬遠されがちかなと思います。たしかに外国人でカバーできている部分はありますが、日本語を教えるなど別のところに教育時間と費用がかかってしまうという悩みもありまして…。

ひとまず面接で日本語がちゃんとできるかどうか確認してから採るようにはしていますが、私の会社はけっこうキツキツな状態ですので、店長である自分も教育になかなか関われていないというのが悩みになっています。過去に日本語ができない人を採ってしまったこともあるんですが、そのときは大変苦労しましたね…。

——どのような日本語レベルの外国人さんが来るんですか?

実際にお店に立ってみても、「いらっしゃいませ」すら小さい声でしか言えない人とか、日常会話がスムーズにできないような人も来ます。日常会話のやりとりができないと、接客は厳しいですから…。あるアジア系の女性を採用して、ホールで働いてもらったことがあるんですが、彼女は日本語が厳しかった。注文をとるときも最初はつきっきりでやったんですが、私の店は昼の繁忙時でも5人という少人数で回さないといけないので、つきっきりの指導にも限界があります。

——僕の大学の近くのコンビニもほとんど外国人の方がアルバイトスタッフをやっていますね。

先日、おでんを注文しようとしたんですが、おでんの具の名前が伝わらないことがありました。それも仕方のないことだと思います。「はんぺん」とか難しいじゃないですか。「これとこれ!」という感じで指差して、買いましたね。これは会社全体の悩みでもありまして、外国人に日本語を少しでも覚えてもらうために、最初に1時間くらいですが研修に行ってもらいます。

そのあと、実際に勤務に入ってもらうというシステムです。

——外国人の方が増えているというのは、ほかの店長さんはどうでしょうか?ウチのような都心部ではとくにですが、募集をかけたときに応募してくる人の半分以上は外国人ですね。ですが、いま私の店舗では外国人アルバイトは採っていません。私が着任したときは、外国人アルバイトの比率は半分くらいでしたが、これをゼロにすることからスタートしました。過去に外国人を採用していたこともあるのですが、外国人は採りやすい反面、たとえば中国人のアルバイトが増えていくと、日本人の従業員とのあいだに心理的な「壁」みたいなものができることがあるのです。

その壁をいかに取り除くかが課題になります。

——「壁」ができるというのは、どんな感じなんですか?たとえば休憩のとき、中国人同士は当然中国語で会話をします。

そこに日本人の学生の子が1人でいるとすごくアウェーに感じて、疎外感を抱くという話を聞いたので。そういうことが起こるのですね。いろいろ苦労した結果、サービスの面では、日本語の細かいニュアンスがわからないために起きていた苦情はなくなりました。

日本のサービス業では、お客さんの要望に対してどうすればいいかを考えるところ、「空気を読む」的なところが求められることがあります。言われたことだけをそのまま受け止めると、これは難しいようです。

——日本のサービス水準は高いですからね。

高いサービス基準はたしかに大切なのですが、あまりにも高いレベルを求めすぎると、今度は人手不足問題に対応できなくなってしまいますね。

新店長は〝徐々に〟自分色を出したほうがいい——アルバイトさんの採用で気をつけていることはありますか?店としては固定時間で入ってくれたり、曜日が決まっているほうがありがたいですが、学生さんをそれで縛ってしまうと辞めてしまいます。あとはやはり友達を紹介してもらうということですね。

——今回の調査でも、「人づて採用」は有効だという結果が出ているんです。

でも一方で、学生さんは1人辞めると、ほかの子も立て続けに辞めてしまう傾向があるという話を聞いたことがあるんですが。1人辞めてほかの人に「しわ寄せ」がいくという状況になると、そうなるかもしれませんね。ただ、やっぱり友人紹介での採用が離職率も低いですし、有効だと思いますね。やたらめったら人を紹介してもらうというわけではなく、店長目線で「この人の紹介なら大丈夫だろう」と、ある程度信頼の置ける子に紹介してもらうのがいいですね。逆に、「できれば早く辞めてほしいな」と思っているアルバイトさんに限って、「友人を紹介したいんですが」なんて言ってきたりして、正直困ることもあります(笑)。あとは「店長が変わったので辞めます」という人もいますから、まずはそこを引き留めるところからはじめて、さらに、店の雰囲気や店舗のレベルをしっかり確認してから自分なりのやり方を浸透させていこうと思っていました。ですから、まず店にいるアルバイトさんをよく観察して、ある程度理解してから新しい人を採用しています。私もそうですね。少人数だからこそ、個人個人のことをよく知っていかないと回らなくなってしまいます。私の会社では採用の判断も本社がやるので、店長が勝手に募集をかけることはできませんが、なるべく友人紹介などをうまく使うようにしていますね。店長が変わると店の雰囲気も変わりますから、前の店長に採用されたアルバイトさんが「前の店長はこうだったのに」という不満を抱きやすいんです。その結果、「合わないので辞めます」みたいなこともありますよね。

——それは一定の確率で起こっちゃうんでしょうね。

そうですね、あると思います。ですから、まず自分の考えを伝えてみて、その子が受け入れてくれるかどうかが大事なのかな。私は最初はなるべく前任者のやり方に合わせるようにしています。そのあと、徐々に徐々に自分のやり方を入れていく感じですね。最初から自分の考えを押しつけちゃうと、大変なことになりますよね。まずはリーダー格の人やベテランの主婦の方に話を聞いて、「ああ、前の店長さんはこうやってたんだ。そこはそれでいいね」と認めながら、「これどうかな?」「こうやったらよくなるんじゃないかな?」と少しずつやっていくほうが、のちのち〝自分のカラー〟を出していきやすいですね。ですから、自分の色を出すまでには時間がかかります。1カ月じゃ終わらない。せめて2〜3カ月経たないと変わらない。逆に、私は「着任1カ月以内には自分のカラーを出す」というようにしていますね。そうしないと自分が「食われちゃう」ので(笑)。

——店長でも「食われちゃう」んですね。

大学生は3年くらいになるとゼミがはじまったり就活に入ったりしますから、実質的にはそれまでの1〜2年しか働けません。そう考えると、とにかく早い段階から勝負を打っていく必要があります。学生さんが働ける期間は正味1年。その1年で限りなく輝いてもらうためには、遅くとも3カ月くらいで戦力になってもらわないと厳しい。最初の1カ月はシステムや人になじむ期間で、そのあとから徐々にスキルアップしてもらうというイメージです。リーダー格、ベテランアルバイトと店長とのパワーバランス

——調査では、さまざまなことがわかっていますが、店舗にいる「インフォーマルリーダー」の存在も浮かび上がってきています。

インフォーマルリーダーとは、店長のようにフォーマルなリーダーではなく、アルバイトやパートのなかにいる「非公式の右腕人材」のことですね。

新しく店長として赴任した方の多くが、「長く勤めているキーマンのアルバイトさんをどう掌握していくかがキモだ」と言っていますが、実際どうでしょう?私の店は社員が私1人しかいないので、アルバイトを大事にしないと店がそもそも回らないんです。ですから、とくにリーダー格やベテランの主婦の方は大事にしていますね。私も最初は、前任の店長、もしくは長く働いているバイトさんから話を聞くようにしました。「こうやったら効率が上がりますよ」ということを、最初にリーダー格の人に話してみると、「あ、いいですね、じゃあ、さらにこうやったらどうですか?」とアイデアをくれることがあります。そうなってくると、「やった!」という気持ちになります。

——リーダー格にまず相談していくというスタイルですね。

新しく着任したときは、そういう人と仲良くできないと全部崩れてしまい、1からすべてやり直しになりますから。

——前任の店長からの引き継ぎはあるんですか?アルバイトに関する引き継ぎは、「この人はこれが得意」「この人はこういう性格」などそれぞれあります。

私の店はアルバイトが20人くらいなので、「この人がリーダー格」「この人はちょっと気をつけてね」など引き継ぎを参考に観察し、様子を見ながらですね。店長が変わったとき、最初はアルバイトさんって「本性」を隠すんです。「引き継ぎの話と違う!」ということが最初はある?店長ごとにやり方も変わるんで、それに疑問を持って嫌になってくるアルバイトさんもいると思います。でも、自分の色を出すためにいろいろ工夫してやっていけばなんとかなるだろうと、あまり難しく考えずにやるようにしています。リーダーさんが話をわかってくださる方であればいいんですが、そうでないときも多々あります。リーダーさんはいままで自分が頼られてきたわけで、その地位が脅かされそうになると気分を悪くしたりするんです。でも私は、そういうリーダーさんの権力を、できるだけなくしていこうという方針です。新しく採ったばかりの人に、リーダーさんがやっていた仕事をいきなりやらせる。「リーダーさんじゃなくても誰でもできるんですよ」という雰囲気にしていくと、それが気に入らないリーダー格の人は辞めるか、こちらの言うことに耳を傾けるようになります。なるべくピラミッド構造にならないように、「そんなところで威張らなくてもいいんだよ」とわかってもらうようにしますね。店長が人手不足で困っていると、労働時間の部分でも仕事の幅でも、どうしても「できる人」に頼ってしまいがちになります。すると、その人なしでは、店が回らなくなってしまいます。それはあまりよろしくない。1人のスタッフの気分で店が左右されることをなくしていこうということです。ほしいバイトリーダー、いらないバイトリーダーリーダー格のアルバイトが原因で、辞めていく新人って意外に多いですよね。ですので、その人の権力を削ぎ落とすように、仕事を少しずつ減らしていくなど気をつけています。店になくてはならないリーダーと、ガンになっているリーダーがいますから。学生さんのリーダーと主婦のリーダーとでは、主婦の方のほうがこちらの意見を尊重してくれます。その店で何年も勤めている方だと、辞めてしまうとほかの店で新入りとして働かなければなりませんし、年齢的にも仕事を探しづらいというのがあるからかもしれませんね。一方、学生さんやフリーターだと、なかなか言うことを聞いてくれないし、気に入らないとすぐ辞めちゃいます。たしかに主婦の方は協力的ですね。逆に、前の店では私の1つ年上のベテランフリーターが私と対立して辞めてしまいました。それまでの自分の考え方を完全に押しつけてやっていくタイプでしたが、私のやり方と合わなかったんですね。長期間働いてくれて助かってはいましたが、店の雰囲気にとってはあまりよくなかったので、辞めてもらって正解だったなと思っています。そうですね、手術みたいなもので、当然痛みは伴うんですけど、先のことを考えると辞めてもらったほうがいい。別の人の陰口を言ったり、自分の気に入った人だけかわいがったり、派閥をつくってほかの人は放置したり…。そういう人がいると、新人さんが入りづらい環境になってしまいます。

——店長は、痛みを覚悟して「店の大手術」をしなければならないときもあるのですね。

新人があまりにも成長してしまうと、自分のシフトを減らされるのではないかと危惧する古参のアルバイト、リーダーもいますね。

「育てるといずれ自分に不利益をもたらす」と考えるわけです。

たとえば、昼の時間がきついので1人採用するとします。

その時点で仕事が10あるのに、8しかできていないからもう1人増やすわけなんですが、結果として12くらいになって2余ってしまう。

すると、元からいた人は「自分が稼げなくなる」と考えるんです。

だから、ベテランのなかには「人が慢性的に足りていないほうが、自分が頼られるので心地いい」とい

う人がけっこういると思います。

ちょっとうらやましいですね。

ウチは少人数でいつもカツカツなので、ベテランのリーダーには逆に「いつもごめんなさいね。

またこの時間、入ってください」とお願いばかりしている状況なので(笑)。

営業時間が朝4時までなので、できるだけ事前に連絡して、なんとか調整しています。

新人アルバイトをどう育てていくか——アルバイト育成という観点でいくと、先ほど新人さんの戦力は1にはならないという話が出ましたが、最初は0.1くらいですか?そうですね、0.1とか0.2くらいです。

——そこから少しずつ能力を伸ばしたり、仕事の経験を積ませたりするときのコツはありますか?最初は負担になるのは前提ですが、先のことを考えると新人さんをとにかく入れて育てていかなければいけません。

ですから、新人さんにいかに「私は足手まといだ」と疎外感を感じさせないようにするかに気をつけています。

——店長さんがいないときは誰かに頼むんでしょうか?

リーダーやベテランに任せるということになります。

リーダーには、「これまでは仕事ができることで認められていたけれど、これからは新人さんを育てることがあなたの評価になるんですよ」と役割を教えています。

新人さんは本当に0.1からのスタートですが、社員は私1人しかいないので、正直、ちゃんと教えられないところがあります。

最初の1回はつきっきりで見るようにはしていますが、2、3回目以降は先輩アルバイトやリーダーに、「この人はこんなタイプの人だからお願いしますね」と事前に伝えて教育してもらうようにしています。

教育にもっと時間をかけたいのですが、かなり時間が限られているので現実的には難しいですね。

——教育時間は何時間くらいなんですか?仕事をしながら40時間くらいです。

それが多いか少ないかはわかりませんが、私自身は少ないと思っています。

教育する専門の係がいないので、教える側も働きながらのわけです。

ずっとマンツーマンで教えるというより、作業しながら教えるシステムになっていて…。

これはたぶん昔からの伝統だと思うんですが、それで一人前になるかといえば、正直、中途半端なまんまというのが現状だと思います。

私のところは、通常4人で営業しているお店に新人1人が入ると、一緒に教える人も追加されて6人体制でお店を回していくというシステムになっています。

お店の運営に極力関係しない、教える専門の人が追加でいるという感じです。

——専任の育成係が配属されるんですね。

でもそうすると、育成コストがけっこうかかりませんか?

昔からそうやってきた会社ですから…。

大丈夫と思えるようになるまで、新人さんを入れて6人で回します。

辞退されないための工夫——その場で即採用——今回の調査で、アルバイトのかなりの割合が1カ月未満で辞めるというデータが出ました。

直近3年以内に辞めた人に聞くと、半年スパンで5割が辞めています。

これは実感としてはどうですか?会社としても定着率を話題にしていまして、ウチの店に関しては1年間で辞める人は10%と、数字としては悪くないですね。

離職率はあまり考えたことがないんですが、半年で5割も辞めないと思います。

1年経ったら学校を卒業しちゃう人もいるので、それを除いても、辞めるのは3〜4割くらいでしょうか。

——逆に「1カ月くらいで即辞め」という人はいます?いますね。

1回来たあとシフトに来ないので電話したら「インフルエンザです」と言われたので、「治ったら来てね」って言ったらそのまま来なくなった(笑)。

当時は私もバタバタしていたので、それもよくなかったのかな…。

精神論ですが、店長としてのポジティブさを出していれば、人はもっと集まってくるんじゃないかなと反省しました。

最近増えているのが、面接となっても、採用してオリエンテーションの期間に「じつはほかの店に受かったのでお断りさせていただきます」と言われてしまうケースです。

聞いてみると、郊外より駅前に近い店で、その種のケースがかなり多くなってきているようです。

ですから、「この人なら大丈夫そうだ」と面接で判断した人は、その場で内定を出して、すぐオリエンテーションするようにしています。

以前は採用・不採用の連絡は翌日にしていたんですが、いまはほぼ当日で、いい人はその場で即答。

「2、3社受けましたけど、時給がいいのでこっちにします」という人はけっこういます。

——たしかに私たちの調査でも、面接後に辞退する内定辞退のケースが相当数見受けられます。

面接のあとにも、すぐにコンタクトを取るなどの工夫が必要なのでしょうね。

目の前のことと先のこと、両方見て採用するのが大事——ちなみに、調査に基づいた数字を申し上げますと、内定を出したのに入社に至らないアルバイトが「4人に1人くらい」という結果が出ました。

これは実感としていかがです?競合は飲食店に限らないですからね…。

私の店の前に大型量販店ができたんですが、私の店よりも時給がいいんです。

募集広告には「時給1,500円」と出ていましたが、それは研修期間だけで、のちのち1,000円くらいになるんだと思いますが、それでも、私のところは950円からのスタートなので負けています。

飲食に限らず周辺にある時給のいいところに、アルバイトさんが集中していると思いますね。

ウチはあえて最低時給から上げません。

「その時給でいい」という方を採用します。

お金でつろうとすると、そういう人は結局ほかの高いところに行っちゃいます。

近くの店では、時給1050円なのに人が集まっていませんから、高ければいいというわけでもないと思います。

あと、ウチの場合は時間の融通が利くというのがメリットだと思います。

たとえば、子どもを保育園に預けている主婦の方だと、2〜3時間の勤務でもOKとしていますが、それが大きなポイントではあるようです。

うちは学生さんしか集まらないので、「週2日入って」ではなく「月10日入って」という伝え方をしたりしていますね。

学生さんは試験のときなど、週2日が難しい時期があるので、なるべく都合をつけやすいように気をつけています。

ただ、特定の層や年代のスタッフを集めすぎると、リスクが高くなるなと感じています。

たとえば「いま大学2年生がすごく多くて人手に困っていないから、今年は1年生を採らない」とやっちゃうと、2年生の子たちがいずれごそっと抜けたときに困ります。

先のことを考えて採用しないと、1年後、2年後に痛い目に遭うでしょうね。

——間に合っている近いところを見ながら、未知数の遠いところを見ないと。

そうですね。

アルバイトさんもすぐには育たないので、一人前になってもらうことを考えて早めに採って、1年後には周りを巻き込むくらいの人を育てるようにしています。

そうしないと、仮に自分が異動になったときに次の店長に迷惑がかかってしまいますから。

そうやって店が回らなくなってしまうと、会社全体に悪影響が出ます。

「仕事のスキル」より「人間性」

——リーダー格になるアルバイトの見分け方と、育て方はいかがでしょう?人間性ですね。

時間はかかるかもしれませんが、人あたりのいい人のほうが、仕事ができる人よりみんなを巻き込む。

もちろん、両方備わっていればいいですが(笑)。

「この子は多少問題はあるけど、シフトにいっぱい入ってくれるからマネジャーにしちゃおう」なんてやっていると、のちのち痛い目に遭います。

それなら、仕事はあまり速くなくても、きちんとしていて性格がよく、人あたりがいい子を育てます。

いまの店に関していうと、学生が9割超で主婦がいないんです。

学生さんの特徴として、自由さを求めたり、責任を負わされることをすごく嫌う。

なので、「お客さんに対しては全員で責任を取るようにしよう」と言っていて、特定のリーダーはつくりません。

ただ、「みんながリーダー」という感じでそれぞれに仕事を与えて、休みたいのであれば誰かに伝えてから休むように言っています。

——もし、主婦やフリーターが多かったとしたら?そうはしないでしょうね。

アルバイトのリーダーもつねにどの時間も2人は常駐するようにして、何かトラブルがあれば1人がそれに対応して、あとは店を守るようにしています。

そうすると個人の負担も軽減できて責任も薄まるので、次に誰かを育てようというときも、「リーダーは大変そうなのでいいです」ではなく、「僕にもできそうなので、ずっとやっていたいです」と思ってくれやすくなります。

リーダーやコアとなる人が1人だけだと、その人を見て「すごく大変そうだな」と思って、「自分には無理だな」と判断されちゃいますから。

ウチも学生さんが多いですし、もちろん仕事の速さも求めますが、コミュニケーションがとれてみんなをまとめる力がある人や、指示出しができる人がいちばんいい人材だと思います。

キッチンとホール、あちこち動きっぱなしの仕事なので、それをこなすだけでもかなりの時間を要しますが、そこからさらにリーダーが務まる人をどう育てていくかは店長次第でしょう。

コミュニケーションがとれて、人に指示できるような人であれば、経験が浅い人でもいいと思っています。

アルバイト育成の失敗談——育成に関して、「これは失敗したな」と思ったことはありますか?「自分が教えないとアルバイトは育たない」と思って、一から十まで全部自分で教えようとしていた時期はうまくいっていませんでしたね。

店長が何もかもやろうとすると、周りのアルバイトが「新人育成は店長の仕事なんだな」と思ってしまって、何もしなくなるんです。

本当は逆で、「店長が新人に何も教えないから、みんなでなんとかしてあげよう」「みんなで店をつくっていこう」というほうが、職場全体が育つんですね。

だから最近はけっこう放っておくようにしています。

以前は自分だけ残業していたり、自分だけ頑張って教えたりしていましたが、それでは組織としてなかなかできあがっていかない。

バランスが難しいですね。

最初からアルバイトさんに任せっきりというのもできないし、店長がずっとつきっきりで教えるのも難しいですし、うまくバランスをとりながらやらないといけないと実感しました。

失敗例でいうと、任せっきりにしたため店長のカラーが出ないままということがありました。

やはり、しっかり押さえるべきところは押さえて、任せるところは任せる。

アルバイトさんにはアルバイトさんなりの教え方もあるので、そこをうまく取り込んでやっています。

ウチは早朝・深夜までやっているので、「朝まで自分がいたくない」というのもあって(笑)、新人育成をアルバイトに任せっきりにしてしまい、中途半端になって後悔したこともあります。

残業してでもしっかりアルバイトの様子を見ながらやっていく、というのがいちばんだなと思いました。

人によって違いますし、その人に合った言い方とか叱り方を見つけないと、真面目な子ほどヘコんじゃったりしてかわいそうですし…仕事はそんなにできなくても店に残ってほしいという子もいますからね。

店長は誰から学ぶのか?——店長自身は、アルバイト育成について、どうやって学ぶのでしょうか?弊社では月に1回、上司であるスーパーバイザーとミーティングする機会があります。

そこで店の問題点などは共有しますので、それに対して店長がどうアクションしてうまくいったか、あるいはうまくいかなかったなどのやりとりをしています。

——上司は店長経験者、元店長ですか?

そうです。

ウチはそこまで凝っていないのが現状で、「おれの姿を見て覚えろ」的な昭和の職人風ですね(笑)。

入社してすぐ、忙しい店舗に配属されたんですが、そのときの先輩店長の働く姿を見て覚えるという感じでした。

仕事は任せてもらっていましたが、とくに教育の時間はありませんでした。

「こいつはもう大丈夫だな。

仕事を回せるな」と判断されたら店長を任されるというシステムです。

店長として配属されたあとも、困ったときには近くの店のベテラン店長に聞きながらでした。

あとは、何もわからないままいきなりやらされたので、「自分でなんとかしなくちゃいけない!」と、根性でやっていました。

そういう意味では、このままだと今後、店長のクオリティがどうなっていくのかという不安はあります。

——そのベテラン店長さんは、快く教えてくれたんですか?はい、いまでも仲はいいですね。

ウチは店長同士の信頼関係は強いと思います。

「店長を出せ!」という客は必ずいる?——店長になっていちばん焦ったことは、どんなことでしょう?

クレーマーはどの店にもいると思いますが、私があがったあと、アルバイトさんだけになったとき、クレームが出たことがあります。

タバコが嫌いなお客さんで「禁煙席に座ったのに煙が来る!店長を出せ!」とクレームを言って、アルバイトに私の携帯に電話をさせたんです。

店長になりたてだったのでどうしていいかわからなくて、近くのエリアの先輩店長に助けを求めました。

代わりに電話に出てもらったんですが、どれだけ謝っても耳を貸さずに「社長を出せ!」とずっと言いっ放しで…。

あまりに過度な要求だったため、「もうこれ以上対応できませんので」と言って終わりにしました。

こっちがずっと「すいません、すいません」と謝り続けていると、大抵の人の怒りは鎮まりますが、それでも言い続けてくるのは明らかにクレーマーです。

そこで折れておかしな要求を呑んでしまうと、何度も店に来たり、周辺のほかの店にも影響が及んでしまう可能性もあります。

もう1つ、これも私が家に帰って深夜3時くらいに、店から電話がかかってきたこともあります。

会計時に次回の来店時に使えるサービス券を渡したところ、お客さんが「いますぐ使わせろ。

なんでいま使えないんだ!」とゴネたんです。

私が電話に出ると、「おい店長、いま使わせないと、この店員ぶん殴るぞ!」って…。

かなり酔っていて、明らかに言動がおかしい。

店には行けなかったので、そのまま警察を呼んで対応してもらいました。

といっても、私も店にいたわけではないので、最初はイタズラ電話扱いをされて、警察からも「それ本当?」って疑われたりして(笑)。

翌日、防犯カメラを確認したら、かなりフラフラ状態の酔っ払いがアルバイトに絡んでいる様子が映っていました。

あのときは警察を呼んで正解だったかなと。

客層や土地柄のせいもありますが、こんな感じでアルバイトさんに負担をかけてしまうときもありますね。

私もクレーマーには苦労した記憶があります。

お客さんのスーツにドリンクをこぼしてしまったことがあって…。

最初こちらはスーツのクリーニング代をお支払いしますと言ったんですが、「それだけか?誠意を見せろ」としつこい。

「お金を出せ」とは言わないんですよ。

「お金」って言うと恐喝になってしまうことを向こうも知っているようで。

トラブルが起きたのが深夜2時くらいだったんですが、そのお客さんが帰っていったのが朝7時でした。

私の直属の上司と店長がどれだけ話しても埒が明かず、結局、警察に仲裁に入ってもらいました。

警察が来てしばらくすると帰っていきましたが、そのあとも何回も店に来ていましたね。

——こういうとき、本社側が何か対応してくれたりはしないんですか?すべて店長で対応しなければならない?いまのところ、本社が介入してくるケースはないですね。

現場で起きたことの最終対応者は店長だ、というのが会社のスタンスです。

たとえば、「アレルギーなのでこの食材は抜いてほしい」と言われたのに、間違って入れてしまって事故が起きてしまった、なんてことになれば、さすがに本社が出てこざるを得ないと思いますが。

やはり実感するのは深刻な人手不足ウチはエリア的に客層がいいほうなので、そういうトラブルは少ないですね。

ですから、やはりいちばん困ったのは、採用ができない、人がまったくいないといったことです。

たとえば、4人必要なのに、シフトに入れるのが私1人しかいない、なんてこともありました。

あのときはどうなることかと思いましたね。

ウチではないんですが、店の近くの競合他店に張り紙がしてありました。

本来は夜の12時くらいまでやっているはずが、「人手不足の

ため夕方5時で閉店させていただきます」と。

人手不足もここまで来たかと思いましたね。

私の店がピンチのときは、社員を投入してもらいました。

会社としても、いまは人手不足の問題が非常に大きいことをわかってくれているので、10年前に比べれば対応がすばやくなっていると思います。

ウチの会社でいうと、東京都内よりも隣県なんかがより深刻な人手不足ですね。

あるいは、東京でも郊外のほうに行くと、国道沿いの大型商業施設に人材が集中してしまったりしています。

その商業施設だけでものすごい数の従業員が働いていますから、こうなるとどれだけ媒体に求人広告を出しても、もう人を集めようがないわけです。

——でも、そういうモールって休日に人が集まるとしても、平日にはそこまでお客さんも集まらないでしょう?あまり効率がいいとは言えませんよね。

外食などでは、平日と土日の売上差が、3倍から3.5倍を超えてくるとかなり厳しいと言われています。

要は、土日の売上に合わせて人を揃えてしまうと、平日にダブついてしまって、結局退職されてしまいます。

場所柄はありますね。

いまの店だと、直近で募集をかけたときには6人くらい採れてほっとしました。

同じエリアの店長さんたちと、毎週金曜日の夕方に、シフトの穴埋めのためにアルバイトさんを融通し合う調整会議をするんですが、それでも人手が足りない…なかなか厳しいですね。

「店長ならでは」の悩みは?——ご自身が仕事をしているうえで、悩みとか課題があれば教えてください。

やはり人材確保です。

ウチもお昼の忙しい時間なんかは、ほかのお店からアルバイトさんを融通してもらいながら十数名で働いていますが、できればもう4、5名は追加したいと思っています。

ただ、人口がどんどん減っていくだろうとされている今後、どうやって人をキープしていけばいいのか…。

店長ってマネジメントもしますが、実際にはワーカーも兼任しているわけで、結局はほかの人、つまりアルバイトのみなさんに頼らざるを得ません。

ですから、ワーカーとしてではなく、店長としての時間をどれだけ確保できるかがいまの自分にとっての課題ですね。

人に頼らざるを得ないにしても、結局、責任をとるのは店長ですから。

人材は本当に不足していますから、〝いかに辞めさせないようにするか〟が課題です。

自分自身もまだ、アルバイトとしっかりコミュニケーションをとれていない部分もありますし。

ですから、スタッフそれぞれの性格や考え方をよく知り、叱るべきところは叱って、フォローもしっかりして続けてもらうようにするのがいちばんでしょうね。

あとは、店の雰囲気がよくなれば自然に人は集まってくるのではないかなと。

店長としてどういう雰囲気のお店にするのかということが、人材不足解消にもつながる永遠の課題ですね。

「店長ならでは」の喜びは?——お店の雰囲気をよくするために、どんな工夫をなさっているのでしょう?まずは言葉です。

新人の場合はとくに接客用の言葉遣いができてない部分が見受けられるので、そこはまずしっかりしようと話しています。

あとはお辞儀をしっかりするとか、お客さんに見えるところだけでもきれいにしようとか。

それで人が育ってくれたら私もうれしいですし、アルバイトさんも続けていってくれるのではないでしょうか。

まあ、まだ完全にできているわけではないので、「そうしていけたらな」という話でもあるんですが(笑)。

工夫というほどではないですが、まず店長である自分自身が楽しくやるのがいちばんです。

「おれについて来い」というよりも、できるだけ自分が大学生の目線に近づいて、ちょっと楽しい感じを演じながら仕事の話もしつつ、学校の話もしつつ。

——ある意味、店長も「役者」というか、演じないとダメなんですね。

そう思います。とくにウチのような学生メインの職場では、そういう努力がないとやっていけないという気持ちがありますね。主婦の人なんかがいれば、それはそれで違うんでしょうが…。ウチでやっているのは、「みんなでこれだけの売上を目指そう」と共通の目標をつくることですね。社員である我々から見たら、そんなにすごい目標である必要はないんです。目標を超えたときには、自分が心から「すごい!こんなに売れたじゃん」と言って褒める。周りのアルバイトたちも「今日はこんなになったんだ!」って喜びますし、やりがいも出るので。細かい数字って意外に喜んでくれるんです。褒め方に段階をつけて、どの段階で誰の心に響く・響かないということは自分なりに整理しています。アルバイトの子は社会経験もないので、私は仕事を教えるというよりも、人として、社会人として成長してほしいという考えで接しています。なので、たまに「先生」とか言われちゃったりして(笑)。彼らは学生なので「いつまでも店にいてほしい」とは思っていません。その子たちの今後の成長を考えて接することが、結果的には定着につながるのかなと思います。仕事を覚えてくれたこと、成長してくれたことにうれしさを感じる。「前はできなかったのに今日はできたね」「じゃあ今日はこれやってみようか」と段階を踏んで、本当にお店を回せるような立場になってくれると、やりがいを感じます。1年生や2年生で入った子が、卒業まで残ってくれるとやっぱりうれしいですね。現場で戦う店長が本社にしてほしいこと——クレーマーに関するお話のところで、「店で起こったことは店舗責任者の責任だ」とおっしゃっていましたが、現場の長として「本社にこうしてほしい」という要望はありますか?私はメニューの数をもっと減らしてほしいですね。メニューを増やしても、大して売上は変わりません。お客さんの選ぶ時間が長くなりますし、選ぶことにはストレスを感じます。同時に複数の新商品なんかが出ると、資材を置く場所をバックヤードに確保しないといけない。でも、お店のスペースはカツカツなんですよ。そしてアルバイトのほうも、新メニューに慣れなければなりませんし。私はズバリ教育ですね。会社にはもっと社員やアルバイトの教育に時間とお金をかけてほしいです。先ほども言ったとおり、ウチは出店数が増えているわけですが、このまま行くと、最終的にお客様を逃すことになるのではないかという危機感があります。出店し続ければ売上は一時的に上がるでしょうが、人件費も上がる一方で、かつ個人の能力は低くなっている。いつまでもこれを続けるわけにはいかないと感じています。それなら一度出店をやめてでも、教育に投資したほうが絶対にいい。B店長さんのお店のように、最初はつきっきりのマンツーマンで新人アルバイトに教えられるような環境を整えてほしいですね。とくに外食産業というのはアルバイトさんありきですから。教育をしっかり続けていけば、アルバイトさんも辞めないと思いますし、会社自体のイメージ向上にもつながっていくんじゃないでしょうか。

——外国人の方も、もうちょっと長く研修すれば戦力になるかもしれませんね。

ええ、外国人が増えているからこそ、日本の接客や日本語教育などをもっと深くやるべきだと思います。私は東京オリンピックが終わってからどうなっちゃうんだろう、という心配がすごくありまして…。いまのままのやり方でいったら、間違いなくうまくいかなくなる店が出てくるんじゃないかと思っています。どんどん人が減っていくなかで、たとえばアルバイトさんだけではなく、一時的に人がいなくなるという事態はお店として発生するので、そのときのサポートはいままで以上に考えてほしいですね。チェーン店だと、売上に対してのアクションは限られてしまいます。ですから、人に対しての投資をして、来ていただくアルバイトさん自身が成長できるような運営をしていったほうが、結局は会社の成長にもつながるんではないでしょうか。

多忙な店長の悩みは「人」——有休や休日に関してはいかがでしょう?店長ともなると、なかなか取りづらいのでは?

外食産業は、全体的に有給休暇の消化が遅れている傾向にあると思いますが、私も入社以来、あまり有休を取れていませんね。たとえば、店を回すリーダー格の人が休んじゃうと、自分が出ないといけません。ほかからヘルプを借りたいんですが、ほかの店も人手不足ですからなかなかお願いしづらいんです。自分だけ休んじゃうと周りの人に申し訳ない、という雰囲気になっているんで…。最近は新入社員も入ってきているので、新入社員に頑張ってもらえるような体制を整えて、なるべく休みを確保するようにはしています。ここ数年、ブラック企業の問題など労働環境が話題になっているので、会社からも「休みを取りなさい」と言われていますが、実際問題として私が休みすぎるとお店の数字にも響くので、なかなか休みづらいという板挟み状態になっています。

——外食産業は、徹底して、有休消化の普及に努めなくてはなりませんね。

これでは、さらにマネジメント人材の人手不足を招いてしまいます。私も入社して10年間ですが、有休はあまり取れていません(笑)。年末年始は短縮営業もありますが、私の店は大晦日も元日も営業しているので、休むタイミングなんかも世間とは全然違いますね。また、担当する店によっても休みやすさはかなり違っていて、以前はデスクに座って時計を見ながら定時になるのを待って、「よし、定時だ帰ろう」って飲みに行けたときもあります(笑)。いまの店はなかなかそういうわけにもいかないですが…。私はだいたい週に1回くらいは休みます。お店をしっかりと立て直して「よし、ようやく連休が取れるぞ」という頃合いになると、なぜかまた忙しいお店に異動になるというパターンが多くて、なかなかしっかりは休めませんね(笑)。

——店長さんの悩みは、売上や利益といった話が中心なのかと思っていましたが、みなさん「人」の問題で悩んでいらっしゃる方が多いので驚きました。

チェーン店の場合はとくに、業績を左右するメニューとか戦略って、すべて本部が決めてしまうので、店長としてできることってあんまりないんですよね。だからこそ、ちゃんと人を確保して店を回していけるかが何よりもまず大事なんです。

——やはり店長にできるのは「よい職場をつくること」なんですね。

現場の生の声を聞かせていただき、非常に勉強になりました。今日はどうもありがとうございました。

おわりに

『アルバイト・パート[採用・育成]入門』いかがでしたでしょうか?この最後のパートでは、中原先生とバトンタッチさせていただき、今回のプロジェクトをともに進めてきたパーソルグループの渋谷和久(パーソル総合研究所代表取締役社長)から本書に込めた想いについてお伝えさせてください。

ある方に今回の本のことをお話しした際、こんな質問をされました。

「渋谷さん、とてもすばらしい企画だと思うんですが…〝大丈夫〟ですか?」この方が言いたかったのは、アルバイト・パートの採用を支援する求人広告事業(an/LINEバイト)を手掛けるグループ会社があるなか、シンクタンク部門が「採用よりも〝辞めさせない仕組み〟をつくることのほうが重要だ」などと主張してしまうと、ほかの事業部門から物言いがつかないのか、ということでしょう。

たしかに「採用支援が主たる事業」という従来の見方に従うのであれば、そのとおりかもしれません。

アルバイトの離職率が高く、恒常的に企業・職場

が人員募集をかける状況が続いたほうが、求人広告事業への引き合いは維持されるからです。

しかし、長らくアルバイト・パートの求人広告事業に身を置いてきた私には、高い離職率を放置したままクライアント企業の採用支援を続けることが、「穴の開いたバケツに水を注ぐお手伝いをして、お金を頂戴している」ようにも感じられていました。

そして、「人が1人辞める」ということには、いつもそれ以上の意味があります。

採用コストや育成コストが無駄になるだけでなく、辞めた当人や残る仲間、そしてもちろん、店長・上司の方々にも大きな心理的な負担がかかるからです。

だからこそ、私たちは「採用」のお手伝いだけでなく、「採用の〝あと〟のこと」、つまり人材の定着・育成にも貢献していきたいと考えています。

本書が「アルバイトの採用=入口対策」よりも、「アルバイトの育成=出口対策」に軸足を置いてきた背景には、こんな想いがあります。

もはや「アルバイトは辞めたらまた採ればいい」という考え方ではやっていけません。

「いかにアルバイトに活躍し続けてもらうか」という発想が必要です。

また同時に、これからの企業や職場には「アルバイトを選ぶ側」から「アルバイトに選ばれる側」へとスタンスを変えることが求められています。

現場で日夜奮闘されている店長のみなさんは、時代のこうした変化にお気づきのことと思いますが、企業レベルでも認識は変わりつつあります。

かつて、ほとんどの大手企業では、アルバイト採用に責任を持つのは、いわゆる現場部門=営業部門の方でしたが、昨今は全社的な人事部門の重要テーマとして扱われることが多くなりました。

さらに、一部の先進企業では、人手不足が全社業績に影響することに気づき、経営企画部門の担当役員の方が私たちにご相談をお寄せくださるようになりました。

時代の流れに敏感な経営者ほど、「これからの時代、アルバイトの確保戦略に真正面から向き合わなければ、事業の持続的成長が危うくなる」

ということにお気づきなのでしょう。

こうした変化は、ひと昔前には考えられなかったことです。

アルバイト人材の「成長」を重視する風潮が広がっているまさにこのタイミングで、私たちと想いを同じくする中原先生と共同研究を進められたこと、そして、その成果を「日本初の店長の教科書」として世に出せたことをうれしく思っています。

中原先生、本当にありがとうございました。

私たちはさらにこれと連動するかたちで、独自の「店長研修プログラム」の開発にも乗り出しています。

中原先生に講師をお願いし、すでにパイロット版の研修をいくつかの企業様で実施させていただきましたが、参加された店長・マネジャーのみなさまからは大好評の声をいただいています。

2017年4月には正式リリースの予定ですので、ぜひこちらでもさらに学びを深めていただければ幸いです(お問い合わせ先は巻末の執筆者紹介を参照)。

***最後に、本書は多くの方々のご助力なしには生まれることはありませんでした。

世界的にも類を見ない規模の調査プロジェクトに賛同いただき、多忙を極めるなかアンケートやインタビューにご協力いただいた参画企業のみなさま・現場スタッフのみなさまには、改めて心より御礼を申し上げます。

また、個別取材に応じてくださった企業様、貴重なお休みの日に覆面座談会にお越しいただいた3名の店長様、それらの模様をまとめていただいた高関進さん・前田浩弥さんにも感謝の意をお伝えします。

最後に、制作にあたって全面的にご協力をいただいたライターの井上佐保子さん、本書の企画・編集を担当してくださったダイヤモンド社の藤田悠さんにも、この場を借りて御礼をお伝えしたいと思います。

ありがとうございました。

そして、『アルバイト・パート[採用・育成]入門』をお読みいただいた読者のみなさん、私たちの願いも、中原先生が「はじめに」で書かれていたことと同じです。

どうか1つでもけっこうですのでヒントをつかみ、明日からの業務に活かしていただければ、そして、それがみなさんの「職場づくり」への一助となれば、著者としてこんなにうれしいことはありません。

渋谷和久(パーソル総合研究所代表取締役社長)

[執筆者紹介]■中原淳(なかはら・じゅん)東京大学大学総合教育研究センター准教授/東京大学大学院学際情報学府(兼任)/大阪大学博士(人間科学)1975年北海道旭川生まれ。

東京大学教育学部卒業、大阪大学大学院人間科学研究科、米国マサチューセッツ工科大学客員研究員などを経て、2006年より現職。

「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人材開発、リーダーシップ開発について研究している。

専門は経営学習論・人的資源開発論。

著書に、『職場学習論』『経営学習論』(いずれも単著、東京大学出版会)。

『会社の中はジレンマだらけ』(光文社新書)、『アクティブトランジション』(三省堂)、『企業内人材育成入門』『研修開発入門』『ダイアローグ対話する組織』(以上、ダイヤモンド社)など編著・共著多数。

[Blog]http://www.nakaharalab.net/(東京大学中原淳研究室)[Twitter]nakaharajun■パーソルグループ日本最大級の総合人材サービスグループ。

本書においては、同社のシンクタンク・コンサルティング機能を担う株式会社パーソル総合研究所が、中原淳氏とともに大企業7社8ブランド・約2万5000人に対する大規模調査と各種分析・示唆の抽出を実施している。

渋谷和久(しぶや・かずひさ)テンプホールディングス株式会社グループ営業本部本部長/株式会社パーソル総合研究所代表取締役社長1976年生まれ。

1999年新卒にてアンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)に入社。

2004年株式会社インテリジェンスに中途入社。

アルバイト求人広告事業(an)にて営業企画部門、大企業向け営業部門、代理店統括部門の各責任者を歴任。

インテリジェンスとテンプグループの経営統合により、2014年4月より現職。

日本を代表する大手・成長企業に対し、パーソルグループを代表して中長期的かつ幅広い視点でソリューションを構築・提供する役割を担う。

パーソル総合研究所では人事・組織コンサルティングサービスと「HITO(ヒト)」をテーマにした調査・研究活動を牽引している。

櫻井功(さくらい・いさお)株式会社パーソル総合研究所副社長執行役員兼リサーチ部部長1959年東京生まれ。

一橋大学法学部、米国コーネル大学ロースクール卒。

日本の都市銀行(現メガバンク)において17年間、国内支店、国際金融部門、大企業営業部門、人事部門、米国現地法人などを経験したのち、ゼネラルエレクトリック、シスコシステムズ、HSBC、すかいらーくの人事リーダーシップポジションを歴任。

経営のパートナーとして、事業のオーガニックな拡大、および、事業買収・売却・オフショアリングほかの経営戦略遂行時に求められるカルチャー変革、人事制度改革、タレントマネジメント、グローバル人材育成体系の構築、人事トランスフォーメーション/プロセス改善などの戦略的人事サポートを提供。

とくにすかいらーくにおいては人事担当役員として、人事制度改革ならびにそれを通じた風土改革プロジェクトをリードし、IPO実現に寄与。

2016年5月より現職。

小林祐児(こばやし・ゆうじ)株式会社パーソル総合研究所研究員

上智大学大学院総合人間科学研究科社会学専攻修了。

世論調査機関に勤務後、総合マーケティングリサーチファームに入社。

大手一般消費財メーカー、大手飲料/食品メーカー、広告代理店などのプロジェクトで市場調査の企画・実査・レポーティング業務に従事。

各種の定量調査・定性調査・訪問調査・オンラインコミュニティ調査など、多岐にわたる調査手法を経験。

主な研究領域は理論社会学・情報社会論など。

2015年より現職。

井上史実子(いのうえ・ふみこ)株式会社パーソル総合研究所編集員神戸大学卒業後、小学校教員を経て編集プロダクションへ。

日経BP企画(現日経BPコンサルティング)にて雑誌広告や冊子、ウェブサイトなどの編集に携わったのち、ウェブマーケティング会社を経て、2011年株式会社インテリジェンスに入社。

アルバイト・パート採用担当者向け情報サイト「anレポート」の運営・編集を担当する。

2014年より現職。

▼研修プログラムお問い合わせ先▼アルバイト・パートの「採用・育成」を促進する店長・マネジャー研修プログラムhitosouken@hitori.inte.co.jp(パーソル総合研究所)

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