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第4章 「苦手で耐えられないこと」を知る自己分析

目次

18どうして苦手・ストレスを知る必要があるのか?

第3章のワークで洗い出したように、誰もが何かしらの強みをもっています。「強みがわかれば十分なのでは?」と思われるかもしれませんが、それは大きな間違い。

天職を生きている人は、「自分は何が苦手なのか」「どんなことをストレスに感じるのか」を知っています。

これを知らないと、面接に通らない、早期退職、好きな仕事に就いたのにつらくなる、成功したのに苦しい、といった可能性が高まります。

こんな苦労をしないために、7つの要素をチェックしましょう。

  1. ❶労働時間
  2. ❷人間関係
  3. ❸職場環境
  4. ❹所属している組織への誇り
  5. ❺社長
  6. ❻お金
  7. ❼評価

なぜこの7つが重要だと思ったのか、少しお話ししましょう。そもそものキッカケは、企業で採用の仕事をしていたときにさかのぼります。

能力は申し分ない。やりたいことがピッタリ。人柄もGOOD。わたしはそんな人を面接したら、迷わずに採用していました。

本人も他社の内定をけって入社した相思相愛の関係でした。

ところが、「絶対に幸せに活躍する」と信じていた彼らの中から「体を壊してしまう人」「期待したほど活躍しない人」「退職する人」が出てしまったのです。

このようなミスマッチは本人もつらいですし、会社にとっても痛手です。わたしも想いを込めて採用した人が不幸になる姿を見たくはありませんでした。そのため、ミスマッチの理由を分析しはじめたのです。

見えてきた原因は、「苦手・ストレス」の存在でした。

どんなに大好きで得意な仕事でも、苦手でストレスが大きいことが含まれていると、うまくいきづらいのです。

それからは面接で苦手でストレスなことを確認するようにし、よりマッチした採用ができるようになりました。

このように面接を通して重視するようになった「苦手・ストレス」ですが、今は天職コンサルティングでご相談いただく就活、転職、独立、今後のビジョンメイクや原始反射の統合などに活かしています。

あなたも自分の苦手・ストレスを知っていれば、ミスマッチに気づくことができます。会社の100%を知ることはできないかもしれません。

しかし、自分にとって大切なことがわかっていれば、事前に調べる方法がたくさんあります。入社前にあなたにとって「致命傷」になることがないかどうか見極めましょう。

ですから、今日限り「会社なんて入ってみないとわからない」というセリフは禁句です。イチかバチかの仕事選びをして、後悔することがないようにしてください。

また、好きな仕事を選んだはずなのに楽しくない、なんかつらいという人は、苦手でストレスなことを無理して行っていないでしょうか。

あなたにとってストレスが大きい環境にいるのではないでしょうか。仕事自体を変える前に、本章でチェックしてみてください。苦手・ストレスの中でも、特に重視したいのが先に挙げた7つの要素です。

体を壊したり、活躍できなかったり、不本意な退職・廃業をしたりすることがないように、苦手分析をはじめましょう。

19【苦手分析❶】労働時間を考える3つの切り口

まずは労働時間について考えてみましょう。労働時間は3つの切り口で分析することができます。

  1. A:どこまで長くて大丈夫?……人によって体力と精神力の限界が違います
  2. B:不規則でも大丈夫?……定時orシフト制?リズム型orメリハリ型?
  3. C:深夜・早朝でも大丈夫?……デッドタイム(働けない時間)はないか

これらには多くの人がつまずくポイントが隠されています。1つずつ解説していきましょう。

A:どこまで長くて大丈夫?

「好きな仕事だったら長時間でも大丈夫」という声に間違いはありません。「実力をつけるために忙しい会社で経験を積もう」という考えもいいと思います。

しかし、人によって肉体的、精神的な労働時間の限界(限界労働時間)が異なります。

労働時間が負担になって好きな仕事を続けられない、そんな悔しい思いをしないように、限界労働時間を把握しておきましょう。

労働時間とは、継続して仕事をする時間です。つまり「労働時間=定時(7〜8時間)+残業+休日出勤(+持ち帰り業務)」ですね。

ここで気をつけたいのは、人によって、「長い・短い」の感覚が違うということ。ある日の少人数の講座で、労働時間について参加者に話してもらったときのことです。

Aさんは「残業が多いのは嫌。のんびり働きたい」と言い、Bさんは「仕事大好き。残業も大好きです」と言いました。

そこで2人に「残業は何時までOK?」と聞いてみました。のんびり働きたいので残業が多いのは嫌だと言っていたAさんは、23時。

残業大好きだと言っていたBさんは、20時だったのです。このように、人によって「長い・短い」という言葉の感覚は違います。

ですから、〝数字〟で表すことが重要なのです。

B:不規則でも大丈夫?

同じ時間働いても、勤務形態によって疲れやストレスの感じ方が大きく違ってきます。ここでは2つの面から考えていきます。

①定時出社?シフト制?

定時出社とは、毎日決まった時間に出社する働き方です。シフト制とは、交代勤務で担当時間帯が日によって変わることです。

たとえば会社の営業時間が10時から21時の場合、早番は10時から18時、遅番は13時から21時という具合に2つの労働時間をつくり、交代で勤務します。

社員は、ある日は早番、別の日は遅番というふうに、日によって出勤時間が異なります。病院やホテル、流通業界などサービス業に多い勤務形態です。

シフト制は生活リズムが乱れるため体力的にきついと言われがちですが、時間をうまく使って満喫する人もいます。

たとえば、出勤前に英会話を習ったり、平日の昼間に銀行や役所の手続きをすませたり、マッサージやスポーツジムを利用者が少ない割引タイムに利用したり、なんてことができるのです。

シフト制に対応できると職種・業種の選択肢は広がりますが、リズムの変化が原因で体を壊す人もいます。

自分にあっているか過去を振り返っておきましょう。

②リズム型?メリハリ型?

規則正しい生活が向いているリズム型の人は、日によって労働時間が大きく変わると疲れを感じやすくなります。逆に、メリハリがあったほうが力を発揮する人もいます。

たとえば、締め切り前はラストスパートし、終わったら少し楽をするという働き方。

商品開発、イベントの企画・運営、月刊誌の編集、会計・税務、システム開発などの納期や締め切りが厳しい仕事など、忙しい時期とそうでもない時期がある仕事はメリハリ型の代表例です。

メリハリ型の人は、規則正しい生活が続くと窮屈に感じたり、退屈に感じたりする場合もあります。

C:デッドタイムはない?

デッドタイムとは、身体的、精神的に働くことがつらい時間帯です。

人によってはある時間帯に働くことで著しく体力を失ったり、集中力が切れたりして、仕事の継続が難しくなります。

これを知らずにデッドタイムに働く仕事に就いてしまったら、致命傷です。

成実さんの例を見てみましょう。成実さんは、第一志望だった学習塾チェーンの教室運営スタッフとして就職しました。塾は夕方から夜に授業があります。そのため、勤務時間は14時から22時でした。

少し残業をすると、最終電車の24時になります。成実さんの残業時間は、週に1回×1~2時間。それほど多くはありませんでしたが、1カ月後に体を壊してしまいました。

それはデッドタイムが理由でした。成実さんのデッドタイムは22時以降。

学生時代、飲み会のあとにカラオケに行くと、2~3日はぐったりしていたそうです。夜はもともと苦手で、勉強は必ず朝にしていたと話してくれました。1週間休んで復帰したときに、本社の広報部へ異動。9時から18時の仕事です。広報部では残業が21時や22時になることもありました。

以前よりも長時間労働なのに元気に働くことができたのです。その後、予備校のカウンセラーに転職。

「心が喜ぶ」×「得意」な仕事(=教室で生徒の成長を応援すること)と、苦手(デッドタイム)を考え、昼間に授業をしている予備校で働くことに決めました。

大好きで得意な仕事が決まっていても、デッドタイムによって会社選びが変わってくるんですね。

しかし、デッドタイムだと判断する前に、その時間帯は、生活習慣による苦手ではないか、考えておきましょう。

朝が苦手なのは学生生活に浸っているため、夜に弱いのは朝が早い仕事が原因、ということがあるからです。

過去を振り返って、本当のデッドタイムか、それとも生活習慣によるものなのか見極めましょう。

・朝がデッドタイムの人旅行などの楽しみがあるとき早起きすることはできますか?学生時代、部活の朝練で早起きした経験はありませんか?

・夜がデッドタイムの人夜ふかしをした経験はありませんか?

・午後がデッドタイムの人お昼ご飯を食べて脳に酸素がいかない時間帯ですね。退屈なことをしているからつらいのではありませんか?午後、何かにのめり込んで集中したことはありませんか?食後のコーヒーが原因になっている人もいます(http://withc.net/book/04/)。

・昼前、夕方がデッドタイムの人空腹が原因ではありませんか?または、休憩を入れずに疲れがたまり、ちょうど集中力が切れるタイミングがその時間帯ということもありますよ。

糖分(あめやチョコレート1片、はちみつを入れた飲み物など)で改善することがあります。

このような観点から、本当のデッドタイムか、生活習慣による苦手なのかを見極めましょう。

次の項目は『苦手な労働時間を考えるワーク』です。質問に答えながら、考えてみてください。

解説仕事選びに「限界労働時間」はこう活かす

◉限界労働時間別仕事選びのワンポイントアドバイス

【12時間以上】労働時間を気にせず好きな仕事を選びましょう。

あなたが何かにのめり込むタイプなら、あまりにも暇な仕事だと、物足りなさを感じる可能性があります。退屈もストレスの1つなので注意してください。仕事・学び・趣味……エネルギッシュに動くことを意識して。

【10~12時間】平均的なタイプです。

特に労働時間に対して苦手意識をもつことはありません。ただ、たくさんの会社の中には日常的にハードワークの会社もあります。事前にチェックすると安心です。

【8~10時間】限界労働時間は短めです。

基本的に定時で終わる仕事を選ぶのが無難。

ただし、自分にあった活動の仕方(「特性を活かした仕事の仕方」や「リズム型かメリハリ型か」など)を取り入れれば、限界労働時間が伸びる可能性もあります。再度見直してみましょう。

【8時間未満】限界労働時間は短いほうです。

2タイプに分かれ、対策が異なります。あなたはどちらのタイプでしょうか。

・熱中できるものがないために、本気になれないタイプ

1章の「喜びの源泉」を分析して、仕事でも趣味でも熱中できることをはじめてみましょう。

・体力または精神力の限界が低いタイプ

無理をすると心身のバランスを崩し、働くこと自体が難しくなります。自分にあった働き方を見つけましょう。フリーランスやパートタイムなど、短時間で働くのがよいでしょう。

また、シート㉒〔*〕から紹介している恐怖麻痺反射の統合により、限界労働時間が伸びる人も多くいます。

◉デッドタイムがない人も、仕事に応用してください

デッドタイムがない人も、よく体に耳をすませてみると、時間帯によって得意・不得意があることに気づかれると思います。

「○~○時はミスが増える」「この時間帯は人と会うよりも1人で集中するほうが気分がいい」「この時間は発想力が落ちる」「○時になると仕事がはかどる。のってくる」なんてことはありませんか。

この得意・不得意を、仕事の段取りに活かせたら、より力を発揮しやすくなり、あなたらしい特性が輝いていきますよ。

ある編集者さんは、この自己分析をした結果「午前中に校正や企画書づくり、メールのやりとりをし、アポは午後から、と決めて、リズム型に近づけました。

すると、仕事がはかどるようになり、早く帰宅できるようになったそう。締め切り前は夜遅くなることもありますが、以前より疲れがたまりにくいと話してくれました。

20【苦手分析❷】どんな人間関係が耐えられないか?

転職情報会社の調査によると、退職理由ナンバーワンは「人間関係」だそうです。

わたしが受ける転職相談でも「人間関係がひどい会社なんです」「ちょっとおかしい組織です。もう耐えられない」などという声をよく聞きます。

しかし、「たしかにその会社はひどい!」というケースは極めてマレ。

というのも、同じような人間関係の中でイキイキと楽しそうに働いている人もいるので、会社が100%悪いとは思えないのです。

それを証明するように「人間関係がいい職場」といってイメージすることは人それぞれで、まったく違う答えが返ってきます。

逆に「人間関係で辞める人は、どの会社に行ってもダメだ」といわれ、「わたしは、わがままなのでは?」「コミュニケーション能力が低いのでは?」と自分自身を責めてしまう人もいます。

誰にでも、得意な人間関係と苦手な人間関係があります。

会社が100%悪いのでもなく、個人が100%悪いのでもなく、ただミスマッチだという場合が多いのです。本項では、あなたにあう人間関係と耐えられない人間関係を考えてみましょう。

人間関係の不満をひもとくと、「職場の人間関係の特徴」が大きく影響しています。2つの視点から見ていきましょう。

A:人との距離感ある総合商社に入った2名の新入社員の話です。慎吾さんも龍二さんも花形の部署に配属され、会社から大きな期待をされていました。

1年後にはそろって「新人賞」を受賞。順調に活躍する2人ですが、心境には大きな違いが出ていました。慎吾さんは、「すばらしい会社に入った」と大満足。

一方、龍二さんは「ひどい会社だ。もう辞めたい」と思っています。

この違いは何でしょうか?慎吾さんに「すばらしい会社だと思う理由は何ですか?」と聞いてみました。

「とにかく面倒見のいい会社なんです。先輩も上司もていねいに仕事を教えてくれますし、仕事で行き詰まったときも、プライベートで悩んでいるときも、飲みに行こうと言って親身に相談にのってくれるんです。

新人賞をとれたのも先輩や上司のおかげだと思います。同期も仲がよく、週末にしょっちゅう集まりますし、連休には旅行にも行ったんですよ。いい会社に入りました」

龍二さんが辞めたいと思う理由も聞きました。

「手取り足取り教えられると信頼されていないみたいでつらいんです。子供じゃないんだから自分で考えて行動できるのに。毎日のように飲みに誘われるのもわずらわしいですね。

プライベートな時間まで会社の人と飲みたくありません。同期はべったりで、旅行までしちゃうんです。

仕事は楽しいし、新人賞をもらって期待されているのはわかるけれど、この会社で続けていくことはできません」

慎吾さんと龍二さんは、同じ会社の同じ状況にいますが、まったく逆の反応をしていますね。

人間関係の距離感によって、これだけの違いが出るのです。人間関係の距離感には、ほかにも次のような切り口があります。

  • ●飲み会は、誘い・誘われて毎日でも行きたいor週1回くらいがちょうどいい/月1回で十分/半年に1回/仕事関係の人とは飲みに行きたくない
  • ●同僚とはプライベートでも仲がいい/仕事上でだけ仲がいい
  • ●手取り足取り教えてほしい/任されて自分で吸収するほうがやりやすい
  • ●教育担当の先輩がつくと安心/わからないときだけ聞きに行くのがいい
  • ●グループで行動したい/必要なときだけ集まりたい
  • ●チームの一体感や連帯感を求める/求めない
  • ●家族や趣味の話もどんどんしたい/別に苦にならない/プライベートな話はしたくない

B:チームの規模仕事でかかわる人の規模によって、自分の特性が活かされないことや持ち味が死んでしまうことがあります。

わたしの義姉、泉さんがネットショップを立ち上げたときのことです。タイから洋服を仕入れて、マネキンや友だちモデルで写真撮影。

商品の写真をホームページにアップして、春にネットショップが完成しました。いったん完成したら、あとは季節ごとに掲載商品を差し替えるだけです。すぐに夏服の仕入れがあり、同じように写真撮影をしました。

しかし、暑くなっても、ネットショップには一向に夏服の商品が載りません。さらに冬物の仕入れをしましたが、商品は掲載されないまま春になりました。泉さんの苦手は、1人ぼっちで仕事をすることでした。

「1人きりで仕事をするのは向いていないわ。OL時代はパソコンに向かって1日中集中できたんだけど……。1人でやっているつもりだったけれど、必ずまわりに人がいたのよね」隣でがんばっている人がいる。

それが泉さんのエネルギーだったのですね。その後、泉さんはデザイン会社でネットショップ立ち上げの仕事をしました。

オフィスに行って人に囲まれて仕事ができるので、ばっちり役目を果たしたそうです。

このように仕事内容がマッチしていても、人間関係の規模やかかわり方で発揮できる力が変わることがあるのです。

泉さんは1人が苦手。逆に、大人数が苦手だという人もいます。

あなたには、苦手な規模はありませんか?「1人で黙々と仕事をするのが好き」「1対1で接客をするのは苦痛だけど、大人数向けの研修講師は大好き」という人もいましたよ。

  • ●大人数になったら、自分が出しにくいなんてことはありませんか?
  • ●大人数になればなるほど、エネルギーがわいてきますか?
  • ●人数が減るとやる気がしぼんでしまいませんか?
  • ●人数が減ると責任感が増してイキイキしますか?
  • ●少人数で顔の見える職場に安心しますか?
  • ●大人数の中で働くことに躍動感を感じますか?
  • ●特性を活かしやすい規模はどれくらいでしょうか?

では、次のワークであなたが好きな人間関係と苦手な人間関係を考えてみましょう。

解説人間関係は変えられる

人間関係とは、固定したものではなく、人が入れ替わりながら変化するものです。ですから、入社後に自分から働きかけをして心地いい人間関係をつくっていくことも可能です。

あるとき、転職したての哲也さんから「人間関係が苦痛だ」と相談がありました。同じ部署に6人の社員。誰もひと言もしゃべらずに1日中もくもくと仕事をしているそうです。哲也さんはそれが気づまりで、耐えられませんでした。

わたしは哲也さんに「話しかけてみましょう」とアドバイスしました。

実際に話しかけるようになったところ、同僚から「雑談と笑いがスパイスになって、より集中できるようになったよ」「哲也さんのおかげでみんなが仲よくなったね」「朝、哲也さんと笑顔で話をすると1日やる気になります」と感謝されたそうです。

人間関係は、あなたの働きかけで、変えることができるのです。

自分にあった人間関係を選ぶ目をもつとともに、周囲を巻き込んで、心地いい人間関係をつくる力も身につけていきたいですね。

21【苦手分析❸】どんな職場環境か?

「職場環境」とは、職場の雰囲気、文化、ルール、給与制度のことを指します。

これらは働いてみないとわからないのでは?と思われる人が多いのですが、希望がはっきりしていれば事前に調べられるので、入社後のミスマッチを防ぐことができます。

独立して資格認定制度によるビジネスをしている人・したい人にも重要な要素です。

A:職場の雰囲気

あなたにとって快適な雰囲気、苦手な雰囲気を具体的にイメージしましょう。人によって、いい雰囲気だと感じる環境も、耐えられないと感じる環境も違います。

「雰囲気のいい会社で働きたい」「雰囲気の悪い会社は嫌だ」という人は、それがどんな雰囲気なのか言葉にできるようにしましょう。

次の図に会社の雰囲気を表すキーワードを挙げました。

あなたにあった雰囲気を見つけてください。

B:会社の文化、ルール

会社の文化やルールが自分の性質にあっていないと、やる気が起きなかったり、なじめなかったりして、退職につながることがあります。

シート⑬に挙げた会社の文化やルールを見てください。

気にしない人にとってはバカバカしい内容に見えるかもしれませんが、実際に耐えられなかった人、違和感があってなじめなかった人がいる事例です。

あなたが耐えられない文化やルールがないか、参考にしてください。そして、もう一歩踏み込んで、「なぜ嫌なのか」を分析しましょう。

たとえば、「毎月第3木曜日は、机の上の書類、パソコンのデスクトップを整理する日」というルールがある会社なんて嫌だ!と思ったとします。

嫌な理由が「そんなことは自分で日々行なうこと。会社に決められるのは過保護に感じて窮屈だから」だったとしましょう。

そうすると「過保護」「窮屈(自由じゃない)」が耐えられない要素。

リストにはありませんが「社外へのメールはすべて上司の承認が必要」なんていう会社も避けたほうがいいかもしれませんね。

C:不満になりそうな給与制度

最近では、純粋な年功序列制をとる会社は少なくなりました。しかし、まだ実力とは関係ない給与制度を採用している会社も多いのが現状です。

年功序列制は、生活が安定するというメリットもありますが、実力や貢献が給与に反映されない、若いうちは報われないというデメリットもあります。

一方、実力主義・成果主義の会社は評価に応じて給料が上がります。

ただし、評価が低いときや、成果が出なかったときに給料が下がってしまうことも忘れてはなりません。

ここ数年、さまざまなジャンルで資格認定をする協会や企業が現れ、本業に活かすだけではなく副業や独立を見すえて学ぶ人が増えているようです。

各団体で、仕事をするときの条件が異なります。

不本意な想いをしなくていいよう、仕事をするときの関係をイメージし、あなたにとって、不満の原因になりそうなものがないか、確認しておきましょう。

シート⑭に、代表的な給与制度を挙げました。

22【苦手分析❹】誇りがやる気のもとか?

仕事内容や人間関係、収入などよりも、「所属している組織への誇り」がやる気のもとになる人がいます。

転職活動を通して「所属している組織への誇り」が大切だと気づいた百合絵さんの例を紹介しましょう。

百合絵さんが最初に就職したのは、特色ある素材を製造しており、業界では一目置かれるメーカーでした。配属先は経理です。

仕事をひととおり覚え、経理のおもしろさを感じていた5年目、28歳のときに結婚しました。新居から会社までは1時間半。18時が定時なので、残業を1時間しただけで夕食は21時になります。

百合絵さんは「仕事は続けたいけれど、家事もしっかりしたい」と考え、転職することを決めました。

新しい職場は自転車で5分。経理だけではなく財務も勉強できるとのことで、百合絵さんは大喜びで入社しました。社長も同僚もいい人ばかりで、すぐに会社になじめました。

ワークライフバランスをとって働けるうえに希望どおりの仕事内容。理想的な会社に見えました。

しかし、仕事になれてきた3カ月目のことです。以前の会社ではしたことがないようなミスを連発してしまいます。そういえば、なんだかやる気が起きません。

月曜日の朝がつらく、頭痛のため何度か午後から出勤しました。いい会社なのに、思ったように貢献できないのがもどかしくてなりません。

悩んだ百合絵さんは天職コンサルティングにいらっしゃいました。経理・財務の仕事はやりがいがあり、百合絵さんの特性を活かせる仕事。

それなのに2社目でやる気が起きなかったのは「所属している組織への誇り」が満たされなかったからだとわかりました。

最初の会社で百合絵さんのやる気の源泉になっていたのは「特色のある素材をつくっている、この会社でしかできないものづくりがある。わたしはそれに貢献している」という誇りでした。

「あの会社の役に立てるなら、経理ではなく、別の仕事でもやりがいを感じます」と話してくれました。

「今の会社では、やる気がわかない」と思った百合絵さんは、再び転職を決意。次に選んだのは、特殊技術をもつ工場の管理部門です。

魅力の理由は、やはり「特別な技術がある」という点でした。

「この会社の特殊技術はすごい。わたしもこの会社の役に立ちたい」とほれ込んでの入社。

仕事内容は、経理・財務だけではなく、総務も、営業事務も雑用も、何でも行ないます。

以前ほど専門知識を必要としないので、昔の同僚からはキャリアダウンだと言われましたが、気になりません。

自分がやる気をもってイキイキと働けることが幸せだと思うからです。

ちなみに通勤時間は40分。

残業もありますが、休日に食材をまとめ買いしたり、煮物をつくり置きしておいたり、宅配を利用したりと、家事も工夫しています。

所属している組織への誇りが大切な人の中にも、いろんなタイプがいます。

百合絵さんは「特別な技術」がキーポイントでした。業界の二番手企業にばかりひかれる人もいます。「一番を目指す」「トップに戦いを挑む」という状況に燃えるそうです。

また「業界の革命児」「世の中の常識をくつがえした」という会社に目を留める人もいます。

「この仕事はおもしろそうだ!」と思って同じ業界の別の企業を調べてみても、おもしろそうだと思えない。

業界の革命児ですから、同じ業界に何社もないのですね。こういう人は、業界や会社規模に関係なく、革新的な企業で働くのが楽しいでしょう。

有名企業ばかり志望する人も、所属している組織への誇りが大事なタイプかもしれません。

ブランド志向を否定する人もいますが、本当にやる気の源泉になるならこだわってもいいのではないでしょうか。

注意したいのは、自信がないためにブランド企業でカバーしようという心理。内定しづらい上、入社できてもずっと不安は続きます。

独立したら自由に見えますが、業界団体や仕事のグループに息苦しさを感じる人もいます。

あなたは所属している組織への誇りがやる気に影響しますか?どんな組織に所属の誇りを感じますか?次のページのワークシートに記入してみましょう。

23【苦手分析❺】社長に共感できるか?

実は、退職の理由としてとても多いのが、「社長に共感できない」という点です。入社のときはみなさん、意外と見落としがちなんですよ。

もちろん、社長に共感できなくても、仕事内容があっていれば幸せだという人もいます。自分のまわりの人間関係がよければ、社長は関係ないという人もいます。

あなたにとって、社長に共感できないことは、耐えられない要素でしょうか?

A:性格、B:経営方針をチェックしてみましょう。

A:性格

当然ですが、社長も人間です。あなたと性格があう社長も、あわない社長もいるでしょう。

「こんな性格の社長と働くのは耐えられない!」という社長像はありませんか。

ただし、社長との相性は大事な要素ではありますが、「こんな社長は嫌だ!」と言う前に2つだけアドバイスさせてください。

◉社長とは変わっている生き物である

社長は、個性的で常識はずれな発想や行動をする人が多いものです。人と違うからこそ、お客さまに支持されるビジネスモデルをつくり、従業員を雇えるほどの会社で社長ができるのです。

ですから、「変わっている」といって毛嫌いするのは性急です。

「普通と違う感性があるから社長業が務まり、会社が成り立っているのだ」と思う度量をもったほうが冷静に判断できますよ。そのうえで、好きか嫌いか、共感できるか感じてみましょう。

◉「言うことがコロコロ変わる」性格は嫌!と思う人へ

社長に対する不満として多いのが「言うことがコロコロ変わる」。わたしは会社員時代に、一代で上場させた創業社長3人のもとで働きました。

独立後は、採用や育成のコンサルティングで社長とお会いする機会が多くあります。ですから「言うことがコロコロ変わる」という社長の習性は理解しているつもりです。

多くの社長とやりとりしていて思うのは、いいかげんな性格だから言うことがコロコロ変わるわけではないということです。

代表的な3つのケースを紹介しましょう。

ケース1状況の変化、新しい情報の入手で判断が変わる社長

【例】ガソリンが高いので、ハイブリッドカーの購入を決めた。

総務部を呼んでハイブリッドカーの見積もりをとるように指示を出す。その後、石油価格暴落のニュース!総務部が見積もりをもって社長室へ行くと「やっぱりやめよう」と購入中止に……。──感度の高い社長には日常茶飯事です。

いきさつをすべて話してくれれば社員側も理解しやすいのですが、説明するには考えた時間の何倍も時間がかかります。

事例のガソリン価格のように単純な出来事ばかりではないので、社長はいきさつの説明をはしょってしまうのですね。

ケース2本質を探ると一貫している社長

【例】テレビCM企画のミーティングにて。

「商品名を覚えてもらいたいんだから、有名人を起用して、もっと見たくなるようなCMにしようよ」。

翌日、有名人を用いたCMを提案すると……「有名人が出ていてもチャンネル変えるだろ。どうしたら商品名を覚えてもらえるのか考えて」。

──表面的な指示だけを聞くと、相反することを言っているように見えます。

しかし、社長の指示は「商品名を覚えてもらうこと」「そのために見てもらえるCMをつくること」の2点からぶれていません。

本質的なメッセージをとらえれば、一貫した指示を受け取ることができます。すると先手を打った提案ができ、仕事のストレスが軽くなります。しかも、仕事ができるヤツだと重宝されるでしょう。

ケース3頭の中で進化する社長

【例】社長の指示どおりにしたのにダメ出しされた。──頭の切れる社長に多い特徴です。その時点でベストだと思う指示をします。

しかし社員がその仕事を終えて報告するころには、そのベストが進化しているのです。

指示どおりにこなすだけではなく、指示をもとによりよい仕事をしてほしいという期待もあるのでしょう。

向上心の強い、頭の切れる社長である証拠です。

言うことがコロコロ変わる社長や上司に出会ったときは、どのパターンかな?と想像してみましょう。

ときに社長自身が迷っている場合もあります。

そんなときは、翻弄されずに待つか、社長が決断できるように情報提供するなど、あなたの「心が喜ぶ」×「得意」な方法でかかわってみましょう。

B:経営方針経営方針(ビジョン・理念・行動指針など)は、社長の特性や価値観が如実に表れるものです。

経営方針と自分の価値観が一致しないと苦しくなる人がいます。

ひかりさんの例を見てみましょう。

ひかりさんはアパレル業界で生産管理の仕事をしていました。

デザイナーと工場の間に立って、布や付属品の取り寄せ、工場への製作指示、商品の検品など細やかなやりとりをして洋服をつくり上げる人気職種です。

あるとき、パリコレに発表しているブランドで人材募集がありました。

ひかりさんはステップアップだと思って応募。

見事、入社できました。

しかし、満足いく職場ではありませんでした。

「とりあえず納期までに仕上げればいい」という姿勢のため、ていねいなものづくりができなかったのです。

同僚の中には、納期重視のスピード感や効率化が性にあっているという人もいましたが、ひかりさんのつらい気持ちは変わりません。

「ていねいなものづく

り」は、ひかりさんにとって譲れない価値観なのだと、転職後にはじめて気づいたのです。

それでは、あわないと思う「社長の性格」「経営方針」がないかどうか考え、次のページに記入しましょう。

解説数カ月後、数年後の変化も心に留めて

◉「仕事で直接関係しなければ問題ない」人への注意点組織化されている規模の会社なら、平社員のうちは社長と関係することはほとんどありません。

しかし数年後のことを考えて、どれくらい昇進したら社長と接するのかを調べておきましょう。

中には社長直属の部署や、社長と会う機会の多い部署もあり、新入社員のうちから社長と密に接することがあります。

あわせてチェックするとよいでしょう。

◉価値観の変化も楽しもう価値観を会社にあわせて無理に変えるのは、おすすめしません。

仕事選びも仕事に就いてからも苦しくなってしまいます。

自分の感情・感覚を大切にして。

しかし、価値観は、人との出会いや経験などによって変わるもの。

自己分析と仕事選びを通して価値観が変わっていくこともあるでしょう。

その変化は楽しんでください。

24【苦手分析❻】生活できるお金はいくらか?

苦手分析6は、「心が喜ぶ」×「得意」ゾーンの仕事を目指すにあたって最大の心のブレーキになる「お金」がテーマです。

ここでは、あなたが知っておくべき「3つの金額」を実際に計算します。

A:生きていくのに必要な最低限の金額B:心にゆとりをもって生活できる金額C:ぜいたくをしても十分な金額なぜ、わざわざ3つの金額を出すのでしょうか。

「好きなことを目指したいけれど、生活できるだろうか」という不安によって、「得意」×「ストレス」ゾーンの仕事を選んでしまったり、目の前の仕事にしがみついて、本当に進みたい道を考えられなかったりする可能性があるからです。

多くの人が「生活ができればいい」と言いながら、生活できる最低限の金額も、理想的な生活ができる金額も知りません。

ストレスの80%は漠然とした不安だといわれています。

お金はその最たるもの。

ですので「生活できるくらい」ではなく、最低いくら稼げばいいのか、具体的な数字で計算してみましょう。

それがA:生きていくのに必要な最低限の金額です。

「○歳ならこれくらい」「平均以上は……」といった他人軸の数字はいったん置いて、考えてみてください。

B:心にゆとりをもって生活できる金額、C:ぜいたくをしても十分な金額は、目標額になります。

あなたの魂が喜ぶような仕事をすると、自然とクリアします。

25【苦手分析❼】どんな形で評価されるのが好きか?

あなたはどんな形で評価されたいですか?求める形で評価されないとやる気をそがれたり、怒りを感じたりする人がいます。

代表的な評価の種類を挙げてみました。

すべての評価を得られたら幸せですが、特にどの評価がうれしいか考えてみましょう。

●お金(金銭的な報酬。

昇給やインセンティブ)●昇進●賞賛●ねぎらい●感謝●チャンス(より大きな仕事、やりたい仕事)次は、どう評価されたいかを、もう少し具体的にしてみましょう。

「昇給しなくなったのがキッカケで転職を考えはじめた」という義信さん。

「お金」で評価されたい人ですが、とにかくたくさんの収入を得たいわけではありません。

一年間の評価を目で見える形で感じたいのです。

それは次の質問でわかりました。

「次の2つのうち、どちらが評価されていると感じますか?」・成果が評価されて、月収10万円アップ。

5年契約のため、5年間は昇給なし・成果が評価されて、毎年4月に月収が5千円ずつアップする義信さんは、後者のほうがうれしいそうです。

5年間の合計収入は前者が500万以上も多いのに……。

義信さんにとっては、「年々お給料が上がること」が評価されていると感じるバロメーターなのですね。

また「感謝」も人によってイメージの違いが出るところです。

あなたはどちらの「感謝」がうれしいですか?・毎日ちょっとずつ「ありがとう」と言われること・はじめての「ありがとう」は、3年ごしのプロジェクトを実現したとき。

お客さまがわたしの手を取り、涙を流しながら、「あなたのおかげです。

ありがとう」と言ってくれたどちらの「感謝」に心が躍るのかで、選ぶ仕事が変わってきます。

このように具体化すると、「思っていたのと違った!」ということを防ぐことができます。

次のワークで求める評価の形を考えてみましょう。

26本当に嫌なものをピックアップしよう

7つの苦手・ストレス分析はいかがでしたか?本章の最後のワークでは、これまでに挙げてきた「苦手・ストレス」が、あなたにとって本当に嫌なものなのかを見直していきます。

人は、枠があると埋めたくなるものです。

ですから、そんなに嫌だと思わないことも苦手・ストレスだと書いてあるかもしれません。

また、人が「耐えられない」と言うのを聞くと、自分も苦手な気分になってしまうこともあります。

ですから、もう一度見直しましょう。

見直しは頭で考えるのではなく、ハートと対話してくださいね。

「嫌な感じがするなあ」や「違和感があるなあ」といった〝直感〟を大切に、本当に嫌なものをピックアップしましょう。

27「得意」で「心が喜ぶ」仕事を選ぶのが不安な人・怖い人へ

あなたは、変化することや、新しいことにチャレンジするとき、不安になったり、怖くなったり、ちゅうちょしたりすることが多いですか?YESだとしたら、もしかしたら、緊張しやすかったり、人間関係で気を使いすぎたり、疲れやすかったりしませんか?もし、1つでも該当するならば、「固める反射」が残っているからかもしれません。

「固める反射」をもつ人は、変化や新しいことに対して、自動的に身体が緊張し、「不安」や「恐怖」を感じやすいです。

これは思考を通さない身体の反応なので、ロジカルに頭でいくら不安や恐怖の原因を解消しても、不安や恐怖は消えません。

ですから、不安や怖さを解消しようとしないで、抱えたままチャレンジするのも1つの選択肢。

ただし、チャレンジに大きな勇気が必要で、チャレンジ後に疲れて動けなくなるようならば、日常的に反射が出ていることがないように、「統合」させることで、楽に動けるようになります。

また、「固める反射」をもつ人は、緊張しやすい傾向が強いです。

無意識の自動的な動きなので、いくら「緊張しなくていいよ」と言われ、「リラックスしよう」と思ってもできません。

そうすると、自分の持ち味を話せないまま面接が終わってしまったり、仕事で緊張すると、普段ならしないようなミスをしてしまったりすることがあります。

対人関係で疲れてしまう人も多いです。

このように、「固める反射」が強くて困りごとになっている人は「統合」して、本来の良さを発揮できると良いですね。

わたし自身、本来、産まれたときに統合しているべき「固める反射」が大人になっても強く残っていました。

人と話すときは、必ず笑顔になり、気持ちをつくってからのぞんでいました。

これは、対人の緊張をカバーする行為です。

表面上はうまく接していても、それだけ心や身体にはストレスがかかっていたのです。

「統合」を進めてきた結果、今では、素の顔で人と対面しても平気。

とても、楽になりました。

緊張やがんばりという無駄なエネルギーをあまり使わなくてもよくなった分、本当にしたいことに力を注げます。

多くの人は「〇〇があったからこんな気持ちになった」と思っていますが、実際は、何か出来事が起こる前にすでに身体感覚は起こっていて、起きた出来事のせいでその身体感覚が起こったと錯覚しているだけ。

「固める反射」が強い人は、常に身体に力が入っていて、呼吸が浅い。

その居心地の悪さを説明するために、「不安」とか「怖い」「嫌い」といった感情が出てくるというわけです。

ですから怖がりや心配性は、もって生まれた性格ではなく、単なる身体の状態なのです。

さて、あなたはいかがでしょうか。

シート㉒のチェックシートで、固める反射の自己分析してみましょう。

 

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