第4章輸送にかかわる貿易書類■海上輸送
- ①海上輸送とは■定期船
- ②定期船サービスとは
- ③コンテナターミナルとは
- ④定期船の運賃
- ⑤定期船のブッキング■定期船の輸出
- ⑥コンテナ貨物の輸出手配
- ⑦FCL貨物の船積手配
- ⑧LCL貨物の船積手配
- ⑨コンテナパッキングリスト(forCLP)とは
- ⑩貨物の検数と検量
- ⑪機器受渡書とは
- ⑫B/Lインストラクション(B/I)とは
- ⑬コンテナ船の船荷証券とは
- ⑭海上運送状とは■定期船の輸入
- ⑮定期船の輸入手配
- ⑯FCL貨物の引取手配
- ⑰LCL貨物の引取手配
- ⑱デバンニングレポートとは
- ⑲輸入貨物引取保証状とは
- ⑳コンテナ利用の遅延料とは■不定期船
- ㉑不定期船サービスとは
- ㉒不定期船の運賃
- ㉓用船契約書とは■不定期船の輸出
- ㉔不定期船貨物の船積手配
- ㉕船積指図書とメーツレシートとは■不定期船の輸入
- ㉖不定期船貨物の引取手配
- ㉗荷渡指図書とボートノートとは■航空輸送
- ㉘航空輸送とは
- ㉙航空運送状とは
- ㉚航空輸送の輸出手配
- ㉛航空輸送の輸入手配
- ㉜リリースオーダーとは■複合一貫輸送
- ㉝複合一貫輸送とは
第4章輸送にかかわる貿易書類■海上輸送
海上輸送
貿易貨物の大半は、船で輸送されています。
海上輸送を船会社のサービス形態で分類すると、「定期船サービス」(Liner)と「不定期船サービス」(Tramper)に大別できます。
どちらの輸送サービスを利用するかは、「商品の形状」「船積数量」「船積港」「荷揚港」「最終仕向地」「輸送日数」「運賃」などを検討して、その取引に適したサービスを選びます。
定期船サービス定期船サービスには、コンテナ貨物を専用に輸送するコンテナ船が主に使用されていて、一部の航路で在来型貨物船が配船されています。
コンテナ船は、安定した配船スケジュールと内陸地までコンテナを輸送できることから、家電製品などの製品輸送に適しています。
定期船の航路は、世界中に網の目のようにはり巡らされています。
日本を起点とした航路でも、欧州、北米、カリブ・中南米、中国、東南アジア、中近東、アフリカ、豪州と世界全域にわたっています。
不定期船サービス不定期船サービスには、在来型貨物船、バルクキャリアー(バラ積貨物船)、その他の専用船(鉱石専用船や木材専用船など)と、多種多様な船が使用されています。
不定期船サービスは、大量の貨物を必要に応じたスケジュールで配船できるので、鉄鉱石や石炭、飼料穀物といった原料類などバラ貨物の輸送に適しています。
主要な航路としては、米国から日本向けの飼料穀物輸送や、ブラジルから欧州や極東向けの鉄鉱石輸送などがあります。
定期船サービス定期船サービスで主に利用されるのはコンテナ船です。
コンテナは、国際標準化機構で策定されたISO規格で標準化されており、船と貨車、トレーラーなどと複数の輸送モードに接続して、コンテナ単位で積み替えられるため、コンテナ内の貨物を途中で詰め替えずに、迅速でダメージリスクも少なく輸送できます。
コンテナ船は航行速度も速く、コンテナターミナル(→第4章③)では昼夜を問わず専用の荷役設備で効率よく積み下ろしが行われるので、配船スケジュールは列車並みの正確さで管理されています。
主要航路では毎週何曜日出発といったサービスも提供されています。
輸出者から受け取ったコンテナは、コンテナヤード(CY)で仕向港別に整理・保管されてから本船に積み込まれます。
コンテナの種類一般的な貨物を積み込むコンテナは、ドライコンテナ(DryContainer)と呼ばれる鋼鉄製の直方体の箱で、幅と高さは約2.5m、長さは20フィート(約6m)と40フィート(約12m)の2種類あります。
コンテナは、20トン以上の貨物を積載できる強度がありますが、実際にはコンテナを牽引して走る道路や橋の重量制限の関係から、貨物は17〜18トン程度におさえられていることが多いようです。
運賃は小さいほうの20フィートコンテナが割安ですが、輸出者は積載可能重量と運賃を検討してどちらかのコンテナを選びます。
ドライコンテナでの輸送に適さない、重量物や冷凍食品、液体貨物などの場合は、オープントップコンテナやフラットラックコンテナ、タンクコンテナなどの特殊コンテナを使用します。
コンテナ船とコンテナターミナルコンテナ船はコンテナを専用に輸送する目的で設計された船で、船倉内と甲板上でブロック状にコンテナが積載されます。
コンテナ船の大きさは20フィートコンテナの積載可能本数である「TEU」(TwentyfootEquivalentUnit)で表されています。
アジアから欧州向けなどの主要航路では20,000TEU型のコンテナ船が就航しています。
コンテナターミナルとは、コンテナ船からの輸入コンテナの荷揚げや輸出コンテナの船積み、コンテナを一時保管するための港湾施設のことです。
コンテナターミナルには、コンテナ荷役専門のガントリークレーンやストラドルキャリアーなどの機器が配置されています。
コンテナターミナル内にはコンテナヤードがあり、付近にはコンテナフレートステーションと呼ばれる小口貨物の混載施設があります。
コンテナヤードコンテナヤード(CY:ContainerYard)とは、船積み前の輸出コンテナ、荷揚げ後の輸入コンテナを一時保管するコンテナターミナル内にある保税施設のことです。
コンテナヤード(CY)では、空コンテナの保管やコンテナのメンテナンスも行われます。
コンテナフレートステーションコンテナフレートステーション(CFS:ContainerFreightStation)とは、荷主(輸出者)から受け取った小口貨物を船会社が混載するための保税施設のことで、輸出貨物のコンテナ詰めを行ったり、輸入コンテナから貨物を取り出す作業が行われます。
通常はコンテナターミナルの近くにあります。
定期船の運賃のしくみ定期船の運賃は、航路別に各船会社が運賃率(タリフレート)を設定しています。
運賃は、「基本運賃」(BaseRate)と「割増運賃」(Surcharge)の合計で算出されます。
基本運賃は、船の基本的な運航費用から算出された一定期間固定の料率で、割増運賃は貨物の形状やさまざまな変動要素により追加で設定される料率です。
割増運賃には、「重量貨物割増」「燃料割増」「船混割増」などがあります。
また、基本運賃の計算基準となる建値には、「重量建て」(Weight)、「容積建て」(Measurement)、「従価建て」(AdValorem)の他、コンテナ1本当たりいくらと決める「ボックスレート」(BoxRate)があります。
重量や容積建ての場合は、算定基準がメートル法によるか他の基準によるかなどを確認する必要があります。
運賃の先払いと後払い運賃の支払い方法は、船積みの完了と同時に支払う「先払い」と、荷揚港に到着してから貨物を受け取るときに支払う「後払い」があります。
先払いの場合は、輸出者が運賃を支払い、船荷証券上に「FreightPrepaid」と表示されます(→第4章⑬図)。
後払いの場合は、船荷証券上に「FreightCollect」と表示され、輸入者が運賃を支払って船荷証券を船会社に差し入れた後に、貨物が引き渡されます。
サービスコントラクト船会社は、大口顧客への優遇措置として、一定期間の船積量を保証した輸出者に、基準運賃よりも割安な運賃を提供することがあります。
この契約を「サービスコントラクト」(ServiceContract)と呼んでいます。
ブッキングの手順船会社にコンテナ船のスペースを予約することを「ブッキング」(Booking)と呼びます。
輸出者は、電話やEメールなどでブッキングをして、船会社からブッキング確認書を受け取ります。
ブッキングの要点ブッキングを行う際の留意点は、次のとおりです。
①貨物明細の正確な伝達FCL貨物かLCL貨物にかかわらず、商品の明細や重量などの貨物明細を船会社に正確に伝えます。
②使用するコンテナの確認FCL貨物の場合は、借り受けるコンテナの種類と本数を確認します。
LCL貨物の場合は、コンテナの種類は船会社の判断で行われます。
③正確な本船情報の把握本船名、航海番号、船積港の到着予定日(ETA*)と出港予定日(ETD*)、仕向港(ETA)などを間違いなく確認します。
④貨物やコンテナの受渡条件の確認FCL貨物かLCL貨物の区別、搬入するCYやCFS、CYやCFSのカット日(搬入締切日時)、コンテナを引き渡す仕向港側のCYやCFS、もしあれば最終仕向地などを船会社に確認します。
⑤運賃率と支払い条件の確認運賃料率と先払いか後払いか、また割増運賃が適用されるかどうかを確認します。
サービスコントラクトなどの優遇料率の適用を受ける場合は、ブッキング時点で確認します。
*ETA:EstimatedTimeofArrival*ETD:EstimatedTimeofDeparture
コンテナ貨物の積み込み船積港で、荷主である輸出者が貨物を船会社に引き渡す方法には、輸出者が貨物のコンテナ詰めを行って貨物入りのコンテナを船会社に引き渡すFCL(FullContainerLoad)貨物で渡す方法と、輸出者から引き渡された貨物を船会社がコンテナ詰めを行うLCL(LessthanContainerLoad)貨物を渡す方法の2種類があります。
貨物をコンテナに詰める作業はバンニング(Vanning)、取り出す作業はデバンニング(Devanning)と呼ばれます。
FCL貨物の積み込み(CYCYの場合)FCL貨物の場合、輸出者は空コンテナを船会社から借り受けて、輸出者の施設や委託先の海貨・通関業者の倉庫に回送し、バンニングを行ったうえで、コンテナヤード(CY)に搬入します。
この方式はシッパーズパック(Shipper’sPack)と呼ばれます。
FCL貨物の輸送は、荷主である輸出者がコンテナを借り切り、仕向港側では受荷主である輸入者がCYでコンテナ貨物を引き取り、自社倉庫などでデバンニングを行うのが一般的です。
LCL貨物の輸送積み込み(CFSCFS)LCL貨物の場合、輸出者は船会社が指定するコンテナフレートステーション(CFS)に貨物を搬入して引き渡します。
船会社は同じ仕向港向けの他の荷主の貨物と混載してバンニングを行った後、船会社の費用でCYに搬入します。
この方式はキャリアーズパック(Carrier’sPack)と呼ばれます。
仕向港では、船会社がコンテナをCYからCFSに回送してデバンニングを行うので、受荷主である輸入者はCFSで貨物を引き取ります。
FCL貨物の船積手配の基本的な流れ(CYCYの場合)①輸出者は定期船スケジュール専門誌や船会社のHPなどで船を選び、必要な本数のコンテナをブッキングします。
②輸出者は、船積依頼書(S/I)とインボイス、パッキングリスト、輸出許認可書類などの輸出通関に必要な書類を送り、輸出手続き代行を海貨・通関業者に委託します。
③海貨・通関業者はCYから空コンテナを借り受け、CYオペレーターから機器受渡書(EIROUT)を受け取ります。
④輸出者は、空コンテナを自社の施設に回送するか、貨物を海貨・通関業者の倉庫や上屋に搬入し、検査機関による貨物の検数や検量を受けます。
⑤海貨・通関業者は、税関に輸出申告をします。
海貨業者の保税施設でバンニングをする場合は、輸出許可取得→バンニング→CYまでの保税輸送の順で手続きを進めます。
輸出者の施設でバンニングをする場合は、税関に輸出申告→バンニング→CY搬入→税関検査(必要な場合)→輸出許可の順で手続きを進めます。
⑥海貨・通関業者は、B/Lインストラクション(B/I)とコンテナパッキングリスト(forCLP)(注)を作成し、輸出許可通知書と機器受渡書(EIRIN)をCYオペレーターに提出し、コンテナをCYに搬入します。
⑦海貨・通関業者は、コンテナと引き換えにCYオペレーターからドックレシート(D/R)(注)を受け取ります。
船会社の運送責任は、CYでコンテナを受け取った時点から始まります。
⑧海貨・通関業者は、船荷証券の記載事項や運賃等を確認の上、船会社から船荷証券を受け取り、輸出者に送付します。
LCL貨物の船積手配の基本的な流れ(CFSCFS)①輸出者は、定期船スケジュールを掲載した専門誌や船会社のHPで船を選び、商品名、数量、重量、容積、積揚港などの詳細を船会社に伝えて、必要なスペースを予約(ブッキング)します。
それを受けて船会社は、貨物を搬入するCFSを輸出者に指定します。
②輸出者は、船積依頼書(S/I)とインボイス、パッキングリスト、輸出許認可書類などの輸出通関に必要な書類を送り、輸出手続きの代行を海貨・通関業者に委託します。
③輸出者は、貨物を船会社から指定されたCFSに搬入します。
搬入時に、検査機関による検数と検量が行われます。
④CFSオペレーターは、ドックレシート(D/R)(注)を海貨・通関業者に発行します。
船会社の運送責任は、CFSで貨物を受け取った時点から始まります。
⑤海貨・通関業者は税関に輸出申告をして、輸出許可証をCFSオペレーターに提出します。
⑥CFSオペレーターは、輸出許可取得済みの複数の輸出者の貨物を混載してバンニングを行い、コンテナをCYに搬入します。
CYオペレーターには、B/Lインストラクション、コンテナパッキングリストおよび各輸出者から受け取った輸出許可通知書を提出します。
コンテナのCY搬出・搬入時には、機器受渡書(EIROUT/IN)をCYオペレーターから受け取ります。
⑦海貨・通関業者は、船荷証券の記載事項や運賃等を確認の上、船会社から船荷証券を受け取り、輸出者に送付します。
CFSでの作業料であるCFSチャージは、輸出者が船会社に支払います。
コンテナパッキングリスト(forCLP)コンテナパッキングリスト(forCLP)とは、コンテナに積み込まれた商品の名称、数量、個数、積載状況などの商品情報と、コンテナ番号やシール番号など、そのコンテナに関する情報が記載された書類で、コンテナごとに作成されます。
①商品情報……商品の名称、数量、個数、積載状況など②コンテナに関する情報……コンテナ番号やシール番号などコンテナパッキングリスト(forCLP)は、B/LインストラクションのSupplementSheetとして作成されています。
現在は、通関情報システム(NACCS)を利用したACL業務によるデータ送信処理が行われています。
データ入力は海貨・通関業者が行います。
コンテナ番号海上輸送に用いられるすべてのコンテナには、「ABCU1234567」のような固有の番号が付けられ、扉面に表示されています。
この番号は最初のアルファベット4文字で船会社、続く数字の番号でコンテナが特定されるしくみになっています。
船会社はコンテナ番号をもとに、本船への積み付けやコンテナの現在地確認などの管理を行います。
コンテナシールバンニングの終了後は、コンテナのドアにシール(施封)が施されます。
コンテナシールは、税関による貨物検査が実施されるとき以外は、輸入国でデバンニングを行うときまで開封されることはありません。
コンテナ番号とシール番号は、船荷証券に記載されます。
貨物の検数と検量輸出貨物は、定期船か不定期船かにかかわらず、検量や検数を行います。
これらの検査事業は、日本では港湾運送事業法にもとづく免許事業となっています。
検数や検量は、契約条件や輸入通関手続きなどで必要な場合、輸入国側でも実施されます。
検数票検数は製品類を中心として、個数を確認できる貨物のみに行われます。
コンテナ貨物輸出の場合は、検数は海貨・通関業者の倉庫(FCL貨物)やCFS(LCL貨物)などバンニングを行う場所で検数人(チェッカー)により実施され、結果は検数票(タリーシート:TallySheet)として発行されます。
なお、在来型貨物船の場合は、船会社に貨物を引き渡す場所、つまり総積み(→第4章㉔)の場合は船会社指定の港湾地区の上屋で、直積みの場合は本船で検数が行われます。
重量証明書と重量容積証明書輸出者は、重量や容積などの検量を受けて、第三者である検査機関から証明書を取得し、輸入者との決済や税関への申告に用います。
船会社も海上運賃の算出根拠とするために、検量を検査機関に依頼します。
重量の計測は「秤による方法」や、バルク貨物の場合は「船の喫水により計測する方法」など、商品の特性に合わせて実施され、計測結果は「重量証明書」(CertificateofWeight)や「重量容積証明書」(CertificateofWeight&Measurement)として発行されます。
機器受渡書機器受渡書(EIR:EquipmentInterchangeReceipt)とは、船会社がコンテナを輸出入者に貸し出したり返却を受けるときの受渡証明書のことで、コンテナヤード(CY)のゲートを出入りするときにCYオペレーターが発行します。
機器受渡書は、同じ書式で搬出(EIROUT)と搬入(EIRIN)が使い分けられます。
コンテナ受け渡しの流れFCL貨物の場合、輸出者から委託を受けた海貨・通関業者は、出荷準備が整うとバンニングを行うためにコンテナの貸し出しを船会社に申し込みます。
船会社は、輸出者から受けたブッキング内容を確認して、コンテナ貸し出しの指示をCYオペレーターに出します。
空コンテナは、CYのバンプール(空コンテナ保管所)に保管されているので、海貨・通関業者はCYで空コンテナを借り受けます。
CYオペレーターはコンテナの詳細や状態を記録した機器受渡書(搬出・EIROUT)を発行し、コンテナシール(→第4章⑨)を交付します。
海貨・通関業者は、バンニングと通関手続きを行った後、本船に積み込むための締切日時(CYカットオフ)までに、コンテナをCYに搬入します。
CYオペレーターは、コンテナ番号やシール番号、コンテナの状態を点検した後でCYへの搬入を受け入れ、コンテナ機器受渡書(搬入・EIRIN)を発行します。
LCL貨物の場合、バンニングはCFSオペレーターが行うので、EIRはCFSオペレーター宛てに発行されます。
輸入港側ではこの逆の流れで業務が行われ、中身の入ったコンテナをCYから搬出するときにEIROUT、デバンニング後の空コンテナをCYに返却するときにEIRINが発行されます。
B/Lインストラクション(B/I)B/Lインストラクション(B/I)とは、コンテナ輸送において、船荷証券に記載する内容を船会社に連絡する書類です。
この機能は、かつてはドックレシート(D/R:DockReceipt)が担っていましたが、業務効率化により統一フォームであるB/Lインストラクションに置き換わりました。
さらに現在は、通関情報システム(NACCS)(→第5章①)の船積確認事項登録(ACL:AccessControlList)を利用したB/Lインストラクション情報のデータ送信に移行しています。
B/Lインストラクション情報の入力は海貨・通関業者が行い、船会社やNVOCCは受信したデータを自社のB/L作成システムに取り込むことにより、業務効率化が行われています。
ドックレシートCYやCFSオペレーターが貨物を受取ったことと受取り時の貨物の状態を証する書類としてドックレシート(D/R:DockReceipt)が海貨業者に発行されます。
このドックレシートの貨物受取り確認の機能も、ACL業務を利用したペーパーレス化が普及しています。
船積確認事項登録(ACL:AccessControlList)業務船積確認事項登録は、通関情報システム(NACCS)が提供する船積関係書類の内容をデータ共有する機能です。
B/Lインストラクション、コンテナパッキングリスト、ドックレシート等の内容を電子情報として関係者が共有することにより、船会社やNVOCCが船荷証券を作成する際の業務効率の向上が図られています。
コンテナ輸送の船荷証券の書式コンテナ輸送では、輸出者が船積地のCFSやCYで貨物や貨物入りコンテナを船会社に引き渡すので、船荷証券も船会社が貨物を受け取った時点で発行できるように、「Received」と印刷された受取式船荷証券(ReceivedB/L)の書式で発行されます。
①船積日を証明する文言L/C決済などで、船積式船荷証券(ShippedB/L)を要求されている場合には、コンテナが本船に積み込まれてから、船積日を証明する文言「OnBoardNotation」の記載と署名がされた船荷証券の発行を受けます。
「OnBoardNotation」の入った受取式船荷証券は、船積式船荷証券と同等に銀行で買い取られます。
②コンテナ船B/Lの記載事項コンテナ船B/Lには、船積港や仕向港に加えて、貨物やコンテナを船会社が受け取る地点(PlaceofReceipt)と仕向国側での引渡地点(PlaceofDelivery)が記載されており、この区間が船会社の輸送責任の範囲となります。
受取地点は、FCL貨物の場合はCYまたは内陸の指定地点、LCL貨物の場合はCFSになります。
引渡地点は、FCL貨物の場合は仕向国側のCY、LCL貨物の場合は仕向国側のCFSになります。
③不知文言FCL貨物の場合、船会社はコンテナの内容物や数量などが荷主の申告どおりかどうか知ることができません。
このため船会社は、「コンテナの内容物は荷主の申告にもとづいて記載したものゆえ船会社はその正確性には責任を負えない」という主旨の免責文言を船荷証券に記載します。
この文言は不知文言(UnknownClause)と呼ばれます。
海上運送状海上運送状(SWB:SeaWaybill)とは、船荷証券のもつ「貨物受取証」と「輸送契約書」の機能を保持しつつ、貨物引渡請求権を取り去った非有価証券のことです。
近年、増大しつつあるグループ企業間の貿易取引では、輸入者は海外子会社なので、商品代金回収の心配はありません。
このような貿易取引では、船荷証券に裏書きをして流通させる必要はなく、また仕向港で書類の呈示をしなくても貨物が引き渡される海上運送状の利用価値が高まります。
海上運送状の書式と記載事項海上運送状の書式は船荷証券と同じですが、「SeaWaybill」または「Waybill」と「NonNegotiable」(流通性がないという意味)の文言が記載されています。
海上運送状の記載事項は、船荷証券と変わりませんが、受荷主(Consignee)欄は必ず記名式(→第2章⑤)で発行されます。
仕向港側では輸入者は海上運送状を船会社に提出する必要がなく、海上運送状に記載された受荷主であることが確認されれば、貨物は引き渡されます。
船荷証券の危機船舶技術の発展によりコンテナ船の輸送日数は短縮され、東南アジア近隣諸国や北米向けの船積みでは、荷為替手形の一部として銀行経由で送付される船荷証券よりも貨物のほうが早く仕向港に到着する、いわゆる「船荷証券の危機」(B/LCrisis)と呼ばれる事態が発生しています(→第4章⑲)。
この事態への対応策の1つとして、海上運送状の利用が考えられます。
船積案内の通知輸出者は、船積みを完了すると、契約番号、本船名、船会社名、B/L番号、荷揚港到着予定などの船積明細を知らせる船積案内(S/A:ShippingAdvice)をEメールやファックスで輸入者に連絡します。
輸入者の荷受準備輸入者は、輸出者から船積案内を受けたら、貨物を引き取るために、輸入許認可、代金決済、輸入通関、保険などの準備をします。
①輸入許認可の取得国際条約や輸入貿易管理令などの国内法により輸入規制を受ける商品の場合は、関係省庁から許可・承認証を事前に取得し、輸入通関時に税関に提出します。
②代金決済の準備送金決済の場合は、支払期日に送金を実行し、荷為替手形決済の場合は、銀行から呈示される船積書類を点検して契約どおりの内容であることを確認してから、為替手形を決済します。
③通関の準備輸出者や銀行経由で送付されてくる船積書類から、輸入通関に必要な書類を通関業者に渡し、輸入通関手続きの代行を依頼します。
④貨物海上保険の準備輸入者側で貨物海上保険を付保する取引条件の場合は、船積み前に保険会社に予定保険を申し込んでおき、船積案内の後に船積書類を受け取った時点で確定保険へ切り替えます。
⑤貨物引き取りの準備海貨業者や国内輸送業者にCYやCFSからコンテナや貨物を引き取る業務を委託し、自社倉庫で貨物の受入準備をします。
FCL貨物の引取手配の基本的な流れ①本船の仕向港到着が近づくと、船会社は船荷証券の到着案内送付先に到着案内を出し、輸入者に貨物の引き取り準備を促します。
本船から下ろされたコンテナはコンテナヤードに保管されます。
②輸入者は入手した船積書類を海貨・通関業者に渡し、輸入通関から商品引き取りまでの輸入手続きの代行を依頼します。
③海貨・通関業者は、船荷証券を船会社に差し入れて、CYオペレーター宛ての荷渡指図書(D/O:DeliveryOrder)を受け取ります。
船荷証券の運賃表示が後払い(FreightCollect)の場合は、輸入者は事前に船会社に運賃を支払っておきます。
④海貨・通関業者は、輸入申告書(I/D)、インボイス、パッキングリスト、原産地証明書、船荷証券のコピーなど輸入通関に必要な書類を添付して、税関で輸入通関の手続きを行います。
⑤コンテナは、コンテナヤードで輸入申告の手続き(申請、検査、許可等)を行い、許可後に輸入者が指定する倉庫にコンテナのまま輸送(ドレー)して、デバンニングするのが一般的です。
コンテナをコンテナヤードから海貨・通関業者等の保税倉庫に転送する場合は、保税運送の許可取得→CYオペレーターへのD/Oの呈示→コンテナ引き取り→保税倉庫にコンテナ搬入→輸入通関、の手順で手続きを進めます。
近年はペーパーレス化が進み、D/Oデータを送信する簡素化(D/Oレス)も普及しています。
⑥海貨・通関業者はデバンニング完了後、空になったコンテナをCYに返却します。
CYからコンテナを搬出するときと、空コンテナを返却するときは、CYオペレーターより機器受渡書(EIROUT/IN)がそれぞれ発行されます。
LCL貨物の引取手配の基本的な流れ①本船の仕向港到着が近づくと、船会社は船荷証券の到着案内送付先に到着案内を出し、貨物の引き取りを促します。
②本船から降ろされたコンテナは、船会社の手配によってCYからCFSに回送されます。
コンテナのCY搬出・搬入時にはCYオペレーターから機器受渡書(EIROUT/IN)が発行されます。
CFSオペレーターはデバンニングを行い、輸入者別に商品を仕分けます。
デバンニング時には、コンテナロードプラン(CLP)と照合して商品の数量不足や損傷の有無をチェックし、デバンニングレポートを作成します。
③輸入者は入手した船積書類を海貨・通関業者に渡し、輸入通関から商品の引き取りまでの輸入手続きの代行を依頼します。
④海貨・通関業者は、輸入申告書(I/D)、インボイス、パッキングリスト、原産地証明書、船荷証券のコピーなど輸入通関に必要な書類を添付して、税関で輸入通関手続きを行います。
輸入通関を海貨・通関業者の上屋(保税施設)で行う場合は、保税輸送の手続きを行います。
⑤海貨・通関業者は、輸入者から預かった船荷証券を船会社に差し入れて、CFSオペレーター宛ての荷渡指図書(D/O)を受け取ります。
船荷証券の運賃表示が後払い(FreightCollect)の場合は、輸入者は事前に船会社に運賃を支払っておきます。
⑥海貨・通関業者は、CFSオペレーターに荷渡指図書(D/O)と輸入許可書または保税運送承認書を提出し、CFSチャージを支払った後に貨物とデバンニングレポートを受け取ります。
デバンニングレポートデバンニングレポート(D/R:DevanningReport)とは、輸入コンテナから貨物を取り出した際の数量確認や商品の状況を記録した報告書のことです。
貨物に個数不足や損傷が発見された場合は、デバンニングレポートにリマークとして記載し、運送人への賠償請求や保険求償の帳票書類として使用します。
デバンニングレポートの作成FCL貨物の場合、輸入者が検査機関に依頼し、デバンニングを行う輸入者の施設または海貨・通関業者の施設で作成されます。
LCL貨物の場合、デバンニングレポートはCFSオペレーターの依頼によって検査機関が作成します。
検査機関は、コンテナのシール(→第4章⑨)に破られた形跡はないか、コンテナから取り出した貨物に損傷はないか、個数不足はないかなどといった点を確認して、異常があれば記載します。
デバンニングレポートの書式デバンニングレポートは各検査機関のもつフォームで作成されます。
記載される主な項目は、本船情報(本船名、航海番号、荷揚港と到着日、B/L番号)、コンテナ情報(コンテナ番号、コンテナシール番号)、商品情報(商品名、数、重量・容積など)、デバンニング情報(場所、日時)などがあります。
デバンニングは、アンスタッフィング(Unstuffing)と呼ばることもあります。
輸入貨物引取保証状輸入貨物引取保証状(L/G:LetterofGuarantee)とは、船荷証券を提出せずに輸入貨物を引き取るために輸入者が船会社に差し入れる保証状のことで、すべての責任を輸入者が負う内容になっています。
船会社は通常は銀行の連帯保証(BankL/G)を要求します。
中国や韓国など近隣諸国との取引で荷為替手形決済をした場合、時として貨物の到着に書類が間に合わないことがあります。
このことを「船荷証券の危機」(B/LCrisis)と呼びます。
このような場合は、船会社の同意が得られれば、輸入貨物引取保証状を差し入れて貨物を引き取り、後日船積書類を入手してから船荷証券を船会社に差し入れて、輸入貨物引取保証状を回収します。
デマレージ本船から荷揚げされたFCL貨物を積み込んだコンテナはコンテナヤード(CY)に保管されますが、コンテナヤード(CY)は長期保管を目的とした場所ではないので、輸入者はすみやかにコンテナを引き取ることが求められます。
船会社はフリータイムと呼ばれる一定期間(1週間程度)は無料でコンテナをコンテナヤード(CY)に保管しますが、フリータイムを超えても引き取りが行われない場合は、デマレージ(Demurrage)と呼ばれる延滞留置料を輸入者に課します。
デマレージが発生した場合は、輸入者がデマレージを支払わないとコンテナは引き渡されません。
ディテンションチャージFCL貨物の輸入では、輸入者はコンテナをコンテナヤード(CY)から借り受けて、海貨業者や自社の倉庫でデバンニングを行った後に、空コンテナをコンテナヤード(CY)に返却します。
船会社はコンテナ貸出期間に制限日数(この場合もフリータイムと呼ばれる)を設けており、無料貸出期間の期日までに返却されなかった場合は、ディテンションチャージ(DetentionCharge)と呼ばれる返却遅延料が輸入者に課せられます。
不定期船サービス不定期船(Tramper)の配船は、輸出者や輸入者が用船者となって、貨物の性状や船積数量に適した船を、船積予定日に合わせて用船(船の手配)をします。
取引量が多く安定的な配船が必要な場合は、連続航海などの長期間の用船を行うこともあります。
主な航路は、鉄鋼原料や穀物の生産国であるブラジル、豪州、南アフリカ、米国メキシコ湾岸からそれら原料の消費国である日本、欧州諸国、中国やアジア諸国となります。
不定期船の種類不定期船の主力となる船は、穀物や石炭などの各種バラ荷貨物を積載するのに適した「バルクキャリアー」と「在来型貨物船」で、大きさは日本近海を航海する積載重量1000トン程度の小型船から、世界中を航海する8万トン級のパナマックス船型(パナマ運河を通航できる最大船型)、さらには喜望峰回りの航路を採るケープサイズと呼ばれる10万〜30万トン級の大型船まで数多くあります。
その他、貨物の性状や積揚施設の大きさに合わせて設計された、鉄鉱石船、自動車専用船、原油タンカー、チップ船、重量物船などの専用船や特殊船も、不定期船として配船されています。
不定期船の手配方法用船契約の当事者である用船者(輸出者や輸入者)と船会社は世界中にあり、思いどおりの船がすぐに見つかるとは限らないので、一般的には海運ブローカーを介して用船交渉を行います。
不定期船の市場は、海運ブローカーのネットワークで構成されており、東京、ロンドン、ニューヨークを中心に取引されています。
不定期船の運賃のしくみ不定期船の運賃は、用船者と船会社間で航海ごとに交渉します。
定期船のように固定した「基本運賃」や「割増運賃」はなく、その時点の海運市況とコスト要素が織り込まれて運賃が決まります。
運賃の高低は、基本的には船腹と貨物の需給関係によって決まりますが、燃料油価格の高低といった運航コストの変動や、心理的な要因も加わって日々変動しています。
運賃の建値不定期船運賃の多くは、トン当たりの運賃率で決める重量建てで行われますが、貨物の形状によっては容積建てや総額(LumpsumFreight)で取り決める場合もあります。
トンの基準は、一般的にはメートル法によるメトリックトン(MT:MetricTon)が使用されていますが、一部の商品や地域によっては英トン(LT:LongTon)や米トン(ST:ShortTon)が使用される場合もあります。
運賃条件本船への貨物の積み込みや荷揚げは用船者が行う場合も多く、運賃に荷役費用を含むかどうかは、重要な運賃条件となります。
荷役費用にかかわる運賃条件は、次の4種類があります。
①FIO(FreeIn&Out)……積込、荷揚費用とも運賃に含まない。
②FO(FreeOut)……荷揚費用は運賃に含まず、積込費用は含む。
③FI(FreeIn)……積込費用は運賃に含まず、荷揚費用は含む。
④BerthTerm……積込費用、荷揚費用とも運賃に含む(LinerTermとも呼ばれる)。
用船契約書(チャーターパーティ)用船者と船会社との交渉が合意にいたれば、「用船契約書」(C/P:CharterParty)と呼ばれる輸送契約書を締結します。
用船契約にもとづいて発行される船荷証券は、「用船契約船荷証券」(CharterPartyB/L)と呼ばれ、「輸送条件は当該の用船契約書に従う」旨の文言が記載されています。
用船契約の要点用船契約を行う際の留意点は、次のとおりです。
①用船契約の当事者……用船者と船会社の確認②船の明細……名前、船籍、全長、幅、喫水、積載可能重量など船が使用予定の岸壁に安全に着岸できる大きさかどうかを確認します。
③貨物明細……商品名、荷姿、トン数、重量過不足の許容範囲など④港……船積港(LoadingPort)と荷揚港(DischargingPort)⑤運賃……運賃料率と建値、運賃条件⑥入港予定日……本船の船積港への入港日の期間に関する規定用船者が船積準備を整えて本船の受入可能となる最初の日(Laydays)と、船の到着が遅延した場合に用船者が無償で用船契約を解約できる日(CancellingDate)を取り決めます。
⑦停泊期間……船積港と荷揚港での許容停泊期間の規定通常、用船者が貨物の船積みと荷揚げに要する日数に制限が設けられています。
許容された停泊期間を超えた場合は用船者は滞船料(Demurrage)という賠償金を支払い、逆に早く荷役を終えた場合は早出料(DespatchMoney)という報奨金を受け取ります。
不定期船の船積手配の基本的な流れ①輸出者は貨物の荷ぞろいに合わせて用船契約を結びます。
②輸出者は、船積依頼書(S/I)と輸出通関に必要なインボイス、パッキングリスト、輸出許認可書類を海貨・通関業者に送り、輸出手続き代行を委託します。
③輸出者は、検査機関による検数や検量を受けます。
検数や検量の方法やタイミングは貨物の性状により異なります。
④海貨・通関業者は税関に輸出通関手続きをします。
・直積みの場合は、税関には艀中扱い、または本船扱いの手続きをとり、はしけ上または本船上で輸出通関を行います。
・総積みの場合は、海貨・通関業者は港湾地域の自社保税施設などで輸出通関を行い、税関から輸出許可取得後、船会社に指定された上屋に貨物を搬入します。
⑤船会社は本船宛てに船積指図書(S/O)を送ります。
⑥海貨・通関業者は輸出許可通知書(E/P)を本船に呈示。
⑦船積みの後は、本船は貨物受取証であるメーツレシート(M/R)を輸出者宛てに発行し、写しを船会社に送ります。
⑧船会社はメーツレシートと引き換えに、海貨・通関業者経由、または直接輸出者に船荷証券を発行します。
直積みと総積み直積みは、貨物をはしけで輸送し本船船側に横づけして積み込む方法で大口貨物に適しています。
船積設備を所有する輸出者であれば、自社岸壁に船を寄港させることもあります。
総積みは、岸壁近くの上屋で貨物を船会社に引き渡し、船側までの輸送と本船への積み込みは船会社が行う船積方法で、小口貨物の合積みに適しています。
船積指図書船積指図書(S/O:ShippingOrder)とは、船会社が本船船長宛てに出す貨物の船積みを指示する指図書のことです。
メーツレシートメーツレシート(M/R:Mate’sReceipt)は、船積完了後に本船の一等航海士(Mate)が輸出者宛てに発行する貨物受取証です船積指図書とメーツレシートは指図書と受取証の関係にあり、書式や記載事項はほぼ同じです。
実務的には、海貨・通関業者が船会社から船積指図書とメーツレシートのブランクフォームを預かり、輸出者からの船積依頼書(S/I)にもとづいて記入して、船会社には船積指図書(S/O)を提出、本船にはメーツレシート(M/R)を提出して、署名を取得する形式で発行されます。
保証状(リマーク消し)貨物を本船が受け取った時点で損傷が発見された場合、メーツレシート(M/R)に本船側は貨物の受取時点の状況を記録するため、リマーク(留保事項)を記載します。
メーツレシートに記載されたリマークは、そのまま船荷証券(B/L)に記載されることになります。
ただし、L/C決済ではクリーンB/Lを要求されるのが通常で、リマークの入ったB/Lは銀行から買い取りを拒否されます。
このような場合、船会社の合意が得られれば、輸出者はリマークをB/Lには記載しないことによるいっさいの責任を負うことを確約する「保証状」(L/G:LetterofGuarantee)を船会社に差し入れて、クリーンB/Lを発行することもあります(→第2章⑤、次図)。
不定期船貨物引取手配の基本的な流れ①輸入地仕向港に本船の到着が近づくと、船会社は船荷証券上の到着案内送付先に到着案内を出し、貨物の引取準備を促します。
②輸入者は入手した船積書類一式を海貨・通関業者に渡し、輸入通関から商品引き取りまでの輸入手続きの代行を依頼します。
また、船荷証券が運賃後払い(FreightCollect)で発行されている場合は、輸入者は船会社に運賃を支払います。
③海貨・通関業者は、船荷証券を船会社に差し入れて、荷渡指図書(D/O:DeliveryOrder)を受け取ります。
D/Oは直取りの場合は本船宛て、総揚げの場合は上屋管理者宛てに発行されます。
④海貨・通関業者は、税関への輸入通関手続きと本船からの貨物の引取手配をします。
直取りの場合、税関で「本船扱い」か「艀中扱い」あるいは「保税運送」の手続きをします。
本船に荷渡指図書(D/O)を呈示し、はしけに荷揚げをして、荷揚げ完了後は貨物受取証としてボートノート(B/N:BoatNote)を本船に渡します。
総揚げの場合、貨物は船会社の手配で本船から荷揚げされ、代理店からボートノートが本船に渡されます。
貨物は港湾内の上屋に搬入されるので、海貨・通関業者は輸入通関手続き後、荷渡指図書(D/O)と輸入許可通知証(I/P)を上屋の管理者に呈示して、貨物を引き取ります。
直取りと総揚げ不定期船貨物の荷揚げには、輸入者が直接本船から荷揚げする直取り(自家取り)と、船会社がすべての貨物を本船から揚げる総揚げの2種類の方法があります。
荷揚げ貨物の検数や検量は検査機関に依頼します。
到着案内書船会社は、本船の到着予定案内を船荷証券の到着案内送付先宛てに連絡し、貨物の引取準備を輸入者に促します。
到着案内書(ArrivalNotice)には、本船の到着予定日(ETA:EstimatedTimeofArrival)の他に、貨物を引き取る前に支払うべき港湾諸費用などの請求金額も記載されます。
荷渡指図書荷渡指図書(D/O:DeliveryOrder)とは、仕向港で船会社が直取りの場合は本船、総揚げの場合は上屋管理者宛てに発行する貨物の引渡指図書のことです。
輸入者は、船荷証券と引き換えに船会社から荷渡指図書を受け取り、輸入通関手続きを行った後に、荷渡指図書を本船または上屋管理者に呈示して貨物を引き取ります。
実務的には、正当な荷受人であることが確認できる場合、荷渡指図書は省略されることもあります。
ボートノートボートノート(B/N:BoatNote)とは、本船から貨物を荷揚げした際に、輸入者の委託を受けた検査機関が本船宛てに渡す貨物受取証のことです。
ボートノートには、品名、個数、荷印、荷揚日などの貨物荷揚げに関する明細が記載されます。
もし、個数の不足や貨物の損傷が発見されれば、その状況はボートノートにリマークとして記入され、後日船会社に対する賠償請求や保険会社へ求償する際の証拠書類として使用されます。
航空貨物輸送のサービス貿易取引の貨物を航空機で輸送する場合は、フォワーダーと呼ばれる航空貨物混載業者に手続きを依頼する「混載貨物」の方法が一般的です。
フォワーダーは、輸出者の施設で貨物のピックアップから梱包、ラベリング、書類作成、通関業務代行などを含めた一貫サービスを提供しています。
スピードが命の航空輸送では、機械パーツや電子部品など多くの航空貨物が、利便性の高いフォワーダーを介して輸送手配がされています。
他の貨物と混載できない危険物や、到着後の貨物引き取りに一刻を争う保冷品などの場合は、フォワーダーを介さず航空会社(またはその代理店)に直接申し込む「直載貨物」の方法が採られます。
航空運賃のしくみ航空会社が輸送する航空運賃は、IATA*(国際航空運送協会)で規定されています。
その運賃体系は重量の増加にともない、1Kg当たりの運賃が段階的に下がる重量逓減制が適用されています。
フォワーダーは、複数の輸出者の商品を1つの貨物に取りまとめて、自らが荷主となって航空会社に輸送を申し込むことで、より低い料率のIATA運賃を航空会社から仕入れます。
一方で、各輸出者には、輸送人として個々に航空会社に申し込むよりは割安な運賃を提供しています。
ブッキングの方法航空機のフライトスケジュールは専門誌に記載されていますが、通常は輸出者がフォワーダーに電話でフライトの発着スケジュールを確認し、貨物のピックアップ日時の打ち合わせをして予約します。
*IATA:InternationalAirTransportAssociation
航空運送状航空運送状(AWB:AirWaybill)とは、航空会社やフォワーダーが輸出者宛てに発行する貨物受取証と輸送契約書の機能をもつ非有価証券のことです。
航空運送状は、到着空港側で貨物の引渡請求権の機能をもたない点で、船荷証券(→第2章④)と異なります。
輸入者が到着空港側で貨物を引き取る際、航空会社やフォワーダーに航空運送状を提出する必要はなく、航空運送状に記載された受荷主であることが確認されれば、貨物は輸入者に引き渡されます。
したがって、航空運送状は受荷主名(Consignee)の記載を必須記入事項とする記名式で作成され、流通性はありません。
航空運送状は、輸入者(受荷主)宛てにも作成され、貨物と同じ航空機で輸送されて、貨物の引き渡しや輸入通関手続きに使われます。
航空運送状の書式と記載事項航空運送状は、IATA(→第4章㉘)の書式で作成され、貨物が搭載された航空機便名、発地空港、仕向空港、輸出者名(荷主)、輸入者名(受荷主)、商品名、数量、価格などが記載されます。
マスターエアウェイビルとハウスエアウェイビル航空会社が発行する航空運送状は、マスターエアウェイビル(MAWB)と呼ばれ、直載貨物の場合は輸出者宛て、混載貨物の場合にはフォワーダー宛てに発行されます。
フォワーダーが各輸出者宛てに発行する航空運送状は、ハウスエアウェイビル(HAWB)と呼ばれます。
マスターAWBかハウスAWBかの違いは、運送状発行者の「IssuingCarrier」の欄で発行者が航空会社かフォワーダーかを確認することで識別できます。
混載貨物の輸出手配の基本的な流れ輸出者は、商品の性質や重量、緊急度などを考慮して直載貨物か混載貨物かを決めて、商品の出荷準備を行います。
現在は、利便性から次のような混載貨物での輸送が一般的となっています。
①輸出者は、インボイスやパッキングリストなど通関手続きで必要になる書類を準備し、フォワーダーに航空機のスペース予約や輸出手続きの代行を依頼します。
フォワーダーは通関業も兼ねているので、集荷や梱包、輸出通関など一連の業務をまとめて引き受けています。
具体的には、輸出者の工場や倉庫から商品を集荷し、空港近隣にある自社の倉庫に搬入の後、倉庫で梱包や商品の検数と検量を行い、ハウスAWB番号や仕向地などを記載したラベルを梱包の目立つ箇所に貼り付けるなどの出荷準備を行います。
②通関業者としてのフォワーダーは、自社施設内の保税地域に商品を搬入し、税関への輸出手続きを行います。
③税関の輸出許可後、フォワーダーは他の輸出者の貨物との混載でパレット化を行い、航空会社の貨物ターミナルに保税輸送します。
航空会社には、インボイス、パッキングリスト、輸出許可通知書(E/P:)、受荷主用ハウスAWBを提出します。
④航空会社は、フォワーダーにマスターAWBを発行します。
貨物はULD(UnitLoadDevice)と呼ばれる航空機運送用コンテナやパレットに積み付けられて航空機に搭載されます。
航空機には、貨物と一緒にインボイス、パッキングリスト、受荷主用のエアウェイビル(マスターとハウスの両方)も輸送され、輸入国側で輸入通関に使用されます。
⑤フォワーダーは輸出者にハウスAWBを発行します。
混載貨物の輸入手配の基本的な流れ①仕向空港に航空機が到着すれば、航空会社は貨物を航空機から下ろし、空港内の貨物ターミナル(上屋とも呼ばれる)に搬入します。
貨物はコンテナやULD(→第4章㉚)から取り出され、マスターAWBの受荷主別に仕分けられます。
②一方で航空会社は、航空機の到着に合わせて電話やファックスで受荷主に到着案内を連絡し、商品の引き取りを促します。
航空会社の到着案内は、マスターAWBの受荷主であるフォワーダー宛てに出され、フォワーダーはハウスAWBの各受荷主に到着案内を出します。
③輸入者は通関業者に輸入通関手続きの代行を依頼しますが、フォワーダーは通関業務も行っているので、輸入通関手続きから貨物の引き取りまで一貫してフォワーダーに委託するのが一般的です。
④航空会社は、マスターAWBの受荷主であることと、輸入通関か保税輸送手続きを終えていることを確認後、貨物ターミナルの管理者宛ての貨物引渡指示書をフォワーダーに発行します。
⑤フォワーダーは、貨物を空港近辺の自社保税倉庫まで保税輸送し、混載したパレットを開梱してハウスAWBの受荷主別に貨物を仕分けます。
輸入者は、税関への輸入通関手続きを行い、輸入許可取得後、運送業者に輸送の手配をして商品を引き取ります。
直載貨物の航空貨物引き取りの流れ直載貨物の場合、輸入者は遅滞なく貨物を引き取ることが求められます。
輸入者は税関から輸入許可を得て貨物をターミナルから引き取るか、空港近隣にあるフォワーダーの保税倉庫に保税輸送して輸入通関を行います。
リリースオーダーリリースオーダー(R/O:ReleaseOrder・航空貨物引渡指図書)とは、信用状発行銀行を荷受人として輸送されてきた輸入航空貨物を、輸入者(信用状発行依頼者)に引き渡すようにと指示する指図書のことで、銀行から航空会社またはフォワーダー宛てに出されます。
航空貨物の代金決済を信用状付荷為替手形で行う場合、信用状発行銀行は貨物を担保とするために、銀行を貨物の荷受人とした航空運送状を信用状の要求書類とするのが一般的です。
その場合、実際の貨物の荷受人である輸入者は、航空運送状に「到着案内追加送付先」(AlsoNotifyParty)として記載されます。
輸入貨物の到着案内を受け取った輸入者は、銀行との代金決済を終えた後、銀行から受け取ったリリースオーダーと引き換えに、航空会社またはフォワーダーから貨物を引き取ります。
リリースオーダーの書式リリースオーダーは、航空会社またはフォワーダーが作成します。
輸入者は、航空会社またはフォワーダーから原本を受け取り、銀行の署名・捺印を取得した後に戻します。
複合一貫輸送のしくみ複合一貫輸送(CombinedTransport、MultimodalTransport)とは、船や航空機、貨車、トラックなど複数の輸送手段にまたがる輸送を1つの契約として引き受ける輸送契約のことです。
輸出入者にとっては、輸送の始点から終点までを継ぎ目なく契約することで、輸送接続地点でのさまざまなリスクを回避することができるメリットがあります。
複合一貫輸送は、コンテナ貨物の増加とともに一般的になり、現在はコンテナ貨物以外でも行われています。
複合一貫輸送の引受人(MultimodalTransportOperator)は、船会社、商社、倉庫会社、海貨業者、フォワーダーなど貿易取引の輸送に携わる企業が行っています。
その一方で、自らは輸送手段を持たずに、運送人として複合一貫輸送契約を結び複合運送証券を発行する輸送人のことを、NVOCC(NonVesselOperatingCommonCarrier)と呼びます。
複合運送証券複合運送証券(CombinedTransportB/L)とは、陸・海・空の輸送手段を2つ以上組み合わせた、複合一貫輸送を引き受ける輸送人が発行する有価証券で、貨物の荷受地から荷渡地までの全区間の輸送責任を負います。
ICC(国際商業会議所)は、国際連合貿易開発会議(UNCTAD)と協同して、「UNCTAD/ICC複合運送書類に関する規則」を1992年に制定しました。
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