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第3章法規制と取引の交渉・契約にかかわる書類

目次

第3章法規制と取引の交渉・契約にかかわる書類■法規制

  • ①法規制による貿易管理とは
  • ②輸出の許認可とは
  • ③輸入の許認可とは■取引交渉と契約
  • ④信用調査報告書とは
  • ⑤オファーとは
  • ⑥貿易取引の契約書とは

第3章法規制と取引の交渉・契約にかかわる書類■法規制

貿易取引の法規制

貿易取引を行う輸出者と輸入者は、それぞれの国で施行されている国内法や、国が批准している国際条約を守らなければなりません。

貿易取引でもコンプライアンス(法令遵守)は極めて重要で、知らなかったではすまされないのです。

輸出入者は、法規制を受ける商品の輸出入を行う場合、その規制を管轄している関係省庁から事前に輸出入許可や承認を取得しなければなりません。

貿易を規制する国内法日本の貿易は、「外為法(外国為替及び外国貿易法)」を基本法とし、関税関連法とその他の法令が補強する法体系で規制されています。

規制の詳細は、貨物は外為法下の政令である「輸出貿易管理令」と「輸入貿易管理令」に、技術は「外国為替令」に規定されているので、規制を受ける貨物や技術を輸出入しようとする場合は、事前に経済産業大臣の許可、承認、割当を受けなければなりません。

その他の法令により規制を受ける貨物の場合、その法律を管轄する省庁から事前に許認可を受けておく必要があります。

例えば、「文化財保護法」は文化庁、「食品衛生法」は厚生労働省が管轄です。

貿易を規制する国際条約貿易にかかわる代表的な国際条約には、次の条約があります。

①ワシントン条約……絶滅の危機に瀕する動植物の保護②バーゼル条約……有害廃棄物の貿易規制③モントリオール議定書……オゾン層破壊物質の貿易規制④ワッセナーアレンジメント……武器や大量破壊兵器転用物の規制

輸出許可・承認証外為法の輸出貿易管理令の規制を受ける貨物を輸出する場合および外国為替令の規制を受ける技術を提供する場合は、経済産業大臣の「輸出許可・承認証」(E/L:ExportLicense)を取得する必要があります。

申請書には、「買主名」「荷受人」「仕向地」「商品名」「価額」などの主要項目を記入します。

申請書を補完するため、輸出者は「申請理由書」や、使用目的や経由地などの詳細を記載した「申請内容明細書」を添付します。

輸出貿易管理令による貨物の輸出規制輸出貿易管理令は、貨物の輸出の許可、承認などにかかわる事項を規定しており、規制品目は「別表1」に記載されています。

別表1には、武器やロケット推進装置など具体的な品目名がリストアップされている「リスト規制」(別表1の1項〜15項)と、品目を限定せずに大量破壊兵器や通常兵器に使用されるおそれのあるすべての貨物を対象とする「キャッチオール規制」が規定されています。

外国為替令による技術提供の規制外国為替令は、外国において技術を提供する行為や、国内において非居住者に技術を提供する行為に対して、許可あるいは承認を必要とする技術(プログラムの概念も含む)を規定しています。

規制される技術は、貨物と同様に別表の第1項から第15項にリスト規制技術が記載され、第16項にキャッチオール規制が規定されています。

輸入承認証外為法の輸入貿易管理令の規制を受ける商品を輸入する場合は、経済産業大臣の「輸入承認証」(I/L:ImportLicense)を事前に取得する必要があります。

ただし、「輸入割当品目」を取得する場合は、先に割当申請を行い、割当承認を得た後に輸入承認を申請します。

申請書には、「商品名」「関税率表番号」「原産地」「船積地域(港)」「数量」「価格」などの主要項目を記入します。

輸入貿易管理令による輸入規制輸入承認や割当が必要な品目は、輸入公表として公示されています。

①輸入公表第1号……輸入割当品目(IQ品目:ImportQuota)事前に数量や金額による割当を受けたものだけが輸入申請できる品目で、「IQ品目」または「非自由化品目」と呼ばれます。

国内産業の保護(にしん、たらなどの近海魚)や国際条約(モントリオール議定書)の規制品目が含まれています。

②輸入公表第2号……輸入承認品目特定の原産地または船積地域を対象とする「2号承認」の品目(中国、北朝鮮、台湾のさけ、ます、調製品など)と、原産地や船積地域にかかわらず承認を要する「2の2号承認」の品目(武器や廃棄物など)が規定されています。

③輸入公表第3号……事前確認及び通関時確認品目所管大臣の事前確認を必要とする「事前確認品目(文化財など)」と、輸入通関時に税関に所定の書類を提出する「通関時確認品目(けしの実など)」が規定されています。

*食品衛生法などその他の法令にかかわる輸入規制品は、関係省庁から事前に承認書や確認書などを取得します。

取引先の信用調査の方法取引先の信用調査は、取引先への訪問面談、取引銀行への照会、業界内での情報収集、専門調査機関への調査依頼などさまざまな方法を織り交ぜて行います。

なかでも、専門調査機関による調査は、客観的な情報や評価を迅速に取得できるので、費用はかかりますが、広く利用されています。

信用調査報告書信用調査報告書は、各調査機関がそれぞれの特色を出した書式で作成しています。

信用調査報告書には、次のように多くの項目について調査機関による独自の評価が記載されます。

また、それぞれの項目ごとの評価や総合評価は、次の報告書の例のように点数やランク付けで表わされたりしています。

①基本情報……会社の沿革、規模、主要株主など②営業情報……業界での位置や業歴など③財務情報……手元資金や借入状況など④経営情報……安定性、成長性、経営者の資質など信用調査機関信用調査機関は、世界各国にあります。

ダンレポートの名で知られる米国のDun&Bradstreet社や、日本では帝国データバンク社や東京商リサーチ社などが広く知られています。

オファーオファーは、契約交渉の当事者が「この条件で商品を売るまたは買う」ことを相手に確約することで、「ファームオファー」(FirmOffer)とも呼ばれます。

オファーの書式や記載項目は、商品の特性に合わせて自由に作成されます。

一般的な項目は、次のとおりです。

①オファーの有効期限……出したオファーは有効期限内は撤回することができず、また有効期限を過ぎたオファーは無効となります。

②契約の当事者……売り手(Seller)と買い手(Buyer)③商品情報……商品名・数量・重量・個数・荷姿などが誤解が生じないように商品に適した表現で明記されます。

④価格情報……インコタームズの取引条件をもとに単価や総額が記載されます。

⑤輸送情報……輸送方法・船積時期・船積港・仕向港など⑥決済・保険情報……代金決済の方法・保険条件などカウンターオファーと契約成立受け取ったオファーを無条件で承諾すれば契約は成立しますが、価格の値引きや納期などの条件変更を望む場合は、この条件なら承諾する旨の「カウンターオファー」を返します。

カウンターオファーは元のオファーをいったん拒絶して、新規のオファーを行ったとみなされます。

交渉はカウンターオファーをたがいに繰り返し行い、どちらかが相手のカウンターオファーを無条件に「承諾」(Acceptance)すれば、契約は成立します。

契約書契約書は、売り手と買い手が売買交渉の合意結果を確認する書類で、交渉段階で合意した事項(商品、数量、重量、個数、荷姿、価格、輸送方法、船積時期、保険条件、代金決済など)に加えて、不可抗力条項や準拠法などの一般的な取引条件を記載して作成されます。

契約書は、通常は2通正本を作成し、両者が署名した後に双方で1部ずつ保管します。

契約書の書式契約書の書式(Form)は、契約条項をすべて文章で記載して作成する方法(→次図)と、あらかじめ自社の取引条件を裏面に印刷した「売約書(SalesNote)」または「注文書(PurchaseOrder)」などの定型フォームを使用する方法があります。

どの書式を使うかは、その取引に適した方法を売り手と買い手の間で協議して取り決めます。

一般的には、大きなプロジェクトや継続的な取引の基本契約では文章形式の契約書が使用され、単発的な取引では定型フォームが使用されています。

定型フォームを使用する場合、おたがいに自社のフォーム使用を主張して、議論が交わされることがあります。

これを「書式の戦い」(BattleofForm)と呼んでいます。

ウィーン売買条約(CISG)貿易取引での売り手と買い手の権利義務や損害賠償などの一般的な契約条件については、「国連国際物品売買条約*」(CISG:通称ウィーン売買条約1988年発効)が結ばれています。

日本はこの条約の71カ国目の締約国として2008年に加入しました。

*正式名称は「国際物品売買契約に関する国連条約」CISG:UnitedNationsConventiononContractsfortheInternationalSaleofGoods

 

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