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第1章 幸せで充実した仕事選びとは

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はじめに

嫌な仕事で食べていけるほど、世の中、甘くありません。そんな時代になりました。

まだ古い時代の考えで生きている人は、「好きな仕事で食べていけるほど、世の中、甘くないんだよ」と言うでしょう。

しかし、自分を殺して働く若者の離職率はどんどん高くなり、年齢を問わず、うつやパニック障害といった精神疾患は増えています。

企業は、このような状態を鑑み、入社後のマッチングを重視するようになってきました。

その人がやりたい仕事、好きなこと、適性を、慎重に見極めようとしていきます。

そのため「お給料は我慢料」だと思っている人は、職に就くことがどんどん難しくなっています。

働く人の環境も変わりました。SNS、ブログ、動画……インターネットにより情報は豊かです。

したいことができる場を見つけることも、したいことを仕事にして広めることも、簡単にできるようになりました。

副業や独立起業も気軽にできますし、会社員の中にも、これらを上手に利用して、顧客との関係づくりに活かしている人もいます。

モノもサービスもあふれる中、何を選ぶか以上に、「誰から買うか」「誰が勧めるか」「自分の感性にあうモノ・サービスか」が判断基準になってきています。

自分のまわりはときめくものだけにしようという考えも広まりました。

AIの進化も著しい。今後ますます、嫌な仕事を我慢しているしかめっ面の人は、生きづらくなっていきます。

逆に、個々が自分らしく天職を生きることが許される時代になったといえます。もう個性を活かして働くのは、一部の特別な人だけのものではなくなったのです。

『3つの自己分析』であなたが手にするもの改めまして、こんにちは。

天職コンサルタントの梅田幸子です。

3社で主に人財採用や育成の仕事をしたのち、個人のキャリアをサポートしたいと2005年に独立しました。

同時に、企業の採用や人財に関するアドバイスもしています。

個人のキャリア相談では、「心が喜ぶこと」と、その人が無理なく自然にしている「強み」がかけあわさった仕事を見つけ、天職へつなげるコンサルティングをしています。

同時に、生きづらさを解消し、天職を実現するための、心や身体を育てるアプロ─チも行っています。

相談に来られるのは、会社員、学生、ニート、経営者、フリーランス、著者、アーティストなどさまざまです。

人生の選択肢の可能性を感じる毎日。本書ではそのノウハウを「自己分析」にアレンジしてご紹介します。

自己分析セミナーの依頼は、独立当初、30名程度のグループワーク形式の講師が多かったのですが、2009年に発売となった『あなたの天職がわかる最強の自己分析』(当社刊)はお陰様でヒットし、大規模なセミナーに講師として呼ばれることも増えました。

数百名となると、わたしが全員のワークを見て個別にアドバイスすることはできません。

そこでわかった「ひとりだとつまずきやすい部分」を改良し、「進めにくいワーク」を差し替えてつくり直したのが本書です。

また、企業や業界団体からの依頼で、採用面接や面接官研修も行っています。これまでに面接した人数は、4000名以上、書類選考だけならば、少なくとも4~5万人になると思います。

そして、面接官や社長の採用現場での生々しい言動も毎年見ています。このような採用側の本音を踏まえてアドバイスしていきます。

本書は、

  • 仕事はつらいものだと思っている。自分が輝ける仕事があるとは信じられないけれど、あるなら目指したいと思っている人
  • 自分を生きると決めたけれど、自分は何が好きで、何が得意なのかが、まだよくわからない人
  • 好きな仕事に就いているはずなのに、なんか、もやもやしている人

のために書きました。

本書で取り組んでいただく、『3つの自己分析』と『仕事選び』で、あなたが一番輝く、喜びで満たされる仕事=天職を手にすることができます。

天職とは、3つの意味を込めています。

ライクワーク(likework)、ライフワーク(lifework)、ライトワーク(lightwork)です。

ライクワークは、大好きで向いている「やりたい!」と思う仕事。ライクワークを生きる人は、仕事が楽しく、やる気もあって、うきうき、ワクワク、パワフルです。

ライフワークとは、生まれてきた使命や夢、志に生きる仕事。本来の自分らしさを活かして人の役に立ち、喜びを共有する働き方です。好き嫌いを超え、わき出るようなモチベーションで生きているので、とてもエネルギッシュです。

ライトワークとは、天命で動く仕事。自我を超え、天からの命令で動かされる仕事です。それは本人の魂の喜びでもあり、その人らしさを存分に活かせる仕事。

本書では、これらを含めて天職とし、「心が喜ぶ仕事」と呼んでいます。

あなたのステージにあわせて、しっくりくる意味を当てはめながら読み進めてください。

これらに対するのがライスワーク(ricework)。生活費を稼ぐために、ストレスを抱えながら嫌々する仕事です。

とはいえ、モノにあふれ、社会保障もある今の日本で、働かないからといって餓死することはありません。

ですから、純粋に食べるために働くことは、モチベーションとしては弱いです。それでもなぜ、人はライスワークを選ぶのか。それは、人間関係です。人は個体としては弱い動物。仲間との協力によって強くなりました。

つまり人間にとって、仲間からはずされることは死活問題なのです。

だから人は、嫌われないように、認められるように、間違えないように、自分を殺して働いてしまうのです。

完璧な未来と、心が喜ぶ未来は違う。

他人軸を卒業して、天職を生きよう真面目でいい人、正義感の強い常識人という「他人軸」バリバリだったわたしですが、自分らしく、自由に仕事をし、遊ぶようになるほどに、信頼できる仲間や慕ってくれる人たちが増えてきました。

それは、昔、特別な人だけのものだと思っていました。でも、違ったんですね。

本当は、自分らしさを押し殺すことこそが人間関係を悪化させる原因であり、成功しても幸せじゃない根源だったのです。

個人のキャリアの相談に乗ってきた経験、数十社での4000名以上の面接、そして自分自身の変化を通して、自分らしくあることが、幸せに成功し、人間関係も豊かにするのだと実感しています。

あなたの「喜び」と「得意」を表現すること、「苦手・ストレス」を堂々と避けていくことが、天職への道であり、幸せな人間関係を築く秘訣でもあります。

「誰にでも自分らしさを活かして、イキイキと輝ける天職がある」出逢いの数が増えるたびに、確信を深めています。

では、あなたの輝かしい未来にめいっぱい大きな期待をして、あなたが「一番輝く」自己分析を今からはじめていきましょう。

梅田幸子

Contents

第5章「心が喜ぶ」×「得意」ゾーンの仕事選び

28仕事選びのポイントを定めよう『天職のマトリクス』の書き方▼シート㉓『天職のマトリクス』29仕事をリストアップする▼シート㉔仕事リストアップ表30『会社サーフィン分析』をしてみよう『会社サーフィン分析』の進め方▼シート㉕『会社サーフィン分析』【解説】もう一度、仕事のリストアップを31志望企業が少なすぎて不安な人へ▼シート㉖「喜びの源泉」を再確認するワーク▼シート㉗「特性」を再確認するワーク32志望企業が絞れない人へ▼シート㉘情報収集準備シート33自己分析は「行動」と「分析」のセットで「らせん状」に深める34キャリアビジョンは、「どうありたいか」で描こう▼シート㉙「どうありたいか」を考えるワークおわりに

第1章幸せで充実した仕事選びとは

▼シート①『心が喜ぶことリスト』

目次

01「心が喜ぶ」×「得意」の仕事を選ぶ

好きな仕事をしたい……、得意なことを仕事にしたい……。

その願いを実現するために、自己分析は2つの視点からはじめましょう。

  1. 1つ目の視点:喜びを感じるか、ストレスを感じるか
  2. 2つ目の視点:得意か、苦手か

次の表を見てください。

2つの視点を縦軸と横軸にとって、仕事を4つの種類に分類してみました。それぞれのゾーンの特徴を簡単に説明します。

「心が喜ぶ」×「得意」で仕事を選ぼう

あなたらしさを活かして、イキイキと輝くことができるのは、右上の「心が喜ぶ」×「得意」ゾーンの仕事です。

このゾーンは、その仕事をしているだけで喜びを感じられるうえに、得意なことなので早く成長できます。

成長したぶん、お客さまや社内の人など、まわりの人から感謝されることが増え、ますます仕事がおもしろくなります。

また、大好きで喜びあふれる仕事なら、少々大変なことがあっても、乗り越えることができますよね。

得意なことなので、取り組んだぶんだけ成長します。すると成果が出て、実績ができます。信頼され、認められます。

信頼や感謝が原動力になって、より大きな力を発揮することができます。

こんないい循環がはじまると、不思議と応援してくれる人が集まってきますし、経済的にも安定します。自信と誇りがもてるので精神的にも満たされた状態です。

これこそが、この本を通してあなたに手にしていただきたい未来なのです。

これは「心が喜ぶ」×「得意」ゾーンの仕事で実現できるのですが、天職コンサルティングで一番多い相談は「やりたいことがわからない」。

次に「得意なことがない。強みがわからない」という相談。

あなたも「心が喜ぶ」×「得意」ゾーンの仕事なんてあるのだろうか?と不安に思われるかもしれません。大丈夫。安心してください。

わたしが面接した4千名、そしてコンサルティングでお会いした数千名の中に「この人は、『心が喜ぶ』×『得意』ゾーンの仕事に就くのは無理だろう」と感じた人は1人もいませんでした。

誰もが「喜びの源泉」と「得意の種」をもっています。

しっかり見つけて育ててあげたら、誰でも「得意」で「心が喜ぶ」仕事を手にすることができるのです。では、ほかのゾーンを仕事にした場合も見ておきましょう。

「ストレス」×「苦手」では、基本的に仕事になりません

もっとも選んではいけないのは、左下の「ストレス」×「苦手」ゾーンにある仕事です。

このゾーンの仕事に応募しても不採用が続くでしょうし、万が一採用されたら、つらい日々になる可能性が高いです。

職場で「仕事ができない」「やる気がない」とレッテルを貼られている人の多くは、「ストレス」×「苦手」ゾーンの仕事をしています。

本人はがんばっているつもりですが、本当はしたくないことなので心の底から気持ちを込められず、周囲からはやる気がないように見られます。

しかも苦手なので、がんばりが成果に結びつきにくいのです。そうすると次第に、その人はがんばりを評価しない周囲を責めるか、自信がもてずに自分を否定しはじめます。

不満や不安が多い人生を送ることになってしまうのです。わたしの場合、このゾーンに当てはまる仕事は経理です。

「たんたんとミスなく入力」という作業は、短い時間でもストレスを感じてしまいます。

「ストレス」×「苦手」ゾーンの仕事でつらい毎日を送るより、「心が喜ぶ」×「得意」ゾーンの仕事を目指しましょう。

「ストレス」×「得意」だと、成功すればするほどつらくなる「お給料は我慢料」という言葉があるように、日本人は右下の「ストレス」×「得意」ゾーンの仕事を選ぶ人が多いです。

このゾーンの仕事に就くと、得意なので成果が上がり、認められます。会社員ならお給料が上がり、昇進もするでしょう。独立していればお客さまがどんどん増え、売り上げも利益も増えていきます。

しかし、物質的に満たされ、社会的に認められても、毎日ストレスが大きな仕事をしている本人には充足感がありません。

このゾーンの特徴は、自分らしさを押し殺しているので、がんばればがんばるほどストレスが大きくなることです。

また、本来の喜びとは逆の方向に進んでいるので、力をつければつけるほど喜びから遠ざかってしまいます。

あなたには、「得意だけれど喜びを感じないこと」はありませんか?たとえば、次に挙げることは「ストレス」×「得意」ゾーンに入ります。

  • 上手にできるけれど退屈なこと
  • 人によく頼まれたり、ほめられたりするけれど、あまり好きだとは思わないこと
  • 人に喜ばれるのはうれしいが、それをすること自体にはわくわくしないこと

人に喜ばれてうれしい気持ちと、自分の中からわき出てくる喜びを混同しないように気をつけてください。

最初は人に喜ばれるのがうれしくてがんばれます。しかし、体の奥から喜びを感じられないことは長続きしません。

わたしの場合、このゾーンに当てはまる仕事は、パソコンのタイピングです。以前、パソコンスキルを診断してもらう機会がありました。

指定された文章を10分間パソコンに打ち込み、タイピングのスピードをレベル分けするというもの。

その結果に驚きました。

なんと、「スーパー・オペレーター・レベル」。プロのオペレーターの中でも、もっとも早いレベルだったのです。わたしにとってタイピングは得意な仕事のようです。

しかし、先ほどの経理の話を聞いてお気づきでしょう。

「たんたんとミスなく行なう作業」はわたしにとってはストレス。だから、タイピングは得意ですが仕事にはしません。

このゾーンの特徴は、がんばればがんばるほどストレスが大きくなり、力をつければつけるほど喜びから遠ざかってしまうこと。

能力が高くて、器用ながんばり屋さんが陥ってしまいがちなゾーンです。

キャリアアップを繰り返し、世界的な大企業で役員になろうかという人がコンサルに来て、「あと10年も続ける気力がない」と言い、複数店舗を構えるほどに成功した経営者たちからも、「成功したけど、むなしい・さみしい」「うつになった」と相談を受けます。

「得意」で「ストレス」な仕事は、経済的に成功し、地位や名誉は得られるかもしれませんが、自らの魂の喜びとはズレているため、幸せではないのです。

「心が喜ぶ」×「苦手」は、好きなことを嫌いに変える左上の「心が喜ぶ」×「苦手」ゾーンは、要注意です。

心が喜ぶことならば、苦手であっても仕事にしてもいいと考えてはいませんか?やる気と熱意を買われて、苦手な仕事でも採用されることがあります。

しかし、苦手なことでは成果を出しにくいものです。

成果が出せないため、まわりから評価されず、自分自身の仕事ぶりに納得できなければ、仕事はどんどんおもしろくなくなってしまいます。

「心が喜ぶ」仕事を選んだはずが、結果として、「ストレス」×「苦手」ゾーンへ入り込んでしまうのです。

02「心が喜ぶ」ことを考えよう

では、最初のワークです。まず、これまでの人生を振り返って「心が喜ぶ」ことを思い出してください。

それぞれの時代ごとに、たとえば以下のようなことを意識してみましょう。

  • ●何に熱中していましたか?時間を忘れるほど夢中になったことは?
  • ●心が喜ぶ瞬間は、どんなときですか?
  • ●楽しい思い出はありますか?うれしかったことや、うきうきしたことは?
  • ●何が好きでしたか?
  • ●心穏やかに取り組めることは何ですか?
  • ●楽しい時間、満たされた気持ちになるのはどんなときですか?

次の図の『心が喜ぶことリスト』に書き出してみましょう。

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