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第 3講 自分を変える幸せを引き寄せる『ポジティブ脳』のススメ

17 幸せの度合いは、境遇ではなく、脳が決めていた? 18 朝イチバン、やるべきことはポジティブ活動 19 生き残るために、脳はネガティブ思考を選んだ? 20 「自分探索」で、脳が、あなたが、喜ぶ瞬間を探る 21 揺るがない柱が「安全基地」となり、戦う武器に! 22 毎朝、目標や夢を具体的にアウトプット 23 脳が大好きな「達成感」をどんどん積み上げていく 24 小さな達成感を味わう「時差通勤のススメ」 25 「根拠のない自信」は、前向きに生きる“切り札” 26 「信じ込み」がメンタルに与える絶大な効力 27 なぜ、成功者たちは「好奇心」を失わないのか? 28 超気持ちいい!「ポジティブワード」のシャワー浴 29 「ポジティブミーティング」でパワフルな 1日を!

第 3講自分を変える幸せを引き寄せる『ポジティブ脳』のススメ

17 幸せの度合いは、境遇ではなく、脳が決めていた?「ところで今、本当に幸せ?」 ドキッとする質問ですが、もしもあなたがこのように尋ねられたら、どんな答えを返すでしょうか。

誰もが心のなかでは「幸せになりたい」と願っているはずです。

でも、幸せという概念はとてもあやふやで、自分が幸せなのか、不幸せなのかを明確に答えられない人も多いと思います。

一見、わかりやすいのは以下のようなことでしょう。

「金銭的に恵まれている」「一流と呼べる高学歴を持っている」「将来が非常に安定している会社で働いている」「しかるべき地位や名誉を得ている」 このように、今、その人が「得ているもの」「持っているもの」に着目して、幸せなのか、不幸せなのかを推しはかることです。

たしかに、こうした外的要因も、幸せ度を左右する 1つの要因になり得るでしょう。

ただし、最近の研究では、その人を取り巻く現状が、幸せを決める決定的な要因とはならないことがわかってきました。

それでは、人の幸せ度はどのように決定されているのでしょうか。

この件に関しては、『「脳にいいこと」だけをやりなさい!』(マーシー・シャイモフ著/茂木健一郎訳:三笠書房刊)で詳述していますが、今、あなたが置かれている立場や環境、仕事やプライベートでつき合っている人、さらにはこの先に待っている人生を左右するかもしれない選択などは、あなたの脳がどれだけプラスのイメージを描けるかによって、幸せの度合いも大きく変わってきます。

あなたの考え方次第で、脳は幸せを生み出すことができる。

逆に、不幸な状態に陥る可能性もあるというわけです。

想像してみてください。

あなたの周りにもいませんか。

客観的に見れば恵まれた状況なのに、不幸そのものという顔をしている人が。

いつも愚痴をこぼしていたり、他人への不満を口にしたり、済んだことをいつまでも後悔しているような人です。

「満たしてくれない」「なぜ、自分だけが」「なんであんなことをしたのか」……。

本当にもったいない。

脳が現状を今すぐに評価し直せば、幸せ度はグンと高まるというのに! こうしたネガティブな評価をしている限りは、いつまで経っても幸せを得ることはできません。

18 朝イチバン、やるべきことはポジティブ活動 第 3講では、ネガティブ・シンキングから脱却して、人生の幸せ度を高めるために、効果的な朝時間の使い方を提唱していきます。

物事をポジティブに評価するためには、時間的なゆとり、脳の健康状態、外部環境なども無視できません。

脳が前向きに捉えようとしても、時間に追いまくられ、脳が疲れ切っている状態では難しい。

1秒を争う仕事に追われていたり、プレッシャーのかかる仕事が嵐のように押し寄せているときに、自分をゆっくり見つめ直し、現状を評価し直すのは至難の技です。

こうした観点からすると、朝は絶好の機会──。

早起きをすれば、時間的な余裕が生まれます。

起きたばかりの脳は、疲労がたまっていないフレッシュでフレキシブルな状態。

したがって、日中や夜中よりも、朝はポジティブ・シンキングに適していると断言できます。

朝イチバン、まずは脳をポジティブにセットしましょう。

それだけで心の向きもガラリと変わってきます。

皆さんにも、このような経験がありませんか。

朝イチバンに嫌なことがあり、むかつき、いらつきがなかなか収まらず、なんとも言えない腹立たしい経験が。

ちょっとした嫌なひと言が忘れられず、ことあるごとにフツフツとどうしても思い出してしまう──。

嫌なことがあったときに、即座に切り替えられれば良いのですが、それほど脳は“器用”ではありません。

できれば、朝の早い段階で好スタートを切りたい。

そしてポジティブな気持ちを持続させ、 1日を駆け抜けてください。

それでは、脳をポジティブにする朝時間の過ごし方を実践していきます。

19 生き残るために、脳はネガティブ思考を選んだ? まず、皆さんに知っておいてもらいたいのは、人間の脳はネガティブな方向に流れやすいという事実です。

人は本当に多くのことを考えていますが、およそ 8割が、ネガティブな内容だという研究結果もあるくらい。

それほど、脳は心配性なのです。

なぜ、人間の脳はネガティブな思考に陥りやすいのか。

その理由は、脳の進化の過程をたどっていくと見えてきます。

私たちの祖先は、常に危険と隣り合わせで狩猟や採集を行ってきました。

野生動物のようにしなやかな肉体、強靱な牙を持たない人間は、生き残る確率を高めるために集団で生活することを学びました。

集団形成こそが生存を大きく左右する、ゆえに、いかに優秀な集団をつくれるか、いかに集団に受け入れられるかを考えて行動してきたのです。

集団に受け入れられるためには、他人の評価に対して敏感になり、気配りしなければなりません。

さらに、自分がやりたいことよりも周りと同調することを優先したり、独自の考えではなく、集団の意見を大切にするようになったはずです。

こうした思考を身につけていくことが、生き残るうえで必要だった……。

以上のプロセスを経て、太古の昔から人間の脳は進化してきたために、私たちはネガティブ・シンキングを強く記憶に留めるようになりました。

なお、詳細は『頭のいい人が「脳のため」に毎日していること』(トッド・カシュダン著/茂木健一郎訳:三笠書房刊)で言及しているので参考にしてください。

「周りから嫌われたくない」「みんなから言われたことだけをやればいい」「私はこのレベルで十分だ」 こうした思考に陥った経験は、おそらく、皆さんにもあるはずです。

つまり、ネガティブ・シンキングとは、集団生活を維持し、生存率を高めるために自然と備えつけられた『脳の警報システム』とも言えるかもしれません。

20 「自分探索」で、脳が、あなたが、喜ぶ瞬間を探る ネガティブ・シンキングは、警報システムの役割を果たすものであり、人生を幸せに生きるか否かを重視しているわけではありません。

目指すのは、どのような状況であろうが、とにかく生き抜くことです。

しかし、現代社会ではそうたやすいことではありません。

集団で暮らす点は昔と変わりませんが、私たちは自分の人生をより充足させて、豊かな気持ちで、幸せを実感しながら生きたいと望んでいます。

そこで、ポジティブ・シンキングの出番となるわけです。

視点をガラリと変えてみます。

すぐに変われないと思うかもしれませんが大丈夫! 脳はいつからでも変われます。

大切なのは、脳をポジティブにする行動を積み重ねていくこと。

とにかく、脳が喜ぶことを実行していきます。

すると、日々の行動が変わり、習慣化されることで、脳の思考回路も変容していくのです。

脳をポジティブにする最初の 1歩は「自分探索」です。

純粋に自分に問い掛けてみてください。

「うれしい、楽しい、と思うことはなんですか」と。

どんな小さなことでも、些細なことでも絶対に見逃さないでください。

誰かに褒められてうれしかったこと、やっているだけで楽しかったこと……こうした出来事を 1つ、また 1つと思い返していくのです。

さらに探索を続けていきます。

「試行錯誤を繰り返して達成感を得られた経験はありますか」「自分が大切にしていることはなんですか」「自分の強みはどこにあると思いますか」 こうした自分探索は、一度で終わりにするのではなく、何度も行ってください。

過去のポジティブな経験を味わい尽くすことは、脳を前向きにセットするうえでとても効果的です。

毎朝、繰り返し行えば、脳により大きな変化が訪れます。

自分探索のメリットはこれだけではありません。

自分自身に興味を持ち、関心を持ち続けることも、脳をポジティブな状態に保つ要因となります。

あなたが生きていくうえで大切にしている価値観も見えてきます。

自分が本当に達成したいこと。

周囲との関係のなかで貢献していきたいこと。

こうした価値観を具体化していくことで、人生でチャレンジしたい目標もくっきりと浮かんでくるのです。

21 揺るがない柱が「安全基地」となり、戦う武器に! 自分と徹底的に対話し、自分探索する重要性についてもう少し述べさせてください。

私たちがポジティブに考え、挑戦するために必要なのが「安全基地」です。

これを脳科学的な知見から定義すると、その存在があるからこそ、新しいことに挑戦できる。

安全基地とは、つまりは「安心して帰れる場所」と言えます。

最もわかりやすい例は、子どもの頃の安全基地でしょうか。

私たちにとって我が家は、いつでも帰って来ることができる場所でした。

いざというとき、両親がやさしく自分を迎え入れてくれる。

成功や失敗にかかわらず、いつも自分を温かく見守ってくれている。

こうした安全基地があるからこそ、新しいことにチャレンジしたり、好奇心が赴くままに行動できたわけです。

しかし、大人になってくると、いつまでも両親に頼るわけにはいきません。

成長するにつれ、私たちの安全基地となる場所も変わっていきます。

10代や 20代の頃は、自分を理解してくれる友人や恋人だったり、行く先を導いてくれる恩師だったかもしれません。

さらに成長し、社会に出て行くようになると、安全基地を外部に求めるのではなく、自分の内部につくるようになります。

その 1つが、自分と向き合い、対話し、導き出した価値観です。

これまで生きてきたなかで自分自身が獲得した知識やスキルなどをもとにして、社会と懸命に戦い続けるための武器──。

それがあなたの安全基地となるのです。

残念ながら……安全基地は金や名誉・地位、組織の肩書きでは代用できません。

だからこそ、自分の内面を深く見つめ直して自己を探索し、自分自身の強み、生きるうえで柱となるものを発見して欲しいのです。

揺るがないしっかりとした柱があるからこそ、柔軟にしなやかに対応できる。

そうしたあなた独自の安全基地を是非築き上げてください。

22 毎朝、目標や夢を具体的にアウトプット ネガティブに陥りやすい脳をポジティブに変えるために、日々実行できることを具体的に見ていきましょう。

いきなり極度な負荷を掛ける必要はありません。

小さな行動を変え、習慣化していくように心掛けるほうが重要です。

オススメしたいのが、毎朝、目標や夢をアウトプットすること。

朝起きたら、これらを書き出してみても良いですし、声に出して自分に言い聞かせるのも良いかもしれません。

人間の脳は、私たちが思っている以上に“怠け者”です。

そもそも人間は、楽をしようとする生き物──毎日、なんの刺激もなく、のんびりとした生活を送っていると、「やる気を起こさない」「挑戦を嫌がる」「他人に任せようとする」という具合に、さらに楽をしようとするわけです。

この背景には、脳と身体、そして心の連動にあります。

脳は常に休まず活動し続けています。

寝ているときでも完全に休んでいるわけではありません。

こうした状況下で常に興奮状態にあると、脳は絶え間なく活性化するので、心が十分な休息を取れず、最後にはまいってしまいます。

身体もどこかで支障を来すでしょう。

つまり、脳が適度に気を抜いてくれるからこそ、心と身体のバランスが上手に保たれ、リラックスできるのです。

そこで、怠け者の脳に毎朝、刺激を与え、やる気を促し、ポジティブな方向に向かせる必要があります。

その方策の 1つが、自己の願望を「視覚化」「聴覚化」することです。

突然ですが、 1つ実験を行います。

目標を書いた紙を、家のどこか目立つところに貼ってみてください。

「グローバルな仕事にかかわり、世界中を渡り歩いてみたい」「責任と権限が与えられる立場になり、新しいビジネスに挑戦する」 プライベートの幸せ、すぐには実現できそうもない夢でもかまいせん。

大切なのは、とにかくアウトプットして、目標や夢と対面することです。

今、あなたは「自分が在りたい姿」になったときのことを脳のなかで想像しています。

このように、何度も目標や夢をアウトプットすることで、漠然と描いていたビジョンがかたちを帯びてきます。

具体的なイメージが浮かべば浮かぶほど、それらを実現するための行動も具体化できるようになります。

日々の行動を継続し、目標や夢に近づく──。

すると……脳の神経回路もどんどん強化されていく。

脳のなかにあることをアウトプットし、イメージ化してみることは、脳の“やる気スイッチ”をオンにする、とても有効な方法の 1つなのです。

23 脳が大好きな「達成感」をどんどん積み上げていく 脳がネガティブな状態にあると「できたこと」よりも「できなかったこと」にどうしてもとらわれてしまいます。

でも……脳は「達成感」が大好き! 些細なことでもかまいません。

自分ができたことに光をあてて、とにかく脳に喜びを与えてください。

あまりにも高い目標を設定すると、現実との乖離から、それを達成しようとする意欲が減少し、“あきらめムード”が漂います。

やれどもやれどもゴールが見えてきませんから、モチベーションを維持するのもひと苦労です。

そのようなときは、大きな目標を分解してみます。

持続できる範囲の具体的な目標に落とし込むわけです。

例えば、「セールスの世界でトップクラスになる」という大きな目標を掲げたとしましょう。

目標を達成するのは、とてつもなく大変なことに感じますが、 1年間で何百件もの契約を成立させるセールスパーソンも、 1週間単位、 1日単位で考えると、それほど契約件数に差が生じるわけではありません。

見上げていた大きな目標も、実際に分解してみると、十分に手が届く目標に変わるのです。

さらに、今日 1日で、「何件のアポイントを取るかを決める」「そのなかから契約を目指す」というように目標を設定すると、やるべきことが明確になってきます。

このように目標を小さく分解したうえで行動し、毎日、「達成できたこと」をきちんと確認してください。

「できたこと」に焦点をあてると、脳は再び「快感」を味わいたくなり、それがさらなる頑張りへとつながっていきます。

また、結果だけではなく、実行したこと、やったことを前向きに評価してあげてください。

結果よりも大切なのは行動した事実です。

行動したこと自体をポジティブに考えることで、挑戦する意欲を持続させることが可能になります。

できないことばかりに目を向けていると、人はどんどん自信を喪失する生き物。

「どうせやってもできない」「やってもムダだ、ならば最初からやるのは止めておこう」 こうしたネガティブなスパイラルに陥りがちです。

「やればできる」と徹底的に信じ込む。

小さな自信を積み重ねていき、前向きなマインドが身につけば、失敗を怖れずチャレンジできるたくましい自分自身に変わります。

24 小さな達成感を味わう「時差通勤のススメ」 朝の貴重な時間を、満員電車に揺られながら、不快に過ごすのはとてももったいないことです。

他人と身体が密着した状態、狭いスペースのなか、新聞を読んだり、本を読んだり、インターネットやメールをするのもひと苦労。

朝の脳が活性化するどころか、精神的・肉体的にストレスをため込むケースも多々あると思います。

そこで是非提案したいのが「時差通勤のススメ」です。

私自身が時差通勤、正確に言えば「時差通学」を開始したのは高校生からです。

当時、私は住んでいた埼玉から東京の高校に通っていたのですが、毎朝 6時半発の電車に乗っていました。

この時間帯の電車は、まだ混雑もなく、読書をするゆとりが十分にありました。

さらに始業時間は 8時半でしたので、毎朝 8時前には学校の教室に着き、それから 30分以上、本を読むことを習慣にしていたのです。

気がつくと、高校 3年間で英語の原書を 30冊以上読破! このときの読書習慣が今の英語力の基礎になっていると断言できます。

片道 1時間 20分の通学時間が、私の人生に豊穣な実りを与えてくれたのです。

今思い返せば、この時差通学のおかげで、 1時限目から私の脳はトップギアに入っていたのだと思います。

英語の授業においては、先生の話を聞き、同時に辞書を読み、英単語を覚えるといった学び方をごく“自然に”こなしていました。

そして忘れてはならないのは、毎朝、着実に達成感を得ていた事実です。

最初は 1冊読み終えるまで、とても長い道のりに思えますが、 1日、 1日、読み終えたページが積み重なっていきます。

ゴールが近づき、 1冊読破したときの喜びと達成感は素晴らしく、再度、新しい原書に対する挑戦意欲がわき上がっていきました。

日々、「これだけ読み進めた」という達成感、「これだけたくさんの本を読破した」という充実感が、私の脳にポジティブなスイッチを入れていたのです。

25 「根拠のない自信」は、前向きに生きる“切り札” 人は数多くの経験を積み重ねながら、自分でできることを増やしていきます。

同時に、自信も備わっていくことでしょう。

しかし、このようなステップを踏まなくとも、人は自信を有することができます。

これが「根拠のない自信」です。

私自身、この根拠のない自信は、生きるうえで最も大切なことの 1つだと確信しています。

もし、根拠のない自信がなかったらどうなるでしょう。

きっと努力する前向きな気持ちも起きないし、難しいことにチャレンジしようという意欲もわきません。

過去の成功体験だけにしがみついて、同じことをただ繰り返すだけです。

なんとも味気ない、つまらない人生になってしまいます。

じつは、人は誰でもこの根拠のない自信を持っていました。

子どもの頃を思い出してください。

新しいことに平気でチャレンジしていたはずです。

過去に一度もやったことがないことにも、「やっぱり止めておこう」とは思わず、果敢に挑んでいったのではないでしょうか。

ところが……大人になっていく過程で、ときに、この根拠のない自信を喪失してしまう機会にたびたび遭遇します。

例えば、学校における過剰な点数主義や偏差値主義。

「ユニークな才能」と「標準的な学力」は無関係なのに、点数の優劣に縛られ、多くの人が根拠のない自信を奪われていきます。

結果、「私はこの程度だ」と思い込んでしまうのは大きな社会的損失です。

本来、誰もがチャレンジを好みますから、不確実な不安要素と向き合っても、「根拠のない自信を持っても大丈夫なんだ」と自分の背中をポンと押してあげることが大切です。

できれば毎朝、「今日は良い日になるぞ」「チャレンジできるぞ」という根拠のない自信を持って 1日をスタートさせてください。

誰もが、どうしても上手くいかず、自分の才能に自信を失ってしまったり、目標を見誤ってしまうことがあるでしょう。

そんなときに、この根拠のない自信とともに、現状をポジティブに評価し直せば、必ず道は開けていくと私は信じています。

26 「信じ込み」がメンタルに与える絶大な効力 ここで『プラシーボ効果』について触れさせてください。

これは、元々、医療の現場で確認された効果です。

ある患者に薬を処方したところ、薬の効果が現れて見事に病気が治った……ここまではよくある話。

ですが、じつは、医者が患者に与えた薬は、直接、治療効果のない糖でつくられた偽薬だったのです。

昔から「病は気から」と言います。

これを実証したかたちです。

「薬を飲めば治る」と思い込むと顕著に効果が現れ、逆に、「飲んでも治るはずがない」と思い込むと治療効果のある薬でも効き目が薄くなる──。

私たちの脳は、たとえ間違った情報でも、それが「正しい」と信じ込むことによって、心にも身体にも変化をもたらしているわけです。

私は学生の頃、愛読していた雑誌の星占いのコーナーを見て、毎回「おっ? 当たっているじゃないか」と感心していました。

ところが、あるとき、ほかの星座の欄を読んでみると、そこに書いてあることも当てはまる。

一見、自分だけに書かれたように見えて、誰にでも当てはまるという絶妙なバランス……そこに、占いの“領域”があると言えます。

このようなプラシーボ効果は、私たちの生活のありとあらゆるところで応用されています。

はっきりと意識はしていなくとも、気づかないうちに多くのプラシーボ効果を体験しているのです。

例えば、「希少で高級なステーキです」と言われればおいしく感じてしまいますし、「限定品」というキャッチコピーがついていると、「早く買わなければ!」と購買意欲がかき立てられます。

脳がそれを信じ込むことで、自分のメンタルをコントロールできる──。

これこそがプラシーボ効果が私たちに示唆するメリットです。

したがって、「私はどうせ才能がない」「もう年だから」などと、あきらめるような発言は慎んでください。

自分の脳にマイナスのプラシーボ効果を与えているようなもの。

脳科学的な知見からも、脳の限界、自分の限界を断定することはできません。

脳が成長する可能性は無限なのです。

だからこそ、この分野は面白い! 脳にプラスの要素を信じ込ませれば、どんどん成長します。

自分自身に対してマイナスの洗脳をしない──その心掛けが肝要です。

27 なぜ、成功者たちは「好奇心」を失わないのか?『相対性理論』を始め、物理学の世界に多大な功績を残したアインシュタイン。

彼は、「あなたの強みは何か?」という問いに対して、このように答えたそうです。

「私の強みは、好奇心である」と。

1つの問題を様々な角度から捉えていく。

1つの解が出たとしても、それだけで満足はせず、新たな課題を導き出し、さらに高次元な世界を探求していく──。

アインシュタインは、まさに好奇心の赴くままに“知”の広大な海を泳ぎ続けた巨人でした。

そして……私が最も尊敬する偉人でもあります。

アインシュタインのみならず、世の中で成功を収めている多くの人も、日常のちょっとした疑問や不思議探しが上手な人、つまり、好奇心旺盛な人たちで占められています。

なぜ、彼らは好奇心を失わないのでしょうか。

通常、人は成長過程で「一般的には」「標準的には」といった常識、「こうあるべき」といった固定観念を育てていきます。

これらすべてがムダなわけではありません。

日常に起こる諸問題に対処し、解決していくうえで、過去の経験から培ってきた常識や固定観念も必要なケースは多々あります。

ただし、これらに縛られすぎてはいけません。

脳はあらゆる問題にパターン化した解答を用意するようになり、新たな挑戦を避けるからです。

好奇心を維持し、ポジティブな脳をつくるうえで大きな“阻害要因”となってしまいます。

ここで、「好奇心のサイクル」について説明しましょう。

好奇心のスタートは「興味」「関心」です。

「良いことがありそうだ」「面白そうだ」と興味や関心がわくと、脳内に神経伝達物質の『ドーパミン』が分泌され、新たな神経回路が形成されます。

行動を起こしたときに、期待以上の成果が得られると、さらにドーパミンが分泌されて、やる気が高まっていきます。

やる気が高まった脳は、さらなる報酬を求めて挑戦を続けます。

すると、再び脳内にドーパミンが分泌され、神経回路はより強固になり、効率やスキルが大幅にアップしていくのです。

能力アップを実感し、自信が持てるようになると、また新しいことに興味や関心が生まれます。

このような行動が習慣化し、好奇心のサイクルが上手く回転していくことで、挑戦に対してもポジティブに考えるようになります。

成功者の多くが好奇心を失わない理由もここにあります。

つまり、過去の行動が成果を上げ、挑戦するたびに脳内にドーパミンが大量に分泌されているのです。

常識や固定観念に縛られるより、はるかに大きな報酬が脳内にもたらされているわけです。

28 超気持ちいい!「ポジティブワード」のシャワー浴 脳を意識的にポジティブに変えるうえで、あなたが繰り返し使っている「言葉」も大きな影響を与えています。

一度、自分の口グセをチェックしてみてください。

無意識にどんな言葉を発しているのか、客観的に検証してみるのです。

「こんなこと、もうやっていられない」「どうせ、そんなことをしてもつまらない」「もう、いい加減に勘弁して欲しい……」 このような言葉を使っていたら要注意。

現状を非難し、悲観する言葉を発するたびに、脳はネガティブな“泥沼”にどっぷりはまっていきます。

負の連鎖を断ち切るためには、あなたが頻繁に使用する言葉を、ポジティブなものに変換してください。

例えば、現状を否定する言葉ではなく、肯定する言葉を使っていきます。

「自己否定をせずに自己肯定を心掛ける」「拒絶ではなく受容する言葉」「固定概念を脱して自由意思を貫く言葉」「無関心を装う言葉ではなく好奇心を喚起する言葉」などといった具合です。

「私ならできる!」「もっとやれる!」……。

こうした前向きな言葉を、是非とも、朝イチバンから発しましょう。

脳は放っておくとネガティブな方向に進みます。

自分が実現したいことよりも、「やってはいけないこと」「やらないほうが良いこと」に意識が向いてしまうのです。

最初のうちは、ついネガティブな言葉が口をつくかもしれません。

ただし、そうした自分を責め始めると本末転倒。

脳はますますネガティブのスパイラルに陥ってしまいます。

自分がネガティブな言葉を発していることに気づいたら、そのたびに、ポジティブな言葉に変換しましょう。

29 「ポジティブミーティング」でパワフルな 1日を! 毎朝、あなたの周りの大切な人、あるいは仕事のチームのメンバーとポジティブワードを交換してみてください。

忙しい毎日を送っている皆さんが、仕事前にポジティブな言葉を掛け合い、刺激に満ち溢れた朝時間を過ごすことで、お互いの意識も高まり、パワフルな 1日がスタートできます。

私たち人間の脳は、拒絶されたり、否定されると、それを受け入れることを拒み、反発します。

対照的に受容する言葉や感謝の言葉を投げ掛けられると、それらを素直に受け止めます。

人のモチベーションは、他人から褒められたり、認められるといったポジティブなことからしか生まれません。

「いつもありがとう! あなたのおかげです」「本当によく頑張りましたね」「結果なんて気にしないで、この調子で次も頼むよ」 お互いに期待する言葉や長所を褒め合う言葉、背中を押す言葉などを、恥ずかしがらずにどんどん掛け合ってみてください。

ポジティブワードが頻繁に飛び交うコミュニケーションを実践する──。

すると……お互いの信頼が増し、行動する勇気がわき出て、気分も明るくなります。

行動を起こした結果、大きな成果と報酬を得ることができれば最高です。

脳はますますポジティブになり、さらなる行動を求めるようになるでしょう。

また、自分が思っていること、成し遂げたいことをミーティングの場で公言するのもオススメです。

ポジティブワードで気分が良くなった相手から前向きなアドバイスをもらうことで、あなたの仕事に大いに役立つ新たなアイデアがひらめいたり、意思疎通や情報共有もスムーズに行えることでしょう。

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