MENU

第 2講 脳科学者は語る!脳を最高の状態にする習慣

8 朝イチバンに太陽の光を浴びて脳を覚醒! 9 「我を忘れるほど没頭する」快感はクセになる 10 誰もが持ち得ている「可塑性」という“脳力” 11 脳の不思議な特性を利用して集中力アップ 12 普段とは違う「アウェー」に身を置いてみる 13 ウォーキングで脳に至福の瞬間が訪れる 14 毎朝の食事にも自分なりのセオリー習慣を! 15 「創造性」はパワー溢れる脳にしか生まれない 16 『ネオフィリア』の天敵“退屈”を撃退する方法

第 2講脳科学者は語る!脳を最高の状態にする習慣

8 朝イチバンに太陽の光を浴びて脳を覚醒! 朝になると目が覚めて、ある程度の時間になるとお腹が減る、夜になればウトウトしてきて眠たくなってくる……。

私たち人間は、このような一定の生活パターンを日々繰り返しています。

こうした周期的に繰り返される生体リズムが『サーカディアン・リズム(約 1日のリズム)』と呼ばれるものです。

また、この生体リズムの基本となる「体内時計」は、脳内の視床下部の『視交叉上核』にあり、この部分が朝目覚めて、夜眠るといった一定の覚醒や睡眠のリズムをつくっていると言われています。

余談ですが、視交叉上核がある視床下部は、覚醒や睡眠のリズム以外にも、体内の様々な循環機能や体温・血圧などの調節、ホルモン分泌にかかわる中枢も、時間的に管理・調節することで身体のリズムをコントロールしています。

先ほど「約 1日の」と述べた理由は、私たち人間は必ずしも 24時間の周期で生活しているわけではないからです。

じつは、人間の身体は何もしないで放っておくと、体内時計がいつの間にか約 25時間の周期で刻まれることがわかっています。

つまり、約 1時間の“ズレ”が知らず知らずのうちに生じているのです。

例えば、太陽の光が遮断された真っ暗な場所で、且つ時計など正確な時間の感覚がつかめない状態で暮らすと、本来の 24時間の周期がズレて、 1日約 25時間の周期で生活するようになると言われています。

海外旅行に出掛けたことがある人は、「時差ボケ」と呼ばれる症状に悩まされた経験があるはずです。

極度の眠気や頭痛に襲われたり、集中力や判断力が低下したりと、症状は人それぞれでしょうが、これも体内時計のズレによって生じるものです。

では、時計の針が狂ってしまった体内時計を再び 24時間に修正するには、どうすれば良いのでしょうか。

この答えに脳と朝時間が密接にかかわってきます。

結論から述べれば、朝目が覚めたら、カーテンを開けて朝日を思い切り浴びることです。

朝日という外界の光を受けることで、刺激が視神経を通じて、脳の視交叉上核に入っていきます。

それにより狂いが生じていた体内時計が調整されるのです。

そのほかにも、新聞を取りに行ったり、ベランダに出て太陽の光を浴びながらストレッチを行うのも良いでしょう。

大切なのは、「朝が来た。

今日も 1日頑張るぞ」と前向きなメッセージを脳はもちろん、全身に送ることです。

脳科学的な知見で説明すると、脳の『松果体』という部分がそれを察知して「朝が来たんだ」と判断し、睡眠ホルモンの『メラトニン』の分泌を停止するように脳へ指令を発します。

こうして脳の覚醒度を一気に上げることで、スッキリと眠気が抜けて 1日の好スタートが切れるのです。

現代のビジネスシーンにおいて、常にハイパフォーマンスを発揮するために重要な要素とは、「いかにリラックスした状態で仕事と向き合えるか」だと思います。

もはや、スーツやネクタイを華麗に着こなすことよりも、朝日を十分に浴びることができる空間・服装で仕事の効率をはかるほうが現代では必要でしょう。

私自身がストレスフリーな生活を送ることができている背景には、脳にとっても、自分自身にとっても、なるべく自然なかたちで仕事や勉強に取り組める習慣を身につけているからだと自負しています。

太古の時代から私たち人間が受け続けている太陽の光を朝イチバンに浴びることで、脳の覚醒を促すホルモンである『セロトニン』の分泌が活性化され、心身のバランスが整えられています。

朝の時間帯に受ける朝日からの恩恵が、脳に新たな活力を生み出す源になっているのは事実です。

9 「我を忘れるほど没頭する」快感はクセになる 人間の脳は、何かに没頭しているとき、リラックスしているなかで驚異的な集中力を発揮しているときなどは、ストレスや疲労を感じることが比較的少ないと言われています。

いわゆる脳が『フロー状態』になっているときです。

フロー状態とは、アメリカの心理学者であるミハイ・チクセントミハイが提唱している概念で、まるで時間が止まっているような感覚に陥ったり、実際は何時間も経過しているのに一瞬の出来事のように感じたりして、我も忘れて完全に“集中モード”に入っている精神状態を指します。

簡潔に言えば、仕事や勉強にのめり込むことで、自我とその対象の見境の判断ができなくなるくらい没頭する瞬間です。

「自分の今の状態を忘れるくらい一心不乱に集中している瞬間」とも言えるかもしれません。

私たちは「緊張している状態 =集中している状態」と勘違いしがちですが、そうではありません。

限りなく集中していてもリラックスしていることはあり得ます。

例えば、子どもが遊びに夢中で我を忘れてしまう状態やアスリートが世界新記録を出すような瞬間が良い例です。

一生懸命に取り組んでいるというよりは、むしろリラックスしながら集中している感覚であることが多く、まさにこれがフロー状態と言えます。

ロンドンオリンピックにおいて、 100メートルで 9秒 63の大会新記録を叩き出し、金メダルを獲得したウサイン・ボルト選手。

彼の走る姿はとても印象的でした。

世界中から注目されている状況下にもかかわらず、楽しみながら走っているように見えたからです。

周りの雑音も耳に入れず、無心に走ることを楽しんでいる──これこそが高次元で集中とリラックスを上手く保っている最高のフロー状態だと感じました。

「私たち人間の脳や身体が最高のパフォーマンスを発揮できるのは、フロー状態のときである」と定義すれば、この状態を朝時間に活用するのは極めて効果的だと言えます。

朝スッキリと目覚めて、とてもリラックスした状態の脳で何かに集中して取り組むことで、自分自身が持っている能力を思う存分に発揮することが可能だからです。

さらに、そのパフォーマンスを持続することもできるでしょう。

だからこそ、何か新しいことや今まで未達成で終わっていたことに挑戦するならば、脳が元気でリラックスした朝時間に行うべきです。

朝のリラックスした脳のフロー状態の感覚を、是非とも忘れないように心掛けてください。

「脳が最高に喜んでいる状態 =フロー状態」なので、脳は快感の再現を得たいと望んでいるからです。

10 誰もが持ち得ている「可塑性」という“脳力” 人間の脳の最も素晴らしい性質は、「変わることができることにある」と、私は考えています。

誰しもが「今の自分から脱却したい」といった願望を少なからずは持っているはずです。

でも、「失敗したらどうしよう」「上手くいかなかったら……」と身構えてしまい、 1歩前に踏み出す勇気を持てずにいる人も多いでしょう。

しかし、脳はどんな状況に置かれても、たとえ失敗したとしても、何度でもやり直しがきく“脳力”を持っているのです。

自分自身が変わり続けることもできるのです。

私たち人間の脳には「可塑性」があることがわかっています。

これは物理学用語の 1つで「今まで持ち得ていなかった新しい機能を獲得し、維持・保存することに優れている」ことを指します。

この可塑性は、 1つの神経細胞が数多くの神経細胞と『シナプス』を通して結びつきます。

この結合パターンが思考をつくり、感情を支え、人格を形成するのです。

シナプスの結びつきは無限にあり、その無限の可能性の空間を可塑性を通して、日々探求しているのが、私たちの人生なのです。

そして、可塑性は誰しもが必ず持ち得ている脳力だと言えます。

自分がどのような行動を取り、何を感じて、何を考えるかということに対し、脳はいかなる方向にも変化できるのです。

むしろ、脳はいつなんどきも変わりたがっているのです。

今この瞬間も、あなたの脳はざわざわと変化し続けています。

よく「僕はこういう人間だ」「私の人生はこうなんだ」などと、自分の正体や人生を勝手に決めつけている人がいますが、これは脳が持ち得る「変化し続ける」脳力を否定するのと同じです。

人間の脳が持つ無限の可能性は、簡単に決めつけたり、定義できるものではありません。

朝時間への考え方も同様です。

「朝が苦手だからできない」「どうせ自分には無理」などと決めつけないで、「変わろう」という勇気を持って 1歩踏み出してください。

失敗したら、上手くいかなかったら、何度でもやり直せばいいのです。

いろいろと試行錯誤しながら、もがくことで脳も変化を遂げます。

つまりそれは、あなた自身の人格にも大きな良い変化をもたらすことにもつながるのです。

11 脳の不思議な特性を利用して集中力アップ 皆さんは『ニューロン』という言葉をご存じでしょうか。

脳を構成する細胞の主役がニューロンと呼ばれる神経細胞です。

その数は脳全体で数千億個にもなり、 1つの神経細胞から 1本の軸索と、無数の樹状突起が伸びています。

これらの突起が何かの行動を取るときに、他のニューロンと結合し、巨大な行動回路を形成しているのです。

この行動回路を形成する神経細胞のニューロンは、行動を繰り返せば繰り返すほど、脳を強化し、ハイパフォーマンスを発揮するきっかけになることが脳科学の研究でもわかっています。

まずは、「朝時間に何かを成し遂げたい」「朝時間を活用して自己を成長させたい」といった前向きな気持ちで行動を起こしてください。

それを繰り返し行うことで習慣化させれば、脳の行動回路も強化されます。

あなた自身が持つ潜在能力を発揮することも可能になるでしょう。

脳の行動回路を強化する活動には、人生で初めてのことが最高のトレーニングになります。

それがたとえ難しく、険しい活動であっても、それでも求め続け、挑戦することこそが日々の人生において前進ができ、生きがいにつながっていくのです。

もちろん誰もが、朝から積極的に活動することは容易ではありません。

ですが、たとえ毎朝できなくとも無理矢理にでも始めてしまう、その行為こそが大切なのです。

とにかく、朝のスイッチを入れてください。

そして繰り返してください。

自分でも信じられないくらいの集中状態に入ります。

脳のメカニズム上、「よし、朝時間に活動するぞ」と頭のなかで何かを考えるだけではコントロールが難しく、具体的な行動を起こしたほうが良いでしょう。

さらに脳には、「引き込み現象」というものがあり、仕事や勉強を始めるとそれに引き込まれていきます。

人間の脳は「飽きっぽい性格」とでも言うのでしょうか。

想定されていることや簡単にわかるものに対しては興味を示さない“クセ”があるのです。

一方で予測不可能な出来事や「偶有性」に満ちたもの、本気度が高いことには興味・関心・注意を向けると言われています。

そしていったんこの状態に引き込まれると、状態が続く限りは集中力が持続し、さらなる深みに引き込まれていくのです。

このような脳のクセを上手く利用して、多少無理矢理にでも朝時間に活動を始めてしまえば、誰もがハイパフォーマンスな脳をつくることができるのです。

12 普段とは違う「アウェー」に身を置いてみる 誰しもが、自分が常日頃から慣れ親しんでいるホームグラウンドで活動するほうが気楽でしょうし、何より安心感を抱くと思います。

しかし、居心地の良い「ホーム」ばかりで活動していると、脳の活動パターンも“マンネリ化”します。

脳にも決して好ましいことではありません。

例えば、自宅でくつろいでいるときの脳の状態がまさにそれです。

ホームの脳なので、「変わる必要がない」と判断し、今までの回路でやり繰りします。

同様に、長年同じ職場で同じ仕事をしているときの脳にも言えるでしょう。

一方、他人の家で食事をご馳走になったり、会社で違う仕事を任されたり、あるいは違う部署へ異動になったりすると、脳は違う活動を勝手に始め、活性化した状態に入りやすくなります。

つまり、脳のパフォーマンスを高めるうえでは、「今までとは違う環境 =アウェーの状態」に身を置くことが大切です。

脳はあらかじめ想定できることに、大して喜びを感じません。

自分がどのように対応したら良いかがわからないような状況に置かれると、喜び勇んでフル稼働します。

前でもお話しした脳の「可塑性」という不思議な性質によるところが大きく、常に新しい変化や刺激を望んでいるのです。

なぜ、子どもの頃に脳が日々成長できたのかと言えば、無知な子どもにとっては触れるすべてのモノや出来事がアウェーだったからだと思います。

ところが、年齢を重ねるにつれて、次第にホームの領域に留まることが増えていき、人生のアウェー率が減っていくのです。

長年単調な毎日を過ごすことで、アウェー率が 0%になっている人も少なくありません。

もちろん、淡々と業務をこなす日常も大切ですが、大人になるにつれてホームの領域だけで生きていくことは脳の成長にプラスの影響を与えないのは事実です。

「自分らしく」──よく耳にする言葉。

これは脳がホームの領域にいることに安心し、自己肯定しているに過ぎません。

ときには、心が躍るアウェーの状態に身を置くことで、脳のパフォーマンスを最大限まで引き出してください。

日中はホームでの様々な仕事があって、それをこなすための時間に取られてしまうでしょう。

だからこそ、誰にも邪魔されない朝時間に積極的にアウェーの状態を取り入れていくことをオススメします。

13 ウォーキングで脳に至福の瞬間が訪れる いつ頃から始めたのかは定かではありませんが、私はある時期からウォーキングを開始しました。

毎朝 10分程度、自分で決めたルートを歩くのです。

また、仕事の移動手段も極力交通機関を使わずに自分の足で歩いて向かうようにしています。

ウォーキングやジョギングは、生活習慣病の予防になったり、肥満対策やダイエットに効果を発揮します。

ですが、それだけではありません。

これらを行うことで、リラックスしながら脳を鍛えることもできるのです。

さらに、何事にも積極的に取り組むことができるようにもなります。

なかには「朝のジョギングで人生が 180度変わった」といった喜びの声もあるくらいです。

脳科学的な話をすれば、人間の行動の 9割をコントロールしているのが“脳の司令塔”と言われる『前頭前野』で、運動によって鍛えることができます。

前頭前野は、主に情報処理や判断を司っており、強化することで仕事や勉強においても集中力や判断力などの能力を高める効果が得られます。

多くの成功者や一流の経営者が「ジョギングが趣味」と言うのも、運動を習慣化させることで仕事のパフォーマンスが向上することを経験的に、あるいは脳科学的に知っているのかもしれません。

普段からどうしても運動不足になりがちなデスクワーカーほど、運動によって鍛えられた前頭前野がもたらす絶大な効果を感じて欲しいです。

さらに言えば、朝時間のウォーキングやジョギングは、脳を活性化し、ストレス解消に一役担うこともわかっています。

脳波が α波を出すことでリラックスし、心身ともに幸せな状態に入り、脳内の視床下部や脳下垂体から『ベータエンドルフィン』という快感物質が分泌されるからです。

このベータエンドルフィンは、ストレスを解消する物質で、脳から分泌されると心がだんだんと幸せな気持ちになっていき、次第に身体の疲れも消えていきます。

メンタル面が充実することで仕事も勉強もやる気に満ち溢れます。

ただし、この快感物質は 5分や 10分程度の運動では分泌されません。

軽く汗がにじみ出てくる 30分程度は必要です。

ここで大切なのは、自分の疲労やストレスの度合いに合わせてトレーニング量を決めることです。

疲労やストレスが過度にたまっている状態で過酷なオーバートレーニングを課すと、かえって逆効果。

疲労が抜けなかったり、さらなるストレスが蓄積されてしまう恐れがあります。

何事にも言えることですが、適度・適量を心掛けなくてはいけません。

今ちょっとしたブームなのでしょうか。

多くのビジネスパーソンが夕方にぞろぞろと現れて、皇居のお堀の周辺をジョギングしている姿を見掛けます。

私も学生だった頃は、ウォーキングやジョギングは夕方にしていました。

ただ、今の生活習慣ではなかなか難しいので、朝時間に行うようにしています。

14 毎朝の食事にも自分なりのセオリー習慣を!「茂木さん、脳に良い朝の食事ってなんですか?」 これまで何度この質問を投げ掛けられたことか……。

脳科学的に言えば、「これが脳に良い朝食です」というものは、特にありません。

ただし、脳科学的な知見から、朝食にも自分なりのセオリー習慣を取り入れることをオススメしています。

私の場合は、朝起きてからコーヒーとチョコレートを食べて目を覚まし、そのあとに温かいご飯とみそ汁、おかずといったメニューを摂取するのが朝の日課の 1つです。

忙しいビジネスパーソンのなかには、朝食を食べない人もいますが、ただでさえ、朝というのは貴重な時間です。

その限られた時間のなかで規則正しい朝食の習慣を身につけることは、 1日の仕事のパフォーマンスを高めるうえでは欠かせません。

様々な理由から食べられない人もいると思います。

ですが、それほどたくさんの量を摂取する必要はありません。

人によってはパン 1枚だけを食べるのが習慣の人もいるでしょう。

おにぎり 1個だけという人も。

それが自分のコンディションに適した朝食の習慣であれば問題はありません。

ところで、私は日頃からとても不思議に感じていることがあります。

「朝食をしっかり食べれば脳が元気になる」──このような考えが世間で浸透していることです。

脳科学的な知見で述べれば、朝食をしっかり食べたからといって頭が良くなるわけでも、仕事ができるわけでもありません。

明らかな誤解というもの。

朝食ですべてが決まるわけではないのです。

ただ、毎日規則正しく、同じ量で、栄養バランスを考えた朝食が健康的であることは間違いありません。

私自身も毎日決まった時間に、同じ量の朝食をとるようにしています。

朝食の習慣化とは別に、毎日朝食について考える脳のリソースを使うよりも、仕事に集中するための脳のリソースを優先しているからです。

人間の脳にとって、「寝る →起きる →食べる」という行為に変化があることは大きなストレスの要因になりかねません。

これら一連の生活リズムをつくり出す朝時間の脳のリソースを考えながら、寝る時間や起きる時間、朝食をとる時間や量を自分でコントロールできれば、朝から脳のパフォーマンスは飛躍的に向上します。

15 「創造性」はパワー溢れる脳にしか生まれない 基本的に発想が勝負となるクリエイティブな仕事というのは、自分の知見や体験を咀嚼し、整理して脳に染み込ませています。

このようなプロセスを踏むことで「創造性」が生まれるからです。

企画やアイデアを考えることはもちろん、誰かと会ったり、人脈を構築するうえでも朝時間は適しています。

アイデアについての話を詳しくするのであれば、英語に『 sleep on it(それを一晩寝て考える)』という言葉があるように、ある程度頭のなかが煮詰まったときには、夜は早めに寝て、朝早く起きることで解決できます。

これは脳科学の研究でも明らかにされていることです。

私自身も、夜に原稿を書いていてなかなか思うように進まないときは、頭を切り替えるために素早く寝るようにしています。

そして、翌朝スッキリした状態で書くほうがはるかに効率よく進めることができるのです。

なぜ、夜はクリエイティブな仕事や勉強に不向きなのでしょうか。

それは、朝目覚めてから夜寝るまでの間に得た記憶が整理・蓄積されるのは睡眠中だからです。

つまり、夜になると脳のなかは未整理の記憶でいっぱいになってしまい、このような状態では脳の活動がフレキシブルにならないのです。

朝はどうでしょうか。

眠っている間に記憶が整理されていますから、脳がクリアな状態になっています。

そのため、朝は脳がパワーを発揮しやすく、何かクリエイティブなことをするのにはもってこいの時間帯なのです。

最近の脳科学の研究では、夜の脳が朝とは別のモードで活動していることがわかっています。

昼間や夜に感じたストレスや感情の矛盾を人間は寝ている間にリソースして、朝起きたときには情報もまとまり、ある程度整理されるので、脳が非常にバランスの良い状態になっているのです。

16 『ネオフィリア』の天敵“退屈”を撃退する方法 人間の脳は、新しいものを好む『ネオフィリア』という性質を持っています。

地球上で人間のみが進化と繁栄を遂げることができたのは、この性質を私たち人間が持ち得ていたからだと言っても過言ではありません。

ネオフィリアは、常に新しいものを好む脳の性質ですが、裏を返せば、脳にとって「退屈」なことこそが最大の敵だと言えます。

何か新しいことをするでもなく、ただなんとなく毎日をやり過ごしている状態が「退屈だ」と感じなくなってしまったら……それは、脳の成長が“停滞気味”である証拠です。

そのような状態を招かないためにも、自分で工夫してネオフィリアを満足させる行動を起こさなくてはいけません。

自分が興味のあることや新たな発見を見つけ出すことで、自分自身の脳に良い刺激を与えるのです。

私の場合は、朝時間に今まで一度も読んだことのない新しい本を読むことでネオフィリアを満足させています。

本というモノは、恐ろしい魔力があり、読み進めることで自分が知らない世界に誘ってくれます。

別の本を読めば、また違う世界に……。

ですから私にとって、本は脳の“天敵”である退屈を撃退する有効な手段なのです。

そのほかにも、リラックスしている朝時間に音楽を聞くのもオススメします。

様々な分野の音楽をその日の気分に合わせて聞くことで、新鮮な気持ちになるからです。

最近は、インターネットや SNSの普及によって退屈しない方法はいくらでもあります。

そういう最先端の電子媒体を積極的に使って、オリジナルの音楽を作曲するのも面白いかもしれません。

また、動画を自作して世界中に配信するのもネオフィリアを満足させるうえで効果的な取り組みです。

脳は退屈すると、ネガティブな思考に陥ってしまう悪い“クセ”があります。

その意味においても、朝時間に新しい行動を積極的に取り入れて、ネオフィリアを満足させることは、脳のコンディションを維持するうえでも、さらなる脳の成長を促すうえでも最高の“栄養源”になり得ると言えるでしょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次