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第 6章 フラクトオリゴ糖でうつも治る

目次

フラクトオリゴ糖とは何か?

フラクトオリゴ糖(図 17)は砂糖(ブドウ糖と果糖がつながった 2糖)に果糖(フラクトース)が 1個から 10個程度ついた糖です。果糖が 50とか 100とか大量についたものはイヌリンと呼ばれます。

大腸で酪酸菌を増やす力が強いものは果糖の数の少ないものです。

第 5章では「酪酸が増えるとアレルギーと自己免疫疾患がすぐに治る」とご紹介しましたが、みなさんはまだその証拠を見ていません。

フラクトオリゴ糖をたくさん食べると大腸で酪酸菌が増えることについて、たくさんの論文が発表されています。これは間違いのない事実です。

それでは「酪酸菌が増えるとアレルギーと自己免疫疾患が治る」ことを、どう証明したらよいか。

この真偽を確かめるため、私は経営するカフェ 500でフラクトオリゴ糖を「長沢オリゴ」という商品名で販売して人体実験を行いました。本格的な販売は 2018年 10月から。

すでに、 2018年1月から近隣の人だけに販売をしていて、アレルギーと自己免疫疾患に効くことを確かめてありましたが、ネット販売を始めたのです。

すぐに、近隣の方からの口コミで全国に伝わり、北海道から沖縄までの多くの人が使うようになりました。使用者には、「なんの目的で、どうなったか」を可能なかぎり聞き取りしました。

本章で説明するのは、その聞き取りの結果です。

最終的に私は、「酪酸菌が増えるとアレルギーと自己免疫疾患とその他の多くの不調が改善する」と結論づけたのです。

私は学者ですので、数千人の人体実験と聞き取りという科学的でない方法では問題があることは知っています。しかし、病気や体調不良を持つ人にとっては、治ればよいだけです。私も、科学論文を書くわけではありません。ただ一人でも多くの病気や体調不良を治したいだけなのです。

100の病気が治った

フラクトオリゴ糖を摂ると、つぎのような体の変化が起こります。

その体の変化によって改善される症状も記載します。

1.酪酸は、体の炎症を抑える 改善される症状:花粉症、アレルギー性鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、食物アレルギー、ペットアレルギー、光線過敏症、金属アレルギー、寒暖差アレルギー、痔、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、うつ病、パニック障害、自律神経失調症、睡眠障害、過敏性腸症候群、肌のシミ・シワの抑制、虫刺されによる腫れの抑制 2.酪酸は、大腸と回腸からインスリンを放出させるホルモン G LP‐ 1を放出させる 改善される症状:糖尿病 3.酪酸は、大腸細胞のエネルギー源になって大腸細胞を元気にする 改善される症状:便秘、下痢、骨粗しょう症 4.作用はわからないが、改善される症状または作用 肌水分が上がりつるつるになる、血流をよくして冷え症を改善、記憶力がよくなる、目覚めがよくなる、血管が太くなる、風邪やインフルエンザになる回数が減る

認知症の予防につながる

最も多い4つの認知症(アルツハイマー型、レビー小体型、脳血管性、前頭側頭型)は、老化によって脳の血管の血流が悪くなることが根本原因です。フラクトオリゴ糖は血流を良くします。

また、空腹時に回腸と大腸から GLP‐ 1というホルモンを放出、膵臓から微量のインスリンを放出させて血糖値を下げます。血糖値が低い状態でインスリンは脳の毛細血管から脳内部に入り、海馬の神経幹細胞を分化させて記憶細胞を増やします。

反対に高血糖は酸化ストレスとなり、脳の毛細血管にダメージを与えます。

認知症予防では酸化ストレスを減らす糖質制限も同時に行うとさらに効果的です。

カフェ 500のお客さんで、大脳の萎縮が進んでおらず認知機能が低下している方がいました。

フラクトオリゴ糖の摂取と糖質制限に取り組んだ結果、 1か月ほどで認知機能は大幅に改善しました。

認知症は老化現象ですので、予防は難しいですが、体が衰える前に脳が衰えるのは避けたいものです。フラクトオリゴ糖を摂って大腸の酪酸菌を増やすと、認知機能の低下を防げます。

女性の肌がどんどん若返った

カフェ 500のお客さんが、フラクトオリゴ糖を摂り始めると、 2回目に買いにくる時には若返って見えるようになります。何回か買いにくるころには見違えるほど若返ります。

あるお客さんは「エステで肌水分量を測ったら、びっくりするほど上がっていた」とおっしゃっていました。別のお客さんは「最近、朝起きて鏡を見ると肌がきれいになっているので、鏡を見るのが楽しみになった」とおっしゃっていました。

肌に紫外線があたると炎症が起き、それがシミやシワになります。また、アレルギーがあると、肌はがさがさになります。酪酸菌は肌の炎症とアレルギーを抑えます。

私の店カフェ 500は、以前はレストランをしていました。レストランでは皿洗いを毎日 2 ~ 3時間行っていました。

私はアトピー体質ですから、肌はがさがさになりました。

ところが、フラクトオリゴ糖を摂るようになってから肌はいつもつるつるです。水を撥くので肌はまったく荒れないようになりました。それからというもの、シミも新しいものはできていません。

関節リウマチ、潰瘍性大腸炎は予防が大切

関節リウマチ、潰瘍性大腸炎などの自己免疫疾患は日本では 150万人以上います。

米国では約 850万人で、その 80%が女性です。

カフェ 500のお客さんにも関節リウマチと潰瘍性大腸炎の人はたくさんいますが、フラクトオリゴ糖を摂ると痛みや潰瘍はすぐによくなっています。しかし、完全にはよくなっていないようです。

第 2章で書いたように、自己免疫疾患は 1950年以前にはほとんどなかった病気です。

自分の免疫が自分の組織を攻撃するのですが、こんなことは本来ないことです。

抗生物質が腸内フローラを攪乱すると免疫が攻撃するようになるのです。私たちの体の免疫は自分の細胞を攻撃しないようになっています。それなのに、こんなに多くの人が自己免疫疾患になっている。何か矛盾があります。

この病気の本当の原因はなんなのでしょうか? 私は、腸内フローラのアッカーマンシア菌が鍵を握っていると思います。もちろん、酪酸菌も重要です。

なんらかの物質が腸などから体に入り込んで、これがくっついた細胞が攻撃されると推定するしかありません。

糸球体腎炎、ギランバレー症候群などの感染症が引き金となって起こる自己免疫疾患がたくさんあります。

これらは、自分の細胞に感染した細菌がつくことによって攻撃されるのです。

おそらく、関節リウマチなどの自己免疫疾患はリーキーガット(腸もれ)が原因だと思います。

私たちの大腸は、ふだんは栄養物となる小分子しか吸収しませんが、リーキーガットという状態(図 18)になると巨大分子が体に入ります。

じつは、リーキーガットは頻繁に起こっています。

毒性のあるものや病原菌が大腸に入った時、大腸は細胞のつながり(タイトジャンクション)をゆるめて、血液から大量の水を放出し、下痢を起こして排出するのです。

下痢以外ではリーキーガットは起こりませんが、抗生物質などで腸内フローラが攪乱された時に起こります。リーキーガットを防ぐのは酪酸菌と大腸の表面で増殖するアッカーマンシア菌です。

ですから、私は、フラクトオリゴ糖を摂っていれば、リーキーガットを防ぎ、自己免疫疾患の発症を予防できると考えています。

女性の方は、ぜひ、フラクトオリゴ糖を摂ることを習慣にしてください。

免疫力をアップするとがんになりにくい

カフェ 500のお客さんのほとんどの方が、「フラクトオリゴ糖を摂るようになってから風邪をひかなくなった」とおっしゃいます。

また、「インフルエンザを予防するというヨーグルトを食べていたが、インフルエンザになってしまったので、フラクトオリゴ糖を摂ることにしました」という方もいました。

大腸の酪酸菌を増やすと免疫力が上がると言われています。私は生まれてから一度もインフルエンザになったことはありません。

東大に勤めていたころは、となりにインフルエンザの学生がいっぱいいました。それでもインフルエンザになりませんでした。インフルエンザにならないのは、私の体質でしょう。

また、 50年くらいの間、風邪で熱を出したこともありません。

さらに、この 50年ほど、 1年に 1 ~ 2回、 2 ~ 3日間、咳が出たり痰が出たりしていましたが、フラクトオリゴ糖を摂るようになってからというもの、 2年近く咳も痰も出ません。

私は、大腸の酪酸菌を増やせば、かなり免疫力が上がると思います。免疫力が上がれば、がんの予防ができます。がんは慢性炎症で起こるという説があります。酪酸菌が増えればすべての炎症を抑えますので、がん予防に有効でしょう。糖質制限もがん予防に有効ですので、おすすめです。

がん細胞はブドウ糖だけを食べます。糖質制限するとエネルギー源としてケトン体というものを使うようになります。ケトン体ではがん細胞は増えません。糖質制限はがん細胞の活性を抑えます。

さらに、免疫力を上げるビタミン Dのサプリメントを毎日 50マイクログラムほど摂れば強烈にがん細胞を抑えることができます。

記憶力を上げて物忘れをなくそう

「フラクトオリゴ糖を摂っている方は記憶力がよくなっている」とお伝えしたいところですが、お客さんに記憶力テストをするわけにはいかないので、断言ができません。

しかし、これだけは言えます。

「私は、東大教授をしていた時より、はるかに記憶力がよくなっています」。

記憶は脳の海馬という領域で作られ、信号が前頭葉に送られて長い間保存されます。当然、海馬や前頭葉の神経細胞はだんだん死滅して少なくなります。ところが、脳の中で海馬の細胞だけは増えるのです。

海馬を増やすシグナルを出すのはインスリンです。ですから、記憶力をよくするにはインスリンを脳に入れなければなりません。インスリンは血液中を流れますが、血糖値が高いと脳に入りません。

したがって、記憶力をよくするには血糖値を下げた状態を維持すればよいのです。

ここで、矛盾があります。

じつは、血糖値が低い時はインスリン濃度は低くなってしまいます。そこで、低血糖の時に少量のインスリンを放出させる必要があります。このホルモンが小腸の回腸と大腸から分泌される G LP‐ 1なのです。

酪酸菌は GLP‐ 1を放出させますので、記憶力がよくなります。

したがって、人の名前が思い出せないなどということは無くなります。

ただし、当然、一日中血糖値を下げておいた方がよいので、同時に糖質制限もしてください。

つらかった痔が治った!

私は東大教授をしていたころ、常に肛門の周りが赤く腫れ、歩くのが痛くてたいへんでした。便を拭いてもきれいに取れず、赤くただれるのです。

便を拭いてもきれいにならないので、温水シャワーを使うのですが、これで、肛門の周りはさらにひどく腫れるのでした。これは痔です。

痔は肛門の周りに炎症が起こること。日本人の 3人に一人が痔で悩まされています。東大教授をしていたころは、ごく一般的な食事をしていました。

もちろん、ヨーグルトは体によいと考えて、無糖なものを毎日のように食べていました。ごく普通の生活で健康によいものを食べていましたが、常に軟便でした。軟便だと肛門の周りに炎症ができます。

ところが、どうでしょう。

およそ 2年前にフラクトオリゴ糖を摂り始めてからは、軟便はおろか下痢すらありません。

もちろん、便秘もありません。痔もすぐに治りました。いまでは、トイレットペーパーで拭く必要がないくらいです。

酪酸菌が炎症を抑える効果はすごいのです。

深い眠りで睡眠の質がアップする

熟睡を指南する本はたくさん出されています。

西野精治教授の『スタンフォード式最高の睡眠』(サンマーク出版)はよく売れています。

これらの本には、 「朝日を浴びる」 「夜はスマホを使わない」 「寝る 1時間半前に入浴する」 など、当たり前のことが書かれていますが、他によい方法はないのでしょうか? 答えは「あります」です!

フラクトオリゴ糖を摂れば、脳の炎症がなくなり、すぐ眠れ、熟睡できるようになります。睡眠障害はストレスなどによる脳の炎症なのです。

フラクトオリゴ糖を摂っているほとんどの方が、 「朝まで起きなくなった」 「ドラマを見ていると寝てしまって、最後まで見られなかった」 「熟睡できるようになった」 「睡眠薬を飲まなくても眠れるようになった」 などと言います。

「フラクトオリゴ糖には睡眠薬が入っているのですか?」 と聞かれた時にはびっくりしました。

安心してください。フラクトオリゴ糖を摂っても日中に眠くなることはありません。大腸の酪酸菌を増やしておくと、 1日中リラックスできて、気分よく過ごせます。そして気分がよいまま夜をむかえ、熟睡するのです。

薬を使わずにうつが治る

うつはストレスや感染などによって脳に炎症が起こることが原因。さまざまな体内の炎症性サイトカインの量が増えることによって、引き起こされます。

じつは、うつは、ホルモンの一種であるセロトニンが増えることで治ります。セロトニンとは別名「幸せホルモン」と呼ばれていて、うつ治療のターゲットになっているホルモンです。

セロトニンが減ることによってうつ症状が出て、逆にセロトニンの量が増えればうつは治る、というメカニズムです。セロトニンは人間の中で生成できる物質で、たとえば、朝日を浴びるだけで脳の中にセロトニンが生成されます。

そのセロトニン作用を上げる薬として、抗うつ薬(向精神薬)の投与が一般的ですが、向精神薬は非常に危険です。向精神薬の投薬を続けていくことでシナプスが破壊されていき、自殺する時の恐怖心がなくなっていきます。

日本で年間 2万人を超える自死者のうち、うつ病の占める割合は高く、 30代、 40代の自死者のほぼ 100%が、向精神薬を飲んでいるのです。

また、向精神薬は統合失調症を患う危険性も秘めています。そこでおすすめしたいのが、酪酸菌です。

酪酸菌は継続的にセロトニンを増やすことができるので、フラクトオリゴ糖を摂ることでうつ改善効果が持続するのです。

骨粗しょう症を素早く改善する

骨密度が 20 ~ 44歳の人の平均の 70%以下の人は骨粗しょう症と診断されます。骨粗しょう症の人は約 1300万人と言われ、その 80%が女性です。

骨粗しょう症になると、骨折が起こりやすくなります。骨折の起こりやすい場所は、脊椎、大腿骨、肩、手首です。特に足のつけ根の大腿骨が折れると寝たきりになり、認知症につながると言われています。

脊椎の骨折は圧迫骨折で椎骨がつぶれます。その結果、背が低くなったり、腰が曲がったりします。腰痛も起こることがあります。

脊椎が骨折すると、見るからに老人になったように見えます。

おそらく、ほとんどのみなさんが骨密度を上げたいと思っているでしょう。

骨密度を上げるために、「カルシウムを多く摂るのがよい」と考えている人が多いですが、これは間違いです。カルシウムを多く摂っても、血中濃度を一定に保つ機能があるため、腸ではほとんど吸収されません。

骨に衝撃を与える運動をすると、新しい骨芽細胞が増え、カルシウムの血中濃度が下がり腸から吸収されます。ですから、カルシウムをたくさん摂ることより、骨に衝撃を与えるジャンプ、ジョギングなどの運動が重要なのです。

ビタミン Dとビタミン Kを多く摂ることは、カルシウムを摂ることより重要です。

ビタミン Dはカルシウムの吸収や輸送を行い、骨を固くする作用(石灰化)もあります。ビタミン Kも骨を固くする作用があります。ビタミン Dは毎日太陽光に数時間あたれば十分量ができます。魚、キノコ、卵などに含まれますが、これらからはせいぜい 1日 10マイクログラム程度しか摂れません。

ビタミン Dを 50マイクログラム程度サプリメントで補うことをおすすめします。

ビタミン Kは緑色の野菜、海藻、納豆に含まれています。特に、納豆には大量に含まれています。

納豆には納豆菌が増殖していますが、この菌は呼吸(エネルギー生産)するためにビタミン Kを大量に作ります。

骨粗しょう症になってしまうと、骨を破壊する反応(骨吸収)を抑えるビスホスホネートという薬、ビタミン D、ビタミン Kが処方されます。

これが標準的治療法ですが、これでは骨密度はなかなか改善されません。

ところが、どうでしょう。

骨密度が低いということで、治療を受けている人たちがフラクトオリゴ糖を摂っていると 6か月 ~ 1年で治ってしまうのです。

私は、骨は 3年とか 5年経たないと再生しないと考えていましたので、これは驚きです。

フラクトオリゴ糖を摂って大腸の酪酸菌が増えると大腸は酸性になります。酸性になるとカルシウムは溶けます。溶ければ簡単に吸収できます。

じつは、フラクトオリゴ糖が骨粗しょう症を改善するという論文はたくさん報告されています。骨粗しょう症が気になる人は、病院に行く必要はありません。フラクトオリゴ糖を摂っていればよいだけです。

便秘に悩まない生活を過ごそう

日本人のおよそ 3割が便秘と感じています。

女性の方が多く 10代後半から、男性は 60歳過ぎから急増します。

便秘を起こす病気の代表が過敏性腸症候群です。過敏性腸症候群は便秘と下痢を繰り返し、腹痛を起こすのが特徴です。原因は、ストレスなどさまざまあり、詳しくわからないケースも多いようです。

大腸がんや自己免疫疾患のクローン病で大腸がつまると便秘になります。また、糖尿病、パーキンソン病などでも便秘になります。向精神薬、抗がん剤などの薬でも便秘は起こります。

薬や病気も便秘の原因になりますが、私たちの便秘の大部分は、病気や薬で起こるものではありません。

日本では便秘の治療にセンナなどの刺激性下剤が多用されてきました。ところが、これを飲むと腹痛が起こります。また、長期間使っていると大腸が動かなくなります。

2017年の女性のがんで死因第 1位は大腸がんです。女性は便秘が多いから大腸がんが多いのも当然だ、と考えるかもしれませんが、それは、間違いです。

便秘と大腸がんはまったく関係がないことが明らかとなっていて、急増している潰瘍性大腸炎や刺激性下剤の使用が、大腸がんの増加の要因であると考えられています。

刺激性下剤は絶対に飲まないでください。刺激性下剤はドラッグストアでも販売されていますので気をつけてください。

最近は、浸透圧性下剤と呼ばれる酸化マグネシウムがよく使われています。これは、副作用の心配はほとんどありませんが、血中マグネシウム濃度が高くなることがあります。

刺激性下剤と酸化マグネシウムは市販されていますので、一般的にはほとんどこれらを使っています。病院に行けば上皮機能変容薬や胆汁酸トランスポーター阻害薬なども処方されることがありますが、これらの処方薬は強制的に下痢を起こすものです。

あまり、使いたくないものです。

便秘について、いろいろと説明してきましたが、便秘の改善で最も効果があるのは運動です。特別な運動をする必要はありません。

日常の仕事、家事、買い物で体をよく動かせば便秘は改善されます。私は自動車を持っていないため、買い物は自転車か歩いて行きます。買い物だけでも十分よい運動になります。

運動にプラスして、フラクトオリゴ糖を摂って酪酸菌を増やせば、さらに便通はよくなります。ただし、大腸の酪酸菌が増えると大腸が元気になって便が固くなることを忘れないでください。心配ありません。便が固くなっても便秘にはなりません。

血流がよくなって劇的に健康になった

フラクトオリゴ糖を摂っている人は、 「冷え症がよくなった」 「かかとのがさがさがなくなった」 「血管が太くなった」 「肌がつるつるになった」 などと言います。

これは、血流がよくなったことが原因なのですが、じつは大腸の酪酸菌が増えると血流がよくなるメカニズムはよくわかっていません。

冬の肌荒れはなくなり、食器洗いが楽になり、手も足も顔も若がえったようになる。

フラクトオリゴ糖を摂って酪酸菌を増やすことで、このような驚異的な変化を起こします。

「ピンピンコロリ」に近づける

腸内フローラの研究で有名な辨野義己博士は『 100歳まで元気な人は何を食べているか?』(三笠書房)で、「 100歳まで元気で長生きしている人の便は酪酸菌を大量に含んでいる」と書いています。

辨野博士は非常に多くの健康な百寿者の便を日本全国から集め、腸内フローラの分析をしました。その結果、百寿者は全員、大腸の酪酸菌が多いと言うのです。

東北大学名誉教授の近藤正二博士は、 1935年ごろから 35年間にわたって、日本全国の長寿村と短命村で食べているものを徹底的に調べ、著書『日本の長寿村・短命村─緑黄野菜・海藻・大豆の食習慣が決める』(サンロード)にまとめました。

現在では、全国にファミリーレストランやファストフードの店があるので、食べているものが地域で違うことはほとんどありませんが、 80年ほど前には村々で異なる食習慣を持っていましたので、長寿村と短命村という分け方ができたのです。

近藤博士は、 「長寿村では、野菜、海藻、大豆をたくさん食べ、動物性タンパク質は少ない」 「短命村では、米をたくさん食べている」 と結論づけました。

ダン・ビュイトナーは世界の長寿村の食事と生活を調べ、『ブルーゾーン 世界の 100歳人に学ぶ健康と長寿のルール』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を執筆しました。

ビュイトナーは、 「長寿村では、野菜、ナッツ、豆類をたくさん食べ、動物性タンパク質は少ない」 と結論づけています。

近藤博士とビュイトナーの結論はほぼ同じです。野菜とナッツ、豆類をたくさん食べることが健康な百寿者を作るのです。野菜、ナッツ、豆類は大腸の酪酸菌を増やしてくれます。フラクトオリゴ糖を摂って酪酸菌を増やせば、「ピンピンコロリ」に近づけるのです。

誤解だった!健康食品の嘘

明治大学科学コミュニケーション研究所というサイトは、市販のサプリメントの有効性を評価しています。このサイトではそれほど多くのサプリメントを調べているわけではありませんが、 EPAと D H Aは作用の有効性があり、ヒアルロン酸、グルコサミン、コラーゲン、コエンザイム Q 10には作用がないと評価しています。私も市販のサプリメントにはほとんど有効なものはないと考えています。

これらの有効性のないサプリメントを大手企業が堂々と販売していることは驚きです。

つぎに、健康によいとされる菌などを添加しているサプリメントについてまとめます。

乳酸菌サプリ:乳酸菌(ラクトバチルス)を添加しても胃でほとんどが死滅します。生き残ったものは小腸や大腸で増殖することはありません。健康に対する効果はまったくありません。

ビフィズス菌サプリ:ビフィズス菌も胃でほとんどが死滅します。生き残ったものは大腸で増殖できますが、もともと大腸には 1グラムあたり 10億個以上のビフィズス菌が生息しています。摂る意味はありません。ビフィズス菌は酪酸菌に比べて非常に少ない細菌です。これを少し増やしても便通を改善する程度の効果しかありません。

納豆菌サプリ:納豆菌を添加しているサプリメントもありますが、まったく意味がありません。「納豆キナーゼが血液をさらさらにする」と宣伝する会社もありますが、納豆キナーゼはタンパク質です。小腸でアミノ酸に分解されます。血流に入ることはありません。

乳酸菌生産物サプリ:乳酸菌生産物質という怪しいサプリメントがあります。乳酸などが含まれているものと推測されますが、乳酸などを食べても小腸で吸収されますので、大腸に対する影響はありません。

酪酸菌と短鎖脂肪酸サプリ:酪酸菌と短鎖脂肪酸を添加しているサプリメントがあります。添加されている酪酸菌は胃では死にませんが、大腸に送られてもエサがなければ増えません。短鎖脂肪酸はおそらく酪酸を主成分としていると思われますが、これらの短鎖脂肪酸も小腸で吸収されてしまいます。摂る意味はありません。

最後に、繰り返しになりますが、ヨーグルトには何の健康効果もありません。

オリゴ糖食品の真実

「カフェ 500で売っているフラクトオリゴ糖は、食品スーパーで売っているオリゴ糖とどのような違いがあるのか?」という質問を頻繁に受けます。

「市販のオリゴ糖は甘味料であり、整腸作用は弱いかほとんどない」 というのが、私の答えです。

1 kg 500円くらいで売られている「オリゴ糖」はイソマルトオリゴ糖を固形分の約 50%含みます。残りはブドウ糖/果糖などの甘味成分です。血糖値を上げて生活習慣病を促進します。

イソマルトオリゴ糖は胃や小腸で分解され、ほとんどがブドウ糖として吸収されます。これは整腸作用ほぼゼロの甘味料です。

どこのスーパーでも「北海道てんさいオリゴ」という商品が売られていますが、これはオリゴ糖であるラフィノースを固形分の約 10%含み、残りの 90%はブドウ糖/果糖などの甘味成分です。これもほぼ甘味料で、整腸作用は期待できません。生活習慣病を促進します。

「オリゴのおかげ」という商品もどこのスーパーにも売られています。

これには、オリゴ糖である乳果オリゴ糖が固形分の約 40%含まれており、残りの 60%はブドウ糖/果糖などの甘味成分です。乳果オリゴ糖の量が多いので、ビフィズス菌が増加すると考えられます。しかし、糖質が多いので血糖値が上がり、生活習慣病を促進します。

スーパーで売っている「 ○ ○オリゴ糖」は、すべて甘味料なのです。

現代の食生活でフラクトオリゴ糖を十分摂るのは難しい

現代の日本人は米を中心とした食事を摂っています。米、特に精米した白米にはビタミンやミネラルがほとんど含まれていません。もちろん、フラクトオリゴ糖も含みません。

炊いたごはんを食べると、カロリーが高く、人によってはごはんだけで 1日に 1000キロカロリー以上摂ることになります。米は糖質を 75%含んでいます。

ごはんなどの糖質過剰な食べ物を中心に食べると、フラクトオリゴ糖を含む根菜類や葉物野菜をたくさん食べることができません。

さらに、現代の日本人は肉、卵、魚などのタンパク質を多く含む食品を好みます。肉、卵、魚をたくさん食べるとますます根菜類、葉物野菜が減ります。

コンビニやスーパーで売っている弁当には、野菜がほとんど入っていません。野菜以外のほうが人気があるからです。野菜やサラダだけがおかずで入っている弁当を買う人は少数でしょう。

現代の日本人が摂っているフラクトオリゴ糖は 1日 1 ~ 3グラム程度です。私は、 1日 10グラムは摂ってほしいと思いますが、現代の日本人の食生活では難しいようです。

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