1 現代人の腸はバリアがどんどん破れている 2 衛生的な生活が免疫システムを狂わせる 3 抗生物質を使うと腸内細菌が大量に死ぬ 4 発酵食品の凄い効果――ロンドン大学の研究 5 このサプリを使えば症状は改善する 6 食物繊維の驚くべき病気予防効果とは? 7 食生活を〝再野生化〟して腸を守る実践ガイド
1現代人の腸はバリアがどんどん破れている あなたに数年来の親友がいるとしましょう。
2人は生まれてからずっと一緒で、ほどなく共同で暮らすようになりました。
あなたは友人に住む場所を提供し、その代わりに友人は炊事や洗濯をすべてやってくれます。
もはや、あなたは友人なしで生活ができません。
そんなある日、関係に異変が起きます。
あなたは、今まで助けてもらった恩を忘れて友人を自宅から追放。
それでもめげずに戻ってくる友人を、何度も何度も追い出し始めたのです。
なんともひどい話ですが、実はここ数十年、人類は同じような過ちをくり返してきましした。
その友人とは、「腸内細菌」のことです。
腸内細菌は、ヒトの消化器官のなかに住み着く様々な微生物で、ヨーグルトなどに含まれるビフィズス菌や乳酸菌が有名です。
その数はおよそ 100兆 ~ 1000兆で、これは人体のすべての細胞の数を超えます。
その全容はまだ解明されていませんが、腸内細菌の働きぶりは凄まじいものです。
たとえば、腸内細菌は、アミノ酸や食物繊維などを材料にして、ビタミン B群やビタミン Kといった重要な成分を合成します。
おかげで私たちは、主要なビタミンの欠乏症から免れることができています。
ほかにも栄養の吸収を助けたり、食物繊維を分解してエネルギーに変えたり、脂肪酸を生成して腸壁を守ったりと、その活躍は八面六臂。
いずれも私たちが健やかに暮らすために欠かせない機能で、腸内細菌なしで人体は正常に働きません。
数ある腸内細菌の働きのなかでも、もっとも大事なのが「外敵との戦い」です。
腸管は栄養の吸収を行うための器官ですが、いっぽうでは細菌やバクテリアなどの脅威にさらされています。
人間の腸は、栄養を体内に送り込むと同時に外敵が体内に入り込むのを防ぐという、非常に難しい役目を任されているわけです。
そんななか、腸内細菌は兵隊として働きます。
まずは善玉菌が腸内に巨大なコロニーを作り、敵に立ち向かうための前線基地を設営。
そこで栄養素をもとにバクテリアを駆除する武器を作り出し、腸管からの侵入をブロックするのです。
同時に、腸内細菌は食物繊維から酪酸という脂肪酸を生産し、これで有害物質が体内に入り込むのを防ぎます。
腸内細菌がなければ、私たちの免疫システムは攻撃も防御もままなりません。
ところが、人類の暮らしが近代化するなかで、このシステムに不調が出てきました。
その根っこにあるのが、「リーキーガット」という症状です。
これは腸の細胞に細かな穴が開いてしまう現象のことで、日本語では「腸管壁浸漏症候群」と呼びます。
腸の粘膜をつなぐ結着細胞が壊れて、バリア機能が破れた状態を意味しています。
いったんリーキーガットが起きると、腸の穴から未消化の食物やエンドトキシン(毒素)などの有害物質が血管に侵入。
これに反応した人体は免疫システムを作動させ、体内のあらゆるエリアに慢性的な炎症を発生させていきます。
こうなってしまうと、どんなに健康的な生活をしても、なかなか効果は出ません。
いくら野菜を食べようが、毎日 8時間ずつ眠ろうが、腸のバリアを突破した毒素が体内で暴れ続けるからです。
リーキーガットはアレルギーや認知機能の低下など様々な症状を起こしますが、なかでも重要なのは「疲れやすさ」との関係性でしょう。
2016年、コーネル大学の研究チームが、「慢性疲労症候群」に悩む患者の腸内細菌を調べる研究を行いました。
「慢性疲労症候群」は少しの作業でも疲れきってしまう症状を指し、掃除や洗濯のような日常的な家事でも精神と体力を消耗していきます。
一晩寝ても疲れがとれず、激しい頭痛や記憶力の低下などが起きるケースも少なくありません。
その実数は不明ながら、厚労省の調査では 38・ 7%の人が慢性的な疲労を報告。
1960年代とくらべれば、「謎の疲れ」に悩む人の数は激増しています。
コーネル大学の研究結果は、慢性疲労と腸内細菌の関係を強く示していました。
慢性疲労症候群の患者は健康な人にくらべて腸内細菌の種類が少なかったうえ、疲れやすい人ほど体内の炎症レベルが高く、リーキーガットの割合も多かったのです。
この結果をもとに研究チームは、現代人の謎の疲れに対して、食物繊維やヨーグルトが効く可能性を示唆しています。
2衛生的な生活が免疫システムを狂わせる ヒトと類人猿の DNAをくらべた 2016年の研究によれば、およそ 530万年前には、私たちと腸内細菌は「持ちつ持たれつ」の関係だったと推測されています。
腸内細菌は、人類にとって最古の友人だと言えるでしょう。
にもかかわらず、現代人は最古の友人との共同生活を取りやめようとしています。
長い人類史のなかで、初めての仲違いが起きているのです。
その原因はおもに2つで、ひとつめは「衛生の発達」です。
言うまでもなく、現代人は衛生の発達で平均寿命を大きく延ばしてきました。
古代人を悩ます多くの感染症を克服できたのは、抗生物質のような医薬品を発明し、クリーンな水道水や下水といった衛生設備を発展させたおかげです。
ただし、この発明が現代人に重大な副作用をもたらしたのも事実ではあります。
抗生物質が腸内の善玉菌を殺し、衛生設備が有用な菌との接触を妨げてしまうからです。
典型的なのが、 1989年の東西ドイツで観察された事例でしょう。
この時期、東ドイツの生活水準は西ドイツより低く、衛生環境はかなり劣悪なものでした。
ところが、いざ東西が統一された後に調べてみると、清潔な暮らしをしていた西ドイツの方が、東ドイツより花粉症の患者数が 4倍も多かったのです。
この現象は、東ドイツでは女性の就業人数が多かったため、保育所の利用率が高かったせいで起こりました。
衛生状態が悪い保育所に預けられた乳幼児のほうが微生物にさらされやすく、そのぶんだけ免疫システムが鍛えられたのです。
腸内細菌のエキスパートであるロンドン大学のグラハム・ロックは言います。
「高度に近代化した国ではライフスタイルが大幅に変わり、環境内の微生物や寄生虫との接触が減っている。
これらの生物は、人類の進化のうえで免疫系の生理反応をつかさどる重要な役割を果たしてきた」 かつては身の回りにあふれていた微生物が近代化のプロセスとともに減り、そのおかげで免疫システムに狂いが出たというわけです。
実際、狩猟採集民の多くは、先進国の住民よりも多種多様な腸内細菌を持っています。
たとえばアマゾンのヤノマミ族を調べた調査によれば、彼らの腸内に住み着く細菌の種類はおよそ 50種超。
これに対して、一般的な西洋人の腸内には数種類の細菌しか存在していません。
もうひとつ、現代人の腸内細菌が変化した理由は「腸内細菌の食糧難」です。
これだけ食べ物が豊富になったにもかかわらず、私たちの腸内細菌は、まともに食事ができていません。
まず前提として、腸内細菌はおもに食物繊維を食べて繁殖します。
本来のエネルギー源は炭水化物ですが、ブドウ糖の大半は小腸で吸収されてしまうため、腸内細菌が大量に住む大腸まではほとんど届きません。
そこで彼らは食物繊維をエサにしているのです。
にもかかわらず、現代人は年ごとに食物繊維の摂取量が減っています。
厚労省は 1日の食物繊維の摂取量を 20 ~ 27 gに定めていますが、いまの日本人は 13 ~ 17 g程度しか摂れていないのが現状です。
これに対して、コロラド州立大学が 229種の狩猟採集民を調べたところ、彼らは 1日で 42・ 5 gもの食物繊維をとっていました。
エサの量に 2倍以上もの差があるのだから、先進国と狩猟採集民の腸内環境に違いが出るのも当然でしょう。
いったん旧友と別れてしまった私たちが、再びかつての仲を取り戻すにはどうすればいいのでしょうか? 道のりは簡単ではありませんが、ここまでの話を見れば、おのずと対策は浮かび上がってきます。
すなわち、腸内細菌と仲直りした上で、彼らをもてなせばいいのです。
3抗生物質を使うと腸内細菌が大量に死ぬ 旧友と仲直りするためには、まず彼らの部屋を整理し直さねばなりません。
そのために最初にすべきは、抗生物質の乱用を避けることです。
抗生物質の悪影響に関する研究は多く、たとえば 2008年の実験では、たった 1回の使用でも腸内細菌の 3分の 1が死に、そのダメージは半年が過ぎても回復しませんでした。
抗生物質でお腹を壊す人は多いですが、これも腸内環境の悪化が原因のひとつだと考えられています。
もっとも、ここ数年は世界中で抗生物質の利用を減らす傾向にあり、日本でも無闇に処方されることは少なくなりました。
医療機関で抗生物質を処方された場合は、どのような細菌感染が疑われるのかさえ確認しておけば問題はないでしょう。
また、抗生物質と同じく使用をひかえたいのが抗菌グッズです。
日本のドラッグストアでも定番の商品ですが、この手のアイテムには2つの問題があります。
第一に、薬用ソープに使われる抗菌成分が、肌に住み着く有益なバクテリアまで殺してしまう点です。
なかでも注意したいのはトリクロサンとトリクロカルバンの2つで、どちらも体内のホルモンバランスを乱す作用を持ち、米国食品医薬品局も「体への害が大きい」との警告を出しています。
この結果を受けて、アメリカ政府はこんなコメントを出しました。
「消費者は薬用ソープにより雑菌の繁殖を防げると思っている。
しかし、いまのところ薬用ソープの効果を示す証拠はゼロだ。
普通の石けんと水を使ったほうがいい」 手や体を洗いたいなら、昔ながらの石けんを使えば十分。
石けん素地だけを使った無添加のボディソープなどを使うのがおすすめです。
細菌の住む場所は腸内だけではありません。
彼らは人間の居住空間にもコロニーを作り、腸内環境に影響を与えています。
特に古代と現代で大きく違うのが、「シックハウス症候群」の問題です。
アルデヒドのような人工の化学物によって起きる症状を指す言葉ですが、近年では、自宅やオフィスに漂うカビなどによって、頭痛や疲労が起きてしまう現象が注目されています。
悪性のカビが増えやすいのは壁や天井の裏で、知らぬ間にコウジカビやアオカビといった菌種がコロニーを形成。
MVOCと呼ばれる揮発性の有機化合物を大気中にまきちらし、私たちの体に咳や熱といった炎症反応を起こします。
カビ毒の害を示すデータは多く、 1998年には、米国小児科学会が 1才以下の幼児はカビの多いビルに近寄らないように勧告を出したほど。
アメリカの環境保護庁が 2007年に行った調査でも、全米における喘息患者のうち 21%はカビ毒が原因だと推測しています。
シックハウス研究で有名なリッチー・シューメーカーの研究によれば、一般的なビルや家屋がカビ毒に汚染されている割合はなんと 50%超。
現代の住環境が抱える問題については、次のように指摘しています。
「人類は自然環境のなかで暮らし、動物たちと触れ合いながら進化してきた。
近年まで、人類の住居は木材や土、藁、動物のフンなどで作られていた。
それに比べて現代の住居はプラスチックやコンクリートなどでできており、換気もよくない。
そのため人間にとって有益なバクテリアがコロニーを作れないのだ」 古代の住居は通気性がよく、現代のような水まわり設備もなかったため、有毒なカビが発生しづらい環境でした。
MVOCによる害など発生しようがなかったわけです。
シックハウス対策には、以下の対策をおすすめします。
・部屋の換気は欠かさない・水まわりのトラブルはすぐに直す・屋根の雨どいは定期的に掃除する・部屋の湿度は 30 ~ 50%に保つ・空気清浄機を置く・室内での喫煙は厳禁 このなかで、もっとも重要なのは水まわり設備です。
排水や水道管が何らかの損傷を受けると、その後 24 ~ 48時間でカビ毒が発生し、放線菌やエンドトキシンを大気中に巻きちし始めます。
心当たりのある方は、ぜひ修理を依頼してください。
さらに、室内の換気を徹底したうえで空気清浄機を 1台置くと、さらにカビ毒の害を防ぐことができます。
空気清浄機には様々な機種が発売されていますが、正しい商品を選ぶポイントはひとつだけ。
「 HEPA」と呼ばれるフィルタさえ搭載していれば、何を選んでも大差はありません。
「HEPA」は 0・ 3マイクロメートルのホコリを 99・ 97%ブロックする性能を持ち、家庭用の空気清浄機としては最高の性能を持ったフィルタです。
一般的なカビの胞子は 3 ~ 10マイクロメートルなので、十分にとらえることができます。
部屋の換気は私たちの腸内環境を左右し、ひいては体内の炎症にもインパクトをあたえます。
現代では、人間とバクテリアが共存できる住居こそが理想の空間なのです。
4発酵食品の凄い効果―ロンドン大学の研究 身の回りを整えたところで、いよいよケンカ別れした腸内細菌を迎え入れましょう。
手軽で効果が高いのは「発酵食品」です。
納豆、キムチ、ヨーグルトなど、人類は大昔から数々の発酵食品を作り、微生物との仲を深めてきました。
ハーバード大学のエヴァ・セルフーブは、古代の食生活に関する先行研究を次のようにまとめています。
「旧石器時代の人類は、知らずのうちに発酵食品をたくさん食べていたはずだ(ハチミツ、フルーツ、ベリー類など)。
微生物の知識こそなかったが、わたしたちの祖先は、発酵食品や発酵飲料の風味と保存性、さらには精神の高揚と鎮静作用に気づいていた。
人類が発酵食品を作り始めた時期はよくわからないが、新石器時代の出土品を分析した結果によれば、 1万年前にはフルーツや米などを発酵させた酒を飲んでいた可能性が高い」 古代の人類は、地面に落ちて発酵したフルーツの汁や、微生物が自然に分解した野菜などを食べ、文明が興るよりもはるか前から発酵食品と触れ合ってきました。
その意味で、進化医学的にも正しい食品のひとつと言えます。
一例として、ロンドン大学の観察研究を見てみましょう。
このなかで研究チームは、約 4500人の男女を 10年にわたって追いかけ、チーズやヨーグルトなどの消費量と全員の健康状態をくらべました。
すると、普段から発酵食品をよく食べる者ほど心疾患や糖尿病にかかりにくく、早期死亡率も低いことがわかったのです。
さらに、同時期に行われたカリフォルニア大学の研究では、発酵食品で脳機能が改善したとの結果も出ています。
こちらは女性の被験者に乳製の発酵食品を 4週間ほど食べ続けてもらった実験で、やはり有意に脳の活動が活性化し、感情や注意力に関わる機能に向上が見られました。
ほかにも、キムチ、ぬか漬け、納豆、味噌、ザワークラウトといった食品にも似たような報告があり、発酵食品の凄さは疑いようがありません。
科学が認めた数少ないスーパーフードのひとつです。
毎日の食事に取り入れる発酵食品は、あなたが好きなもので構いません。
納豆でもキムチでもザワークラウトでも、発酵食品であれば腸内環境に良い影響をあたえます。
が、ひとつ注意して欲しいのは、特定の食品ばかりを食べないことです。
納豆やヨーグルト、キムチなど、すべての発酵食品は、それぞれに特有の細菌を持っています。
ヨーグルトならサーモフィラス菌、味噌ならハロフィラス菌、キムチならラクトバチルス・プランタルム菌といった具合です。
同じものばかりを食べると、腸内細菌の多様性が限られてしまいます。
できるだけ幅広いジャンルの発酵食品を取り入れてください。
5このサプリを使えば症状は改善する よく耳にする問題が、発酵食品の量を増やしたのに、まったく変化を実感できない人も少なくないところです。
前述のロンドン大学研究にも「発酵食品の作用は人によって差が大きい」との記述があり、効果が出やすい人と出にくい人がいる事実を指摘しています。
この差はどこにあるのでしょうか? これは、長年の不摂生で腸内から善玉菌が駆逐され、代わりに悪玉菌が繁殖しすぎたせいで起きる現象です。
私たちの腸内では、つねに善と悪が戦いをくり広げ、激しい勢力の奪い合いを展開しています。
善が勝てばあなたの免疫システムは改善しますが、悪が勝てばリーキーガットと炎症が起こります。
勝敗はおもに戦士の数に左右され、兵力が多ければ多いほど勝率は高くなります。
そのため、いったん悪の勢力が腸内フローラを制圧してしまうと、発酵食品などで小まめに立ち向かっても形勢逆転は望めません。
そこで使うべきが、「プロバイオティクス」です。
ビフィズス菌や乳酸菌といった腸内細菌を使ったサプリのことで「ビオフェルミン」や「ラクトーン A」といった商品もプロバイオティクスの一種。
日本では整腸剤として販売されるケースがほとんどですが、ここ数年で様々な可能性が認められてきました。
たとえば、アレルギー症状の改善です。
フロリダ大学の実験では、花粉症に悩む男女 173名がプロバイオティクスを 8週間飲み続けたところ、目のかゆみと鼻水の量が減っていました。
アレルギー症状は炎症の一種なので、腸内環境が整ったおかげで自然と鼻水やかゆみがやわらいだようです。
近年はメンタルの改善効果も確認されれており、プロバイオティクスを 4週間飲んだ被験者は攻撃的な思考が減り、落ち込んでからも早く立ち直れるようになったとの事例が報告されています。
いわゆる「レジリエンス」の能力が向上したわけです。
これらのデータはまだ初期段階ですが、科学界がプロバイオティクスに期待をかけているのは間違いありません。
それでは、数あるプロバイオティクスのなかから、良いものを選ぶにはどうすればよいのでしょうか? この疑問については、信頼性の高いデータが2つ存在しています。
ひとつはアメリカのリード大学が 43件の過去データを精査した論文で、もうひとつは RANDが 63件のデータをまとめた論文です。
どちらも質の高い研究をまとめたメタ分析で、精度が高い内容といえます。
両者の結論は、次のようなものです。
・慢性的な下痢や便秘にはビフィズス菌がもっとも有効である・乳酸菌、酪酸菌、糖化菌などを飲むと効果が高まる・抗生物質で腸が荒れている場合は、 LGG(乳酸菌の一種)とサッカロミセス・ブラウディがよい 商品選びに困ったときは、まずはこれらの菌から選んでみてください。
具体的な商品としては、「ビオスリー H i錠」「 Probiotic-3」「カルチュレル 30ベジカプセル」「 NOWサッカロミセス ブラウディ」などが有名どころです。
すべて国内のショッピングサイトで購入できますが、 iHerb( https:// jp. iherb. com/)のような海外サイトを使うほうが安価ですみます(ビオスリーを除く)。
ただし、発酵食品と同じように、プロバイオティクスにも個人差があるので注意してください。
腸内フローラの構成は人によって大きく変わるため、同じ物を飲んでも効果が出ないケースは珍しくありません。
そのため、ひとつの商品で変化が起きなかった場合も、根気よく別の菌を試していく必要があります。
もし 1カ月ほど使って改善が実感できなければ、他の商品も試してみてください。
その際は、次の基準で商品を選ぶことをおすすめします。
・150億 CFU以上の菌が入っている………一気に大量の細菌を投入したほうが、荒れた腸内環境には効きやすいことがわかっています・生存率が高い菌が入っている………プロバイオティクスは胃酸で死んでしまうケースがあるため、できるだけ腸まで届くものを選ばねばなりません。
具体的には、前述した菌が入った商品を選んでみてください。
6食物繊維の驚くべき病気予防効果とは? 旧友を招き終わったら、仲直りの印として腸内細菌に食事をふるまいましょう。
食物繊維の出番です。
食物繊維の効果といえば、お通じの改善やコレステロールの低下が有名ですが、ここ数年の研究により、それだけに留まらないポテンシャルを持つことがわかってきました。
代表的なのは、 2015年に中国の PL A病院が行ったメタ分析で、 180万人分のデータを精査し、食物繊維の効果について信頼性の高い結論を導き出しました。
その結果は驚くべきもので、食物繊維の摂取量が多い人は、少ない人にくらべて早期死亡率が 23%も下がり、癌の発症率は 17%ほど低下。
さらに炎症性の病気にいたっては、 43%もリスクが下がるというのです。
データによれば、食物繊維の摂取量が 1日 10 g増えるごとに早期の死亡率が 11%ずつ減っていきます。
ヘタなサプリや健康食品を飲む前に食物繊維を増やしたほうが、よほど病気の予防になりそうです。
食物繊維を増やすには、まず野菜とフルーツの摂取を増やすのが基本です。
なかでもゴボウ、寒天、海藻、キノコ類、オクラ、リンゴなどは、腸内細菌が好きな水溶性の食物繊維を豊富にふくむ優良食材。
和食に使われる食材には食物繊維が豊富なケースが多く、和風の食事を心がけていれば自然と摂取量も増えて行きます。
といっても現代のライフスタイルでは、適切な食物繊維をとるのが難しいのも事実です。
その場合は、サプリメントの活用を考えてください。
食物繊維のサプリは多種多様ですが、データの裏付けがある商品はさほど多くはありません。
代表的なものを紹介します。
1 難消化性デキストリン ダイエット系のトクホ飲料などによく使われている食物繊維です。
小麦の精製過程であまった繊維を使っているため安価で手に入ります。
90%以上の難消化性デキストリンは大腸まで到達し、そのうち半分が腸内細菌のエサになります。
臨床テストの数も多く、 2014年の実験では 1日 12 gを 2週間間ほど飲み続けた被験者に、排便の回数に改善が見られています。
毎日の摂取量を増やしたい場合は、難消化性デキストリンを買うのが最適でしょう。
2 オオバコ(サイリウムハスク) オオバコの種子から作られた食物繊維です。
オオバコの種皮は 70%が水溶性食物繊維で、種子には不溶性食物繊維がふくまれます。
不溶性食物繊維は腸内細菌のエサにはなりませんが、腸を刺激して消化活動を高める働きを持ちます。
オオバコのメリットは、研究の信頼性が高いことです。
103名の子供を対象にした実験でリーキーガットの改善が見られたり、 35件のメタ分析で糖尿病の改善効果が認められたり
と、質の高い報告がなされています。
難消化性デキストリンより水に溶けにくいので、ゼリーなどの材料として使うと食べやすいでしょう。
3 イヌリン フルーツと野菜に多くふくまれる食物繊維です。
ほかの食物繊維とくらべてダイエット効果の報告例が多く、 48名の男女が 1日 21 gのイヌリンを飲んだ実験では、 12週間で体重が 1 kg減ったとの報告が出ています。
体重が気になる方は試してもいいでしょう。
4 レジスタントスターチ レジスタントスターチは小腸で吸収されないデンプンの一種で、数ある食物繊維のなかでも微生物の大好物のひとつです。
レジスタントスターチの特徴は、腸壁を守る酪酸という物質を作り出す作用が高いところです。
あるメタ分析では、およそ 1日 30 gをとり続けることで、腸内の酪酸量が増えることがわかっています。
近年ではレジスタントスターチの有効性を示すデータが多く、トウモロコシやジャガイモ由来のサプリも増えてきました。
先のメタ分析を参考に、まずは 1日 30 gを飲むことからスタートしてみましょう。
最後に、とても大事な注意点をひとつ。
私たちの腸内細菌は、加工食品が大の苦手です。
なかでも高脂肪で食物繊維が少ない食品(ファストフードなど)や、精製糖の多い商品(スナック菓子や清涼飲料水など)の摂取量が増えるほど、腸内細菌が死にやすくなることがわかっています。
絶対に食べてはいけないとは言いませんが、せめて全体の食事量の 1 ~ 2割までに抑えてください。
7食生活を〝再野生化〟して腸を守る 2016年、ロンドン大学のティム・スペクター氏は、研究のためにハッザ族の村で 3日ほど彼らと食生活を共にしました。
バオバブやコンゴロビといった果物を大量に食べてからロンドンに戻った教授は、そこで自分の体内に思わぬ変化が起きていたのを発見します。
「ロンドンに帰った私は、自分の便サンプルをラボに送って解析してもらった。
すると、その結果には明確な違いが出た。
腸内細菌の多様性が 20%も増えていたのだ。
残念なことに、 2 ~ 3日も過ぎると腸内細菌は旅行前の状態に戻ってしまったが」 住む環境や食事を変えれば、私たちの腸内は 3日でも多様性を取り戻すようです。
腸内環境の悪化に悩む現代人には吉報でしょう。
しかし、いっぽうでスペクター博士はこうも戒めています。
「この体験から、我々は大事な教訓を得られる。
どれだけ先進国の住人が食事や環境を改善しても、古代人ほどのレベルに到達することはできない。
とはいえ、すべての人は自分の暮らしを『再野生化』して、腸の健康を改善すべきだ。
普段の食事をもっと野生的に変えて、自然の微生物との触れ合いを取り戻すのが重要なのだ」 現代人が暮らす環境では、狩猟採集民と同じように腸内細菌と仲良くするのはもはや不可能な話。
それでも私たちは、旧友との関係をやり直すために、あがき続けなければならないのです。
第 3章 実践ガイド腸内細菌と仲良くする・抗生物質を無闇に使わない:ただの風邪などに抗生物質を使うのは厳禁。
医師から処方された場合は、どのような感染が疑われるかを確認しましょう。
・抗菌グッズや殺菌グッズの排除:抗菌スプレーや抗菌ソープのように、良い菌まで殺してしまうような商品は取り除きましょう(キッチンエリアは除く)。
なかでも、成分一覧に「トリクロサン」「トリクロカルバン」が入ったものには注意。
体の汚れを落とすなら石けんで十分です。
・空気をきれいに保つ:部屋の換気に気を配った上で、できれば H E PAフィルタを使った空気清浄機を購入。
必要以上に空気が乾燥しないように、加湿機能が付いたものを選びましょう。
腸内細菌をもてなす・発酵食品:納豆、ヨーグルト、キムチなどを 1日に 40 ~ 50グラムずつ食べ、 3週間でお腹の調子が良くなったかを確認します。
発酵食品が苦手な場合は、軽く水洗いした生キャベツでも OK。
キャベツの葉には天然の乳酸菌が付いています。
・プロバイオティクス:本章『 5 このサプリを使えば症状は改善する』の基準をもとに、適当なプロバイオティクスのサプリを購入。
1ヶ月が過ぎて変化が見られなかったら別の商品に切り替えます。
・食物繊維:イヌリンやレジスタントスターチなどから好きなものを選び、 1日 15 gの摂取からスタート。
お腹にガスが発生したり下痢を起こすようなことがなければ、 1週間に 5 gほど追加していき、 30 gぐらいまで増やしてみてください。
現時点ではベリー類とココアの検証データが多いため、まずはこの2つを増やすのがおすすめ。
ブルーベリーなら 1日 100 gから、ココアなら大さじ 3 ~ 4杯からはじめましょう。
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