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第 3章/円満な職場関係のためには不可欠上司・同僚・部下の心を知る

32 人の話を聞かない倣慢な上司には逆らわない 33 なんでもまず否定する上司の説得の仕方 34 優柔不断な上司は心配性のしるし 35 手取り足取りで教える「部下殺し」の上司 36 ミスをかばってくれる上司があなたに期待していること 37 調子のいい同僚とうまく付き合う方法 38 はじめに挑戦のときはみんなシロウトだった 39 イエスマンでも頭ごなしに叱るのは逆効果 40 部下の顔をつぶさない気の使い方 41 やる気のない人に足を引っ張られないように注意! 42 外から見ればみんな同じ会社の人

32 人の話を聞かない傲慢な上司には逆らわない あなたの会社にも、傲慢な上司の 1人や 2人、いるのではないだろうか。

常に自分の言うことが正義で、自分のペースで仕事を進めてしまう。

部下がなにか意見を言おうとしても「そんな必要はない」と拒絶し、あまつさえ「私の言うとおりにやればいいんだ」などと言う……。

しかし、それでもし間違いが起きたとき、潔く責任を取るかというと、「私が言ったとおりにやれば、こんなことにはなっていないはずだ。

どうしてもっとちゃんとやらなかったんだ」と怒り出す始末だ。

話し合えばもっと効率のいいやり方が見つかるかもしれないのに、最初から周りの意見など聞こうとしない。

力押しでことを進めようとするが、会社や仕事が複雑化しているこのご時世、そんなやり方ですべてが解決できるはずがないというのに……。

こんな上司には本当に困らされているだろう。

こういうタイプは、言ってみれば「一昔前のタイプ」である。

「俺について来いタイプ」とか「親分肌」とも言えるだろう。

傲慢さがプラスに作用すれば、リーダーシップがあり、周りをぐいぐい引っ張っていけるタイプだ。

自分に都合よくことが運んでいる間や、自分を頼ってくる人に対しては気が良く、なにかと便宜を図ってくれたりもする。

しかしひとたび劣勢になると態度は一変し、自分ひとりの身を守ろうとする傾向がある。

小心なのだ。

傲慢さは自信のない自分をごまかし、虚勢をはっている裏返しと考えることができる。

余裕のある人間ならば、周囲の意見を聞くゆとりがあるはずだからである。

こういう上司をもってしまったら、とりあえず表面上は逆らわないのが無難だ。

面と向かって逆らって、閑職に追いやられてしまってはたまらない。

相手に警戒心を抱かせず、言葉でうまく操縦しよう。

33 なんでもまず否定する上司の説得の仕方 なにか提案をすると、まず否定の言葉が返って来る上司。

こう書くと、「傲慢な上司」と似ているが、傲慢でなくても相手を否定してくるタイプはいる。

たとえばあなたが、現在進行している仕事について改善案を出しても、「これは必要ないだろう」 と言って、取り上げてくれない。

こういう上司は、自分に自信のあるタイプに多い。

意見はいちおう意見として聞くものの、自分の方針に自信を持っているため、その意見に頷くことはしないのだ。

プライドが高いとも言える。

こういう上司と上手く付き合っていくためには、まず相手の言うことをしっかり聞くことが重要である。

なぜなら、このタイプは自信家で、自分なりの強い主張を持っているからである。

プランを持っていったときに、「これは駄目だな」 と却下されてもそれで不貞腐れず、「駄目ですか。

うーん、では、どうすればいいと思われますか?」 と、相手の主張をうまく聞きだすことがカギだ。

それで相手の話を熱心に聞き、「なるほど」と頷いてみせると、これで相手の自尊心をある程度満足させてやることができる。

そしてそのあと、「それについて自分はこうも思うのですが……」 とさりげなく切り出してみよう。

あくまで、「あなたの主張は素晴らしいのだが」というスタンスに立って、それを支持しながら自分の意見を取り混ぜていくようにすると、相手も頭ごなしに否定してくることは少なくなるはずだ。

長期戦で攻めよう。

34 優柔不断な上司は心配性のしるし ビジネスの世界において、決断のスピードとタイミングは成功を左右する重要なものだ。

その決断をするのにやたら時間がかかる上司をもつ部下は、やきもきさせられることも多いだろう。

せっかく自分が新規事業の提案をしても、「うん、わかった。

考えておこう」 とだけ言って、話が終わってしまう。

それで後日、「部長、先日お願いしていた件ですが、どうなりましたか」 と返事を催促しても、「もうちょっと待ってくれ」 としか返ってこない。

そのまま進行状況を教えてくれるわけでもなく、ただ日数だけが過ぎていってしまうようでは、困ってしまうだろう。

ビジネスはタイミングが命なのだ。

こういう上司は、怠慢で部下の持ってきた仕事について真剣に考えていないか、もしくは心配性かのどちらかであることが多い。

心配性とは、このプランを実現させたらどれくらいのコストがかかるだろうかとか、それに見合った収益があがるだろうかとか、そもそも成功するのだろうかとか、そういったことに延々考えをめぐらせてしまう人だ。

そしてもし成功しなかったら、自分がどんな責任を負わなければならないかを考えてしまい、そのため、なかなか決断ができないのである。

こういうタイプに首を縦に振らせるためには、結論が出るのをじっと待っていても仕方がない。

心配性の人は押しに弱い面もあるので、とにかく要望を出し続けることが必要である。

また、その際に、相手が安心できるような目に見えるデータがあればなお良い。

数字やデータは心配性の人の不安を取り去るには強い味方だ。

35 手取り足取りで教える「部下殺し」の上司 部下に手取り足取り、面倒見良くなんでも教えてくれる上司は本当にいい上司なのだろうか? 答えはノーである。

確かに、はじめての仕事をやるときは、先輩の見本なりアドバイスがなければ失敗の可能性がある。

効率も悪いだろう。

だから、上司が部下の面倒をみることが

すべていけないというのではない。

しかし仕事とは、本来なら部下本人が学びながら覚えていくのがベストのかたちであることは言うまでもない。

それでこそ本当に本人の身につくのだし、そうやって人材を育てていかなくては、会社は成り立っていかないものだ。

にもかかわらず、なぜ部下の面倒見が良すぎて反対に「部下殺し」をしてしまう上司がいるのだろう。

彼らは「でしゃばり」なのだ。

新人の部下に仕事を任せて、失敗されたら困るという気持ちもあるのだろう。

しかしそれならばオブザーバーに徹すればいいものを、一から十まで手取り足取り教えてしまうのはでしゃばり以外のなにものでもない。

しかも彼らの教え方というのはすでに「教える」という域を越え、本人が仕事をこなしているのと大差なかったりもする。

「私がやるのを見て覚えてくれたまえ」「はい」「まずこれはこうやって、こっちはこうやって……」 そう言いながら、結局はすべてを自分の手で終わらせてしまうのだ。

これでは部下は育たない。

部下にしても、せっかく自分の手で仕事ができるチャンスを持っていかれてしまうのだから、面白いはずがない。

「部下殺し」の上司は、なんでも自分でやらないと気がすまない上司である。

本人は部下の前でてきぱきと仕事をこなして見せてご満悦かも知れないが、それは部下を信頼できない上司であり、部下からも煙たがられる上司なのである。

36 ミスをかばってくれる上司があなたに期待していること 自分が失敗をしたとき、その責任を一緒に負ってくれる上司、また、失敗をかばってくれる上司は部下から見ると実に頼もしい存在だ。

仕事上の失敗というものは、新人のころは当然、仕事に慣れてきてもちょっとした油断から起こしてしまうものだ。

失敗をすれば当然それを謝らなくてはならないし、その失敗を取り戻すべく通常よりも働かなくてはいけない。

そういうとき、自分をかばってくれ、また励まして一緒に仕事をしてくれる上司がいたら、なんと心強いことだろうか。

しかし、上司は上司なりに考えがあってあなたの失敗の面倒をみてくれているのだということに気がつかなくてはいけない。

部下のミスは上司のミスでもある。

これは会社という組織ではある程度当然とも思われていることだ。

自分の管轄下にある人間がやったことなのだから、「部下がやったことだから私には責任はありません」 と言い逃れはできない。

そんなことを言ってしまったら途端に自分の信用まで失ってしまう。

だから部下の失敗の責任を上司がとるというのは、ある意味では当然のこととも言える。

しかし、実際に文句のひとつも言わずに部下の失敗につきあう上司は、そういった上司としての責任以上のものを持っているはずだ。

彼(彼女)は「部下を大事にできる上司」であり、「部下に期待している上司」なのである。

失敗も経験のひとつと捉え、その失敗にこだわるよりもいかにして現状を打破するか、どう成長するかに重点を置いていると言えよう。

だからこそ、自分が周りに頭を下げたり、残業につきあったりしてくれるのである。

あなたが仕事で失敗をしてしまったとき、上司がそれをかばってくれたら、「かばってもらえてラッキー」などと考えるのは言語道断。

「いい上司に恵まれたなぁ」という考えもまだ甘い。

相手が期待しているのはあなたの奮起なのである。

その期待に応えられるよう、精一杯努力したい。

37 調子のいい同僚とうまくつきあう方法 どこの職場にも「調子のいい人」というのはいるものだ。

忙しくてみんなが残業しているときに「ちょっとどうしても外せない用事があって、お先に帰らせてください」と言って定時に帰ったくせに、ほとぼりがさめたころになると「あの日実はデートだったんですよ」と言ったり、仕事を頼まれ「まかせてくださいよ!」「大丈夫です!」と胸をはっていたくせに期日までに仕上がらず、「すみません。

ちょっとパソコンの調子が悪くて……明日までには仕上げますから」などと言う。

もちろん、パソコンの不調というのは言い訳だ。

それでいて本人は悪びれた様子がなく、誰とでもフレンドリーだったりするのがこのタイプの特徴だ。

こういう人は、基本的に悪い人ではないのである。

悪人ではないから、嘘をついて先に帰ったのに、その嘘をつき通せず、ついつい楽しかったデートの思い出を人に話してしまう。

また、仕事を頼まれたら嫌とは言えず、人から期待されたら「まかせてください」と答えてしまうのである。

しかし、悪人ではなかったとしても、職場で常にその調子の良さを発揮し続けられたら周りはたまったものではない。

一度や二度ならともかく、何度も繰り返せば、職場の誰もが「あいつは調子のいいやつだ」と思うようになるだろう。

そういう印象をもたれてしまうと、その相手に対する周囲の信用はガタ落ちである。

もし今後、本当に「どうしても外せない用事」があっても、「またデートじゃないの?」と思われてしまうのである。

『オオカミと少年』という話があるが、まさにその通り。

毎日オオカミが来たとウソを言い続け、村の人々を驚かせて喜んでいた少年は、最後に本物のオオカミが来たときに誰にも信じてもらえず、ついにオオカミに食べられてしまったのである。

こういう相手が同僚にいるといろいろとやりにくいことも多いので、早めに釘をさしておくことをおススメする。

釘のさし方として注意したいのは、けっして大上段に立って相手の責任を追及しないことである。

人は自分の言い分が正しいと思っているときには、つい偉そうな口調になってしまうものだ。

また、独善的なものの言い方にもなる。

「あなたのせいで周りがどれくらい迷惑しているか、わかってるの?」「そんなに調子のいいことばっかり言ってると、そのうち本当に何を言っても信じてもらえなくなるよ」 など、確かに事実や正しい言い分なのだが、それをはっきり言ってしまうと言われたほうには大きなダメージになる。

なぜなら、「調子のいい人」というのは、先ほども述べたとおり悪人ではなく、むしろ周りに好かれたいと思っている八方美人タイプなのである。

そういう相手をあまりにもキツい言葉で責めたてたら、手がつけられないほど落ちこんでしまうことがある。

それを自業自得とする見方もあるが、職場ではなるべく人間関係でトラブルを起こさないほうがいい。

円満に解決できればそれに越したことはないのだ。

たとえば私用で仕事をサボるのが目についたら、「昨日課長に、あなたが早く帰るのはデートでもしてるんじゃないかって聞かれて焦っちゃった」 などと言って釘をさしてみよう。

「課長に……」と言ってはいるが、本当はあなたもそう思っているのだということが相手に伝わるはずだ。

他の人間の名前を引き合いに出すのは多少卑怯で気がひけるかもしれないが、角が立たないという意味では悪い選択ではないだろう。

もちろん、そうやって釘をさしても改善の兆しが見られなかったら、はっきり言っていい。

調子のいい人ばかりが楽をして、正直者がバカをみる必要はないのだから。

38 はじめに挑戦のときはみんなシロウトだった 部下の不出来を嘆く上司がいるが、なにをして不出来と言うのだろうか。

どんな人間でも、はじめてのことに挑戦するときはシロウトに違いない。

これはもちろん、仕事においても同じである。

だからこそ先輩・上司から指導を受け、時間をかけて一人前になるのだ。

しかし、できる側の人間から見ていると、どうしてもシロウト側の人間はじれったいものだ。

自分には簡単にできるため、できない人間の心理が理解しづらくなっているのだ。

そのため、ついそのイライラが口をついて出てしまうことがあるだろう。

たとえば、「こんなこともわからないのか」「これくらいは知っていて当然だろう」「常識で考えてわかるだろう」 そんな言葉で叱ってしまうことがあるかも知れない。

ここで、特に注意したいのが最後の「常識で考えてわかるだろう」だ。

その「常識」とは本当に世間一般の「常識」だろうか? できる側の人間は、とかく自分たちのレベルを「常識」だと思いこみやすいものだ。

ビジネスマナーが良い例で、ビジネスマナーにはビジネスマンとしての経験がある人間にとっては「マナー」、つまり「常識」だ。

だからこそ新入社員の多くはビジネスマナー本を熟読し、すこしでも「常識」を身につけようとする。

しかし、世間一般では不要でしかない「マナー」がたくさんある。

そのうえ現実には、本に書いていない「マナー」や「常識」も数え切れないほどあるだろう。

それらは実際に経験して知るしかないものだ。

それなのにそういったものを指して「常識だろう」とため息をつかれてしまうと、自分がよっぽど不出来な人間になったようで、部下は萎縮してしまう。

もちろん、知らないのだから優しくしてやれ、甘やかせと言っているわけではない。

厳しく育てられてこそ、本人のためでもあるし、手取り足取り教えているのでは、前述した「部下殺し」になってしまう。

しかし、できる側に立つ人間は忘れてしまいがちだが、誰でも最初はシロウトなのだ。

飛ぶことを知らない雛を、鳥だから飛べるはずだと無理やり巣から落としたらどうなるか。

自分たちもシロウトであったことを忘れずにいたい。

それはとりもなおさず、「初心忘れるべからず」という自分への戒めにもなるだろう。

39 イエスマンでも頭ごなしに叱るのは逆効果「イエスマン」という言葉がある。

相手の言うことをなんでもはい、はいと聞き、反対意見を唱えない人のことだ。

たとえば上司に、「私はこう思うんだが、どうかね」 と尋ねられても、「まったくもっておっしゃる通りです」 とかしこまるのが典型的なイエスマンだ。

これは自分の意見がないというより、上の立場の人間に意見ができないイエスマンと言える。

一方、こんなイエスマンのタイプもある。

会議の席で、議題について順番に発言することになったとき、最初の人が「私は ○ ○だと思います」 と言うと、その後は全員が、「私も同じ意見です」「私も同じです」「私も……」 と続き、結局は全員が同じ意見になるのである。

これが笑い話でないから怖い。

こういうイエスマンしかいないと、議論は発展しない。

議論が発展しなければ会社も発展しないと思っていい。

だから、イエスマンしかいない会社は非常に危険なのである。

イエスマンたちは、なぜ自分の意見を言わないのだろうか。

まず、本当に自分の意見がないタイプが考えられる。

人の意見に賛成するばかりで自分の頭で考えることをしない怠け者だ。

こういった人には、自分の頭で考えることを教えなくてはいけない。

たとえば、右の会議の例で「私も同じ意見です」と言ったところに、「じゃあ、もう少し具体的に述べてくれるかな」と尋ねてみるのだ。

すると、どうしても自分の頭で考えなくてはいけなくなる。

そして相手が出してきた発言にさらに突っ込んだ質問をして、それを繰り返していけばいい。

また、もうひとつ考えられるタイプとしては、自分の意見はあるけれど、それを言うことで人と対立することを嫌う人、もしくは周囲から浮くのが嫌な人である。

こういう性格の人は少々複雑で、頭ごなしに、「自分の意見はないのか。

自分の意見を言いなさい」 と言っても萎縮するばかりだ。

人の顔色が気になるタイプなので、強い言葉で発言を促すと叱られたと思ってしまうのである。

こういうタイプには、「私はいろんな意見が聞きたいと思っているから、小さな事でもいいからなにかあれば聞かせてくれないかな」 と促してやった方が効果的だ。

発言することは良いことであり、たとえ他の人と発言が対立しても、仕事の上では何の問題もないのだということをわからせなくてはいけない。

発言しやすい雰囲気づくりも大切である。

40 部下の顔をつぶさない気の使い方 職場では、「上司の顔をつぶさない」ことには誰もが気をつかう。

上役の顔をつぶしては、自分の昇進が危ういからだ。

その一方で、部下の顔がつぶれることには誰もあまり気をつかわない。

それどころか新人の間は怒られることも仕事のうちだとか、上司の面子を保つために部下がドロをかぶるとか、そういったことは、なかば当然のこととして受け止められている。

しかし実は、上に立つ人間こそ部下の顔をつぶさないように気をつかわなくてはいけないのである。

たとえば、部下がなにかミスを犯したとする。

それは些細なミスだったが、上司は職場中に聞こえるような声でその部下を叱咤した。

その直後、ごく簡単な雑用、もしくは手のかかる面倒な仕事が舞い込み、上司はそのミスを犯した部下にその仕事を任せたとしよう。

するとどうなるか。

本人は自分がミスをしたから、そのペナルティとして雑用(もしくは面倒な仕事)を押し付けられたのだと感じるだろう。

さらに、周囲も彼が上司に怒られていたところを目撃しているから、誰もが彼に同情の目を向けるだろう。

しかしそれはますます彼をみじめにさせるだけなのだ。

こんなことがあると、部下は意気消沈してしまい、仕事のやる気をなくしてしまう。

もっと悪いと、仕事自体に恐怖感を感じたり、職場が嫌になったりもするだろう。

そうならないために、上司は部下の面子も大事にしなければならない。

ミスはきちんと責任を追及し、しかるべき反省を促さなければならないが、言い方一つで相手の心境は変わってくるはずだ。

それによっては、次の仕事で名誉挽回しよう、上司の期待に応えよう、と奮起するに違いない。

部下のやる気をなくさせたり、職場の雰囲気を険悪にする上司は上司失格なのである。

41 やる気のない人に足を引っ張られないように注意! どこの職場にも「やる気のない人」というのはいるものだ。

やたらと遅刻が多かったり、絶対に残業をしなかったり、仕事そのものも人に押し付けがちだったり……。

手がけている仕事について「適当にやっとけばいいよ」などと平然と言ったりもする。

これが同期や部下であった場合は、比較的対処が楽だ。

「しっかりしてくれよ。

みんなが困るんだから」 と言って、尻を叩けばいいのである。

当人も、同期や上司にそう言われたら頑張らざるを得ないだろう。

しかし、自分の目上にこういうタイプがいると困ってしまう。

上司なのではっきりと怒るのは憚られるが、そうかと言って、このままでは仕事が進まない、という状況に陥る。

自分はしっかり仕事をしたいのに、「適当でいいよ」という態度で出られると、あまり張り切るのもためらってしまうだろう。

そういった「やる気のない人」の中でも特に対処に困るのが、本当にただやる気がなく、また自分はそれでいいと思っている人である。

こういう人は、仕事にやりがいを感じていない人だと言えよう。

やりがいを感じないからやりたくないし、無理をしてまでやってどうなる、と考えている。

出世して責任のある仕事をしたくないし、だから出世自体もしたくないと思っている。

だから頑張りたくない、つまりやる気がない。

こういう相手にやる気を起こさせるのは一苦労である。

仕事のやりがいを熱弁し、仕事の達成感がどんなに素晴らしいかを語っても、「そう、でも僕は頑張らなくてもいいや」 と結論付けられてしまうことのほうが多いからだ。

もちろん、あなたの誠意が伝わって、やる気を起こす人もいるだろう。

しかし、「仕事は頑張るべきだ」というのが絶対的な正義ではないことも確かなのである。

その人が頑張りたくない、出世しなくてもいいと言うのであればそれはその人の勝手であるし、また、ひとつの生き方であると認めなくてはいけない。

しかし、同じ仕事をしているのにその人のやる気のなさで足を引っ張られたり、自分にばかり仕事を押し付けられてしまうのは困りものだ。

また、上役にやる気がないとその雰囲気が職場全体に伝染し、活気のない職場になってしまう。

これも避けたい状況だ。

やる気がないのは個人の勝手だが、それが周囲にまで影響を及ぼすようなら、結局なんらかの対策を立てなくてはいけない。

そもそも職場とは「仕事の場」だ。

きっちり仕事をしてもらうことを求めるのは間違いではなく、正当なことである。

「あの人はやる気がないから何を言っても無駄」と諦めず、まずは誠意をもって話し合ってみよう。

ただし、先述した通り人の生き方はその人の自由である。

相手にまで自分と同じ理想や頑張り方を強要するのはエゴにも繋がるので注意したい。

42 外から見ればみんな同じ会社の人 会社などの組織は、中に入れば細分化され、いろいろな人が働いていることがわかる。

しかし、その組織に入っていない「外の人」から見れば、会社はひとつの会社であり、そこで働いている人は全員「その会社の人」なのである。

これに気がつかないと、客や取引先を怒らせて、会社の面子をつぶしてしまうことがある。

たとえばとあるホテルで、客が部屋のカギの開け方を尋ねようと、そばにいるボーイに声をかけた。

「ちょっと部屋のことを聞きたいんだけれど……」 しかし、そのボーイはフロアの担当者ではなく、客に何か聞かれてもわからないと思い、「すみません。

自分はこのフロアの担当ではないのでわかりません」 と答えてしまったところ、客はこの受け答えに腹を立て、ホテルに直々にクレームをつけた。

この場合、客は、ホテルの従業員なら当然質問には答えられると思ったのに、「わかりません」で済ませられたので腹を立てたのだ。

確かにボーイはそのフロアの担当ではなかったのだが、そんなことはホテル側の事情である。

客は、従業員の制服を着ていれば、客に対して責任を負うのが当然だと思ったのである。

こういうケースは案外多い。

内部の人間は「それは自分の仕事ではない」と思いがちだが、外部からは「会社の仕事」という単位で考えられるのだ。

右の例では、ボーイは自分のフロアではなくとも、客の用件をきちんと聞くべきだったのである。

カギの開け方ならばそのボーイでもわかったのだから、クレームなどにはならなかったはずだ。

また、もし自分にわからないことであれば、「担当の者に申し付けますので少々お待ちください」 と伝えるべきだったのである。

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