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第 2章 あなたの鼻づまりの原因(疾患)はコレでわかる!―鼻づまりの原因・発見チャート

まず自分の状態を知る、それが治癒への第 1歩チェックポイントその ❶鼻水の形状は? ➡ドロドロか・サラサラかチェックポイントその ❷鼻水はいつ出る? ➡始終出るか・決まった条件のもとで出るかチェックポイントその ❸くしゃみは? ➡よく出る・ほとんど出ないチェックポイントその ❹鼻づまりが起こるのは? ➡片鼻か・両方かチェックポイントその ❺鼻がにおう? ➡くさい・くさくないチェックポイントその ❻どれくらい治っていない? ➡ 2週間以内か・それ以上続いているチェックポイントその ❼後鼻漏は? ➡けっこうつらい・ほとんどない

まず自分の状態を知る、それが治癒への第 1歩 さっそく「鼻づまりの原因・発見チャート」をやってみましょう。 YES、 NOで答えていくだけで、今、あなたがかかっている可能性のある疾患にたどりつきます。 ただし、ここで強調しておかなければなりませんが、これは、「かかっている可能性がある」疾患であって、このチャートで診断が確定できるわけではありません。 あくまでも参考に、目安に、ということです。 こんなふうに話すと、なかには、病気が確定できなければチャートの意味がないのではないかと、お考えになるかたがいらっしゃるかもしれません。 ただ、私は、そうしたお考えに次のように反論したいと考えています。 意外と思われるかもしれませんが、患者さんのなかには、自分がどんな容態なのか、また、例えば、自分がかかっている数ある症状のうちで、何がいちばんつらいのか、意識していないかたがけっこう多いのです。 いろいろな病院に行って、さまざまな療法を試して、けっきょく、だめだった。結果、すっかり混乱してしまって、頭の整理がついていないというかたもいらっしゃるでしょう。 その一方、漠然とつらいなと思っているだけで、それ以上突きつめていないかたもたくさん存在します。診察室で患者さんにいろいろお聞きしますが、聞かれると、答えられず、考え込んでしまったり……。 こうした場合、自分がどんな容態であるか、悩んでいる症状が複数あるなら、そのうち、どの症状がいちばんつらいのか、そもそも自分の病気の名前はいったい何か、知ろうとすることは、つまり、自分自身に意識を向けるということ(認知しようとすること)が大事なことです。 最近は、インターネットなどで、自分の症状を調べる人も少なくありません。もちろん、それはとてもよいことです。詳しくなって、知りたいことができたり、疑問が出てきたりしたら、担当医に質問をしてみましょう。 発見チャートも、そのきっかけの1つです。気軽な気持ちで、やってみてください。 発見チャートをチェックすると、自分が今まで症状について意識してこなかった点についても意識できるようになるでしょう。 自分(の状態)を知る。それが治癒へとつながっていきます。医師に相談する際にも、自分の今の症状について前もって知っておくことは有用です。 この章で取り上げられるチェックポイントを参考に、それを箇条書きにしたものをメモして、診察を受けるとよいでしょう。病院での診察がよりスムーズに、より間違いなく進むはずです。

次に、鼻づまりの原因疾患を探るうえで重要なチェックポイントを挙げておきましょう(それは、同時にまた、発見チャートの補足・解説にもなっています)。原因疾患7つのチェックポイント ①鼻水の形状は? ➡ドロドロか・サラサラか ②鼻水はいつ出る? ➡始終出るか・決まった条件のもとで出るか ③くしゃみは? ➡よく出る・ほとんど出ない ④鼻づまりが起こるのは? ➡片鼻か・両方か ⑤鼻がにおう? ➡くさい・くさくない ⑥どれくらい治っていない? ➡ 2週間以内か・それ以上続いているか ⑦後鼻漏は? ➡けっこうつらい・ほとんどないチェックポイントその ❶鼻水の形状は? ➡ドロドロか・サラサラか あなたの鼻水は、ドロドロでしょうか。それとも、サラサラでしょうか。その形状によって、あなたの鼻づまりを起こしている原因疾患は、大まかに、2つに分けられます。 まず、鼻炎という病気について解説しておきましょう。鼻炎は、大きく3つに分類することができます。鼻炎の 3分類 ①感染性の鼻炎 ➡副鼻腔炎など ②アレルギー性の鼻炎 ➡アレルギー性鼻炎(花粉症) ③そのほかの鼻炎(刺激性の鼻炎など) ➡加齢性鼻炎・血管運動性鼻炎など 感染性の鼻炎は、ウイルスや細菌などの病原菌によって起こる鼻炎です。副鼻腔炎などが当てはまります。 アレルギー性の鼻炎は、花粉やハウスダスト、ダニなどのアレルゲン(アレルギーの原因物質)によって引き起こされるもの。花粉症やアレルギー性鼻炎などが当てはまります。 この2つが、鼻炎のなかでは最も患者数が多いものですが、ほかに、 ①と ②に当てはまらない鼻炎もあります。自律神経の乱れから生じる血管運動性鼻炎や、加齢によって起こる加齢性鼻炎などです。 同じ鼻水が出るにしても、慢性副鼻腔炎とアレルギー性鼻炎では、全く違った形状の鼻水が出るのです。 副鼻腔炎では、黄色や黄緑色のドロドロした鼻水が出るようになります。 このとき副鼻腔には、細菌などによる感染があり、炎症が起こっています。「炎症がある」とは、すなわち、「侵入した外敵である細菌をやっつけようと白血球が集まり、そこで闘いが起こっている」ということです。 その黄色や黄緑色のドロドロは、細菌自体の色というより、感染した細菌を白血球が処理した残骸などを含んだ、闘いのあとの色合いということになるでしょう。 原因不明の疾患である好酸球性副鼻腔炎も、比較的、粘り気のある鼻水が出るのが、特徴です。 一方、アレルギー性鼻炎は、サラサラとして透明な鼻水が止めどなく出ます。鼻水は、花粉などの異物を洗い流すために分泌されているのです。 副鼻腔炎の鼻水とは、このように形状がはっきり違っていますから、感染性の鼻炎と、アレルギー性のものとは、ハッキリ区別することができます。 ちなみに、いわゆるカゼの場合も、ひきはじめは、サラサラとした水っぽい鼻水が出ます。が、数日以降は、膿性の鼻水に変化してきます。カゼが治りかけた時に黄色い鼻水が出てきている場合には、たいていその後、短期間でよくなっていきます。黄色い鼻水は、免疫が機能し、ウイルスと戦っているサインということになります。チェックポイントその ❷鼻水はいつ出る? ➡始終出るか・決まった条件のもとで出るか 血管運動性鼻炎や加齢性鼻炎といった鼻炎が、最近、ふえています。 この2つの鼻炎は、ともに、サラサラとした透明な鼻水が大量に出ます。このため、2つの疾患は、しばしばアレルギー性鼻炎と診断され、抗アレルギー薬が処方されています。鼻水の形状は同じなので、問診で詳しく話を聞いてもらっていないと、アレルギー性鼻炎と診断されてしまうおそれがあるのです。 アレルギーと診断されて、薬を処方されても、この2つはそもそもアレルギー疾患ではありませんから、抗アレルギー薬を飲んでも効きません。 発見チャートでも、それを見分けるポイントとしています。 ことに血管運動性鼻炎は、特定の条件がそろったときに、急にたくさん鼻水が出るという特徴があります。 例えば、冬に温かいふとんから出たときや、温かい部屋から寒い部屋へ移動したときなど、一般的には、 7 ℃以上の気温差がある場合、鼻水がどっと出る

とされています。加齢性鼻炎にも、似た傾向があり、特に寝起き、朝方に鼻水が多く出る、食事のときに鼻水が出やすくなります(熱いものやからいものを食べたときに症状が特に出る)。 また、血管運動性鼻炎(加齢性鼻炎も)とアレルギー性鼻炎との違いは、目の症状がない(花粉症に見られるような目のかゆみや充血がない)、熱が出ない点が挙げられます。チェックポイントその ❸くしゃみは? ➡よく出る・ほとんど出ない くしゃみは、鼻の中の異物を外に出すための生体防御反応です。くしゃみが出るのは、いわゆるカゼによる鼻炎、もしくは、アレルギー性鼻炎ということになります。 副鼻腔炎などの感染性の鼻炎では、あまりくしゃみを伴いません。 くしゃみに加え、鼻水、だるさ、熱があるときは、カゼによる鼻炎が疑われます。 また、くしゃみに鼻水、鼻づまりがあれば、アレルギー性鼻炎が考えられます。 ハウスダストやスギ花粉などのアレルゲンが鼻に入ると、アレルゲンの侵入を防ぐために鼻がつまります。さらに、くしゃみや鼻水という症状でアレルゲンを体の外に追い出そうとするわけです。 カゼによるくしゃみは、続くにしても、せいぜい 3 ~ 4回程度。長く連続しませんが、アレルギー性鼻炎の場合、 7 ~ 8回以上、連続してくしゃみが出る傾向があります。 くしゃみ、鼻水、鼻づまりに加えて、目もかゆければ、花粉症である可能性が高まります。チェックポイントその ❹鼻づまりが起こるのは? ➡片鼻か・両方か 症状が片鼻だけに起こっているか、もしくは、両方の鼻に出ているかも、病気によって違ってきます。 副鼻腔真菌症は、真菌(カビ)が原因で、副鼻腔に炎症が起こる病気です。この病気になると、片側から、膿状の鼻水が出ます。 鼻中隔湾曲症は、鼻腔を2つに仕切っている仕切りである鼻中隔がどちらかに曲がることで起こります。ほとんどのかたの鼻中隔がきちんとまっすぐではなく、左右どちらかにわずかに曲がっています。要するに、程度問題なのですが、曲がりすぎていると、不具合が出てきます。その不具合の1つが、鼻づまり。どちらか一方にだけ、鼻づまりが起こるようになります。 症状が片側に出ているというとき、私たち耳鼻科医が最も警戒する病気が、悪性腫瘍です。頻繁に見られるわけではありませんが、悪性腫瘍も、たいてい片側に起こります。 例えば、上顎洞という副鼻腔の1つに起こる、上顎洞ガン。これは副鼻腔ガンの 90%以上を占めます。上顎洞ガンがあると、片方の鼻がつまる・片方の鼻から鼻血が出る・片方の鼻からくさい鼻水が出る・物が 2重に見える、などといった反応が起こってきます。上顎洞に悪性腫瘍が発生する可能性は非常に低いものの、 50歳以上のかたでは注意が必要です。早期発見・早期治療すれば、 5年生存率が 90%以上になるとされています。 ほかには、悪性リンパ腫が発生することもあります。 また、良性腫瘍である乳頭腫も、片側にだけ起こります。乳頭腫は、 35歳以上の男性に発生することが多いとされています。片側の、鼻腔と上顎洞の境目から発生し、周辺に拡大していきます。 これは余談ですが、鼻は、健康な状態の場合でも、どちらかが多少つまっているものです。ただ、不思議なことに、健康な人に起こる鼻づまりは、 1 ~ 3時間ほどの間をおいて、左右の鼻が交互につまっていきます。本人も気づかない程度に、多少粘膜が腫れるという鼻づまりが、 1日じゅう左右交互の鼻の穴に起こっています。 これをネーザルサークルといい、自然な生理現象とされています。 おもしろいことに、好酸球性副鼻腔炎だけは、左右に偏って起こることがなく、両方の鼻に起こるという特徴があります。チェックポイントその ❺鼻がにおう? ➡くさい・くさくない 鼻から不快なにおいがすることがあります。 その場合、いくつか可能性が考えられます。鼻がにおう病気 ①副鼻腔炎 ②副鼻腔真菌症 ③萎縮性鼻炎

④慢性鼻炎 ⑤異物混入 副鼻腔炎は、慢性化すると、鼻腔への出口がふさがれてしまうために、副鼻腔内の分泌物や膿が排出できなくなります。その膿がたまって、口や鼻水がにおうようになります。また、頭重感などが症状として現れることもあります。 副鼻腔真菌症になると、副鼻腔にカビが増殖し、においのある鼻水、鼻づまり、口臭、倦怠感などが出てきます。 萎縮性鼻炎は、鼻の中の粘膜が硬くなって乾燥したり、かさぶたができたりして粘膜に異常が生じてしまう病気。鼻の中が不衛生な状態となり、不快なにおいがするようになります。 また、大量の鼻血が出ることもあります。 慢性鼻炎は、鼻の粘膜が長期間にわたって炎症を起こした状態。炎症で粘膜が腫れて空気の通り道が狭くなり、息苦しくなったり、慢性的な鼻づまりになったりします。慢性鼻炎が副鼻腔炎を合併すると、鼻や口から悪臭が出ることがあります。 鼻の中に異物が入ったままになると、感染を引き起こして悪臭がしたり、においのある鼻水が出たりすることがあります。食事中、くしゃみをした拍子に米粒などが鼻腔に入ってしまうことによるものもあります。 幼児の場合、親が気づかない間に思いもかけないものを詰めていることは珍しくありませんから、注意が必要です。チェックポイントその ❻どれくらい治っていない? ➡ 2週間以内か・それ以上続いている カゼは治ったはずなのに、 2週間以上、鼻の症状(鼻づまりや鼻水など)が続いている。もしも、そうなったら、これはただのカゼではないかもしれないと、少し疑い始めたほうがよいかもしれません。 そもそも「カゼ」という特定の決まった病気があるわけではありません。本来、カゼは、いわば「カゼ症候群」と呼ぶべきような、カゼとして知られる症状を呈する複数の病気の集合体。カゼの症状のピークは、かかり始めて最初の 2 ~ 3日です。治るには、 1週間から 10日ほどかかるといわれています。 カゼをひいてしまうような、体力が落ちているときには、副鼻腔炎も起こりがちです。この急性副鼻腔炎自体、適切な治療をすれば、通常 1 ~ 2週間でよくなるとされています。 しかし、それが治り切らなかったり、何も手当てせずにいると、炎症がさらに悪化して粘膜が腫れて、副鼻腔から鼻腔へつながる自然口がふさがれてしまいます。 すると、副鼻腔の中に膿がたまって細菌が増殖するとともに、粘膜の炎症はどんどん悪化し、さらに腫れていきます。 こうした悪循環が 3ヵ月以上続くと、副鼻腔炎が慢性化して、治りにくくなります。 ですから、その前に手を打つことが大事です。 粘り気のある鼻水や膿性の鼻水が、 2週間 ~ 1ヵ月ほども続いたら、早めに耳鼻咽喉科を受診したほうがいいでしょう。 ちなみに、ただのカゼだと思っていたら、セキが 3週間以上続くときも要注意。 セキぜんそくや肺炎のリスクがあります。 また、ときに後鼻漏(鼻水がのどに垂れる現象)が、長引くセキの隠れた原因になっていることもあります。チェックポイントその ❼後鼻漏は? ➡けっこうつらい・ほとんどない 後鼻漏とは、鼻水がのどに流れる現象です。 もともと日々つくられている鼻水の一部は、毎日、のどに流れ落ちていますが、私たちは無意識のうちにそれを飲み込んでいます。そのこと自体を不快には全く思いません。健常者にも自然に起こっている生理現象だからです。 ところが、副鼻腔炎や上咽頭炎(のどの奥の上咽頭に炎症が起こる病気)、アレルギー性鼻炎があると、鼻水の量が増加したり、粘りのある鼻水が流れ、のどを鼻水が通るときに違和感を抱いたりするようになります。後鼻漏はのどの不快感として感じるケースが多いのですが、原因は鼻にあるわけです。 特に副鼻腔炎があり、鼻水が多くなれば、単純に後鼻漏は多くなります。副鼻腔炎の鼻水は、粘っこく、重いので、鼻の奥に流れていきやすく、後鼻漏を引き起こしやすいのです。副鼻腔炎によって起こる後鼻漏は、タンや口臭の原因になるだけでなく、のどや気管を刺激してセキの原因になることもあります。後鼻漏の鼻水の粘り気が強いと、これがのどに下りてタンのようにからむ場合がよくあるからです。 加齢に伴って、粘膜が乾燥したり、粘膜の分泌機能が低下したりすると(そのなかには、加齢性鼻炎と診断されるかたもいるでしょう)、後鼻漏がさほど多くなくても違和感のあることが多くなります。これは、「後鼻漏」ではなく、正確にいえば、「後鼻漏感」ということになるのでしょう。 実際に、後鼻漏を訴えるかたののどを視診したり、内視鏡で確認しても、後鼻漏が認められないことがあります。しかし、これは、そのかたが勘違いしているとか、事実誤認があるということではありません。確かに、そのかたは後鼻漏があるような不快を感じており、その不快を感じさせる原因がやはり、存在しているからです。 では、続いて、鼻づまりの原因疾患に進みましょう。あなたに心当たりのある疾患があるなら、そちらから目を通していただいてもかまいません。

順にお読みいただければ、よりよく鼻について知ることができるでしょう

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