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第 2章  あなたの会社の顧問会計事務所は何をしてくれますか?

第 1章では、会計事務所や税理士に対して少し辛辣なことを書きましたが、税理士の職能や経営者の税理士に対する信頼等を考慮すれば、税理士が会社経営に貢献できることはたくさんあると確信しています。

一般的に、税理士に対する経営者の信頼は厚く、ある種リスペクトの念も抱いています。

だから、いわば経理代行業者であり税務代行業者ではあるけれども、ほかの外注先とは違って、「先生」と呼んだりします。

さて、現在の会計事務所・税理士は、先生という呼び名にふさわしい仕事をしているでしょうか?そこで第 2章では、従来会計事務所・税理士がやっている仕事と本来やるべき仕事などを実態に照らし合わせながら見ていくことにします。

目次

税理士は会社のホームドクター:その機能を持っているか検証してみよう

税理士と医師は共通点が多い。どちらも国から独占業務を付与されていて、業務は専門化されています。

街の小さな医院・クリニック、税理士が 1人だけの小さな会計事務所もあれば、医師が何十人もいる総合病院や大規模な税理士法人まで、大小を含め組織形態もよく似ています。

また、医師の診断や税理士の判断によっては、医師の場合は患者、税理士の場合は納税者の生き死ににかかわります。

税理士事務所のホームページを見ていると、よく「税理士は会社のホームドクターとして御社の発展に寄与します」と謳い文句が記載されていたりします。

まさに会社にとっては医師のような存在かもしれません。

では、実際はどうなのでしょうか?税理士の役割とはどのようなものでしょうか?これについては、税理士法 1条に規定があります。

税理士法 第一条(税理士の使命)税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。

実務的には、税法に定められた規則にしたがい、経営者に代わって申告書を作成することを業としています。

また、決算書を作成するために必要な記帳代行を日常業務として行っている事務所も多く存在します。

これらの活動を通じて、税理士法にあるように「納税義務の適正な実現を図ること」を使命としています。

もちろん、実際に税理士が行っている業務はこれに留まりません。

税理士はこれらの業務を通じて、会社の経営成績と財政状態を日々把握していますので、経営者の相談相手になったりします。

税理士が経営者からの相談を受け、その会社に適切な解を提供したり、もしくは自身で提供できない場合は、他の専門家に相談することで、会社の経営がよくなるようにサポートすることもあり、そういう役割を果たしていけば、まさに税理士は会社のホームドクターです。

ただ、医師とは異なり、経営相談を受けることは税理士本来の業務ではありません。税理士法にもそのような規定はありません。

だから、この相談機能、ホームドクター機能を十分に果たしていない税理士も残念ながら存在します。

本書では、企業の顧問会計事務所・税理士がどのような業務を担っているのか、企業が会計事務所・顧問税理士に何を期待しているのか、現状、会計事務所や税理士に問題があれば、今後どのように対応すればよいのか、こうした疑問に答えようと思います。

もしかすると、会計事務所や税理士に期待することや抱くイメージは、担っている業務の実態とかけ離れているかもしれません。

まずはそのことをよく認識しておく必要があります。何事も現状分析が重要です。

Check!

  • □会計事務所・税理士は、税務以外にもいろんな仕事ができる可能性がある
  • □会計事務所・税理士には、ホームドクターの役割を担ってもらう

会計事務所の仕事は、伝票の仕訳と税金の計算だけなのか?:企業経営者は、会計事務所に多様な機能を持ってほしいと期待している

経営者が会社のホームドクターである税理士に期待する役割は何でしょうか?税理士は税の専門家であり、国家資格により税に関する独占業務を行う権利を付与されています。

そのため、経営者が税理士に期待するいちばんの役割は、「自社に有利な税法を適用し、納税額をできるだけ低く申告してくれる」ことでしょう。

もしくは税務調査があった場合に、税務官への対応がうまいということでしょう。

いわゆるサラリーマン(給与所得者)については、会社が本人に代わって税額を計算し、源泉所得税を給与から徴収、納税してくれますので、税金に対する意識が低いかもしれません。

しかし、事業を営んでいる経営者は常に税金のことが頭の片隅にあります。

経営者は事業継続のため、社内に資金を留保したいと考えるので、納税額はできるだけ小さくしたいと考えています。

たくさん税金を納めたいという経営者は皆無でしょう。

税金の計算などおおざっぱな数字は社内でもおおよそわかりますが、きちんとした数字は会計事務所に依頼することになります。

これは会計事務所に求める最低限の役割です。

これに加えて、

  • ●税金(法人税、消費税など)だけではなく、個人の所得税、将来発生する可能性がある相続税についてもアドバイスしてほしい
  • ●毎月の損益状況を正確に把握するため、適時適切な試算表を作成してほしい
  • ●金融機関と円滑に取引を行うためにアドバイスがほしい
  • ●資金繰りを管理できる資料がほしい等の役割を会計事務所に期待しています。

さて、問題は、会計事務所・税理士がその要望に応えているかどうかです。

私は、会計事務所に約 5年、コンサルティング会社に 7年、独立して 6年が経過し、この合計 18年の間に、ご相談も含めて約 1200社の経営者とお話をさせていただきました。

その際に必ず会計事務所の対応についてお伺いするのですが、残念ながら、これらの要望に的確に応えている会計事務所は極めて少なかったのです。

最近は、積極的に税務申告以外の業務サービスを提供している会計事務所も増えてきましたが、全体からすればまだまだ少ないのが現状です。

それどころか、本来の業務である税金の計算についても、会社にとってより有利な制度を提案しなかったり、毎月の記帳代行での顧問契約を締結しているにもかかわらず、月次試算表を半年に 1回しか作成しなかったりといった会計事務所まで存在します。

経営者は企業の存続を第一に考えています。企業が存続するためには、資金を確保しておくことが重要です。資金を確保するためには、金融機関からの借入も必要でしょうし、今は発生していない潜在的な損失リスクを把握することも必要でしょう。

ところが、多くの会計事務所はこれら潜在的なニーズに対するサービスを提供できていないのです。

当初は会計事務所にこれらのサービスの提供を期待していた経営者も、税理士と何度も話をしていくうちに、的確な答えが得られないことから、次第に「税理士さんは、税金の計算だけしてくれればいい」となって、税理士のほうも顧問先が税務以外のサービスを求めてこないので、提案しなくなっていくという悪循環になっています。

つまり、多くの会計事務所は、納税に関する顕在化されたニーズに対する自社のサービスの説明と提供は行いますが、お客様の真の潜在的ニーズの確認を行い、そのサービスの提供を行っている事務所は少ないのが実態なのです。

Check!

  • □企業経営者の期待に応えている会計事務所は多くない
  • □経営者の潜在的なニーズに関心のある会計事務所は少ない

税理士には独占業務がある:税理士の仕事は法律で定められている

税理士の業務は大きく分けると、 ①税理士の独占業務、 ②それに付随する業務があります。

①の税理士の独占業務は、「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」と規定されています。(税理士法第二条第 1項第 1号から 3号)

●税務代理(法第二条第 1項第 1号)税務署への申告、その申告に関する税務署の調査や処分に関して税務署に対する主張、陳述を納税者に代わって行うことです。

具体的には、税務署に申告書を提出し、税務調査に立ち会い、その後の税額確定の交渉、修正申告がある場合はその修正申告書の作成を納税者の代わりに行います。

●税務書類の作成(法第二条第 1項第 2号)税務署に提出する申告書を作成することです。

最近は会計ソフトの性能が向上していて、日々の記帳から決算書の作成までは自社で行い、申告書の作成のみを税理士事務所に依頼する会社も増えてきています。

●税務相談(法第二条第 1項 3号)税金の計算方法、納税の手続き、税務署への申告方法、及び税務調査への対応方法、処分に対する主張について、納税者からの相談に応じることです。

これらの税理士の独占業務については有償、無償を問いません。

そのため、仮に無償であっても税理士資格を有しない者が知り合いの代わりに税務申告を行うと、税務代理に該当するため税理士法違反となります。

ネット上での相談も同じ可能性があります。

②に付随する業務は多数ありますが、大別すると、会計帳簿の記帳代行、決算書等の財務諸表の作成、経営に関するアドバイス等です。

最近は自社で経理担当者を置かず、経理業務を丸投げしている会社も増えてきました。いわゆる記帳代行会社は、税理士独占業務は行わず、この付随業務のみを行っています。

Check!

  • □税務代行や税務書類の作成は税理士の独占業務である
  • □経理社員を置かず、記帳代行会社に丸投げしている会社もある

決算書の内容と社長の感覚はフィットしてますか?:経営者は必ず決算内容を確認すべし

私のクライアントで、試算表などは全く見ないけれども、現場感覚が非常に優れた経営者がいます。

その経営者は、毎日、自社の工場に足を運び、機械の稼働状況、材料の在庫、完成品の保管状況を確認していました。時が過ぎ決算期になって、税理士が決算内容を説明に来たときに、事件は起こります。

社長が思っていたよりも、帳簿上の期末棚卸在庫の数量が多いのです。

棚卸の在庫が多いということは、その分、売上原価が減少し、利益が出て、その結果納税額が多くなるので、経営者も必死で細部を追究します。

詳細に調べると、期末の在庫数値について、税理士が会社の経理担当者に口頭で「期末在庫は昨年と同じぐらいですか?」と確認しただけで、経理担当者も「そうだと思います」と返答したので、昨年とほぼ同じ金額を計上していたのでした。

また、社長は会社の資金繰りが厳しいときに一時的に会社にお金を貸すことはあっても、会社からお金を借りることはないにもかかわらず、決算書に社長貸付金が計上されていました。

「これはどういうことか?」と税理士に説明を求めました。

すると、税理士もふだんの入力業務は担当者に任せているため、その内容を把握していませんでした。

実際は、会社のカード支払のうち、個人的支出と思われるものを担当者の判断で社長貸付金として勝手に処理していたのでした。

決算時に気づいたからよかったものの、このままだと金融機関から指摘を受けていたことは間違いありません。

これらの結果、税務顧問契約は解約になりました。

言うまでもなく、事業を継続していくに際して運転資金が必要となりますので、通常は金融機関からの資金調達が必要不可欠になります。

それにもかかわらず、貸借対照表は課税所得計算に影響しないからといって、適当に処理することは許されません。

Check!

  • □税理士も決算書の内容を把握していないことがある
  • □社長は決算内容を必ず確認する必要がある

会計事務所に教えてもらう節税方法よりも、もっと大切なことがある:節税が税理士の仕事なら、税理士は不要

税理士は、税の専門家ですので、節税方法を知っているかと思います。

しかし、「支出時に経費( ≒損金)として処理したものが戻ってくる場合は利益( ≒益金)として処理する」という租税の大原則があるので、そもそも節税方法というものは存在せず、世の中で言われている節税方法は、単に利益を繰り延べていることになります。

多くの経営者は納税額を適正に少なくしたいと考えているので、税の専門家である税理士に節税方法を聞きます。

確かに、税理士は過去の経験、金融商品の知識などによって利益の繰延方法に熟知していることもあります。

また、納税額を最大限に減少させ、行き過ぎた節税が税務調査で指摘された場合には、これにうまく対応し、追徴課税が発生しないようにするのが、税理士の仕事と思っている経営者も多いようです。

日本には現在約 420万社の中小企業があります。

このうち赤字企業の割合は 62・ 6%( 2017年度国税局調査)だそうです。

ということは、多くの中小企業が所得に関しては、均等割り以外の納税の必要がないのです。

とすれば、節税することが税理士の仕事と考えると、そもそも税理士は必要ないとも思えます。

しかし、実際には中小企業の多くが自主申告ではなく、税理士に確定申告を依頼しているので、会社の数値を経営者の次に把握しているのは、ほかならぬ税理士です。

これを有効利用しない手はありません。

経営者はもっと税理士に経営相談をすべきです。会社のホームドクターとしての機能を発揮してもらうべきです。

個人差はありますが、税理士は他社の経営を数字で見ることができますので、税理士本人の経験を聞くというよりも、「先生、他社ではどのようにされていますか?」と聞くと喜んで教えてくれます。

やはり「餅は餅屋」です。

Check!

  • □本来、節税方法というものは存在しない
  • □会社のホームドクター機能がある会計事務所をもっと有効活用すべき

節税はどこまでやるべきか:節税の実態は利益の繰延にすぎない

「せっかく稼いだ利益だから税金を払いたくない!」これは、多くの経営者に共通する考えです。

そのために会計事務所に節税を相談します。

そこで事業計画を策定し、中長期にわたって節税対策(といっても実際は利益の繰延がほとんどですが)を行うのであればまだしも、ほとんどが決算直前に対処しようとします。

ひどい場合には、決算日が過ぎ決算手続きが完了してから多額の納税が発生することが判明し、そこから遡って節税手続きを行うことがあります。

このようなその場限りの利益の繰延では、せいぜい生命保険の加入、航空機などのオペレーティングリース、役員退職金の計上等を行うのが関の山でしょう。

第 1章で述べたように、これらを活用した節税対策によって、経費( ≒損金)が発生し、一時的に納税額が減少しますが、同時に多額の資金が社外に流出します。

2020年度における東京都の法人税実効税率は 33・ 58%(もしくは 34・ 59%)です。※法人税、地方法人税、住民税、事業税、地方法人特別税で計算(都道府県で異なる)。

つまり、 100万円損金が発生して節税しても、納付減少額は約 34万円に過ぎません。一方、会社から流出する資金は 110万円(消費税 10%)ですので、利益の繰延は資金効率がよいとは思われません。

税金を払いたくないから利益の繰延処理をしたにもかかわらず、節税した結果、納税よりも多くの資金が社外流出したとあっては本末転倒です。

このように、経費を最大に計上しても納税額は 34%減少するだけです。

また、資金流出をともなわない経費計上は存在しないので、過度な利益の繰延は会社の資金繰りを悪化させ、財務基盤を弱くします。

支払うべき税金をキチンと納税することで会社は財務的に強くなり、金融機関からの評価も上がるのです。

本来、このようなアドバイスは税理士が行うべきなのですが、税理士は何も言わずに経営者が望む節税(実態は利益の繰延)をすることが多いのです。

Check!

  • □その場限りの節税対策は、打つ手が限られる
  • □資金流出をともなわない経費計上は存在しない

会社の顧問会計事務所は、経営計画の作成支援をしてくれますか?:数字を知る会計事務所に最適な業務

会計事務所は多くの顧問先の決算書を作成し、場合によっては経営相談にも乗っています。最近は、会計事務所が金融機関から経営(改善)計画の策定を依頼されることも多くなってきたといいます。

これは、債務超過や 2期連続経常赤字の会社であっても、ある一定の要件を満たした事業計画(実抜計画、合実計画)を作成することによって、追加的な融資を受けたり、返済条件の変更を行ったりするためです。

この経営改善計画については、経営者が主となって策定するのですが、数値計画については、会計事務所に依頼することもあります。

この際に多いのが、エクセルを用いて前年比 1%アップ(もしくはダウン)で計画数値を算定することです。

このような根拠のない数字の計画を金融機関に提出すれば、どうなるでしょうか?会計事務所は数値に関しては、実抜計画、合実計画の目標数字をクリアするように策定するので(それすらしていないことも多いですが)、金融機関はその計画をいったん受け取りますが、 1年後のモニタリングで計画未達となることが多く、その結果、貸付金の回収を進めたり、新規融資を行わなくなる要因になります。

これは当然のことです。数字の根拠としてアクションプランがないのですから。

あなたの会社の会計事務所に経営計画の立案を依頼した場合はどうでしょうか。

会社が営んでいる事業に関しての知識や保有している経営資源を正確に把握し、これに基づいて経営改善の計画を立案し、数値として経営計画に表す。

これができていれば、経営顧問の会計事務所として一生お付き合いされることをお勧めします。経営(改善)計画とは、企業にとっては存続・発展していくための道筋を示したものです。

これがなければ企業経営はつねに荒波にさらされます。

Check!

  • □前年対比一律の比率で数値を計上している計画書は N G
  • □経営計画の数字には根拠がなくてはならない
  • □経営計画は 1年後に必ずモニタリングされる

金融機関の紹介や他社とのマッチングをしてくれますか?:会計事務所からの紹介は歓迎される

税理士は、その仕事上、金融機関と接する機会が多い。特に日本政策金融公庫については、税理士からの紹介でお付き合いを始める経営者も多いと思います。

金融機関側からしても、税理士からの紹介案件については、その決算書が企業実態を適正に示している可能性が高いので、安心して融資することができます。

また、融資に必要な試算表、資金繰り表などの資料がすぐに入手できるなどのメリットがあるので、税理士からの顧客紹介を喜びます。

逆に、金融機関の紹介ができない税理士は、行動範囲が極端に狭いか、過去に金融機関とトラブルがあった可能性もあるので、注意が必要です。

一度、税理士に「金融機関を紹介してほしい」と依頼してみてはいかがでしょうか?私(篠﨑)は銀行員時代によく会計事務所に行きました。

情報を横流ししようとしているわけではなく、会計事務所の所長、あるいは主に企業会計を担当している担当者を尋ね、例えば、「先生が担当している企業の銀行融資はどうなってますか?」と確認しに行くわけです。

自行の本拠地でない支店に勤務していると、最初はあまり相手にされません。

そこで、いかにしてメインバンクの牙城を切り崩すか、あるいは第二地銀のシェアを奪うか、ということを考えるわけです。

そのときに、会計事務所には銀行のことは一切言いません。

銀行は何を考えているか、どうしようとしているか、といった一般的な知識として、基本的な融資の考え方などを話すわけです。

こうして銀行からの一般的な情報を会計事務所にちょこちょこと流していくのです。

私がいた銀行の情報を流すわけではありません。

あくまで一般情報として流すわけです。

そして、一銀行員として、こういう考えをしていて、「それに合致するような会社があれば紹介していただけませんか?」と依頼します。

銀行と会計事務所はどんな関係かというと、どんな関係でもありません。

例えば、お客様(会社)の決算資料の内容がわからないときなどは、もちろん(お客様の了解のうえで)会計事務所に問い合わせたりします。

「ここで計上されている費用はどういうものか」「勘定科目の内容をもっと詳細に知りたい」とか、「この決算書は数字がヘンだな」と思ったときは会計事務所に行って確認します。

よく、「会計事務所と銀行はツーカーでしょ」と言われますが、そんなことはありません。会計事務所がお客様から得た情報は一切表に出しません。

あくまでお客様の了解のもとに、不明な点を照会しているだけなのです。

会社は会計事務所と密接に連絡を取り合う関係でいてほしいと思います。

なぜかというと、試算表と資金繰り表の作成は、これからの会社経営にとってマストなアイテムだからです(詳しくは第 4章、第 5章で解説します)。

会計事務所は事業所情報の宝庫会計事務所は平均、担当職員 1人当たり 20社 ~ 30社程度の顧問先を担当しています。

仮に、会計事務所に職員が 10名在籍していると、おおむね 200社 ~ 300社の顧問先があることになります。

それだけの会社数があると、多くの業種をカバーしていますし、自社の製品、サービスを必要としている会社も存在します。

他社にとっても面識のない会社との取引よりも会計事務所の税理士と人的信頼関係のある取引先を紹介してもらうほうがよいはずです。

ただ、自社のほうからはなかなか言いづらいので、そのような機会を積極的に提供してくれる税理士は重宝すべきです。

私の知り合いの会計事務所は、毎年末に顧問先を招待して忘年会を開催しています。その場では、各社が自由に交流して、今後のビジネスに繋げてもらうことを期待しています。

会計事務所には、御社のお困り事を解決してくれる顧問先を有していることが少なくありません。

遠慮せずにそうした企業とのマッチングを依頼してみましょう。

Check!

  • □日本政策金融公庫の融資は税理士からの紹介が多い
  • □銀行は税理士からの情報を歓迎している
  • □会計事務所には有益な企業情報がある

会社の顧問会計事務所に質問していますか?:試算表・決算書の内容は把握しておく

私(西川)は会計事務所に勤務していた時代に顧問先を訪問し、前月の試算表を説明していました。

多くの場合、経営者は私の話を聞いてはくれるのですが、質問をしてくることはほとんどありませんでした。

また、(今の)私のところに相談に来た経営者に決算書の数値を確認すると、「数字は税理士に任せているから」の一言で、内容を把握していない人が多いことに驚きます。

私はもともと会計事務所出身ということもありますが、自社の決算書には徹底的にこだわっています。

それこそ、ピカピカの決算書です。

ピカピカの決算書とは、仮払金、立替金、雑費など内容の不明瞭な勘定科目は一切計上しませんし、換金価値のない売掛債権も一切計上しません。

まさに弊社の財政状態と経営成績を正確に反映した決算書に仕上げています。なぜなら、その期の決算書はこの世に 1通しかなく、また、後になって修正することもできないからです。

いわばその時点での成績表であり、経営者としての作品なのです。

言うまでもなく、決算書は納税額の確定の基礎になります。また、金融機関はこれをもとに貸付判断をします。

建設業を営む会社では、経営事項審査の基礎となり、来期以降の入札参加ランクが確定する非常に重要なものです。

この決算書のもとになるのが毎月の試算表です。

年に一度の決算書ではなく、会計事務所から毎月の試算表を渡された段階で、内容が不明な点はすぐに質問しましょう。

自分が作成した試算表に対する質問は、会計事務所にとっても、「経営者が試算表の内容を理解しようとしてくれている」ということで好ましく思うものです。

また、経営者が試算表の内容をよく見ていることは、会計事務所もそれを意識して仕事するものです。

Check!

  • □決算書の内容で不明な点はとことん会計事務所に質問する
  • □質問することで経営実態を理解し、知識が高まる
  • □経営者が真摯に前向きであることを理解し、会計事務所は手抜きしない

月一の税理士の訪問は必要ですか?:会計事務所も効率化を図っている

私(西川)は今まで 1000社を超える経営者と面談し、その数だけ決算書を見てきました。

税法によって一定の決まりはあるものの、会計事務所によって決算書の作成方法はさまざまです。同様に、顧問先への関与内容もさまざまです。

会社経営者は、会計事務所との顧問契約をいったん締結すると、よほどのことがない限り変更しません。

それに安住しているのか、顧問契約締結時は定期的に訪問していた税理士も徐々に訪問回数が減少し、気がつけば年に 1回しか訪問しない税理士もいるようです。

当初からそういう契約になっていれば何の問題もありません。

事実、私の友人の税理士は、「中小企業に毎月訪問しても、税法上の質問は発生しない。記帳代行だけの話であれば、ネット環境を最大限に利用して、記帳はクラウド会計で行い、質問は ZOOMで対応することで、顧問料を安く設定している。

そうすることが顧問先のニーズに合っているし、こちらも多数の顧問先に対応できるので、そちらのほうがよい」と割り切って、事務所運営をしています。

よく考えると確かにそのとおりです。金融機関と比べるとわかります。

昔の金融機関は、毎月の定期積金を会社まで回収に訪問したり、現金で給与を支給する会社には、給料日近くに現金を配達したりしていました。

つまり、特に用事はなくても、毎月何がしかの用事で訪問することで関係性を強化していたのです。

しかし、最近はどうでしょうか?超低金利の時代が続き、金融機関を取り巻く環境は厳しく、業務の効率化を進めざるを得ません。

その結果、よほどの大手取引先でない限り、そのようなサービスは行っていません。

会計事務所もクラウドサービスの台頭によって、従来の記帳代行業務は縮小してくると予想されるので、今後は、銀行同様の効率化を図る必要があるでしょう。

会計事務所に依頼する事項を明確に現在の会計事務所の運営は労働集約型です。

所長税理士を含め担当者が何件の顧問先の月々の記帳代行を行い、決算業務を行えるかで会計事務所の損益状況が変わります。

つまり、個々人の担当者は、それぞれの顧問先に深く関与して、いろいろアドバイスをしたいと思っていても、実際には、顧問先への訪問時間に多くの時間をとられ、しかも、申告期限が厳密に規定されているので、余裕がないのが実状です。

そこで、記帳代行業務に時間をとられることなく、経営者が本当に必要としているサービスや情報提供に時間をとってくれる会計事務所が今後求められてきます。

さて、御社の会計事務所はどうでしょうか?

Check!

  • □月一の訪問は何のためにあるか確認しよう
  • □月一の訪問がなくても業務には支障がない
  • □会計事務所に何を求め、どういう業務を依頼するかを明確にする
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