■精神科医の読書術「基本原則」とは?「3つの基本」をまずおさえる
なぜ読書が必要なのか。
読書によって自分の人生が変えられる、ということがおわかりいただけたと思います。
第 2章からは、精神科医の私が毎日実践している読書術の具体的な方法について、お話ししていきます。
まずは、私が読書をする上で最も重要だと考える柱、読書術の基本原則ともいうべき「3つの基本」についてお話しします。
【精神科医の読書術基本 1】 ■ 10年たっても忘れない〜「記憶に残る読書術」1週間に 3回アウトプットすると記憶される〜「三度目の正直読書術」
読書をしても、その本の内容を忘れてしまっては意味がありません。
「記憶に残す」。
すなわち自分の血となり肉となる、自己成長の肥やしになるような読書。
自分が変わり、人生が変わるような読書が必要です。
そのためには「読んだら忘れない読書」をしなくてはいけません。
では、具体的にどうすれば記憶に残るのでしょうか? それは、「受験勉強」における英単語の暗記がヒントになります。
私たちは中学や高校のときに、よく英単語の暗記をしました。
どうすれば英単語を効果的に暗記できるのでしょうか? 暗記術の本によると、一回暗記したら、翌日に再度チェックする。
さらに暗記した日から 3日目にチェックする。
さらに最初に暗記した日から 1週間後にチェックする。
この段階で覚えていると「暗記された」ということで、長期間にわたって記憶が定着した状態になるといいます。
1、 3、 7日目に復習する。
最初にインプットされてから、「 1週間で 3回アウトプットすると記憶に残る」といったことが、いろいろな本に書かれています。
さまざまな脳科学研究を集約すると、最も効果的な記憶術として「最初のインプットから、 7〜 10日以内に 3〜 4回アウトプットする」ということが明らかになっています。
それが受験勉強にも応用されているのです。
人間の脳には、膨大な情報が流れ込んでいます。
そして、それが毎日続きます。
そうした情報を全て記憶すると、人間の脳はたちまちパンクしてしまいます。
ですから人間の脳は、入力された情報のほとんどを忘れるように作られています。
正確にいうと「重要な情報」以外は、全て忘れるようにできているのです。
脳が「重要な情報」と判断する基準は2つです。
「何度も利用される情報」と「心が動いた出来事」です。
1つ目の「何度も利用される情報」というのは、先ほどのように「 1週間に 3回アウトプットされる」情報を指します。
人間の脳には、膨大な情報が流れ込みますが、それらは脳の「海馬」という部分に仮保存されます。
あなたの昨日の出来事を朝から思い出してください。
時間単位でかなり詳しく説明できるはずです。
では、今から 1ヶ月前の月曜日の出来事を朝から順番に思い出してください。
予定表を見ればその日の主な出来事は思い出せるでしょうが、その日の朝、昼、夜の食事内容を言うだけでもかなり大変です。
人間は、 1ヶ月もすると、その体験の詳細を忘れてしまうものなのです。
海馬は、入力された情報を 1〜 2週間だけ、仮保存します。
そして、その「仮保存」期間中に、二度、三度と引き出された情報には、これは「重要な情報である」という付箋をつけるのです。
「重要」という付箋のついた情報は、「記憶の金庫」ともいうべき、側頭葉に移動されます。
一度、側頭葉に入ると、「忘れづらい記憶」となって長期保存されるのです。
海馬が「短期間の記憶」を担い、側頭葉が「長期間の記憶」を担います。
本を読み、そこで得られた情報を側頭葉の「記憶の金庫」に上手に移動できれば、「読んだら 10年忘れない記憶」になるのです。
4つのアウトプットで記憶に残す〜「アウトプット読書術」
本を読んで「 1週間に 3回アウトプットする」と記憶に残る。
これが脳科学に裏付けられた記憶の法則です。
では、具体的にどんな「アウトプット」をすればいいのでしょうか? 読書に関連して私が行っているアウトプットは、以下の4つです。
①本を読みながら、メモをとる、マーカーでラインを引く。
②本の内容を人に話す。
本を人に勧める。
③本の感想や気づき、名言を Facebookや Twitterでシェアする。
④ Facebookやメルマガに書評、レビューを書く。
これらの4つのアウトプットのうち、 1週間以内に3つ行えば、やらないときと比べて圧倒的に記憶に残ります。
実際に、書評記事を書いて紹介した本に関しては、本を読んでから 5年、 10年が経過しても、本のかなり詳細な部分まで記憶しています。
それぞれの具体的な方法、効果的な方法については、第 3章で説明します。
心が動くと記憶に残る〜「脳内物質読書術」
私たちは日常的に起きる平凡な出来事のほとんどを忘れてしまいますが、「何度も利用される情報」と「心が動いた出来事」は忘れにくいと言いました。
「心が動いた出来事」とは、喜怒哀楽など激しい情動の変化がともなう出来事のこと。
物凄く楽しかったはじめての海外旅行、胸が躍るはじめてのデート、何年も一緒に暮らしたペットが亡くなったときの悲しさ、交通事故にあったその瞬間。
こうした激しい情動の変化がともなう出来事は、 10年たっても、 20年たっても忘れることはありません。
「復習」も「アウトプット」もしていないのに、情動がともなう出来事が強烈に記憶されるのはどうしてでしょう? それは、喜怒哀楽にともなって、記憶力を
増強する脳内物質が大量に分泌されるからです。
科学的なデータによって記憶力のアップが確認されている脳内物質には、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、エンドルフィン、オキシトシンなどがあります。
アドレナリンとノルアドレナリンは、不安、恐怖にともなって分泌される脳内物質。
事故や災害、近親者やペットの死などに直面したときに分泌されます。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)という病気があります。
虐待や災害など、強烈な恐怖をともなう体験が忘れられなくなり、時にフラッシュバックとしてよみがえる心の病です。
その原因は恐怖体験により、アドレナリンとノルアドレナリンが大量に分泌されるため、悲惨な体験が強烈な記憶として残ってしまうからだと脳科学的に説明されています。
一方で幸福物質と呼ばれるドーパミンは、ワクワクしたときに分泌されます。
遠足の前日に眠れないのは、ドーパミンが出てワクワクしすぎているからです。
また、目標達成したときなどにも分泌されます。
快楽物質エンドルフィンは「サイコー」「やった ー」と全身で喜びを表現したいような最高の幸福感に包まれたときに分泌されています。
水泳の北島康介選手がオリンピックで金メダルをとったとき「超気持ちいい!」という言葉を発しましたが、そんな瞬間に出るのがエンドルフィンです。
恋愛物質オキシトシンは、愛情やスキンシップに関連して分泌されます。
5年前に付き合った彼氏のことがいまだに忘れられないのは、オキシトシンの影響です。
これらの脳内物質を読書中に分泌させることができれば、本の内容を明確に、長期間記憶できるわけです。
いうなれば、脳内物質を利用した「脳内物質読書術」です。
鈴木光司の『リング』(角川書店)を読んだときには、背筋が凍りました。
その本の内容も明確に記憶しています。
こんなときには、「恐怖」によってノルアドレナリンが分泌されるので、内容をよく記憶しているのでしょう。
村上春樹の新刊を読むときには猛烈にワクワクし、幸せの極みといってもいい状態。
こうした「最高の幸せ」を感じる瞬間は、エンドルフィンが出ています。
自分の大好きな作家の本は、一回しか読んだことがなくても、 10年たっても細かいところまで記憶しているはずです。
ノルアドレナリン、ドーパミン、エンドルフィンなどの記憶力を高める脳内物質を意識的に分泌させることで、本の内容を鮮烈に、そして長期間記憶してしまおう! これが「脳内物質読書術」です。
ノルアドレナリン、ドーパミン、エンドルフィンなど、記憶力を高める脳内物質を効果的に分泌させて、読書に役立てる。
その具体的な方法については、後の章で説明します。
【精神科医の読書術基本 2】 ■効率的に読書をする〜「スキマ時間読書術」
スキマ時間だけで月 30冊も読める「私は月 30冊本を読みます」と言うと、「凄いですね。
よくそんなに本を読む時間がありますね」という反応をされます。
「読書したいけどその時間がない」というのは、読書ができない人に最も多い「言い訳」です。
文化庁が発表した「国語に関する世論調査」( 2013年度)の結果によると、読書量が少ない理由の第 1位は、「仕事や勉強が忙しくて読む時間がない」で、 51・ 3%と過半数を占めています。
つまり、「時間さえあれば、読書したい」と考えている人は非常に多いのです。
私は月 30冊本を読みますが、全てスキマ時間だけで読んでいます。
スキマ時間といってもいろいろありますが、私の場合は「移動時間」がほとんど。
「電車に乗っている時間」と「電車を待っている時間」です。
東京に通勤するサラリーマンの通勤時間は、平均 1時間。
往復で 2時間といいます。
本を読むのが速くない人の場合、 1日 1冊は無理だとしても、 2〜 3日の通勤時間を合計すれば 4〜 6時間になり、本を 1冊読むには十分な時間が積み上がると思います。
あなたの通勤時間、あるいは 1日の移動時間の合計は何時間でしょう。
自分の家で仕事をしているような人を別にすれば、ほとんどのサラリーマンは、通勤時間、移動時間、約束の待ち時間などのスキマ時間を合計すると、 1日「 2時間」近くあるはずです。
1ヶ月で 60時間。
そのスキマ時間の 60時間を読書に使えば、読書のスピードが遅い人でも、スキマ時間だけで月 10冊読むことは可能なのです。
電車でスマホをさわるのは最大の時間の無駄である
みなさんは電車の中で、何をしていますか? スマホをさわっているという人が多いのではないでしょうか。
メールや SNSのメッセージのチェックや返信、あるいはゲームをしているようです。
私は電車の中でスマホを見るのは、最大の時間の無駄だと思います。
なぜならば、 1日 10回もメールやメッセージをチェックする必要はないし、スマホでメッセージを返信するよりも、パソコンで返信したほうが、何倍も早いからです。
スマホで 15分かけて打った長文メールも、パソコンなら 3分で打ち終わります。
そんな「スマホや SNSにかけている時間の無駄を極限まで減らして仕事を効率化しましょう」というコンセプトで書いたのが、『もう時間をムダにしない! 毎日 90分でメール・ネット・ SNSをすべて終わらせる 99のシンプルな方法』(東洋経済新報社)です。
実は、私は電車の中でスマホを見たことは一度もありません。
なぜなら、私はスマホを持っていないからです(笑)。
私がスマホを持っていないというと、多くの人は驚きます。
「樺沢さんのようにネットに詳しい人がスマホを持たないなんて」と。
私がスマホを持たない理由は、必要ないからです。
スマホというのは、移動時間やスキマ時間にチェックする人が多いと思います。
目の前に自分のパソコンがあるのに、わざわざスマホを使って検索したり、スマホでメールチェックしたりする人は少ないでしょう。
前述した通り、私はスキマ時間のほとんど全てを「読書」に費やしており、電車の待ち時間も、ランチで食事が出てくるまでの待ち時間も、本を出して読書をします。
座れる場所では、ノートパソコンを開いて仕事をします。
立っている場所ではほぼ読書しているので、スマホを見る時間が全くないのです。
多くのビジネスマン、サラリーマンは時間に追われています。
あなたも、「忙しい」毎日を送っていると思います。
「毎日、読書時間を余裕で 3時間は確保できる」という人は、まずいないでしょう。
しかしながら、 1日 24時間のうち、スキマ時間という断片化された時間を合わせると 2時間もあるのです。
これは、私たちが起きて行動している時間の約 10%です。
つまり人生の 1割は、スキマ時間だということです。
これは、いうなれば「埋蔵金」のようなものです。
掘るのか、掘らないのか? このスキマ時間を、スマホに使うのか、読書に使うのか。
ここで人生が変わります。
毎日、 2時間、電車の中でスマホを使ってゲームやメールをしても、あなたの収入は 1円も増えませんが、毎日、 2時間の読書で月に 10冊の本を読めば、年に 120冊の本を読めます。
10年で 1200冊です。
ここまで本を読めば、あなたの人生に革命が起きることは間違いないでしょう。
仮にスキマ時間の半分を読書に充てただけでも、月 10冊の読書時間は捻出できるのです。
人生の 1割に相当するスキマ時間を「浪費」に使うのか、「自己投資」に使うのか。
この時間の使い方次第で、あなたの人生は変わります。
読書術とは、いわば時間術である
サラリーマン、ビジネスマンは、忙しい。仕事をしないといけない。飲み会にも行かないといけない。家族サービスもしないといけない。
「本を読む時間」を確保するのが、簡単ではない人がほとんどだと思います。
逆にいえば、「時間がないので、本を読めない!」「本を読む時間さえあれば、本を読みたい!」という人は、多いと思います。
では、本を読む時間をどのように確保するのか? それは、「読書時間」の優先順位を、どこに置くのかという問題と同じです。
「メールやメッセージのチェック時間」や「付き合いで参加する飲み会の時間」を、「読書時間」よりも上の優先順位に置いていると、電車の中では読書よりも「メールやメッセージのチェック」をしてしまう。
毎週、何回も飲み会に行く一方で、 1ヶ月に 2冊しか本を読めていない、ということになるのです。もし、あなたが今よりも多くの本を読みたいのであれば、まず「読書時間」の優先順位をじっくりと考えるべきです。
「読書時間」よりも優先順位の低い時間を削って「読書時間」に振り当てればいいのです。
たくさん本を読める人は、時間管理が上手な人。読書術は、時間術そのものといってもいいくらいです。
出かける前に今日読む本を決めると 1日 1冊読み切れる
「スキマ時間で本を読もう!」と思っても、ほとんどの人は、最初はそれをしっかり実行できないと思います。
1ヶ月のスキマ時間で、せいぜい数冊でしょう。私が、スキマ時間を使って 1日 1冊読み切ることができるのは、ちょっとしたコツがあります。
それは、その日の外出前に「今日は、帰宅までにこの本を読み終える!」と決めることです。「目標を設定する」といってもいい。今日 1日で読破する本を決めて、その本をカバンの中に入れます。
そして、その目標を可能な限り厳守するようにします。とにかく、カバンに入れたその本を、 1日で読み終えるように頑張るのです。
先述したように、目標設定をするだけで記憶強化物質であるドーパミンが分泌されますから、漫然と読むより、記憶に残ります。
「今日 1日で読む!」ということは、制限時間を決めるということです。制限時間などが迫った、ハラハラした状態ではノルアドレナリンが出ます。ノルアドレナリンが出ると、こちらも記憶に残りやすくなります。
「今日 1日でこの本を読む!」と目標設定をして、制限時間を決めることで、緊迫感が出るので集中力が高まり、記憶に関係する脳内物質が分泌され、読んだ内容が記憶に残りやすくなるのです。
もし読み終えないと、明日もその本を持ち歩かなければいけません。8、 9割まで読んだ本を、その残りを読むために 1日中持ち歩くのは、労力の無駄。最初から 1日 1冊はハードルが高いので、最初は「 3日で 1冊」を目標にしてください。そして、心の中で宣言してください。
「この本を今日から 3日で読むぞ!」と。「3日で 1冊」読めば、 1ヶ月で 10冊は読めます。
【精神科医の読書術基本 3】 ■「速読」より「深読」を意識する〜「深読読書術」本は「議論できる水準」で読め
交流会や懇親会に参加すると、「樺沢さんの新刊 ○ ○を読ませていただきました」と言って、名刺交換に来られる方がたくさんいらっしゃいます。とてもうれしいことです。
そこで、「新刊のどの辺が良かったですか?」「何章がおもしろかったですか?」など、感想を求めると、途端に無口になってしまいます。
「本当に本を読んだのか?」と思ってしまいますが、一応読んではいるのに、具体的な「感想」すら言えない人が多いということです。
厳しいようですが、それで本当に「本を読んだ」といえるのでしょうか? ただ、字面を追っただけではないでしょうか。
私が考える「本を読んだ」の定義は、「内容を説明できること」、そして「内容について議論できること」です。感想や自分の意見を述べられなければ、本を読んでいる意味がないのです。
「内容について議論できる水準」というと、かなりハードルが高いように思えますが、飲み会で 1冊の本についてみんなで 10〜 20分話して、大いに盛り上がることができるのなら、それは十分「議論できる水準」といっていいでしょう。
感想や自分の意見を述べられない、ということは言い換えると「アウトプットできない」ということです。「アウトプットできない」ということは、自分の行動に影響を及ぼさない、ということ。そんな読み方で 100冊読んでも、何の成長も得られません。
ですから、「本を読む」以上は、「内容を説明できること」、そして「内容について議論できること」を前提に読まなくてはいけません。
内容を覚えていなければ、速読しても意味がない 私は、スキマ時間だけで 1日 1冊、月に 30冊ほどの読書をしますが、そうすると「速読しているのですか?」という質問を必ずされます。
私は、「速読」というのは習ったことがありません。特に速読しようという意識もありませんが、たくさん本を読んでいれば、自然に本を読むスピードは速くなっていきます。
普通のビジネス書であれば 1〜 2時間、本によっては 30分かからずに読み終わります。私は、読書は量よりも「質」だと思いますので、「速く読む」よりも「きちんと読む」ことを重視しています。読書において読むスピードは、あまり意味がないのです。
30分で 1冊読めたとしても、内容を説明できない、あるいはその本について議論できないのであれば、読んでいる意味がありません。
記憶にも残らないし、自己成長もしないのなら、ただお金と時間を無駄にしたにすぎません。「読んだつもり」になっているだけ、ただの「自己満足」のための読書になっている人が多いのです。特に、「速読しています」という人ほどその傾向にある。
最低限「内容を覚えている」「内容について議論できる」という「読書の質」を担保できなければ、どれだけ速く読んでも意味がないのです。
もちろん、「内容を覚えている」「内容について議論できる」というレベルの読み方ができるのなら、 2時間より 1時間、 1時間より 30分で 1冊読めたほうがいいのは当然です。
最初に目指すべきは「読書の質」であり、「読書のスピード」ではないということです。「読書の質」を十分に上げてから、その「質」を維持しながら「より速く」を目指すべきでしょう。「質」を保った上で、多読していけば、読書のスピードというのは自然と速くなっていくものです。
ですから、読書のスピードにとらわれるのはやめて、「内容を説明できる」「内容について議論できる」のか、そして 1冊の本からどれだけの気づきを得られるのか、という読書の「質」にフォーカスして本を読むべきだと思います。
「速読」ではなく「深読」を目指せ!
「速読」の対義語として「精読」という言葉が使われます。
「精読」を辞書で調べると「内容を考えてていねいに読むこと」とあります。
しかしながら、「精読」という言葉は、「本を読む前に、速読で読むか、精読で読むかを決めよう」といったように、読むスピードを表す場合が多いようです。
30分で読めば「速読」であり、 5時間かけて読めば「精読」、というのが一般的な認識でしょう。「精読」で 5時間かけて本を読む。
その結果として、読み終わった後、「議論できる水準」に達しているかというと、達している人もいるし、達していない人もいるはずです。
あるいは、「速読」して 30分でビジネス書 1冊を読める人はたくさんいると思いますが、その結果として「議論できる水準」で理解しているのかというと、そうではない人が多かったりします。
本から学びと気づきを得て、「議論できる水準」にまで内容をきちんと理解するように「深く読む」読み方。こうした本の深い部分までを理解する読み方に、私は、「深読」という新しい言葉を使うことを提案したいと思います。
本を読む以上、それが自分の血となり肉となるような読み方をしなければいけません。成長の糧にならないような浅い読み方では、意味がないのです。
速読で 10冊読んでも、 1冊も「深読」できていない読み方。ゆっくりと 1冊だけ読んで、その 1冊を「深読」する読み方。どちらが自己成長につながりますか?
一方で、きちんと「深読」できるのであれば、それは 5時間かけて読むより、 2時間で読めたほうがいいし、 1時間で読めたとするならば、もっといいでしょう。
「深読」は、読書の必要条件です。「深読」できるようになってから、より速く、よりたくさん読む、「速読」「多読」を目指せばいいのです。
「深読」できない、ゆっくり読んでも議論できる水準で読めないという人が、「速読講座」に通い、読むスピードをアップしたとしても、読書が浅くなっては意味がありません。
「深読」できるようになるためには、ある程度たくさんの本を読まなくてはいけませんし、アウトプットもしなくてはいけない。
インプットとアウトプットの反復によって、「深読」で読めるようになれば、そのときは既にかなりのスピードで本を読めるようになっているはずです。
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