MENU

第 1章デザイン思考で生まれ変わる

第 1章 デザイン思考で生まれ変わる

column デザイン主導のイノベーションデザイン思考は組織をクリエイティブにする column 人々を宙返りさせるために──dスクール誕生秘話クリエイティブに考えられる人材を育てるしなやかマインドセット宇宙に衝撃を与えよ

ダグ・ディーツは、誠実で、物腰の柔らかい、アメリカ中西部の男性だ。

愛くるしい苦笑いと、感情的になるとすぐに涙で一杯になる目が、彼のトレードマークだ。

ダグは、電気機器、医療、電力、航空などの分野で製品を製造する世界的企業、ゼネラル・エレクトリック( G E)に 24年間勤めるベテラン社員であり、 G Eヘルスケアでハイテク医療用画像診断システムの設計と開発の部隊を率いている。

G Eヘルスケアといえば、ゼネラル・エレクトリックの中でも、売上高 180億ドルを誇る医療機器の一大部門である(注 1)。

彼の開発した数百万ドルの MRI(磁気共鳴画像診断)装置は、まったく痛みなしで、人体の奥深くをのぞき込むことができる。

この技術は、ほんの数十年前でも魔法のように見えただろう。

数年前のことだ。

2年半がかりで取り組んできた MRI装置の開発プロジェクトを終えたダグは、 MRIを病院の検査室に設置するところを見学するかと聞かれ、そのチャンスに飛びついた(注 2)。

自分の開発した新装置の横に立ちながら、その日の操作を担当する技師に向って、 MRIスキャナーが「デザイン界のアカデミー賞」といわれるインターナショナル・デザイン・エクセレンス賞に出品されたことを打ち明け、新機能についての感想を求めた。

「今思うと、最悪な感想のたずね方でしたね」とダグは恥ずかしそうに話す。

彼は、自画自賛の気分に浸りながら、もう少しで病院を出るところだった。

ところがちょうどそのとき、「スキャンの必要な患者がいるので、少し廊下に出て待っていていただけますか」と技師に言われた。

廊下に出てみると、華奢な幼い女の子が、両親の手をぎゅっと握り締めながら、こちらの方へ歩いてくるのが見えた。

両親は不安げな表情を浮かべていた。

そして、幼い娘は、この先に待ち受けるものを想像して、明らかに怯えていた。

そう、ダグの MRIスキャナーだ。

女の子はすすり泣きを始めた。

そしてダグも、そこまで話すと、同じく声を詰まらせた。

家族が横を通り過ぎるとき、ひそひそ声の会話が聞こえてきた。

「今日のことはちゃんと話をしただろう? 勇気を出しなさい」と父親がせかした。

そう言う父親自身の声からも、緊張していることが伝わってきた。

ダグが見ていると、女の子の涙が頬を伝った。

すると驚いたことに、技師は電話を取り、麻酔専門医を呼んだ。

ダグはそのとき初めて、病院がスキャンの際に子どもの患者を麻酔で鎮静させていると知った。

あまりにも怯えが激しいと、そう長くじっとしていられないからだ。

子どもの患者の実に 80パーセントは、鎮静が必要だという。

そして、麻酔専門医がいない場合、スキャンは延期され、家族はまた不安に怯えるはめになる。

ダグは、自分の開発した装置が、よりにもよってもっとも無力な患者に不安と恐怖を与えているのを目の当たりにし、個人的に危機感を抱いた。

そしてこの体験が、彼の見方を一変させた。

名誉や称賛に値するエレガントで洗練されたテクノロジー。

その MRIが、幼い子どもの目から見れば、いやいや入らされる巨大で恐ろしい機械に見えていたわけだ。

自分が抱いていた誇りは、挫折感へと変わった。

本来自分が助けようとしていた患者を、むしろ怖がらせていたのだ。

ダグは、そのまま仕事を辞めることも、その状況を仕方がないものと受け入れて前に進むこともできただろう。

しかし、彼はそのどちらも選ばなかった。

自宅に帰ると、この状況を変えてみせる、と妻に宣言した。

そこで、ダグはこの個人的な、そして職業上の難題について、友人や同僚にアドバイスを求めた。

彼の G Eの上司は、かつて P& Gに勤務していた時代に出合ったスタンフォード大学の dスクールを思い出し、 dスクールのエグゼクティブ教育クラスを体験してみてはどうかと提案した。

ダグは斬新な考え方や今までとは違う仕事の仕方を求め、 1週間のワークショップを体験するためにカリフォルニアに飛んだ。

何が待ち受けているのかはよくわからなかったものの、幼い子どもを怯えさせない MRIの開発に役立つなら、どんな方法論でも喜んで受け入れるつもりだった。

ワークショップを通じて、ダグは自身の創造力に対する自信に火を点ける新しい道具を手に入れた。

人間中心のデザインとイノベーションのアプローチを学んだのだ。

ワークショップでは、既存の製品やサービスの利用者を観察し、話を聞くことで、消費者のニーズを今までより深く理解した。

そして、ほかの企業や業界のマネジャーたちと協力し、消費者のニーズを満たすデザインのラフなプロトタイプ(試作品)を作っていった。

ほかの参加者たちから新しい見方を学び、他者のアイデアを土台にしながら、自分のアイデアに関する実験や改良を重ねていった。

このアイデアの他家受粉のおかげで、 1週間のワークショップを終えるころには、家を出たときよりも創造性や希望がぐっと増したように感じた。

経営から、人事、財務まで、さまざまな分野のさまざまな役職の人々と一緒に人間中心のデザイン・プロセスを学んだことで、心が揺さぶられた。

「ここで学んだ道具を会社に持ち帰り、職場の枠を超えたチームを作って連携させれば、どれだけ大きな影響が及ぼせるだろう、と想像しはじめました」 人間中心のデザイン手法を自分自身の仕事に活かせば、もっと子どもに合った解決策を生み出せるはずだとダグは確信した。

その決意を胸にウィスコンシン州ミルウォーキーへ帰った。

やるべきことは明白だった。

会社に本格的な人員、予算、サポートを期待するのは難しい。

とすれば、 MRIを一から設計し直す大規模な R& D(研究開発)プロジェクトを立ち上げるのは不可能だ。

そこで、彼は MRIの体験を設計し直すことに目を向けた。

まず、彼は託児所の幼い子どもを観察し、共感するところから始めた。

チャイルド・ライフ・スペシャリスト(訳注:入院生活を送る子どもやその家族に精神的なサポートを提供する専門家)と話をし、小児患者の経験を理解した。

また、 G Eの少人数の有志チーム、地元の子ども博物館の専門家、ふたつの病院の医師やスタッフなど、周囲の人々にもサポートを求めた。

次に、彼はのちに「アドベンチャー・シリーズ」と名づけられるスキャナーの最初のプロトタイプを作り、ピッツバーグ大学医療センターの小児病院で、実験的に設置してもらうことに成功した。

子どもが MRIをどう体験し、利用するかを総合的に考えることで、ダグは MRIの装置一式を子どもの冒険物語へと変えた。

もちろん、主役は患者だ。

ダグの特別チームは、スキャナー内部の複雑な技術にはいっさい手を加えず、 MRIスキャナーの外側にカラフルなイラストを施した。

それから、床、天井、壁、機器など、部屋のあらゆる面にも。

また、幼い患者を冒険に案内できるように、 MRIの操作担当者向けの台本も用意した。

あるプロトタイプは、遊園地の乗り物にしてもおかしくないような海賊船のデザインをしている。

スキャナーの丸い穴を囲むように、木製の巨大な舵輪まで描かれている。

船旅を想像させるこのような細部の工夫も、スキャナーの狭い空間に怯えさせない効果を生み出しているのだ。

操作担当者は、「海賊船に乗って海を旅するから、船の中でじっとしていないとダメだぞ」と子どもに伝える。

〝船旅〟が終わると、子どもは部屋の反対側にある海賊の宝箱から、ちょっとした財宝を取り出す。

また、こんな冒険もある。

MRIは筒型の宇宙船のデザインになっていて、患者を宇宙探検へといざなう。

装置の「ブーン」「バン」という騒音が大きくなる直前、担当者は子どもに「これから宇宙船が超音速に入るぞ。

よ ~く聞いてごらん」と言う。

こう言い換えるだけで、普段は恐ろしく聞こえる「ブーン、ブーン、ブーン」という音が、冒険のひとつの要素にすぎなくなるわけだ。

今では、海賊や宇宙船を含めて、 9種類の〝冒険〟が用意されている。

ダグが子ども向けに MRIをデザインし直したおかげで、鎮静の必要な小児患者の数は劇的に減った。

病院や G Eにとっても、かかわる麻酔専門医が少なくてすむし、 1日にスキャンできる患者の数が増えたので、大満足だ。

一方、患者の満足度は 90パーセントも上がった。

しかし、ダグが何より満足しているのは、数値の改善でもなければ、 G Eヘルスケアの利益増でもない(もちろん、社内の支持を得るうえでは重要だったが)。

最高のご褒美は、〝海賊船〟 MRIでスキャンを受けたばかりの 6歳の女の子が母親と話しているときにもたらされた。

その幼い女の子が、母親のスカートを引っ張りながら、「ねえ、お母さん。

明日もこれに乗れるの?」と聞いたのだ。

そのたったひとつの言葉で、彼はすべての苦労が報われた気がした。

創造力に対する自信を獲得したダグは、突然のひらめきから 1年もせずに、 GEで新しい考え方を広めるリーダーの役割を手に入れた。

ダグは少しだけ世界を変えたのだ。

大げさすぎるって? 幼い患者やその両親に聞いてみてほしい。

きっと答えが返ってくるはずだ。

クリエイティブな考え方は、現状のその先を見通す強力な道具になりうる。

本書で紹介しているクリエイティブな手法を用いる人々は、想像力をよりうまく活かして未来像を描くことができる。

仕事であれ私生活であれ、既存のアイデアを改良し、周囲の世界に良い影響を及ぼせると信じているからだ。

その自信がなければ、ダグは目標に向けた第一歩を踏み出すことはできなかっただろう。

創造力に対する自信とは、何が実現可能なのかを、本質的に楽観的な方法でとらえる手段といえよう。

ダグの物語は、人間中心のデザインがいかにして画期的なイノベーションに結びつくかを示している。

ターゲットが子どもであれ同僚であれ、クライアントであれ消費者であれ、相手に共感し、クリエイティブな問題解決のプロセスを取り入れれば、新しいイノベーションのチャンスが開かれる。

競合他社が技術的な仕様(スキャンの速度や解像度など)をめぐって果てしない闘いを続けているあいだに、ダグは患者やその家族の生活を改善するまったく新しい方法を発見した。

私たちの経験からいえば、技術ではなく人間を中心とした視点から問題を見つめることで、新しい変化が次々と生まれてくることもあるのだ。

私たちがかかわってきたあらゆるイノベーション・プログラムでは、常に3つの要因のバランスを取っている。

次の図で、3つの円の重なり合っている部分がそれだ。

ひとつ目は、「技術的要因」、つまり技術的な実現性に関するものだ。

私たちがシリコンバレーで働きはじめた当初、クライアントはもっぱら技術的な要因からスタートしていた。

クライアントは、文字どおり何千という新技術を見せてくれた。

たとえば、自転車の画期的なホイール・ハブもあれば、人間の脳を内側から冷やす新しい方法なんてものまであった。

新技術は、本当に機能するものであれば、莫大な価値を生み出す可能性を秘めているし、新しい会社や事業部門を成功させる土台にもなりうる。

炭素繊維の航空機部品、マルチタッチのインタラクティブ・ディスプレイ、低侵襲手術器具はみな、それぞれの業界に革命をもたらした。

しかし、画期的な技術だけでは十分とはいえない。

もし十分だとしたら、今ごろみんなセグウェイに乗り、ロボットの犬と遊んでいるはずだ。

ふたつ目の重要な要素は、経済的な実現性だ。

または、「ビジネス的要因」と呼ぶこともある。

技術は機能するだけでなく、経済的に実現可能な方法で生産・販売できなければならない。

つまり、企業が成長できるようなビジネス・モデルに適合する必要があるのだ。

私たち筆者が育った 1950年代、科学雑誌は、 21世紀の家庭の裏庭には 1家に 1機、プライベート・ヘリコプターがあるだろうと予言していた。

今までのところ、一般家庭でもヘリコプターが買えるような巧妙なビジネス・モデルを思いついた者はいない。

単純に、ビジネス的要因が満たされなかったからだ。

おそらく、今後も満たされないだろう。

非営利組織でさえ、ビジネス的要因が重要なこともある。

インドで安全な飲み水の普及率を高めるプログラムや、ガーナで公衆衛生システムを築くプログラムを始めたければ、採算を取りながら、プログラムを長期的に持続させる方法を見つけなければならないのだ。

イノベーション・プログラムを成功させるための3つ目の要素は、人間に関するもので、「人的要因」と呼ばれることもある。

一言でいえば、人間のニーズを深く理解することだ。

とはいっても、単に人々の行動を観察するだけでなく、人々の動機や根本的な考え方を理解しなければならない。

人的要因は必ずしも残りのふたつより重要というわけではない。

しかし、技術的要因は世界じゅうの科学や工学のカリキュラムで詳しく教えられているし、ビジネス的要因は世界じゅうの企業が全力を注いでいる。

とすれば、人的要因にこそ、イノベーションの最大のチャンスが潜んでいるかもしれない。

だからこそ、私たちは常に人的要因を出発点にするのだ。

そして、ダグもそうした。

実際、 G Eの MRIスキャナーはすでに最高の技術と事業的な実現性を兼ね備えていた。

それでも、ダグは幼い子どもが MRIスキャナーについてどう思っているのか、どうすれば新しい体験に安心感を抱いてもらえるのかを理解しようと努めた。

幼い患者に共感したからこそ、ダグは画期的なアイデアを思いつき、最終的に製品の成功を手中に収めることができたのだ。

人間中心の考え方は、イノベーション・プロセスの基本だ。

人々に深く共感することで、観察を強力なインスピレーション源にすることができる。

私たちは人々が将来的にどんな行動を取りうるのかを理解するために、現在の行動を取っている理由を理解しようと努める。

直接的な触れ合いを通じて、イノベーションを届けようとしている相手と個人的なつながりを築くわけだ。

たとえば、人々の衣服をその人のシンクで手洗いしてみる。

公営住宅にお客さんとして泊まる。

手術室で医師の手術に立ち会う。

空港のセキュリティ・チェックの列で激昂している客をなだめる。

すべては共感を築くためだ。

共感によるアプローチは、私たちのプロセスにおいてとても重要だ。

生身の人間のためにデザインしているという事実を決して忘れずにすむからだ。

その結果、真にクリエイティブな解決策につながる洞察やチャンスが開ける。

これまで、私たちは数千ものクライアントとともに作業し、共感の力を活かして、使いやすい救命用の除細動器から、老後の積み立てを助けるデビットカードまで、色々なものを生み出してきたのだ。

私たちが思うに、成功するイノベーションは、技術的要因とビジネス的要因のバランスを取るとともに、人間中心のデザインによる調査の要素を何かしら取り入れている。

顧客の真のニーズや欲求を考慮しながら、技術的実現性、経済的実現性、人間にとっての有用性の交わる点を模索することこそ、 IDEOや dスクールで「デザイン思考」と呼ばれている方法論の一部であり、創造性やイノベーションを生み出す私たちのプロセスなのだ。

もちろん、新しいアイデアに命を吹き込む万能な方法論などないが、成功するプログラムはたいてい、何らかの形で、デザイン主導のイノベーションの「着想」「統合」「アイデア創造/実験」「実現」という4つの段階を含んでいる。

私たちの経験からいえば、イノベーションや新しいアイデアは、プロセスが完了するまでに何度も反復を繰り返すこともあるのだ。

デザイン主導のイノベーション(注 3) ここでは、イノベーションに対する私たちのアプローチの概要を示す。

これは IDEOのパートナーのクリス・フリンクによる説明だ。

私たちは方法論を絶えず修正し、進化させている。

ぜひみなさんも、独自のバージョンを自由に作り、自分自身の状況に合ったイノベーション手法を考え出してみてほしい。

着想( inspiration) ニュートンのようにリンゴが頭の上に落ちてくるのを待っていてはいけない。

外の世界に飛び出し、創造的思考に火を点ける体験を積極的に求めよう。

専門家と対話するのでも、見知らぬ環境に飛び込むのでも、顧客とのやり取りのロールプレイをするのでもいい。

意図的にそうした行動を取ることが、着想の燃料になるのだ。

人間中心のイノベーションを促すうえで、何よりも頼りになるのは共感だ。

生身の人間のニーズ、欲求、動機を理解すれば、斬新なアイデアを思いつくきっかけになる。

人々の行動を自然な文脈の中で観察すれば、絡んでいる要因をより深く理解し、イノベーション活動の原動力となる新しい洞察を得られることもある。

私たちは現場でさまざまな人々に密着して観察したりインタビューしたりしている。

たとえば、「極端な利用者」と話をし、アーリー・アダプター(初期採用者)がどのように技術を有効活用しているかを突き止めたりしている。

また、缶切りのような台所用品を再設計しようとしている場合には、お年寄りの使い方を観察して、イライラのポイントや改善の機会を探すこともある。

また、ほかの業界に目をやり、似た問題がどう解決されているかを確かめることもある。

たとえば、病院の患者の満足度を向上させるため、レストランのカスタマー・サービスと病院の患者の体験の類似点を探ることもある。

統合( synthesis) 現場で時間を過ごしたら、次は「意味づけ」という複雑な課題に挑む。

それまでに目撃、収集、観察してきたすべての物事の中に、パターンやテーマ、意味を見つけ出さなければならない。

具体的な観察内容や個々の物語から、人々の集団全体にわたるより抽象的な真実へと視点を移す必要があるのだ。

この段階では、「共感マップ」(第 7章のチャレンジ を参照)を使って観察結果を整理したり、マトリクスを作って解決策の種類を分類したりすることも多い。

統合の段階では、スイート・スポットを探る。

調査で明らかになった内容を、実行可能なフレームワークや原則へと変換する。

問題の枠組みをとらえ直し(リフレーミング)、どこに力を注ぐかを決めるのだ。

たとえば、小売り業の分野で、私たちはこんなことに気づいた。

「どうすれば顧客の待ち時間を減ら

せるか?」という疑問を「どうすれば顧客の感じる待ち時間を減らせるか?」という疑問に置き換えるだけで、まったく新しい可能性が開けてくるのだ。

たとえば、壁にビデオ・ディスプレイを設置して、楽しい気晴らしを提供する手が考えられる。

アイデア創造( ideation)と実験( experimentation) 次に、新しい可能性を探っていく。

無数のアイデアを出し、多岐にわたる選択肢を次々と検討していく。

中でも特に有望なアイデアは、迅速な試作を繰り返し行う段階へと進める。

この段階では、アイデアをすばやくラフな形で表現する。

人々の反応を確かめられる程度の具体性があれば十分だ。

重要なのは、すばやく、ラフという点。

ひとつのアイデアに力を入れすぎることなく、多様なアイデアを探るのだ。

この経験による学習のループは、既存のコンセプトを発展させ、新しいコンセプトを生み出すのに役立つ。

エンド・ユーザーなどのフィードバックに基づき、適応、改良、方向転換を繰り返しながら、人間を第一に考える魅力的で有効な解決策を練り上げていく。

実験にはあらゆるものが含まれる。

たとえば、皮膚に貼るタイプのワクチンを完成させるために、何百種類もの物理的モデルを手作りしたり、運転シミュレーターを使って新しい自動車システムをテストしたり、ホテルのロビーでのチェックイン体験を演じたりするのだ。

実現( implementation) 新しいアイデアを実際に展開する前に、デザインに磨きをかけ、市場に出るまでのロード・マップを準備する。

もちろん、製品やサービスの種類によって、展開の仕方は大きく変わってくる。

新しいオンライン学習プラットフォームを立ち上げるのは、新しい銀行サービスを提供するのとはまったく違う。

この段階は何回にもおよぶこともある。

どの業界でも、学習してフィードバックを得るために新しい製品、サービス、事業をリリースする企業がますます増えつつある。

こういう企業はベータ版を維持したまま、市場の中ですばやく改良を繰り返し、商品やサービスにいっそう磨きをかけていく。

たとえば、小売り業では、新しい都市での需要を検証するために、ポップアップ・ストア(仮店舗)を出店することもある。

実際、ボストンを拠点とする新しいファスト・フード・チェーン「クローバー・フード・ラボ」は、マサチューセッツ工科大学のたった 1台の移動屋台から始まった。

この会社は、従来型のレストラン店舗を本格的にオープンする前に、地球に優しいベジタリアン料理に市場性があるかどうかを調べたわけだ。

デザイン思考は組織をクリエイティブにする デザイン思考は、デザインを実践する人々の道具や考え方を用いて、人間のニーズを発見し、新しい解決策を生み出すための手法だ。

通常、「デザイン」という言葉は、ほとんどの人は「このカーテンについてどう思う?」とか「そのメガネ、どこで買ったの?」などと問うときに使っている。

しかし、「デザイン思考」のアプローチの目的は、単に美的な側面に注意を払ったり、物理的な製品を作り出したりすることだけではない。

デザイン思考は一種の方法論なのだ。

デザイン思考を使えば、個人、社会、ビジネスのさまざまな問題を、クリエイティブかつ斬新な方法で解決できるのだ。

デザイン思考では、直感的に物事をとらえ、パターンを認識し、機能的なだけでなく感情的にも意義のあるアイデアを組み立てる、人間の天性の能力を用いる。

とはいえ、あとからその能力を身に付けることも可能だ。

もちろん、感覚、直感、インスピレーションだけに基づいて、キャリアを築いたり組織を運営したりしなさいと言うつもりはない。

ただ、論理や分析に頼りすぎるのは、同じくらい危険なこともある。

容易には分析できない問題や、確かな基準やデータが十分にない問題を抱えている場合、デザイン思考の共感やプロトタイピングを使うことで、前に進む足がかりになるかもしれない。

画期的なイノベーションや創造の飛躍が必要な場合は、問題を深く掘り下げ、新しい洞察を見つけるのにデザイン思考の方法論が役立つだろう。

IDEOは、デザイン思考を用いて、官民を問わず組織のイノベーションや成長を支援している。

クライアントに新規事業や既存事業の未来の姿を思い描いてもらい、そこに到達するまでのロード・マップを築く手助けを行なっているのだ。

トムは『発想する会社!』で IDEOの製品開発事業について説明しているが(注 4)、現在ではそれに加えて、新しい企業やブランドの立ち上げも行なっている。

世界じゅうのクライアントと協力し、新しい製品、サービス、空間、インタラクティブな体験の構築に力を貸しているわけだ。

もちろん、玩具や ATM機器といった製品の開発も続けているが、最近では、消費者の健康保険の申し込みを支援するデジタル・ツールキットを開発したり、ペルーのより効果的な教育システムを設計したりする機会も、同じくらい多くなっている。

この数年間で、私たちはクライアントと一緒に働き、イノベーションを企業の DNAに埋め込む手助けを行なってきたのだ。

IDEOでもクライアントの組織でも、デザイン思考はクリエイティブな文化を養い、継続的なイノベーションや新規事業の開始に必要な社内のシステムを築くのに役立っている。

人々を宙返りさせるために──dスクール誕生秘話 2000年代初頭、デイヴィッドはスタンフォード大学で、大学のほかの部門の教授たち(コンピューター・サイエンス学科のテリー・ウィノグラード、経営工学科のボブ・サットン、経営大学院のジム・パテルなど)とともに、複数の教師がチームを組んで教える「チーム・ティーチング」の実験を始めた。

それまで、デイヴィッドは工学部でデザインを学ぶ学生にしか教えた経験がなかった。

つまり、すでに自分たちをクリエイティブだと思っている人たちだ。

しかし、さまざまな学問分野の学生が集まるこの新しいコースでは、あまり自分をクリエイティブだと思ったことのない M B Aやコンピューター・サイエンス専攻の学生たちと触れ合うことになった。

この授業の中で、デイヴィッドや彼の同僚たちは、創造性を解き放つとどうなるのかを目の当たりにした。

学生の中には、デザイン思考の道具を使うだけでなく、デザイン思考の考え方そのものを受け入れ、新しい見方、新しい自己像、そして新しい自信を手に入れた者もいた。

時には授業が終わってから数カ月もたって、大学のオフィス・アワーにわざわざデイヴィッドのところにやってきて、「初めて自分をクリエイティブだと思うようになりました」「どんな課題にも創造性を発揮できるようになりました」と伝えてくる学生もいた。

その目は興奮、希望、可能性でらんらんと輝いていた。

感極まって泣き出す学生もいたくらいだ。

デイヴィッドは、このような生まれ変わりを表現する名前を思いついた。

ずばり、「宙返り」( flipping)だ。

ひとつの心理状態から別の心理状態にくるりと変わる様子を表わしている。

この遊び心あふれる言葉からは、トランポリンや飛び込み台の楽しくて優美な宙返りも連想される。

デイヴィッドが話をした学生たちはみな、彼らの中で何かが根本的に変わったとはっきり見て取れるほど、情熱や興奮に満ちていた。

まさに教師冥利に尽きる

尽きるといえよう。

デイヴィッドと元学生のジョージ・ケンベル( dスクールの現エグゼクティブ・ディレクター)は、友人や同僚たちと新しいプログラムの設立について話し合いをはじめた。

デイヴィッドは、さまざまな経歴を持つ学生がやってきて創造力を養い、新しく身に付けた能力を難問の解決に活かすことができる場所を大学内に設けたいと考えていた。

確かにスタンフォード大学には、どの一流大学とも同じように、自分の専門分野を深く追究するノーベル賞級の研究者がたくさんいた。

しかし、 21世紀には、ひとつの分野に特化していては解決できない巨大な難問がたくさんある。

科学者とビジネスパーソン、弁護士、エンジニアなどが同じ部屋で肩を並べることで初めて見つかる解決策もあるだろう。

デイヴィッドは、「深く追究する」方向に全額を投じつづける代わりに、「幅広く考える」方向にも少なくとも小さなサイド・ベットをしてみるべきだと訴えた。

そうすればいつの日か、その新しい学術機関はビジネス・スクール──よくいう「 Bスクール」──と同じような尊敬や名声を得られるかもしれない。

こうしてそれ以来、新規事業の通称が定着したというわけだ。

そう、「 dスクール」だ。

彼がこのアイデアを大手エンタープライズ・ソフトウェア企業「 SAP」の創設者のひとり、ハッソ・プラットナーに打ち明けると、ハッソは気前よく小切手を切ってくれた。

dスクール、正式名称「ハッソ・プラットナー・デザイン研究所」は、 2005年にオープンした。

クリエイティブに考えられる人材を育てる 歴史的に、 IDEOの活動ではイノベーションに主眼が置かれてきたが、スタンフォード大学の dスクールでは、最初からイノベーター育成に主眼が置かれている。

スタンフォード大学の全大学院の学生が、 dスクールの授業を受けるために集まってくる。

学位も発行しないし、必修科目もない。

それでもみんなが集まるのは、ひとえに授業を受けたいからだ。

現在では、毎年 700人を超える学生が dスクールのコースに参加している。

プロジェクト中心のクラスでは、大学じゅうの教員や業界の専門家たちによるチーム・ティーチングが行なわれる。

この多様な環境の中では、実にさまざまな意見が頻繁に飛び交う。

中には対立する意見も。

学生たちは、学問分野の枠を超えたチームを築き、実践を通じて学びながら、現実の世界の難問に挑んでいく。

大学院生だけでなく、世界じゅうの経営幹部がワークショップに参加しているし、 dスクールの「 K‐ 12 Lab」では、子どもや教育者(昨年は 500人以上)とともに活動している。

多くの場合、クラスはシンプルなデザイン概要から始まる。

デザイン概要とは、たとえば「朝にコーヒーを飲む体験をデザインし直す」というように、課題を簡潔に述べたものだ。

分析能力の高い人々は、何らかの問題や、「朝のコーヒー体験」のような課題を提示されると、一瞬で頭を問題解決モードに切り替えてしまう傾向にある。

一目散にゴール・ラインまで走っていき、そして、自分の答えを弁護しはじめるのだ。

たとえば、優秀な医師を思い浮かべてほしい。

優秀な医師は一連の症状を見るやいなや、ずばっと診断を下し、解決策を指示する。

たいていはものの数秒で。

数年前、朝のコーヒー体験の課題に取り組んでいたとき、クラスにいた医科大学院の学生がすぐに手を挙げ、「必要なものは明白です。

新しい種類のコーヒー・クリーマーです」と言った。

彼のような優秀な分析的思考の持ち主にとって、〝未解決〟の問題を宙ぶらりんのままにしておくのは、気持ちが悪いものらしい。

とにかく答えを出して前に進もうとする。

唯一の正解がある型どおりの問題解決の状況では、彼のやり方はとても効率的だ。

そしてそれが正しいこともある。

しかし、創造的思考の持ち主は、唯一の正解がない問題に直面したとき、焦って判断を下そうとはしない。

色々な解決策がありうることを念頭に置き、まずは大きく網を張ろうとする。

いくつかのアプローチの候補を挙げたあと、もっとも実行価値の高いアイデアへと候補を絞っていくわけだ。

そういうわけで、デイヴィッドや dスクールの教授陣は、第一感の答え、つまりもともと頭の中にあるお決まりの答えはいったん脇に置くよう学生に伝えている。

そして、深く掘り下げ、状況をよく理解し、コーヒーを飲む人々の行動を観察し、隠れたニーズや機会を見つけ出すよう促している。

教授たちの指導のもと、共同作業しながらデザイン・プロセスを終えたころには、どのグループでも数々のアイデアが生まれる。

飲む人の好みの温度を正確に把握し、毎回その温度でコーヒーを提供してくれるコーヒーポット。

カップの中に入れて使う自動かき混ぜ機。

すると、教授はクラスの面々に、「新しく思いついた解決策の中で、第一感の解決策より良いものはありましたか?」とたずねる。

たいていの場合、答えはイエスだ。

しなやかマインドセット 創造力に対する自信を手に入れるためには、自分のイノベーション・スキルや能力が固定されているわけではないという信念がなければならない。

あなたが今、自分はクリエイティブな人間ではないと感じているなら──つまり、「私はクリエイティブ系の物事には向いていない」と思っているなら──、その思い込みを捨てないかぎり、前には進めない。

学習や成長が可能だと信じなければならないのだ。

言い換えると、何よりもまずスタンフォード大学の心理学教授のキャロル・ドゥエックのいう「しなやかマインドセット」(訳注:ドゥエック著『「やればできる!」の研究』で当てられている訳語。

直訳では「成長マインドセット」)が必要なのだ(注 5) 。

ドゥエックによれば、しなやかマインドセットの持ち主は、人間の真の潜在能力は未知(しかも不可知)であり、何年も努力、苦労、練習を積めば、予測も付かないようなことを成し遂げられると信じているという。

彼女は膨大な研究に基づき、説得力のある主張をしている。

彼女の主張によると、開始時の才能、適性、さらには I Qとは無関係に、努力や経験で能力を伸ばすことは可能なのだという。

しなやかマインドセットの価値を正しく理解するには、それとは正反対の悪の双子、「こちこちマインドセット」(訳注:同じくドゥエックの著書での訳語。

直訳では「固定マインドセット」)と比較するのがわかりやすい。

こちこちマインドセットの持ち主は、意識的または無意識のうちに、人間の生まれ持つ知能と才能の量は決まっていると心から信じている。

創造力に対する自信を獲得するための旅に招待されると、こちこちマインドセットの持ち主は、自分の能力の限界がほかの人にバレるのを恐れて、安全な場所にとどまろうとするのだ。

ドゥエックは、自ら能力を狭めてしまうこちこちマインドセットの性質を検証するために、香港大学の 1年生の行動を調べた(注 6)。

香港大学の授業や試験はすべて英語で行なわれるので、英語に難を抱える新入生は、圧倒的に不利な立場にある。

ドゥエックは、新入生の語学力とマインドセットを評価したあと、「英語力アップが必要な学生のための講座を設けたら受講しますか」と質問した。

学生たちの答えで、マインドセットの威力が明らかになった。

しなやかマインドセットを持つ学生は、「迷うことなく受講を希望した」という。

一方、こちこちマインドセットを持つ学生は、「英語講座にあまり興味を示さなかった」という。

つまり、こちこちマインドセットの学生は、隠れた弱みをさらけ出すくらいなら、長期的な成功の可能性をあきらめる方を選んだわけだ。

生涯ずっと同じ理屈で選択を下していたら、自分の能力には決まりきった限界があるという思い込みが現実化してしまうのは明らかだ。

一方、しなやかマインドセットは新しい冒険へのパスポートだ。

自分には無限の未知の能力があるという可能性を信じれば、ランニング・シューズを履いて疾走する準備はできているといえよう。

現実には、誰しも両方のマインドセットを少しずつ持っている。

時には、一方の耳元で「クリエイティブな活動はずっと苦手だっただろ? わざわざ恥をかく必要なんてないじゃないか」というこちこちマインドセットの声が聞こえ、もう一方の耳元で「努力は習得への道だ。

とりあえずやってみよう」というしなやかマインドセットの声が聞こえることもある。

問題は、どちらの声に耳を傾けるかなのだ。

宇宙に衝撃を与えよ 創造力に対する自信を手に入れると、周りの風に流されて進むのではなく、自分の人生や組織の進路を自分で決めたいと思うようになる。

かつて私たちは、トロント大学ロットマン・スクール・オブ・マネジメント学長のロジャー・マーティンから、「デザイナーの印象的なところは、常に意図を持って行動する点だ」と言われたことがある。

ふつうの人なら無意識にあらかじめ決まった選択肢を選ぶところを、デザイン思考家は、本棚の整理方法から仕事の説明の仕方まで、 1回 1回、意識的に新しい選択をする。

世界を見渡しては、もっと良くできるものはないかと考え、それを変えたいと思うのだ。

新しい裏庭のレイアウトであれ、新会社の設立であれ、新しいプログラミング・コードの作成であれ、いったん何かを創造しはじめれば、すべてのモノには意図があることに気づく。

現代社会のあらゆるものは、誰かの意図的な決断の集合体といえる。

その誰かに、あなたもなるべきではないだろうか? 創造力に対する自信を解き放てば、ディナー・パーティの催し方から、会議の運営方法まで、現状を改善する新しい方法が見えてくる。

そして、いったんその機会に気づけば、機会をつかまずにはいられなくなる。

私たちにとってみれば、スティーブ・ジョブズこそが、「意図を持った決断」のカタマリのような人だった。

デイヴィッドがスティーブと出会ったのは、 IDEOがアップルの初代マウスをデザインしていた 1980年代のことだった。

その後、スティーブがアップル、 NeXT、ピクサーで次々と事業プロジェクトを立ち上げると、そのプロジェクトを通じてデイヴィッドとスティーブは親密になっていった。

スティーブは決していちばんラクな道を選びはしなかった。

世界の〝現状〟をそのまま受け入れることもなかった。

彼はどんな物事でも意図を持って行なった。

どんな細かいことにも注目した。

そして、彼は私たちの考える限界以上のものを求めてきた。

言ってみれば、私たちは彼の「現実歪曲空間」を間近で体験したのだ。

彼は時に不条理だと思うくらいまでハードルを上げつづけた。

それでも、私たちは挑戦し、毎回目標の 4分の 3くらいまでは到達した。

4分の 3といっても、自分たちだけではとうてい到達できない地点だったことは間違いない。

スティーブがアップルを追われ、のちに「 NeXTコンピューター」と呼ばれるスタートアップ企業の設立を計画していたある日、彼がデイヴィッドのオフィスに立ち寄り、新しい装置のビジョンを打ち明けた。

常に禅のシンプル性を求めていたスティーブは、「世界でいちばんシンプルな 3次元の形状は何だと思う?」とデイヴィッドに聞いた。

デイヴィッドは球体だと断言した。

しかし、答えなどどうでもよかった。

スティーブの期待していた答えは立方体だったからだ。

こうして、私たちはスティーブがキューブ型の NeXTコンピューターの工学的設計を行なうのを支援するプロジェクトを開始した。

この集中的なプロジェクトのあいだ、スティーブはしょっちゅう真夜中にデイヴィッドの自宅にやってきて(メールやテキスト・メッセージのない時代だ)、変更を加えたいと言ってきた。

いくら緊急だからといって、翌朝まで待てない用件なんてあるものだろうか? ある夜など、マグネシウム合金製の筐体内部のネジのメッキはカドミウムがいいかニッケルがいいかを聞くためだけにやってきた。

デイヴィッドは「おいおい、スティーブ、箱の中の話だろう?」といった感じで答えた。

それでも、スティーブはこだわった。

もちろん、結局は変更することになった。

筐体を開けて完璧なメッキが施されたネジに気づく NeXTの顧客など、ひとりでもいるだろうか? しかし、スティーブはどんな些細な点も成り行き任せにはしなかったのだ。

スティーブは深い創造力に対する自信を持っていた。

目標を追求する勇気と忍耐力さえあれば、大胆な目標を叶えられると信じて──いや、知って──いたのだ。

彼は「宇宙に衝撃を与えよ」と説いたことで有名だ。

1994年のインタビューで、彼はこう表現している。

人生を突っつけば、実際に反対側から何かが飛び出してくるとわかったとたん、人生を変えたり、形作ったりできるようになる。

それこそいちばん大事なことなのだ。

いったんそれを学べば、人生はがらりと変わる(注 7) 。

スティーブが言いたかったのは、誰にでも世界を変える力があるということだ。

彼は確かにそれを体現していた。

彼はビジョナリーとして、多くの人々の生活に影響を与え、全員に「発想を変えろ」と促したのだ。

ダグ・ディーツからスティーブ・ジョブズまで、私たちが出会ってきた創造力に対する自信の持ち主はみな、並外れたエネルギーを活かし、驚くような影響

影響を及ぼす方法を見つけた。

そして、前に進むための自信を手に入れれば、あなたも宇宙に衝撃を与えるチャンスはあるのだ。

まずはしなやかマインドセットを身に付けよう。

自分には未知の潜在能力がある、今まで達成できなかったこともきっと達成できると、心から信じるのだ。

以降の章では、新しいスキルを獲得し、新しいインスピレーションを見つけ、今まで以上に創造力を解き放つのに役立つ、実践的な道具をご紹介していきたい。

そのためには、行動を起こし、自分の創造性を直接体験する必要があるだろう。

しかし、行動を起こすためには、何よりもまず、今まで創造性を妨げてきた恐怖を克服する必要がある。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次