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第8章食べ方

基本の食べ方

目次

181お箸は三手で扱う

右手をねじりながらお箸を取り上げ、左手を使わずにそのまま右手首をクルッと回して召し上がる方を時々見かけます。お箸は必ず両手を使って三手で扱いましょう(次図参照)。

ひとつひとつの動作をゆっくり丁寧に行うと、余裕のある優雅なふるまいになります。お箸遣いは、その方の家庭での食事シーンが目に浮かぶもの。

三手での上げ下げが品よく自然にできるよう、ぜひ今日から練習なさってみて下さい。

182お箸とお椀の美しい持ち方

ながら動作ではなく、ひとつひとつの動作を分けて丁寧に行う所作は、女性の優雅さと品を感じさせてくれます。

小皿や椀物を召し上がるときも、お箸と器を同時に取り上げずに、動作を分けながら余裕を持って扱いましょう。

183汁物を飲むときのお箸の位置は?

汁物を飲む際、手に持ったお箸の位置がNGな方をお見受けします。

お椀の外に出した箸先を正面の方に向けてしまうのは失礼ですし、配慮が感じられません。

持っているお箸は、お椀の中の具を押さえながら汁をいただくようにします。

184お箸やスプーンはなめない

お箸を口に入れてなめることを「ねぶり箸」といい、お食事のNGマナー。また、お箸にご飯つぶなどの食べ物がついているとき、それだけを食べるのもNG。そんなときは、何か他のお料理と合わせて召し上がるとよいでしょう。

おかずが残っていないときには、お懐紙を使って、お箸をきれいにできたら上品です。

また、お味噌汁やスープを飲んだあと、お箸やスプーンに汁気が残っているとき、ふったり、なめたりしてしまうのは下品なふるまいですが、わりと頻繁に見られる光景です。

お椀やカップの縁に箸やスプーンをあてて、つーっとしずくを切るようにしましょう。紅茶やコーヒーをいただくときにも使えるふるまいです。

185和食でしてしまいがちなNGマナーと正解

×お箸を持っていないほうの手を下に下げたまま

小皿や取り皿を持ち上げるか、手前に置かれている器に添える

×手皿をする

〇お懐紙を小皿代わりにする

×手がお料理の上を横切る(袖越し)

〇お料理のわきを通すようにして取り上げる。もしくは、いったん、器に近いほうの手で取り上げる

×テーブルで頬づえ、腕組みをしたり、ひじをついたりする

〇食事中は左手は器を持つか、添える。もしくは、ひざの上に

×渡し箸(お箸を器の上に置く)

〇お箸置きがない場合はお懐紙を折ってお箸置きにする。またはお箸の先端だけ箸袋に戻す×寄せ箸(お箸で器を引き寄せる)

〇器は必ず手で移動させる×お箸を持ったまま立ち上がる〇食事中、どうしても席を立たなければいけないときでも、いったんはお箸を置く×お箸を持ったままジェスチャーする。

お箸で人を指すのは論外!

〇身振り手振りはお箸を置いてから

×迎え舌(口を開け舌を出して食べ物を迎えにいく)

〇落ち着いてお箸で口元まで運ぶ

186グラス、茶碗の持ち方

・湯呑

両手で持つ。

片手で湯呑の側面を持ち、反対の手を底に添える

・コーヒーカップ・ティーカップ

ハンドルに指をしっかり入れ、安定した持ち方をする、優雅に見せたいときは、指をそろえてつまむように持つなど、カップの形やその場に合った持ち方を

・ソーサーラウンジでいただくときなどのように、テーブルが遠かったり、立食などの場合は、ソーサーごと取り上げると品のよい所作となります・ワイングラス海外ではボウル部分を、日本ではステム部分を持つのが主流。

その場に合わせてふるまえることが一番大切

187お惣菜はパックのままでなく、お皿に盛りつける

デパ地下などで購入されたお惣菜。

お皿に移して召し上がっていますか?パックのままではあまりにも残念な食卓になってしまいます。

ペットボトルの飲み物や缶ビールなども同じ。

ほんのひと手間を惜しまずに、日常を丁寧に過ごしたいもの。

ただし、訪問先のお宅であれば、ひと言「お皿に出します?」「グラスを用意しましょうか?」と尋ねてみましょう。

もしみなさんが気になさらないなら、その場はそのまま召し上がっても。

188育ちを疑う食べ方

「本当はよくない」「今回だけ」という認識があるのでしたらまだしも、次のような食べ方が当然のごとく日常となっている方はすぐに改めて!

  • お皿に盛らずにお鍋から直接食べる
  • 立ったまま食べる
  • タクシーや電車など、公共交通機関のなかで食べる

189婚活で障害になるのが食べ方

私の教室には「彼がいいレストランに連れて行ってくれるのですが、マナーに自信がなく恥ずかしいので……」「食べ方が汚いから、ちゃんと教わって来るよう彼女から指令が出ましたので(笑)」と、彼に恥をかかせたくないという思いや、パートナーから促されて受講なさる方がたくさんいらっしゃいます。

とくに婚活中の方であれば、男女いずれも、食事を共になさるパートナーに不快感を抱かせるような食べ方をしていると、後々必ずストレスを与えてしまいます。

もちろんパートナーのみならず、食べるときの所作やマナーは、周りにいらっしゃる方すべての気持ちを意識しなければなりません。

ご自身の所作、ふるまい、次のお食事から見直してみましょう!

カジュアルな外食

190おしぼりの使い方

海外やハイクラスのレストランではご用意のない所も多いですが、普段使いのお店や和食店などではほとんどおしぼりを出してくれますね。このおしぼりの使い方ひとつで育ちが伝わることも。

大きく広げて手のひら全体を拭くより、指先や第二関節辺りまでを軽くぬぐう方のほうが品を感じます。

もちろん顔など、手以外を拭くものではありません。緊急事態以外では台拭き代わりにしないことも覚えておきましょう。

191注文は誰から?

目上の方がご一緒のときは、その方が注文されるのを待ってからご自身の注文を。「どうぞお先に」とさりげなく促して。

また、お料理をいただく際も同じです。目上の方や主賓が召し上がるまで待ちます。

192食べる速度は相手に合わせる

ビジネスパーソンの短いランチタイムでは仕方のないこととして、食事のスピードが速すぎる方には品を感じないもの。

逆になかなか食べ終わらない方にも、周りは気を使います。基本的には、周りの方のスピードに合わせて。とくに目上の方やその日のメインゲストの方が召し上がる速さに合わせるのが礼儀です。

193割り箸の割り方

「割り箸を割るにもマナーがあるのですか!?」と驚かれることがしばしばあります。

割り箸は横にして持ち、扇を広げるように静かに割ってみて下さい両隣の方にぶつからないための所作となります。

194お店でお箸置きをつくらない

箸袋を使って器用に凝ったお箸置きをつくる女性を見かけるのですが、私はお箸置きが用意されていないお店は、「本来マナー違反である渡し箸も許されるカジュアルな場所」と考えてもよいと思います。

ただ、渡し箸にやはり抵抗がある方は、お箸の先の部分だけ箸袋に入れて置くのがおすすめです。

箸袋の外側は決して清潔とは言えませんし、折り紙のように、鶴など丁寧に折った部分も衛生的ではありません。

195お酒をついでもらうとき

・日本酒和のものは基本的に両手で扱いますので、おちょこについでもらうときも両手で持ちます

・ビール本来日本の飲み物ではありませんが、ついでつがれてという文化が浸透しています。

女性は両手で持ってついでもらい、湯呑と同様に両手で持っていただきます

196ボトルの逆さ持ちはNG

右手首をクルッと返してビール瓶を持ち、つぐしぐさは、一見手慣れているように見えますが、品よくは映りませんのでご注意を。

体ごと相手のほうを向き、ラベルのある正面を上にし、右手が瓶の上、左手が下となるように持ち、丁寧につぎましょう。

197ビールのつぎ足しは、相手に確認をとってから

ビールのつぎ足しを嫌う方もいらっしゃいます。

グラスにビールが少しでも残っているときは、必ず「おつぎしてもいいですか?」とひと言確認してからにしましょう。

198逆さ箸は不衛生

大皿から取り分けるとき、逆さ箸をしている方も多いですね。気遣いや気を利かせているつもりだと思いますが、これは実はマナー違反。

不衛生ですし、使用後の見た目も美しくありません。お店の方にお願いして、取り箸をいただくのが正解です。

199レモンはめいめいで

鍋奉行を率先してなさる方、そのやり方はみなさんが納得していますか?また、最近よく取り上げられる〝唐揚げのレモン〟問題。

複数でいただく際は、それぞれの好みを確認しなければなりません。何も聞かず全体にかけてしまっては「ただの女子力アピール」と思われてしまうかも。

ご自分の当たり前は他人の当たり前とは限らないことを常に認識してふるまう俯瞰力が必要です。

200食べ終えたものは寄せる、まとめる

訪問先でいただいたあとのお菓子の袋などは、可能な限りで結構ですので、簡単にひとつにまとめておきましょう。

また飲み終えたグラスがいくつかあるなら、一カ所に寄せておきます。

ちょっとしたことですが、相手が片付けやすいようにという心遣いと、「ごちそうさまでした」「美味しくいただきました」という感謝の気持ちが表せるかで、あなたのこれまでの暮らし方が垣間見えます。

201お皿は重ねない

お店によっては、食べ終わったお皿を重ねることを好まない場合もあります。

お客様側としては気を利かせているつもり、親切のつもりであっても、重ねたお皿に汚れがついてしまうなど、ありがた迷惑になると残念ですね。

とくに高価な器を扱っているお店では重ねることによって傷んでしまったり、塗り部分が傷ついたりしてしまうのでさけるように。

知人のお宅にお呼ばれした際も同様です。

どのような場所であっても、何も考えずにどんどん重ねてしまう姿は、丁寧に生活してきたことを感じさせません。

202靴をさりげなくそろえてあげる

和室など靴を脱いで上がる場面で、他の方の分の靴もさりげなくそろえてあげられる女性は素敵ですね。

そのような習慣が普段から身についているのがわかります。

203その場に合わせたふるまいができるのがエレガント

いつでも上品にふるまうのがエレガンスとは限りません。周りの雰囲気や、その場に合わせることができる方が本当にエレガントな方です。

たとえば、焼き鳥屋さんですべて串から外してから召し上がる方、お蕎麦屋さんですする音を絶対にさせずに時間をかけて召し上がる方、逆にランクの高い洋食店でスープをすすってしまう方などは、周りに違和感や不快感を与えてしまうことに。

育ちがいい方は、しっかりとした幹があるので、どんな場面でも自信と余裕をもって愉しめます。

みなさんも本書を機会にまずは基本の幹の部分を手に入れて下さい。

美しい食べ方

204お料理は、迷ったら左手前から

お皿の上のお料理、どこからお箸をつけたらよいのか悩むものがあります。

迷ったら、「左側の手前から」と覚えておきましょう。

これは洋食の場合も同様です。

205麺類を途中で噛み切るのはNG

お蕎麦、おうどん、ラーメン、ロングパスタなど麺類を召し上がる際、共通して品がなく感じられることがあります。

それは、麺を途中で噛み切ってしまうこと。

最後の端までいただける分量を考えて、お箸で取り上げましょう。

ロングパスタも同じです。

フォークで巻き終わった際の大きさを推測して。

206お蕎麦など盛られたものの食べ方

ひと口目はお蕎麦自体の香りを愉しむためつゆは付けず、その後も1/3程度までつけていただく、ひと口分が多すぎるのは野暮……など、お蕎麦好きの流儀やルールは常に話題に事欠きませんね。

最低限守っていただきたいのは、ざる蕎麦などの盛られたものは頂からお箸を斜めに入れること。

山が崩れにくく程よい分量のお蕎麦が取れます。

そして、取ったお蕎麦は途中で噛み切らずひと口でいただく、ということ。

いずれにせよ、お箸で取る分量を考えることが大切です。

207焼き鳥など串ものの食べ方

串からすべて外して食べる女性もいらっしゃいます。

一見、上品と思われる食べ方かもしれませんが、せっかくの焼き鳥の醍醐味が失われるのではないでしょうか。

焼き鳥は串のまま召し上がるほうが、場に即したふるまいと考えます。

ただ、串の下の方にいくにつれて少々食べづらくなっていきます。

そちらだけは串から外してもよいでしょう。

また、串のまま食べるのなら、お箸で串の先のほうにずらしてからいただくのもあり。

カジュアルなお店や食べ物の場合、いかにその場に合ったふるまいをしながらも品を残せるかがポイントです。

208食べ物に歯型を残さない気配り

丸ごとかじっていただくようなハンバーガーやサンドイッチ、おまんじゅうなど、ひと口いただいた後の歯型が気になりませんか?ちょっとした気遣いですが、ひと口分を2回に分けて噛み切れば、明らかな噛みあとが残るようなことはありません。

209ハンバーガーの上品な食べ方って?

ハンバーガーはもともとカジュアルな食べ物ですから、ある程度大胆にいただいたほうがおいしいですよね。

でもそこは女性。

あまりにも大きな口を開けた姿は見せたくないものです。

多くのバーガーは中身がこぼれ出ないよう、また手を汚さないよう、紙袋に入っていますので、その上側の紙を少し広げ口元を隠しながらいただくと心配ないですよ。

ナイフとフォークが添えられている大きなハンバーガーの場合は、半分程にカットしてからのほうが召し上がりやすいでしょう。

〈他にも、気になる食べ方〉・ピザカジュアルな食べ物なので、あまり美しさを気にする必要はないでしょう。

ナイフとフォークがあればカットしたり、大きいものは折って食べたりしてもどちらでもOKです。

・パンケーキパンケーキもカジュアルな軽食。

放射状に切っても、端から切ってもOK。

切り方はお好みで。

ただし、食べ終わったお皿の上の美しさにはこだわって!

210いちごのショートケーキ

「上のいちごはいつ食べる?」これは私もよく尋ねられる問題です!特にルールはありませんが、まずひと口目にいちごを召し上がると、少々子どもっぽいイメージになりますね。

端から召し上がって、いちごのところまで進んだら……というのが自然でしょう。

ケーキのサイドを覆うセロハンはフォークで巻きとると美しいですが、上手くできなければ手でとっても問題ありません。

みかんのきれいな食べ方

みかんの皮や筋をどこまでいただくのかは、人それぞれ。

ただ、食べ終わったあとはできるだけ美しく映るようにしたいもの。

外皮はむいたあとは必ず閉じましょう。

その後ヘタの部分を上にしておけば、なお、見苦しくなくなります。

212おせんべいは袋の中で割って食べる

「この食べ方がマナー」という決まったルールがないものでも、どうしたら散らからず、きれいにいただけるか常に気遣って生活していることが大切です。

個別包装されたおせんべいなどは、袋の中であらかじめ割ってから口に運ぶと、外に飛び散りません。

サッとひざにハンカチを載せていただくなど、ほんの少しの心遣いがごく自然にできる方こそ、育ちの良さが垣間見え、品よく映るのですね。

213食べ歩きの考え方昨今、人気のスポットや観光地、お祭りなどでの食べ歩きが増加し、それに伴う迷惑行為も多々聞かれます。

もちろん、「食べ歩き用のお店で買ったものだから」「みんながやっているから」「そういう場所だから」などの考えもありますが、「食べ歩きはお行儀がよくないもの」という文化の家庭で育ってきた方はやはり違和感があるはず。

ベンチを探す、周囲の方にあたらないよう注意する、子どもの目の高さを十分考える、食べ残したものや食べ終わったゴミは持ち帰る、など育ってきた環境や正義感などが見える瞬間です。

和食

214和室で素足はNG

あらかじめ和室に通されるとわかっているときは、素足ではなくストッキングを着用して行くのがマナーです。

白いソックスを持参し、お玄関ではかれてもよいでしょう。

もし急なおよばれでしたら、コンビニなどでストッキングを調達し、整えてから伺うという気持ちも大切です。

心配なときは、先にテーブル席なのか座敷なのかを確認しておけば、あわてることもありません。

ドレスコードはあらかじめチェックしておくのが、大人のたしなみです。

急で、ストッキングなどを用意できないなら、「本日は素足ですのでお邪魔するのは失礼かと……」とご遠慮なさるくらいの分別がある方に、育ちの良さを感じます。

215脱ぎはきのしやすい靴がベター

事前に座敷とわかっている場合は、可能でしたらブーツなどの脱ぎはきに時間がかかる靴はさけた方が無難でスムーズです。

玄関でもたもたしてしまい、他の方をお待たせしてしまうかもしれません。

216ある程度のランクのお店では靴はお任せに

下足番のいるお店なら、靴は正面を向いたまま脱ぎ、脱いだ靴の片付けはお任せします。

自分で下駄箱にしまおうとすると「慣れていない」という印象に。

下足番の方には、「お願いします」などのひと言があると、丁寧で気持ちが伝わります。

部屋のなかでは、家庭や訪問時の和室同様、畳のへりや座布団を踏まないことは当然です。

217高級和食店で気をつけたいこと

・塗りの器を傷つけないよう、大きな指輪やブレスレットはつけていかない・香水、整髪剤、制汗剤、柔軟剤など、自身の香りに十分気を配る・和室では、肌見せの度合いを考える。

ノースリーブならちょっと羽織る物を持参すると安心。

タイトや丈の短いスカートはご自身も周りも気になるので、さけるのが無難

218匂いに敏感になりましょう

繊細でほのかな香りも愉しみなのが和食。

蓋つきのお椀なら、開けた際にふわっとお出汁が香ります。

旬のお野菜や、紫蘇、ミョウガなど薬味の香りも和食の醍醐味ですね。

このような空間で、香水などの強い香りは控えるのが当たり前。

周囲のお客様にもご迷惑がかかるため、入店をお断りするお店もあります。

しっかりと香りをつけている日に和食に誘われたら、遠慮するくらいが「よくわかっている、育ちがいい」女性です。

最近は柔軟剤や制汗剤でも香りの強いものが多く、「スメハラ」という言葉もあるほど。

たとえ自分が好きな香りであっても、他の人も気に入るとは限らず、食事を愉しむ妨げにもなります。

自分の香りには敏感になりたいですね。

219育ちのいい人に知ったかぶりをする人はいない

レストランやお鮨屋さんで通ぶる。

ハイブランドのブティックで常連ぶる。

これらは自分を実際以上に見せたいという願望と、でも実際は残念ながらそうではないというコンプレックスの表れと、とらえられてしまいます。

一方でマナーが当たり前にできている方なら、知らないことや初めてのことを素直に伝え、尋ねることができます。

「こちらはどんなお料理ですか?」「これ、どのようにいただけばよろしいですか?」など。

そんな場面を見ると「ああ、本当に素敵な育ち方、生き方をなさっていらしたのね」と思います。

220骨つきのお魚を食べられたらポイントアップ

「骨つきの焼き魚は苦手で……」とおっしゃる方はとても多いですよね。

ですから私のマナースクールのテーブルマナー講座では、料理長に頼んでお魚もお肉もわざわざ骨つきを出していただいています(笑)。

上身から召し上がり、中骨を上手に外し、下身に移動して最後まできれいに召し上がる。

そんな方にはやはり育ちの良さを感じます。

さらには、骨やヒレをまとめてお懐紙で覆うような気遣いがおできになるとなおさらです!

221盛り合わせをいただく順序を知っている

お造りや天ぷらの盛り合わせ、どれから食べるか迷いませんか?薄味から濃い味に進むと美味しくいただけることや、盛られたお料理が崩れにくいことがわかっていると、迷うことなく召し上がることができます。

もし味の濃さに迷われたら、手前や左からいただくのが基本、と知っておくと悩まずに済みますね。

222気になるごはんのこと

・ごはんの上におかずをのせてもいい?ランクの高い和食店では、ごはんの上におかずや香の物をのせて、一緒に召し上がるのはNGです。

・お寿司は手とお箸どちらで食べるもの?どちらでもよいですが、手で直接いただいたほうが、ふわっと握った触感も味わえます。

淡白な味のものから注文し、味の濃いものや脂ののったものはそのあとでいただいたほうが美味しく召し上がれます。

・ちらし寿司や丼もののお醤油は、回しかけてもいい?「ちらし寿司」の場合は上からかけてしまうと下のごはんにも伝わってしまい召し上がりにくくなるので、それぞれの具材をお醤油の小皿でつけて、ごはんと一緒に召し上がるほうがよいでしょう。

223ひと口で食べられないものは、かじってもOK

お箸ではなかなか切りにくい筍など大きめの食材、どのようにいただくか迷いますね。

かじるのは、はしたないのでは?と思うかもしれませんが、かじって召し上がっても結構です。

ただし残りをお皿に戻すのは見栄えが悪いので、そのままふた口目でいただいてしまうとよいでしょう。

224和食はどのお皿まで手に持つのか

ご自身の手のひらサイズくらいまで……などの目安はありますが、はっきりとした線引きはありません。

お皿やお椀の重さや大きさを考えて、持つか持たないかをご自身で判断できることも育ちの良さです。

マナーの答えはひとつと決めたがる方が多く、私はそれを残念に思うのですが、まずは自分の感性、感覚を磨くことが大切です。

自分のものさしではかれて判断できる方は、育ちのいい方です。

225手皿は決して上品ではありません

手皿を上品と勘違いしている方の多いこと!手皿とは、お料理を口に運ぶときに手で受けるようなしぐさをすること。

実はこれはマナー違反です。

持てない大きさの器からお料理をいただくときは、手皿ではなく、お取り皿や小皿を使うのがマナー。

蓋つきの器でしたら、蓋を小皿代わりになさってもよいでしょう。

本書では何度かお懐紙が登場しています。

小皿がないときはお懐紙を添えていただくとワンランクアップしますね。

また、食事だけでなく、日常のさまざまなシーンでも使えます。

あなたもお気に入りのお懐紙を探してみませんか?

レストラン

226大きな荷物は持ち込まない

パソコンや書類が入った仕事用の大きなトートバッグなどは、非日常を求める方がいらっしゃるエレガントなレストランにはふさわしくありません。

大きなバッグや荷物、もちろんスーツケースやカート類も必ずクロークにお預けしたいもの。

でも、女性の場合、手ぶらはNGですよ!いつどなたにディナーに誘われるかわかりません。

突然のお誘いにも対応できるよう、常に軽くて小さめのクラッチバッグを入れておくと安心ですね。

227席を立っていいのは、デザートタイム以降

レストランではお食事中に席を立たないのがマナーの基本。

せめてデザート前までは席についていたいものです。

日本ではおしぼりを出すフランス料理店も少なくありませんが、海外ではほぼ出ないと思って下さい。

それらも合わせて考えると、着席前にお化粧室に行かれておくとよいですね。

228写真を撮るときには、ひと言声をかける

フォーマル感が強まるに従って、お店は写真撮影に敏感となります。

お料理の写真を撮りたい際は、ひと言「お写真を撮ってもよろしいですか?」とお聞きしましょう。

その際、「他のお客様が写らないようにしますので」と付け加えるとなおよいですね。

また、フラッシュはもちろんNGと思って下さい。

シャッター音が出ないアプリも用意しておくと安心です。

撮影はサッとすませ、せっかくのお料理をおいしいうちにいただきましょう。

また、SNSにアップする際は、くれぐれも他のお客様が写り込んでいないか確認して。

229レストランでは手はテーブルの上に……その理由は!?

日本ではあまり知られていませんが、ヨーロッパでは席に着いたらテーブルの上に手を置きます。これにはもともと武器を隠し持っていない証しとして、という歴史があります。

手をお行儀よくひざの上に置いたままでは、会話も弾んで見えませんので、お気をつけ下さい。テーブルの上に出した両手は軽く組むと、エレガントな雰囲気になります。

230ナイフとフォークの持ち方

テーブルマナー講座をしていると、洋食の基本ともいえるナイフとフォークの持ち方に問題がある方がかなりいらっしゃいます。最も多いのは、人差し指が横にはみ出てしまっている方です。

正しく持てていないと、力が伝わりにくく優雅な所作となりません。それぞれのカトラリーで人差し指を置く位置も変わります。

両手の人差し指がしっくり収まる部分、カトラリーによっては指が置きやすいよう凹んでいる物もあります。そのスポットがわかると最小限の力で上手に扱えるはずです。

マナー本にはそこまで書かれていません。マナー以前のことだからです。しかし人差し指の位置で、あなたの生活や育ちがわかってしまいます。

231ナイフとフォークの置き方

ナイフを置くときは、刃は必ず内側に向けます。ヨーロッパではナイフの刃を外側に向けるのは、何よりも失礼に取られます。

また、食事が終わったあとはフォークを仰向けにするなど、基本的なことをわかっていない方も意外と多いので、基本マナーはしっかり心得ておきましょう。

お皿にぶつけてカチャカチャ音を立てたり、ナイフやフォークを持ったままの身振り手振りやジェスチャーももってのほか。

食べ終えたら、カトラリー類はそろえてお皿の3時〜6時の位置に置きます。もちろんナイフの刃の向きに注意して、フォークは仰向けに。ナイフとフォークは離れすぎないように置くと、上品に見えます。

232知っておきたいカトラリーのタブー

  • ・フォークを左から右に持ち替える
  • ・お料理をカットする際、カチャカチャと音を立てる
  • ・お料理の上にカトラリーをのせる
  • ・落としたカトラリーを自分で拾う
  • ・カトラリーを持ったままナプキンを使う
  • ・カトラリーを持ったまま身振り手振りをする
  • ・お皿にナイフを置くときに、刃を外側に向ける

233フォークでライスを食べる場合

一時期、ごはんをフォークの背にのせて食べるスタイルが主流の時代がありました。しかし、ごはんを背に押し付けるのは、見た目もあまり美しくないですし、食べにくくもあります。今はフォークの腹のほうにのせて食べるのが一般的です。

ただフォークを左手から右手に持ち替えるのは、正式にはマナー違反になるため、右手のナイフでごはんをよせながら、フォークで食べましょう。

ただ、欧米のお料理をいただくレストランでは、そもそも日本のようなタイプのお米は出ませんが。

234パンはいつ食べる?

パンはコース料理の早いタイミングで出てきますが、もちろんメインの前でも、出てきたら召し上がって結構です。ただし、メイン料理の前にパンを食べすぎるのはいささか子どもっぽいのでご注意を。コースを愉しむためにも、ほどほどにしておきましょう。

またランクの高いレストランでは、パンにお料理のソースをつけていただくのはNG。ビストロなどカジュアルなお店では問題ありません。

235正しいワインのつがれ方

ワイングラスに手をそえたほうが丁寧な印象かもしれませんが、日本式のお酒やビールの場合とは異なります。グラスは持ち上げず、触れてもいけません。

基本的なことですが、このような知識がないと、「このランクのレストランに慣れていない」という印象を与えてしまいます。

236ワインのお代わりを断るときには手を添えて

「もう結構です」という代わりに、グラスのふち近くにそっと手を添えると、お代わりはいらないという合図になります。

洗練されたふるまいです。

237音に敏感に

欧米などのマナーでは、何より音を出すことはタブー。すすったり、くちゃくちゃと噛むのはもってのほか。

カトラリーを使うとき、カップを置くときなどに、思わぬ大きな音をたててしまったら、「失礼しました」のひと言を。

238ナプキンの使い方

ナプキンは、オーダーが済んでアペリティフ(食前の飲み物)が運ばれる頃に広げましょう。置き方は諸説ありますが、二つ折りで輪を手前に置くのが主流となっています。

もしひざから滑り落ちた場合は、自分では拾わず、必ずお店の方に伝えましょう。新しいものをお持ち下さるはずです。

239お料理を残してしまったときは

苦手な食材があるときや、お腹がいっぱいで召し上がれずに残す際は、お皿の上にひとまとめにしておくこと。また、給仕の方には、「おいしかったのですが、お腹がいっぱいで……」などと伝えても。

こんなとき、和食店でしたら、お懐紙をかぶせておくと見栄えもよく、下げる方への心遣いも伝わります。

240ウェイターを呼ぶときは目で合図

フォーマル度の高いレストランでは、「すみませーん!」と大きな声を出したり、手を高くあげてウェイターを呼んだりするのは品がありません。

目で合図する、手を低めに上げる所作が、その場にあったふるまいです。

241預けたコートを着せてもらうときは、下から

コートを着る際は、大きな動作にならないように注意しましょう。腕を上げて着ると、男性的な印象。腕を下に向けてコンパクトな所作になさると、品よくエレガントです。

クロークなどで着せていただくときも、手は下から出すように。上から袖に入れようとすると「着せてもらうことに慣れていない」印象となってしまいます。

242お会計はカードで

お食事をごちそうするときは、金額がわかってしまうと相手に気を使わせてしまいます。相手の方がお化粧室などに立たれた際に済ませるのがスマート。

もしくは、ご自身がお化粧室に立つふりをして、お会計を済ませてしまうのも○。

割り勘のときでも、テーブルでは現金払いよりクレジットカードのほうがスマートです。お1人がまとめてお支払いし、お金のやり取りはお店を出てからに。

243大人の女性はデザートと会話をゆっくり愉しむ

ランクの高いお店ほど、ゲストを急かしたりしません。ゲストは心ゆくまでデザートと会話を愉しむ傾向にあります。お食事は余韻も大切にしたいですね。

ただ、レストランのランクや意向も考えることが大切です。

もし回転率を重視していたり、お待ちのお客様がいるようなら、長居を遠慮するのも、配慮のできる方です。総合的に考えて判断しましょう。

244ビュッフェで、他人の分までとるのはマナー違反

ビュッフェスタイルは、自分の食べる分は自分でとるのがマナーです。「私の分もキープして!」「とってきてあげるわね」というのはNG。

もちろん、同席される方がご高齢の方などご事情がある場合は例外です。なお、ビジネス関連の場では、その会社の慣習や上司との関係に従って、とって差し上げることも。状況に合わせてふるまいましょう。

245デザートを先にとるのは品がない

ビュッフェでいきなりメインディッシュやデザートに向かうのはいささかはしたないですね。

ビュッフェもコース料理と同じ順にとっていくのがルールです。お皿にとる際も山盛りは育ちが良いとはいえません。

3、4品を目安に、あえてお皿に「余白」を残して盛り付けると上品に映ります。

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