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第6章売価設定と販路の作り方

目次

第6章売価設定と販路の作り方

最初に輸入原価を確定する!

戦略的売価の決定とは

粗利50%を確保する値付け法

取れる時は大胆に取る

商談では最初から「定価」と表現せず、「予定価格」と言う

販路は半年がかりで作る

鉄は熱いうちに打て!見本市の現場で注文を取る

見本市への出品は簡単、堅実、ローリスク

副業でも本業でも、輸入ビジネスに参入できる

「サラリーマンは副業です」──ドロップシッピングで成功した事例

お得意先と長い取引をするためには

輸入ビジネスは究極のジョイントベンチャー

正しい知識と手法に則って行動すれば、誰でもチャンスがある

日本未上陸の製品を狙え

輸入ビジネスはライバルが仲間になる

●ビジネスコラム時には韓信の股くぐりを使え

第6章売価設定と販路の作り方

最初に輸入原価を確定する!

さて、いよいよ輸入ビジネスの最大の醍醐味である「値付け」である。まず定価を決めるために何をするか?あなたが仕入れた商品の輸入原価を知る必要があろう。

原価がわからなければ、定価の付けようがないからである。個人で輸入ビジネスをやる人で、原価を確定してから値付けをする人は少ないかもしれない。だいたいのどんぶり勘定でやっている人も多い。

しかし、例えばあなたがハンカチを仕入れたとして、1枚売れるとあなたの利益がどれくらいなのかを正確に知ることは非常に重要なことなのだ。

これがわかっていないと長期的かつ安定したビジネス展開を望むことは難しい、と私は断言する。輸入が終わった段階で、輸送費等、かかったコストを仕入れ価格に合算して、原価を出してみよう。

法人化していなくても、きっちりと原価を出して記帳することをお勧めする。輸入ビジネスにおいては、原価が確定しなければ自分の付けた値段が妥当かどうかを判別できないからである。

かかったコストを含めた原価を出すのは面倒だ、という人もいるかもしれない。私自身、まめな性格ではないし、面倒くさがりだ。だから楽をする方法を考えてきたわけだが、あなたは何も難しい計算をする必要はない。

ひとつの商品を輸入する際に、1社のフォワーダー、あるいは通関業者に輸送から通関、倉庫に入れるまですべてを任せてしまえばいいのである。通しで1社に頼めば、請求書も1枚で済む。すると、商品の原価はひと目でわかるのだ。

この原価を元に、5倍でも10倍でも、需要があれば20倍でも自由に価格設定できるのが輸入ビジネスの醍醐味なのである。

売れるのならば、何十倍にしたって構わない。その際、自分の利益が明確にわかった方が面白いではないか!原価を計算しておくと、いざという時のリスクヘッジにもなる。

残念ながら、あなたが輸入した商品が売れないこともあるだろう。在庫にしておくだけで赤字である。こうした時に、どの時点でどれくらいの値段で手放せばいいかということが、正確な原価を知っていれば判断できるのである。

戦略的売価の決定とは

原価を出したら、定価(標準小売価格)を設定してみよう。通常、この価格は日本国内の商品ならメーカー、輸入品なら輸入業者が決定する。

つまり、あなたがあなたの商品の定価を決めるわけである。定価はあなたが自由に決められるからと言って、感性だけでやみくもに決めるべきではない。自分の利益がどれくらい出るかを正確に把握するために、私は、2つの方法をお薦めしている。

①コストプラス方式(加算方式)……コストを積み上げて定価を決める商品の仕入れ原価、物流コスト、マーケティングコスト等をプラスした輸入原価に、あなたの利益、問屋の利益、小売店の利益をプラスして定価を割り出す方法である。

いわゆる、絶対に損をしない、あなたが「売りたい値段」が算出される。反面、ライバルとの競合や、相場の値段が反映されない場合があるので注意が必要だ。

仮に、その値段では競争力がなく、需要がない場合はどうするか?当然であるが、輸出メーカーと値引き交渉をする必要がある。

②コストブレイクダウン方式(逆算方式)……最初に定価を決めてしまう商品には、お客様が納得すると思われる価格帯がある。

相場や商品の希少性、文化的価値を踏まえて価格を最初に決めてしまう方式で、簡単に言うと「商品として消費者に受け入れられる値段」を前提とした定価の付け方だ。

売れそうな値段として定価1000円と決めたら、1000円で売るために途中のコストを削減してゆく必要がある。この方法の場合、あなたの希望利益を削らなくてはならない場合もある。実際には、この2つの観点を踏まえて値付けをするべきである。

輸入ビジネスはあなたが自由に価格を決定できるという魅力がある反面、あくまでお客様ありきの世界。あなたが「売りたい値段」と相場から見た「売れそうな値段」の2つをかんがみて、最も現実的にあなたが儲かるであろう値段を付ける必要がある。

もちろん、高い値付けをすることだけが価格設定の醍醐味ではない。例えばユニクロのように、これまで1000円で売っていたものを500円で提供しようと決めて戦略を練る場合もある。

すると500円で売るために、どれだけコストを削れるかが勝負になってくる。マクドナルドや吉野家もそうだろう。生産地を替えたり、仕入れる量を増やしたり、市場で勝負できる値段を決めてから工夫する。

コストブレイクダウン方式の典型である。ただし、個人で輸入ビジネスを始めるあなたは、価格競争を意識して、低価格の設定をするべきではない。大手のメーカーなら大量輸入、大量発注によって低価格競争に持ち込めるが、個人のインポーターにはそれは不可能だ。

だからこそ、独占販売権を獲得し、あなたしか仕入れることのできないオリジナル商品を高く売るべきである、というのが私の主張なのである。

粗利50%を確保する値付け法

しかし、具体的に原価の何倍くらいの値付けをすれば儲かるのかよくわからない、という方もいらっしゃるだろう。

そこで粗利50%を確保する私の実務レベルでの値付け方法を公開しよう。

  1. 現地で提示された原価の最低5倍に定価を設定する(原価の安いアジアからの輸入の場合は10倍以上)。
  2. この暫定の定価では高すぎ、日本市場で売れそうもないと判断した場合は、メーカー側に値引きを申し入れる。
  3. 値引きが受け入れられれば、新たな価格を本格オーダーの際の定価にする。

それでは、値引きが受け入れられなかった場合はどうするか?その時点で輸入を諦めることも考慮に入れなくてはならない。

あなたはわざわざ海外の見本市まで行って商品を見つけたのに諦めきれない、と思うかもしれない。もちろん、自分の利益を削る方法もあるが、輸入ビジネスには思いがけない損失や経費が発生することも多い。時には引く勇気も必要である。

しかし、その商品が独占販売権を獲得しているなら話は別だ。いっときの利益を削っても、将来性を見据えて輸入販売するのもいいだろう。要は、その値段で売れるか売れないかの見極めなのだ。

あなたが仕入れた商品が日本でヒットするかどうかは、小売価格の設定が妥当かどうかも大きなポイントになってくる。お客様がその値段で満足するかどうか、魅力的に感じるかどうかをイメージしなくてはならない。

商品発掘と値付けこそが、輸入ビジネスにおけるあなたのセンスの発揮のしどころなのである。今は、インターネット等で同種の商品の値段が簡単に比較されてしまう。原価もだいたい見えてしまうだろう。

だからこそ、市場の相場を見ながら、自分の仕入れた商品のコストに付加価値を加えた定価を出す必要がある。いくら自由な価格設定ができると言っても、お客様が買ってくれなければ、あなたの仕入れた商品は不良在庫になってしまうからである。

ここにきて、改めて独占販売権の重要性がご理解いただけたのではないだろうか?類似商品がなく、オリジナリティに富んだ商品の独占販売権を持っていれば、他商品を気にして低価格にする必要もない。

ブルーオーシャンでビジネスができれば、粗利50%以上の高価格設定は不可能ではないのである。

取れる時は大胆に取る

値付けの具体的な方法として、原価の5倍以上を最低条件に挙げたが、もちろん、10倍でも20倍でも普通に付けている輸入業者はたくさんいるのだ。

価格設定に正解はない。

市場──つまりお客様が、その商品にかけるコスト(費用)と期待される効果に納得できる価格であればいいのである。その辺の見極めが素人には難しい、とあなたは思うだろう。確かに、値付けにはその商品に対する深い知識、市場性等の専門性が要求される。

第1章で紹介したように、10円で仕入れた商品を1980円で販売して売れているケースもある。

驚くなかれ、原価の約200倍だ。同じものを仕入れたとしても私はこんな大胆な価格設定はできなかったろう。非常に鋭い市場分析力に裏打ちされた結果なのである。

まさに専門性の勝利の例だ。つまりあなたは商品発掘のみならず、値付けの観点から言っても、自分の得意分野で勝負するべきなのだ。

得意分野の商品であれば、「これくらいの値段でも売れる」という嗅覚が働く。他社の値段もだいたい頭に入っているはずだ。独自な商品であれば、時に、大胆な価格設定も可能になるのはご理解いただけるだろう。

価格設定に正解はない、という柔軟な思考を持ちつつ、実際の輸入原価を照らし合わせて、価格を決めていくのがベストなのである。単純に何倍ではなく、取れる時は大胆に取っていく。安く売るのは、いつでもできるからだ。

商談では最初から「定価」と表現せず、「予定価格」と言う

それでは「この値段なら売れるし、儲けもあるだろう」という定価を付けて、売れなかったらどうするか?あなたがいかに商品に自信があり、値段を熟考したとしても、お客様から見て高すぎると感じたら売れるものも売れなくなってしまう。

だが、一度自分で定価を付けてしまったら安易に変えられないのではないか。あなたはそのことを不安に思うに違いない。

ここで注意するべきは、日本の販売先にあなたが商談に行った時、最初から「定価」とか「小売価格」などと断言しないことだ。ではどうするかというと、あくまで「参考上代」とか「予定価格」と言う。

変わることが前提の値段であると最初にお客様に伝えておく必要がある。

例えば、あなたが商談の場に行くとする。

相手は、あなたがダイレクトメール業者に頼んで連絡のあった会社か、日本の見本市に出展した時に声をかけてくれた企業かもしれない(販路の作り方については詳しく後述させていただく)。

あなたは新商品のサンプルを手に、いかに日本市場で売れる可能性があるか、という魅力を説明した後、価格を伝える。

「これは予定価格9800円の商品です」すると相手はこう言うかもしれない。「ちょっと高いですね」ここで「予定価格」と言っておけば、次のように答えることができる。

「それではメーカーと再度話し合ってみます。参考までに、いくらくらいなら購入していただけますか?」「うちが扱っている類似品で7800円のものがあるので、それくらいなら買えるかな」「わかりました、できるだけそれに近づけるか、もしくは同じにするか、下げるかをメーカーと交渉させていただきます。1週間ほど時間をください」ここでひと呼吸入れて考え直すのだ。

最初から「この定価です」という表現をすると、身動きが取れなくなってしまう。値段はまずはあなたが決める。

しかし、最終的にはあくまで、あなたの仕入れた商品を買ってくれる会社、業者との商談の中で確定させるべきなのである。価格付けは原価の5倍以上と決めておくのは、こんな時の保険でもある。

実は、この設定だとあなたの利益幅に余裕があり、いざという時に値段を下げることも可能になるのである。

販路は半年がかりで作る

新商品のサンプルを仕入れ、予定価格を決定した後、次に、自分の商品を買ってくれる取引先を探さなければならない。

第3章でも述べたように、私が薦める方法は業者に頼んであなたの商品を買ってくれそうな会社にダイレクトメールを送り、反応のあった会社にアポイントを取る、もしくは、日本国内の見本市に出品して、幅広くお客様を集めることである。

ここまで来て、あなたは次のように思うかもしれない。

えっ?ネットや何かで自分で売るのじゃいけないの?副業や趣味に留めるならそれでも良いかもしれない。

しかし、私はぜひあなたに本格的で安定した輸入ビジネスの道を歩んでいただきたいのだ。だからこそこの本を書いているのである。

あなたが海外まで行って見つけ、なんとか独占販売権まで得たオリジナルの商品は(ここまで本書を読み進めていただいた読者の方なら、それが個人でも可能であることはご理解いただけたと思う)、10個、20個をネットで売って、自分で手間暇をかけて発送するというのではもったいなさすぎると思わないだろうか?輸入ビジネスには夢がある。

それはあなたが輸入し、あなたが値段を決めたオリジナル商品を日本でヒットさせることだ。そのためには、永続性のある良い販路を作らなければならない。

販路なんて簡単に作れそうもない、とあなたは思うかもしれないが、考えてみてほしい。販路というのは、販売する路(道)だ。道というのは、3、4日でできるものではないはずだ。少なくとも数ヶ月から半年くらいはかかるのではないだろうか。

しかし、道は一度できてしまえば、いろんな車が、たくさん、そして半永久的に行き来できるのである。だから永続性のある良い販路を作らなければならない。私の場合は、お得意先を発掘するために国内の展示会に出展していた。

何しろ地方で事業をしていた関係で出張ベースの新規開拓には、かなりのコストがかかってしまい、効率が悪かったからである。ひどい時は、1日に1社しかアポが取れないなんてこともあった。

だからこそ自分で訪問するのではなく、相手に来てもらうビジネススタイルにしたいと考え、展示会に出す方法を選んだのだ。物販で最も難しいのは、誰が自分の商品に興味を持っているかをいかにすばやく低コストで見つけるかである。

いわゆるマーケティングの世界だ。よくわからない、という方もいるかもしれない。言い方を変えよう。

この広い日本のマーケットで、自分の商品を愛でてくれて扱いたいという人に巡り合うには、偶然性に頼らねばならないということなのだ。

例えば100社訪問すると仮定して、その会社が、たまたま100社目だとすれば、あなたは99回の失望を味わうことになる。相当精神的にタフな人間でなければ、ここまで耐えられない。

しかし展示会は、この無駄を最小限にできる。それはそうだ。もともと興味のない人間は、あなたのブースには見向きもしないのだから。あなたは自分のブースに入ってきた人にだけ営業をかければいいのである。

つまり、100分の1の相手にほぼ100%の確率で出会えるのが展示会なのである。

見本市で自分のブースに来てくれるのは、あなたの商品に興味のある人だけだ。見本市では興味のない人に売り込む必要はない。

興味のある人、欲しいという人に話をするだけなのだから、こんなに楽な営業はない。さらに見本市では、あなたはメーカー側である。

つまり川上にいるのであり、こちらに有利な条件──例えば、最低これだけの数を仕入れてほしいといったような──を提示しやすい立場にある。

あなたが自分の仕入れた商品に自信があるのなら、ぜひ見本市への出展にチャレンジすることをお勧めする。私の経験上、展示会に出して何も得ることのなかったことは一度もない。

販売ルート開拓には最も有効な手段であるのは間違いないし、私のクライアントで最速で成功している人は、ほとんどこの手法を採用している。

展示会は法人でなくては出せないと思っている方も多いが、実は、個人でも問題なく出せるから安心してほしい。自分の商品に向いた見本市をホームページ等でチェックすると、半年前くらいから出展者を募集している。

主催者に連絡をして、書類をもらって書いて出すだけだ。おそらく、あなたが出品してみたいと思う展示会は年に2、3回だろう。商品を輸入するにあたっては、最初から見本市に出す計画を立てて、半年計画で動くことを私は勧めている。

鉄は熱いうちに打て!見本市の現場で注文を取る

見本市に参加する際に、具体的にはどのようなものを用意すればいいのかわからない、という方もいるだろう。しかし、必要なものはそれほど多くない。

名刺の用意は当然として、後は次の3つくらいである。

①商品②カタログ③アンケート用紙①商品まずはあなたが仕入れた商品が必要なのは言うまでもない。

これは第3章で述べた通り、サンプル商品で十分だが、できれば、商品のバリエーションがあった方がブースが引き立つ。ブースの作り方にもひと工夫必要だ。

基本的な装飾は主催者から提案されることも多いが、費用が許すのであれば、オリジナルのブースを作ることを私はお勧めする。大きな見本市では2000以上の出展社がある。

あなたは、あなたの商品が目立ち、最大限引き立つように作りこみをしなくてはならない。これについては、見本市を見て歩いた経験があればなんとなくイメージが湧くと思う。イメージが決まったら、プロの業者に任せるのが良いだろう。

コストは20万~40万円ほどかかるが(展示会参加費のほかにかかる主な費用である)、来場者の足を止めるには有効な手法である。

②カタログ一般的には、メーカーのカタログは見本市の会場で配られている。

しかし私は、商品を買ってくれたリピーターの方々にのみカタログを渡していた。

なぜか?最初にカタログを渡すと、「カタログをもらった」という達成感だけでお客様は満足してしまうのだ。また最初に渡した場合、現実的に注文が来た試しがないからである。日本の見本市は顔合わせ的な要素が強く、その場で商談まで進まないことが多い。

しかし、だからと言って名刺交換、カタログ配布をして、電話を待っていても、たいていの場合、あなたの電話は鳴らない。

相手は100も200もブースを見て回り、それぞれカタログをもらっているのである。相当のインパクトがなければ、あなたのカタログだけを見て後から連絡してくることはない。

つまり、基本的には、あなたの商品に相手が興味を惹かれていると判断したその時点、熱のあるその場で、一気に注文を取るところまで話を進めてしまうべきなのだ。

相手が真の見込み客かどうか見極めるためには、次のような提案をするといいだろう。

「見本市の期間中にご注文いただけると、総額の10%お引きします」「今ですと、送料無料でサンプル発注を承ります」これはとっておきのオファーである。

相手の反応で真の見込み度合いを見極めることができる。

しかし、未だに年功序列が幅を利かせる日本のビジネスシーンでは、よく次のような台詞で具体的な取引を保留するケースがある。

「商品に興味はあるのですが、上司と相談しないと決められないのでカタログをください」重要なのは、ここで単にカタログを渡すのではなく、その場で具体的な日程を決めてアポイントを取ってしまうことだ。

私の商談の進め方は次のような単刀直入なものである。

「それでは会う日を決めましょう。上司の方に同席していただいてお話しできる日はいつですか?」「帰ってから部長に聞いてみます」「いやいや、今、聞いてみてください」渋々、携帯電話で部長を呼び出し、「こういうメーカーがあって、お話ししたいということなんですけれど、部長、明日はおられますか?」と話している。

「それではすみません、明日の16時頃でよいですか?」「わかりました、明日の16時に伺いましょう」鉄は熱いうちに打て。

相手があなたの商品を見てホットになっているうちに、商談をまとめてしまうのである。一番熱い時にした約束を反故にされることはまずないし、あなたの有利な条件で取引をまとめやすい。

「後日、電話します」という別れ方をすると、いざ連絡をした時に「やっぱりいいや」ということになる。翌日になり、相手が冷静になってからでは、取引が進まないケースが実に多いのだ。

ポイントは、「今すぐ、ここ」で注文する商品を選んでもらうこと。そして具体的な注文、あるいはアポイントを取ってしまうことだ。

③アンケート用紙

前述したように見本市は商談の場であるが、日本のビジネスマンは現場で即決することを避ける傾向にある。当然、すべての見込み客に対して、商談を完結できない場面も出てくるだろう。

その際の対応策はどうすればいいかというと、アンケートを書いてもらうのである。せっかくあなたの商品に興味を持ってくれた相手だ。

仮に今すぐ注文にはならなくても、販路の候補として人脈をなんとか作っておきたい。将来の顧客予備軍であることは間違いないし、次回の展示会に招待状を出す相手先でもある。

しかし、名刺交換はしても、相手がどんな会社で、どんなニーズ、ウォンツがあるのかわからなければ、今後のアプローチも難しい。

何十枚と名刺をもらっても、そこに具体的ニーズは書いていないのだから。そこで、その場で簡単なアンケートに答えてもらうのだ。

サンプルを紹介したので参考にしてもらいたい。あなたの業態に合わせて多少の変更を加えるだけで、すぐに使えるだろう。

見本市終了後、このアンケート用紙は、後日のアプローチの際の強力なツールになる。私の経験では、アンケートに答えてくださったお客様の90%以上は電話での商談に応じてくれる。

相手の具体的な要望を知っているために話を切り出しやすいからだ。アポイントが必要な際にも、承諾率は抜群に高くなる。アンケート用紙は必ず用意すべきツールである。

まとめよう。

まずは熱気のある現場で商談をまとめてしまうこと。それが難しい相手にはアンケートに答えてもらい、後日、アポイントを取ること。せっかく見本市に出品したのだ。名刺交換だけで終わらせては意味がない。ひとつでも多く、生きた販路を作ることにエネルギーを集中させるべきなのである。

見本市への出品は簡単、堅実、ローリスク

見本市への出品は費用がかかる(ブースの出展代と設営費までを入れると約50万~70万円は必要)。リスクを考えるとどうしても二の足を踏んでしまう、という方もいるだろう。しかし、50万~70万円は決して高くない。

何せ、営業・広告・商談すべてを一度に、最も効率の良い形でまとめて行えてしまうのが見本市だからだ。私は、一番簡単な販路の作り方は、見本市に出品することだと繰り返し述べてきた。展示会にあなたの商品を出すだけなのだ。

その他の手法は広告をかけて人を集めたり、なんとか頭を下げてアポイントを取り営業をしたりと、実にたいへんだ。

私も経験があるが、飛び込み営業などは上から目線でばかにされたり、最初から相手にもされなかったりと、とにかくつらいことの方が多い。

注ぎ込んだ時間とエネルギーに対して、あまりに収穫が少ないのである。私は初めて見本市に出展した時に、「ああ、なんて楽なんだろう」と心底思ったものだ。何せ、これまで頭を下げていた相手が、自分に頭を下げてくるのである。

しかも、知らない業種の方が次から次へとブースを訪れ、自分が仕入れた商品の説明を求めてくる。自分の商品に興味のある相手と身近に顔を合わせ、「ここで決めちゃいましょう」と商談することができるのだから、飛び込み営業とは天と地ほど条件が違う。

これは後々の話になるかもしれないが、見本市に参加し続けると、定期的に営業に行かなくてよいというメリットも生まれる。年に3、4回、見本市に出品しておけば、「会場に見に来てください」とDM等で顧客に伝えればよいだけである。

本当のお得意先は別として、あなたは見込み客の100社に出向く必要はなくなる。それどころか逆に、100社があなたの商品を見に足を運んでくれるのだ。

肉体的にも精神的にも楽なうえに、実はローコストな手法なのがわかるだろう。展示会は時間の節約になるだけでなく、結果的にお金の節約にもなるのである。

でも、注文が取れなかったらどうしよう、とあなたは思うかもしれない。万が一誰にも見向きもされないとしよう。けれども、それはそれで意味がある。

なぜなら、「日本市場には向かない、魅力がない商品」であるということが、サンプルの時点で見極めることができたからだ。

展示会で商品を見せても誰も注文してくれなければ、あなたの商品は日本市場での需要がない、ということである。見込み客もないままにいきなり大量注文して不良在庫になってしまったら、それこそ莫大な損失になってしまう。

展示会でサンプルを見せて、注文を取り、そこで初めてメーカーにオーダーをする。このやり方は、一見、派手で大胆に見えて、実は最も堅実でローリスクな方法であることがご理解いただけたと思う。

もちろん、海外の展示会に行って商品を発掘し、日本の展示会に出すとなると、最初の資金は多少の余裕を見て、100万~200万円は必要なことになる。

しかし、逆に言えば、最初からそれ以上は必要ないし、いきなり大赤字を食うリスクも少ない。サンプルを取り寄せて、不特定多数の相手に見せて注文を取るだけだからだ。

私が薦めている方法は、「人生伸るか反るか」の大勝負ではなく、個人で輸入ビジネスを始めるにあたって、実は、最も堅実で確実な道なのである。遠回りに見えるかもしれないが、一番難しく見えて、実は、一番簡単。

ハイリスクに見えて、ローリスク。これが展示会への出展なのである。

副業でも本業でも、輸入ビジネスに参入できる

展示会に出品することのメリットを説いてきたが、それでも最初から展示会に出す費用もないし、他の仕事もある。もう少しライトに輸入ビジネスを始めたい。副業では難しいの?という方もいるだろう。

答えは「まったく難しくない」である。副業のままビジネスを続けている人もいるし、副業から始めて本業になってしまった人もいる。九州の塾の先生で、副業で輸入ビジネスを始めたA氏を例にとろう。

少子化の流れもあって、将来に不安を感じていたところ、もうひとつの事業の柱として、輸入ビジネスに目をつけ、私の所に勉強に来たのだ。

そして私と一緒に海外の見本市に行き、独占販売権を獲得し、商品を仕入れた。商品は、知育玩具であった。

しかし、仕事で忙しく、九州という土地柄から営業もままならないこともあり、とりあえず自分のサイトにアップしておいたのだ。もしも売れなかったら、塾の生徒のお母さんたちに買ってもらおうという目論見だったという。

ところがある日、大手外資系企業D社から連絡があった。いきなり、360万円のオーダーがあったのだ。景品か何かに使うという話だったようだが、A氏はすっかりあわててしまった。

A氏は、私にてんぱった様子で電話をかけてきた。

「今、D社という有名な会社から注文の電話があったんですけど、これって詐欺ですかね?」今にして思えば笑い話だが、A氏からすると、なぜそんな有名企業が自分に電話をかけてくるのか、信じることができなかったのだ。

「どうしましょう?」と心配そうに聞くA氏。「オーダーを受けましょう」と私。「でも、商品を買うお金がありません。360万円分も一気に買えませんよ」独占販売権はあるものの、大量にオーダーする費用がないというから皮肉なものだ。

もちろん、定価は原価の5倍以上つけているので、仕入れ額は60万~70万円ほどだったが、持ち合わせがないという。

「それならD社に連絡して発注時に3分の1をキャッシュで前払いするように言ってみましょう。本当であれば、それでも相手はいやとは、言わないはずですから」と私はアドバイスした。

A氏は素直な方なので、私が言った通りに伝えた。

すると、D社はあっさりと120万円を振り込んできたのだ。結果的に、1社からの電話1本で約300万円の利益を得ることができたのである。いかがであろうか?独占販売権を獲得していたからこそ、こんなことが起こりえたのである。

なぜなら、A氏が輸入した商品を気に入ったら、日本においてはA氏からしか買うことができなかったからなのだ。

「サラリーマンは副業です」──ドロップシッピングで成功した事例

輸入ビジネスといっても、もっとリスクが少ない方法はないものか、という方のためには、「ドロップシッピング」という手法がある。簡単に言うと、在庫を持たない輸入ビジネスだ。

あなたは、在庫を持たなくても、あたかも自分で用意した商品のように販売できる。インターネットサイトにアップしておいて、閲覧者が購入すると、契約しているメーカーがあなたの代わりにお客様にその商品を直送するシステムだ。

海外ではだいぶ前からポピュラーなビジネスで、ドロップシッパーと呼ばれる人々が、インターネットを通じて輸入ビジネスを展開している。

日本でも、アフィリエイト等よりも本格的なビジネスとして、少しずつ浸透してきているようだ。このシステムの良い点は、在庫を持つ必要がなく、価格をあなたが決められることである。

アフィリエイトとの違いは、あなたが定価を決められるので、原価との差額をあなたの儲けにできることにある。

もちろん、高すぎては売れないわけだが、これに私が提唱する独占販売権の獲得を絡めると、価格決定権を持つことのうまみを得られる。

私のクライアントに、サラリーマンをやりながらアメリカのメーカーと独占販売権契約を結び、このドロップシッピングの手法で商品を売っている方がいる。

売り上げがだんだん伸びてきたこともあり、最近は在庫を持ち、法人登録もしたという。

「私も社長になりました」と彼は嬉しそうに言う。

「サラリーマンはどうしたの?」と聞くと、「サラリーマンは副業です。別にやめる必要はありませんから」とあっさり答えた。彼は、朝9時から夕方5時までは会社で普通に働いている。

会社に内緒で法人登録をし、社長になっているのだ。運送から通関、配送まで煩雑なことは専門の業者に任せてしまえば、輸入ビジネスはそれほど時間を取られずに稼げるという好例だろう。

お得意先と長い取引をするためには

商品には寿命がある。あなたが気に入って輸入した商品が売れたとする。しかし、延々とひとつの商品がいつまでも売れ続けることはありえない。

商品のジャンルにもよるが、数ヶ月でブームが去るのが常だろう。ティラミスだって、何年間も爆発的に売れていたわけではない。

ロングセラーもあるにはあるが、市場というのは、常に「新しいもの」を求めているのである。当然、継続的に輸入ビジネスを展開するのなら、あなたは新しい商品を仕入れる必要がある。

本書で述べている通り、私も新商品発掘のために定期的に海外の見本市を見て回った。輸入ビジネスを始めたばかりなら、自分の得意分野に絞って、自分の感性で魅力的な商品を選ぶのが正解である。

しかし、2度目、3度目に海外に足を運ぶ時は、もっと賢いやり方がある。この頃になると、あなたにもお得意様、顧客ができているかもしれない。いや、きっとできているだろう。

私が薦める方法でビジネス展開していれば、顧客ができて当たり前なのである。そこでどうするかというと、顧客のニーズを先に聞いてから海外の見本市へ出かけるのである。

私の場合は、海外の見本市に行く前に主要なお客様と会って、どういう商品が売れているのか、どういう方向性の商品が欲しいのか、というニーズを聞いた上で海外に行っていた。

私は以前、お得意先から手渡されたサンプルを手に海外の見本市を見て回ったことがある。「これに近くて新しいバリエーションの商品はないか」と頼まれていたのである。

これをカウンターサンプルと言う。中国等アジアの見本市ではカウンターサンプルを持ったヨーロッパの輸入業者を大勢見かける。自社の商品と同タイプのものをアジアのメーカーから安く仕入れたいという魂胆だろう。

もちろん、「パクリ商品」は褒められたものではないが、同タイプで安価の商品を探す、あるいは海外のメーカーに作ってもらうというのは輸入ビジネスのひとつのあり方であることは間違いない。

輸入ビジネスを継続的に行うためには、お得意様との間に太いパイプを作り、長く取引を続けることが大切だ。

そのためには、売れそうな商品、新商品をあなたが常に輸入できる態勢でいることはもちろん、お得意様の求める商品を輸入する姿勢も大切になってくるのである。

輸入ビジネスは究極のジョイントベンチャー

輸入ビジネスの最大の強みは、自分が輸入した商品の価格を自分で決められるということだ。価格決定権を持っているということは、自分のビジネスの仕組みを自分で構築できるということである。

つまり、日本の定価制度に縛られないで、自由にビジネスができるのである。実はビジネスというのは、自分で仕組みを作らないとなかなか儲からない。

誰かが作った仕組みでビジネスをしても、儲かるのは仕組みを作った人ばかりだ。コンビニやフランチャイズもそうだろう。下請けになればなるほど利益は小さくなってしまう。

薄利多売ならまだいいが、今のご時勢は多売になることも難しく、結局、薄利の商売になってしまっている。だから儲からないのだ。日本の企業の70・3%は赤字だという。

これは定価制度が大きな原因になっている。輸入ビジネスはこの仕組みを自分で作りやすいのが特徴である。何しろ値付けは自由だし、原価の交渉も自分次第。自分が仕入れた商品に価値があると思えば、どんな値段を付けても構わない。それで需要があれば、こんなに楽しくて儲かる商売はなかなかない。

なぜあなたが輸入ビジネスをすれば価格決定権を持つことができ、ビジネスの仕組みが作れるかと言えば、それは海外のメーカーの力を借りることができるからだ。

我々1人ひとりの生産力や販売力は限られている。個人の名前に信用もない。

しかし、海外のメーカーの力や商品力を借りることによって、あなたが日本国内ではメーカーの立場になることができる。

しかも独占販売権などを取った日には、ビジネスの世界では自分より明らかに格上の存在である上場企業を相手に対等に商売をすることもできるのだ。

つまり、輸入ビジネスというのは何かと言うと、海外のブランドの力を借りて、名だたる優秀な企業を自分の販売員のごとく使える究極のジョイントベンチャーなのだ。

正しい知識と手法に則って行動すれば、誰でもチャンスがある

繰り返そう。輸入ビジネスは自分が生産者でなくてもメーカーになれる。自分に販売力がなくても販売のスペシャリストと組むことによって、日本中にあなたの輸入した商品が販売され、大成功することもできる。

生産者として工場を作れば、億単位の資金がかかってしまうだろう。サラリーマンにそんなことはできないし、リスクが高すぎる。しかし輸入ビジネスはほとんどローリスクでいきなり日本でメーカーの立場になることができるのだ。

成功するためにはすぐ始めることだ。すぐ始めるにしても、正しい方法や実証済みの方法でやらなくてはならない。簡単に言えば、成功事例がたくさん出ている手法だ。

その手法こそが、この『個人ではじめる輸入ビジネス』に書かれていることなのである。改訂版ということで、ひとつ、本書を読んで輸入ビジネスを始めた方の具体的な成功事例をご紹介させていただこう。

ある日、精気のある青年が私のセミナーを訪れた。

拙著『個人ではじめる輸入ビジネス』を小脇に抱えて、ちょっと息を切らせながら受付で名前を告げた。彼はこの当時、まだ静岡県在住の一介のサラリーマンだった。名前はNさん。

私の本を読んで、「これなら自分もできる」と感じて初級中級講座に参加され、その後、即決で私の講座すべてにすべて申し込むという経営者向きの性格をしていた。Nさんは最初から起業したい、というモチベーションはあったものの何をしていいのかわからなかったそうだ。

そんな時に私の本を読み、高い利益率と低リスクなビジネスモデル、海外で仕事のできるメリットにとりつかれたのだ。そして満を持して私の主宰するドイツの展示会での海外実践講座に参加した。

そこで運命的な出会いをする。

画期的な靴の中敷きメーカーにて独占販売権を取得したのだ。そして9月の日本のギフトショーに出展し、その製品は注目を集めた。

言えば誰もが知っているあの一部上場企業を含む450社を超える引き合いがあり、さらに当日受注だけで1500万円近い売り上げをたたき出したのだ。

その活躍から、地元では有望若手起業家として新聞にも大々的に取り上げられるほどだった。地元の銀行からも彼のところにわざわざ挨拶に来るほどの反響があったそうだ。

それだけ、見本市に出展して成功するということは大きな宣伝効果を持つのである。10月に会社を退職し、株式会社を設立。

その後も勉強と実践を重ね、押しも押されぬ企業人に着実に成長している。これがすべてこの『個人ではじめる輸入ビジネス』を読み、セミナーに初参加してからわずか1年の間に起きた事実なのだ。

まったく予備知識がなくても、正しい知識と手法に則って行動すれば、誰でもチャンスがあるのが輸入ビジネスという世界なのである。

日本未上陸の製品を狙え

不景気と言われるが、目新しいものを探している人はいっぱいいる。日本にはまだ入って来ていない新しい製品を誰よりも早く欲しい、という層もいる。そういう人々にとって、外国から輸入されてきた新製品はたまらない魅力を持っているのだ。

外国の商品を欲しいという客層を相手にしているのだから、日本の景気にあまり左右されないのも輸入ビジネスの特徴である。

つまり、どちらかと言えばコストを下げた商品より、日本未上陸の魅力的な商品を引っ張ってくるというところに輸入ビジネスの夢とロマンがある。何より、その方が圧倒的に有利な立場で商売ができるのだ。

よって、あなたのやることは本書に書いてある通り、海外の展示会で日本にはまだ上陸していない魅力的な商品を見つけて、独占販売権を獲得し、サンプルを送ってもらって日本の展示会に出品することである。

オーダーが入ればその分仕入れるだけだ。これが私が見てきた最も簡単で、最も多く成功者を出してきた輸入ビジネスのパターンである。

もうひとつ、最近、このシンプルな手法で華々しい成功を遂げた私のクライアントさんの例を挙げよう。

クライアントのIさんとドイツで行われた「テンデンス」という見本市に行った時のことである。彼は、初めての海外の見本市だった。

Iさんの意向でとあるポルトガルのインテリアメーカーのブースを訪れ、彼が気になっているという商品を一緒に見学した。

『コルクウォール』という壁に立体的でカラフルなビジュアルを作り出すユニークなウォールインテリアで、日本ではまず見当たらないものだった。

見た瞬間に、「あっ、これ日本に持って来ても見本市でデザイン賞が取れるな」と我々は確信した。その時、すでにその商品は、前年アメリカの展示会にてデザイン賞を獲得していることに我々は気づいたのである。

Iさんの目は確かだったのだ。交渉を始めた段階で、日本に輸入者がいないことも確認した。これは、まさに原石との遭遇──千載一遇のチャンス!そこで、慎重に交渉を進め、クライアントの要望通り独占販売権を取得したのだ。

帰国後は、日本での展示会出展戦略を練った。

日本の見本市でもデザイン賞を獲得できる製品であると確信したからである。そのためには、見せ方も大事になってくる。まずは、ポルトガルメーカーとタイアップして商品の特徴を徹底調査した。世界的な審査デザイナーへの審査アピール用に、選りすぐりの写真を用意し、丁寧なプレゼン資料を用意した。

そして展示会主催者にも協力提供品を出し、PR資料作りや主催者イベントに率先して参加し、機会をフル活用してアピールしたのである。

賞にノミネートされた商品が88点もある中、勝つための緻密な戦略とアグレッシブな活動の結果、思惑通り受賞することができたのだ。ポルトガルのメーカーもこの快挙を高く評価して、すぐに受賞記事を自社サイトに誇らしげにアップしてくれた。

綿密な販売戦略が功を奏し、あらゆるライバルを蹴散らし、初出店にもかかわらずデザイン賞を受賞。あらゆるメディアからの取材が殺到して注目が集まり、華々しいデビューになったのである。

まさに小が大を食う──「一夜にして大成功」を実現したのだ。海外で素晴らしい製品を見つけ、輸入するだけで人生がガラリと変わる。これが輸入ビジネスの最大の魅力である。

輸入ビジネスはライバルが仲間になる

普通、起業してビジネスをする場合、同業者とはライバルになりがちだ。

もしかすると、自分は素人だから、キャリア十分なプロの輸入業者と競争しては敵わない、などとあなたは思っているかもしれない。しかし、輸入ビジネスはライバルとの競争にならないのが特徴なのである。

それぞれがオンリーワンの商品を仕入れるのだから、競合にならないし、むしろ助け合う仲間もできやすい。私の周りにもたくさんの仲間がいる。なぜ仲間になるかというと、1人ひとりが一芸のスペシャリストだからだ。

例えば、お客様が自分の扱っていない商品を求めた時に、仲間の商品を紹介できる。ティーカップだけを扱っている人がテーブルクロスを求められたら、それを扱っている仲間を紹介する。ワインを輸入している人は、仲間でレストランをしている人に商品を卸したりしている例もある。

そうやってお客さんを紹介し合うことで人脈や販路を拡大し、お互いの売り上げを伸ばすことも可能なのだ。これはものすごく良い関係だとは思わないだろうか?同じような商品を扱えば、どうしても価格競争や広告競争でライバルになってしまう。

大量に仕入れる大きな会社が有利ということになってしまうことだろう。

けれども、私が提唱する本当本物の輸入ビジネスは、独占販売権を持っている商品を中心に扱うことが多いのだからライバルになりようがない。

むしろ仲間の重要性を感じるようになるだろう。お互いに助け合う力強いビジネスパートナーになるのだ。

価格競争をするのではなく、スペシャリストたちが手を取り合い、助け合って成長するビジネススタイル──輸入ビジネスは、未来のビジネスの形を先取りしているように見えるのは私だけだろうか?インポートプレナーになるということは、一芸のスペシャリストになるということなのである。

●ビジネスコラム時には韓信の股くぐりを使え

あなたは、「韓信の股くぐり」という言葉を聞いたことがおありだろうか。

韓信とは、中国の秦の時代の末期から前漢初期にかけてその名をはせた武将である。彼は劉邦の元で数々の戦いに勝利し、劉邦の覇権を決定付けたことでその名を知られている。

張良・蕭何と共に劉邦配下の三傑の一人で世界軍事史上の有数の名将としても後世にその名を残す人物である。その彼には、こんな逸話があるのだ。

ある日のこと、彼は町の無頼の青年に「お前は背が高く、いつも剣をさしてはいるが、実際には剣も抜けない臆病者に違いない。臆病者でないのならその剣で俺を刺してみろ。できなければ俺の股をくぐれ」と挑発されたのである。韓信は黙って青年の股をくぐり、周囲の者は韓信を大いに笑ったと伝えられている。

これを俗に「韓信の股くぐり」と言う。

大いに笑われた韓信であったが、「恥は一時、志は一生。ここでこいつを斬り殺しても何の得もない。それどころか仇持ちになってしまうだけだ」と冷静に判断したのである。

大志ある者は目前の小事には忍耐して争わないというたとえで使われる。交渉事では、あまりに自分の立場や面子に固執するあまり、結果的に利益を失ってしまうことが多い。

自分の立場や面子と利害は明確に分け、冷静に進めていくことが重要である。お互いの立場の論戦では、ボロ負けしていいのだ。あなたに必要なものは、自分の本来得たい結果のはずである。

そのためには、立場や面子にこだわってはいけない。相手の立場や面子を立てて気持ちよくさせながら利害の部分で勝てばいいのである。なにもあなたは全面的に勝つ必要はないのだ。

覚えておいてほしい。

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