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第6章今よりもっとおもしろくなる!おもしろい人の習慣

01おもしろい人は、日頃からネタを集めている

おもしろい人が「おもしろい出来事」を引き寄せる理由笑福亭鶴瓶師匠。落語家であり、言わずと知れた笑いの達人ですが、テレビ番組で、よく身近なところで起きたおもしろいエピソードを披露しています。「今日ここに来るまでに、こんなおもろいオッサンがおったんですわ」まるで鶴瓶師匠には笑える出来事が引き寄せられているかのように感じるほどです。どうしていつも鶴瓶師匠の周りではおもしろいことが起きるのか。その理由は、師匠のある習慣にありそうです。雑誌「日経ビジネスアソシエ」(2006年4月4日号)の記事によると、大阪~東京を仕事で行き来することが多い鶴瓶師匠は、新幹線内で必ずネタにできるようなおもしろい人や出来事を探すそうです。そうして見つけた「今日はこんなおもろいことがあった」といった出来事を、毎日ノートに記入しているのだとか。記事によると、鶴瓶師匠の周辺では1年間でなんと584個のおもしろいことがあったそうです。鶴瓶師匠は、この習慣を20歳の頃から約45年間、毎日続けてきたといいますから、1年で500個としてもノートには2万2500個のおもしろいことが記されている計算になります。それを何度も読み返し、すべて頭の中に入れておく。すると、どんな場面でもその場に最適なネタが、すっと浮かんでくるそうです。こんな地道な努力の積み重ねが、鶴瓶師匠を「笑いの達人」にしていたわけです。鶴瓶師匠のこの姿勢、ぜひ、私たちも見習いましょう。おもしろいことが起きるのを待つだけでなく、積極的に探す。その姿勢が、おもしろいことを自然と引き寄せるのです。メモの習慣が、あなたをもっとおもしろくする!なにかを見つけたら、それをすぐ書き留めること。これも鶴瓶師匠から学べることです。「あっ!」と思ったら即座にメモ。そうでないと新しいことを見つけたそばから、忘れていってしまいます。メモができない時は、携帯電話のメモ機能を利用して、声で録音しても構いません。ただし、できれば手書きをお勧めします。手書きでメモをとると脳が活性化されるからです。メモですから、箇条書き程度で構いません。先にあげた4W1H(「いつ」、「どこで」、「だれが」、「なにを」、「どうした」)だけでも大丈夫です。これらの材料があれば、映像化できる話を組み立てることができます。メモをちょっとした空き時間などにパラパラ開き、記憶の片隅に焼き付けておくとさらに効果的。それをくり返すうちに、会話が途切れた時などに「そういえば、この前、おもしろいことがあって……」と、自然とネタを思い出して話せるようになるのです。ちなみに私の場合、最近はスケジュール帳以外のメモ帳を持ち歩くことはなくなりました。その代わりに使っているのが「付せん」です。一度に複数の番組を担当し、さらに本を書くためのアイデアを考えなければならないため、メモ帳代わりのノートを持ち歩いていた頃は、何冊も何冊も持ち歩かなければなりませんし、情報の整理が大変でした。付せんならば、外でメモしたことをデスクに帰ってジャンル別のノートに貼るだけで自然と情報を整理することができてお勧めですよ。POINTおもしろいネタには自分から出会いに行く!メモの習慣がユーモアセンスを磨く!

02おもしろい人は、想像力を鍛えている

読書の習慣がユーモアを鍛える松本人志さんやビートたけしさんがそうであるように、おもしろい人は「想像力」が卓越しています。想像力を駆使して、映像をありありと思い浮かべることができるから、ディテールまでおもしろいトークができるようになるのです。ではどうやったら想像力を鍛えることができるのでしょう?まず、だれでもすぐにできるのが「読書」です。私がお勧めしたいのは、特に小説を読むことです。小説では、主人公の顔や容姿はもちろん、どういう場所で物語が進んでいるのか、その情景も、文字から想像しなければなりません。ですから頭に映像を浮かべる格好のトレーニングになります。また、心理描写から登場人物の心情を読み解くのは、空気を読む練習にもなるでしょう。想像力を鍛える最強のトレーニング・ツールは「落語」もうひとつ、私がお勧めしたいのは、落語を聴くことです。これまでも何度も登場している落語ですが、特にユーモアの源である想像力を鍛えるツールとしては、最強だと言っても過言ではありません。というのも、落語は耳で聴いた噺家の言葉を脳の中のスクリーンで映像化させて楽しむ芸能です。聴いているだけで想像力が鍛えられるのです。落語には、人間の弱さや情けなさを笑うユーモアの基本がぎっしり詰まっています。さまざまな噺を聞くうちに、自然とユーモアのセンスが身につくだけでなく、笑いのパターンまで理解できるのですから、これほどこの本の読者のみなさんにお勧めできるものはありません。と、これだけお勧めしても、どこかで「落語なんて古くさい」と思っておられる方もいるかもしれません。しかし、あの松本人志さんの笑いのセンスも、じつは小さな頃から聴いていた落語がベースとなっているのです。松本さんは子どもの頃、父親に連れられてよく寄席を観に行っていただけでなく、朝日放送で放送されていた桂枝雀師匠の番組『枝雀寄席』をいつも観ていたといいます。ビートたけしさんは五代目古今亭志ん生師匠のファンでしたし、自らも立川談志師匠に弟子入りして、立川梅春の高座名をもらっています。また爆笑問題の太田光さんも、談志、円生が好きだと公言していますし、伊集院光さんが落語家だったことはすでにご紹介したとおりです。現在も第一線で活躍する、お笑い界のスターのベースにあるのが「落語」。ユーモアセンスを磨くために、私たちも大いに学べるものがあるはずです。POINT落語は、ユーモアセンスを磨く最強のツール!

03おもしろい人は、「知識」をたくわえる

なぜ、おもしろい人は気の利いた返しが即座にできるのかどうして即座にこんなにうまい返しができるのだろう。あなたの周りにいるおもしろい人のリアクションやコメントを見て、そう思ったことはないでしょうか。頭の回転が違いすぎるのだ、そう感じている方もいるかもしれませんが、気の利いたことが言える人には、もっと別の特徴があります。それは、知識の量です。「たとえ」や「たとえツッコミ」のところでも書きましたが、「笑い」とは距離があるものが結びつくこと、つまり「異質な材料の新しい組み合わせ」です。たとえば、前にもご紹介したくりぃむしちゅー上田さんの「無茶ばかり言うなよ、かぐや姫か!」と即座にくり出す「たとえツッコミ」。これは「わがままな女性」が時空やフィクションの壁を超えて、「かぐや姫」と結びつくことで、新しい笑いがつくられています。この場合は、「目の前に現れた新鮮な材料(無理難題を言う女性)」と「自分の頭の中にストックされた在庫の材料(「かぐや姫って無理難題を押しつけているな」といった印象)」とが結びついたわけです。基本的に、ユーモアとはアドリブです。ですから、目の前に現れた材料を、いかに自分の中にあるストックと即座に結びつけることができるかどうかが勝負なのです。日頃から、頭の中のストックを増やしましょう。そうすることで、さまざまな状況で話のネタをつくれるだけの、材料を増やしていけるのです。「今」にフォーカスして情報を集めるさらに大事なのは、「幅広い知識=情報」にアンテナを張っておくことではないでしょうか。そう言われると、膨大な情報がある中で、どこから手をつけていいか迷ってしまうかもしれませんが、とりあえず、「今」にフォーカスしていろんな情報を集めることから始めてみましょう。今、流行っているもの。今、話題となっている社会現象や国際問題。今、あなたが気になっていること……。それらを、これまでよりもちょっとだけ深掘りしてみるのです。たとえば、「今、話題となっている社会現象」であれば、「そもそもなぜこんな現象が起きているのか」などを調べてみるのです。調べるのはウィキペディア程度で十分。それだけでも続けていけば、あなたには幅広い見識が養われていきます。そうして少しずつ蓄積された材料が、いつしか他の異質な材料と結びついて笑いを生み出すのです。POINT「知識量」がおもしろさの材料になる!

04おもしろい人は、「客観力」を鍛えている

おわりにお笑いの世界でもっとも野暮なこと。それは「この笑いのどこがおもしろいかと言うと……」と、解説することです。この本で私はまさしく、その野暮なことを書いてきました。それは、「自分にはユーモアのセンスがない」、「人を笑わせることなんてできない」と思い込んでいる人に、笑いとはセンスではなく、ちょっとしたコツをつかめば、だれでも人を笑顔にすることができることをわかっていただくためです。緊張の緩和。この原理を、ぜひとも応用してみてください。続けていくうちに、必ず相手のリアクションが変わってくるはずです。やがてあなたの発するちょっとしたひと言で、周囲に笑顔の輪が広がるようになります。コミュニケーションにはさまざまな形がありますが、もっとも楽しいのは互いに笑い合えること。ユーモアは、コミュニケーションでの最強の武器なのです。ぜひあなたも笑いを生むシンプルな公式を身につけて、最強の武器を手にしてください。きっとあなたの人生は大きく変わるはずです。最後になりましたが、私に、笑いとはなにか、その基本をお教えくださった六代目三遊亭円楽師匠に改めてお礼を申し上げます。師匠のもとでの修業がなかったとしたら今の私はありませんでした。また円楽師匠のもとで修業を共にして、今回、この本に推薦の言葉をくださった伊集院光さんにもお礼を申し上げます。そして拙著『企画は、ひと言。』に続き、編集を担当してくださった日本能率協会マネジメントセンターの柏原里美さん、今回もいろいろありがとうございました。最後の最後にこの本を手にとってくださった、すべての方にお礼を申し上げて執筆を終えたいと思います。ほんとうにありがとうございました!2016年12月吉日石田章洋

プロフィール石田章洋(いしだ・あきひろ)1963年、岡山県生まれ。放送作家。日本脚本家連盟員・日本放送協会会員。テレビ朝日アスク放送作家教室講師、市川森一・藤本義一記念東京作家大学講師。日本大学在学中に六代目三遊亭円楽(当時は楽太郎)に弟子入り。落語家になるも数年後、放送作家に転身。その後、30年にわたり各キー局のバラエティ番組・情報番組・クイズ番組・報道番組など、あらゆるジャンルのテレビ番組の企画・構成を担当。最近の主な担当番組は「世界ふしぎ発見!(TBS)」、「TVチャンピオン(テレビ東京)」、「情報プレゼンター・とくダネ!(フジテレビ)」、「BSフジLIVEプライムニュース」など。構成を手がけた「世界ふしぎ発見!~エディ・タウンゼント青コーナーの履歴書」が第45回コロンバス国際フィルム&ビデオ・フェスティバルで優秀作品賞を受賞するなど番組の企画・構成に関して高い評価を受けている。主な著書に『企画は、ひと言。』(日本能率協会マネジメントセンター)、『スルーされない技術』(かんき出版)、『ビジネスエリートは、なぜ落語を聴くのか?』(日本能率協会マネジメントセンター)、『インクルージョン思考』(大和書房)、『一瞬で心をつかむ文章術』(明日香出版社)など。(参考文献、資料)・『らくごDE枝雀』桂枝雀著、ちくま文庫・『人はなぜ笑うのか』清水彰・角辻豊・中村真著、講談社ブルーバックス・『笑う脳』茂木健一郎著、アスキー新書・『一瞬でYESを引き出す心理戦略。』メンタリストDaigo著、ダイヤモンド社・『オノマトペがあるから日本語は楽しい』小野正弘著、平凡社新書・『日本の笑いと世界のユーモア』大島希巳江著、世界思想社・『遥かなるケンブリッジ』藤原正彦著、新潮文庫・雑誌「PRESIDENT」2011年11月3日号、プレジデント社・Webサイト「世界は数字で出来ている」http://numbers2007.blog123.fc2.com/blogentry5874.html・Webサイト「本当にあった!?笑える話」http://tfccplanet.main.jp/8/kaisya3.html

装丁小口翔平+山之口正和(tobufune)本文デザイン新田由起子(ムーブ)イラスト寺崎愛本文DTP株式会社明昌堂

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