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第6章ウケるトークの話し方

第6章ウケるトークの話し方

ウケない理由の克服「伝える技術を磨く」ウケるトークの作り方を学んだら、次はいよいよ話し方を身に付ける番です。芸人さんを見ても分かるように、彼らはネタの内容はもちろんですが、話し方がとても魅力的ですよね。独特の表現方法や話し方の間、テンポの上手さで、聞き手はどんどん引き込まれていきます。ネタの内容を深めても、伝え方が下手だと面白い話にはなりません。逆に、ネタが弱い場合でも、話し方次第で面白い話にもなるんです。この章では「伝える技術」を学んでいきましょう。ウケるトークを聞き手に伝えるためには、表現方法を豊かにする必要があります。豊かな表現は、聞き手の興味を引き付ける効果があるんです。さらに、あなたのその豊富な語彙力によって、聞き手はあなたに一目置くようになるでしょう。そこで、ぜひ習得しておきたい表現方法があります。それは、スピーチや文章に豊かな表現を与えるための技法です。ここでは、その中からウケるトークで使うと有効なテクニックを2つ紹介いたします。比喩を使う比喩とは、物事をそれと共通した、別の物事に置き換えて表現する手法です。比喩を用いることで、聞き手は、その物事をより実感することができます。比喩には、直喩と隠喩の2種類があります。〔直喩〕「まるで~のようだ」「もし~ならば」「~なほど」のように、比喩であることを明らかにしている表現方法。〔隠喩〕比喩であることを明らかにしない表現方法。「まるで~」や「~なほど」などを用いないため、その表現方法を知らない人が聞くと、勘違いする場合もあるので注意。例えば、直喩で「すごい音のイビキ」を表現するなら、「まるで~のようだ」を使って「まるでゴジラの雄叫びのようなイビキ」と例えてあげると、聞き手はよりイメージしやすくなるでしょう。また、「お前をこらしめてやりたい」という表現を、「もし~ならば」を使うと「もし俺が神様だったら、お前には一番キツイ罰を与えるのに」と言い換えることで、こらしめるという直接的な表現が柔らかくなり、笑いに持っていけます。ほかにも「オナラが臭い」という表現を「~なほど~」を使って、「お前のオナラは小動物を殺せるほどのニオイだ」と例えたとします。強烈なオナラのニオイで小動物が倒れている姿を想像すると面白く感じませんか?一方、隠喩は直喩と違って、聞き手が理解できないと、比喩ではないように聞こえる場合もあります。例えば、「100万ドルの夜景に見とれるなよ。10円の笑顔のくせに」という表現を使ったとしましょう。これには2つの隠喩が入っています。まず、夜景の美しさを「100万ドル」と例えています。余談ですがこの例えは、香港の夜景に使われる一晩の電気代を算出して「100万ドルの価値」と表現したのが由来だそうです。しかも、算出した人が電力会社の人らしいので、結構的を得た表現かもしれないですね。そんな「100万ドルの夜景」に見とれている相手に対して、毒づいたのが、「10円の笑顔」という隠喩です。この意味が分からないと、「10円?笑顔1回が??」などと、よく分からない返しをされてしまいます。ほかにも、隠喩としては、「心の傷に思いっ切り塩を塗り込みやがって!」とか「頼むから3回死んでくれ!」などといったように、実際にはできない、不可能である物事を、例えとして使う場合が多いと言えます。どちらの比喩の方がそのフレーズにふさわしいか、いろいろと試してみるといいでしょう。

擬態法を使う擬態法とは、様子を表した擬態語や、音を表した擬音語を用いた手法です。擬態法を使うことで、トーク内容に臨場感を出すことができます。〔擬態語〕実際にはそんな音はしないが、その物の様子、動き、心理、状況などを音で表した言葉。〔擬音語〕人、動物、物事などから、実際に聞こえる音や声を表した言葉。擬態語の例は、「とても静かである」という様子を、「シーン」という音で表現して、「とてもシーンとしている」と言ったり、「演奏にまとまりがない」という様子を、「バラバラ」という音で表現して、「お前らの演奏はバラバラじゃないか」と言ったりすることです。これにより、臨場感あふれたトークが可能になります。また、擬態語は自分の心理を表す際に用いるとより効果的なので、「君の発言を聞いてるとハラハラする」とか、「興奮して心臓がバクバクしてきた」といったように、上手く使ってやると良いでしょう。対して、擬音語は、実際に聞こえる音をそのまま表現していますが、これも擬態語と同じように、トークに臨場感を持たらす効果があります。例えば、「理科の実験中、ドッカーンって爆発した」と、爆発音を「ドッカーン」と表現することで、聞き手にその激しさを伝えることができますし、「犬にギャンギャンと吠えられた」と、犬の鳴き声を「ワンワン」ではなく「ギャンギャン」とすることで、よりすさまじさが感じられるようになります。これら「比喩」や「擬態法」は話を彩るための、化粧のようなものです。絶対に使わなければならないというわけではないですが、効果的に使うことで、あなたの話し方がより華々しく輝き出します。聞き手からは話の上手い人とみられるでしょうし、自分自身も話していて楽しくなります。

登場人物を演じ分ける芸人さんの話には、たいてい自分以外のだれかが出てきます。それは、オバチャンだったり、後輩芸人だったり、自分の身内だったり、キャラクターの濃い人物たちです。そして、話し手の芸人さんは、そこで巻き起こった状況説明が面白いのはもちろんですが、そのキャラクターたちの言い回しや話し方までもが、まるでその場にいるかのように、臨場感あふれる話ぶりで伝えてくれます。これは、話し手がトークの中に登場する人物を見事に演じ分けているからです。この演じ分けを行うことで、聞き手はより話に集中してくれるようになります。そのために、常日頃から人をよく観察しておくことが必要です。サラリーマンはどんな風に話すのか?ちょっと怖いお兄さんなら?大阪のオバチャンは?表情、態度、しぐさ、話し方の特徴をきちんととらえられるようになりましょう。そして、実際にネタを作る際には、登場人物のセリフや特徴を入れてあげることで、より臨場感あふれるトークが可能になります。ここで、次の2つの例文を比べてみてください。〔状況説明のみ〕「僕が商店街を歩いていると、大阪のオバチャンが、自転車のベルを激しく鳴らしながらやってきた。道を譲ったにもかかわらず、自転車で僕に突っ込んできた。その瞬間、自分からぶつかってきたのに、文句を言われた。ふざけるなって感じだよー」〔セリフや特徴入り〕「僕が商店街を歩いていると、大阪のオバチャンが、自転車のベルをジリンジリンジリンと激しく鳴らしながらやってきた。道を譲ったにもかかわらず、自転車で僕にガッシャーンと突っ込んできた。何するんだよ!って思ったその瞬間、自分からぶつかってきたのに、オバチャンがひと言。『痛いわぁ~、ケガしたらどうすんねん!』って……。いやいや!それはコッチのセリフだろ!!」どうでしょう?後者の方がより臨場感が出ているはずです。このように、話し手である自分の気持ちや状況説明とは別に、話の登場人物のセリフを、役になり切って演じてあげると、よりウケるトークに仕上がります。そのためには、まず相手の特徴をしっかりととらえることが大事です。声の出し方やテンポを変える比喩や擬態法を使ったり、登場人物になり切って表現を豊かにしても、聞き手にその状況をリアルに伝えるためには、声の出し方を工夫したり、テンポの良いリズムで話したりする必要があります。次の文章は、先の「登場人物を演じ分ける」の項で使った「大阪のオバチャン」の話を、より詳しく描いたものです。これを、声に出して読んでみてください。その際、聞き手を話に引き込ませるように、状況をリアルに伝えることを意識してみましょう。「大阪のオバチャン」「ある日曜の昼下がりのことです。久しぶりに会った彼女と一緒に、僕は商店街をのんびり歩いていたんです。『なんか、商店街って時間がゆっくり流れているよね~』とか言いながら。でもその平和な時間は、あっと言う間に終わってしまいました。いきなり後ろから『ジリジリジリーン』って、ものすごい音がしたんです。パッと振り返ると、ヒョウ柄のTシャツにスパッツ姿の、ザ・大阪のオバチャンって感じの人が、自転車のベルを激しく鳴らしながら、僕に突進してきたんです!『危ない!』と思って、道を譲ったにもかかわらず、まるで狙いすましたかのように、一直線に自転車で僕にガッシャーンと突っ込んできたオバチャン。『何するんだよ!』って思ったその瞬間、自分からぶつかってきたのに、オバチャンがひと言。『痛いわぁ~、ケガしたらどうすんねん!』って……。いやいや!それはコッチのセリフだろ!!」さて、感情をたっぷりと込めて読むことができたでしょうか?この話は、彼女とのんびり幸せそうに歩いている前半と、自転車に乗ったオバチャンがぶつかってきたという後半で、声の出し方やテンポを変えるといいでしょう。前半部分は、ゆっくり穏やかに話をして、後半ではスピードを上げ、声も大きめに話すなど、表現方法を変えましょう。さらに、この文章に出てくる、「のんびり」や「ものすごい」といった状況を表すときの声の出し方も、「のぉ~んびり」や「ものすっっごい」というように、抑揚を付けることで、より聞き手にリアルに伝えることが可能になってきます。動きでフォローする言葉による伝え方を学んだら、次にするべきことは、体を使った伝え方の工夫です。直立不動で口だけ動かして話をする人よりも、体全体を使って話をする人の方が面白く感じませんか?実際、芸人さんはよく動きます。彼らのトーク映像を早送りで見ると、身ぶり手ぶりを付けて話していることがよく分かるはずです。体を使って話をすることのメリットとしては、次の2点が挙げられます。聞き手の注意を引きつけられるトークがより伝わりやすくなる

ただ突っ立って話をしているだけでは、聞き手の視線はあなたの口元だけに行き、集中力は途切れてしまいます。しかし、身ぶり手ぶりを加えることで、聞き手は常に新鮮な刺激を得られ、あなたの全体を注目してくれます。その結果、あなたの話を最後まで集中して聞いてくれやすくなるでしょう。また、大げさな動きでトークをフォローすることで、話の内容がより理解しやすくなります。例えば、自転車に乗っていた話をするとします。そのとき、あなたは両手を回転させて、漕いでいる動きをすることでしょう。もちろん、実際の運転では、手はほとんど動かしません。でもトークの場合は、こうした大げさな動きがあった方が、聞き手にとってより理解しやすい状況を生み出してくれるんです。さらに、動きは体だけではありません。顔の動き(表情)も欠かせない武器となります。芸人さんは、例えば、だれかに怒られた話をするとき、その怒った人になり切って話しますが、その表情はまさにその人が乗り移ったかのように「怒り顔」のはずです。これがもし、怒り口調だけで、顔は普通だったら、聞き手には伝わりにくいでしょう。表情の変化を付けることで、より臨場感あふれるトークができているんです。では前章で作ってきた「彼女の言い間違い」の話を、本章でお話ししたポイントを取り入れて、完成させてみましょう。

「彼女の言い間違い」【完成型】「(全体的にゆっくりとしたテンポで)僕には、3年付き合ってる彼女がいるんですけど、その彼女がテレビを買い換えたいって言うので、一緒に家電量販店に行ったんですね。7階建ての店内はすっごく広くて(手を広げる動きをする)、3階がテレビ売り場だったんですけど、そこにはたくさんのテレビが並んでいたんです。テレビ売り場の画面って、大抵全部同じじゃないですか?その店では、コブクロのライブ映像が流れていて、ちょうど、コブクロの背の高い方が熱唱しているところがアップで映ってたんですよ。彼女、それ観てテンションが上がったのかウットリ(見とれる様子/擬態法)しちゃって、その画面に釘付け(釘付け/比喩、見とれる動きをする)になってるんです。僕も「さすが、最新のテレビは映像も音もキレイだな~」とか思って観てたんですよ。そしたら、彼女が僕に向かって、いきなりのひと言。「コブクロの背の高い方、性欲すごいね!」(感動したように演じ分ける)って。(ここから声のトーンとテンポを上げて)はぁ?性欲??それを言うなら、声量だろ!!性欲は知らねぇよ!(ツッコミ口調で)もう店員さんもビックリ(驚く様子/擬態法)して二度見(二度見の動きをする)してくるし、彼女真っ赤になって、売り場から逃げてくし。(最後、ゆっくりとしたテンポで)結局、その日はテレビも買わずに、コブクロの声量のすごさだけ確認して帰りました」いかがでしょうか?皆さんも、「比喩」「擬態法」「登場人物の演じ分け」「声の出し方やテンポ」「顔の表情や体の動き」など、使えるものは何でも使って、ウケるトークを完成させてください!

 

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