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第5章輸入部門を永続的に続けるには

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第5章輸入部門を永続的に続けるには

1定期的に展示会に参加する

お客様に個別に頻繁に営業することができればいいのですが、今の時代、アポイントを取るのも大変です。少人数ではじめる場合、訪問できるタイミングもあまり多くないでしょう。

まして、これまでのビジネスもしっかり継続していくとなると、輸入ビジネスに割ける時間は限られます。私の会社は以前、会津若松にありましたので、頻繁に東京や大阪へ行くわけにもいきませんでした。

そこで私は、定期的に展示会に出展し、案内をそのたびに送るようにしていました。すると常連になってくれるお客様がだんだん増えていき、そのお客様が別のお客様を連れてきてくれることもありました。

地方の小売店のオーナーさんたちも、東京で開かれる展示会には数多くのブースが出ていることから参加しやすいので、案内状を出して立ち寄っていただきましょう。

リピーター向けの案内状には工夫が必要です。セールスレターを3、4枚添えます。とにかく、展示会にきたら「最初に寄ってください」とお願いします。

例えば、「お荷物を預かります」と案内するのです。展示会は会場が開いてすぐはあまりお客様がこないのですが、お荷物を預かることで、真っ先にきていただけます。

荷物を預かっておけば、帰りにも寄っていただけます。つまり、最低限、2回はお話ができるのです。「毎年、春と秋に出ています」と案内できれば、お客様も安心します。

年2回がムリでも、毎年1回、あるいは2年に1回と、決まった周期で必ず同じ展示会に出展します。出したり出さなかったりはしない。

そうすることでお客様が「今度は何を展示しているのか」「どんな話が聞けるのか」とワクワクしながら訪ねてきてくれるようになります。

このような中長期の関係を前提に築いていくのです。規模が小さくても、信頼を築くことで、お客様にとっては「必ず立ち寄りたいブース」へと育っていくのです。

定期的に国内の展示会に出てお客様に会うことはフォローだけではなく、新しいお客様との出会いを常に求めていかなければならないからです。

努力したとしても、お客様は自然に毎年2割くらい減っていくものです。ですから、毎回、展示会で新しいお客様を開拓しましょう。

展示会に一度だけ出展したぐらいで、あなたのことやその商品の魅力を十分に伝えることはできないと思っておきましょう。

展示会にやってくるお客様の数は膨大ですので、数年同じ商品を出していても、そのお客様にとっては「はじめて見た」となることも多いのです。

買いつけにきた人たちも担当者が変われば、以前は無視されていた商品に目が向くこともあります。「ぜんぜん気づかなかった!これ、いいですね!」と何回目かの展示会でようやく見つけてくれるお客様もいます。

「前回も出していましたよね」と声をかけていただくこともあります。「去年、寄ろうと思ったけど、寄れなかった!」という声も多数聞かれます。

展示会を見ると、同じ商品を何年も出しているブースはかなり多いのですが、それは、いつも出展して同じ商品をアピールし続けることで、はじめて認めてくれるお客様もいるからなのです。

「毎回、出ていますね」と知られるようになれば、それもブランディングにつながります。出展をはじめて2年後に、はじめて購入してくれた、といった話もよく耳にします。

つまり、同じ商品を出しているということは、それなりに売れている証明となりますし、私たちが継続的に事業をしていることを知っていただけるので、信用にもつながります。継続することで、販売のチャンスも増えていくのです。

2新商品を提供する

先ほど数年同じ商品を出してもいいとは言いましたが、できるだけ新商品を供給するに越したことはありません。どんな商品にもライフサイクルがあります。1つの商品には寿命があります。

最初の年は売れても翌年は売れないかもしれないのですから、常に新しい商品の発掘をしていく気持ちが大切です。新商品を定期的に提供する場合、例えば春に欧州へ行って見つけた商品を、秋の日本の展示会に出展するのが理想です。

しかし、そう計画したとしても、メーカー側の都合もありますから、実際には、私たちの思うようなスケジュールでは進まないこともあります。そもそも、「すぐ送ります」と言っていたサンプルが、なかなか届かないことも珍しくありません。

だから、常に2、3社のメーカーと交渉してサンプルを送ってもらうようにし、日本の展示会にタイミングが合う商品から展示していくのです。

「たった今、到着した新商品です」と案内することで、きていただいたお客様にも喜んでいただけます。輸入ビジネスのサイクルが回りはじめると、毎回、ゼロからの発掘ではなくなります。

同じメーカーの新商品はもちろんですし、海外の展示会で知り合った人たちからの紹介や口コミなども生じてきます。さらに、営業熱心な大使館など貿易関係の人たちからの誘いもあります。

「基本的には、こういうお客様が買ってくれるのではないか」とターゲットを想定しながら、海外からサンプルを持ってくるのですが、展示会に出すことにより、思いがけないお客様からオファーがくることがあります。

「おもしろい商品ですね。これって、こういう使い方、できませんか?」とか。「ここにポケットをつけてくれたら、魚釣りでも使えるのにね」とか。「そういうニーズがあったのか!」と、驚くようなことがよく起こります。

私の場合も、産婦人科から引き合いがあったり、映画の製作会社や芸能プロからのオーダーに驚いたこともあるのです。展示会には、想像もしなかったお客様との出会いがあります。それは、まるで、新しい市場が向こうからやってくるようなものです。

この新しい市場が、私たちにヒントをたくさんくれます。たくさんの学びが、次に海外へ行ったとき、商品を見るときの観点に加わります。それが毎回積み重なっていくことで、あなたは輸入ビジネスの幅を広げていくことができます。まさに継続は力なのです。

個人転売との決定的違い

BtoCには楽しみもあればおもしろさもあるのでしょうが、顧客対応、営業、ネットの更新、SNS対応、さらに商品の梱包・発送、在庫管理と、毎日毎日、膨大な作業に追われてしまい負担になってきます。

自社のサイトではなく、アマゾンなど大手ECに出店して個人で販売する仕組みもよく知られています。そして、そのやり方を懇切丁寧に教えてくれる人たちもいます。

ただ、これは同じ輸入に付随するビジネスでも、私が推奨する輸入ビジネスとはまったく違うものです。

  • 他社がつくったECプラットフォームを使う
  • 価格の決まっている商品を扱う

この2つの点で、ここまで学んでこられたあなたならすでにおわかりのように、他人の仕組みでビジネスをすることになってしまいます。

これでは、最初から利益がほとんど残らない構造にあることは明らかでしょう。大手ECは、自分たちにとって不都合なアカウントはすぐに停止することもあり、いつビジネスが途切れてしまうかわかりません。

こちらの努力では超えられない壁が最初からあるのです。どれだけ大手ECに貢献しても、例外は許されず、何かあればすぐバッサリと切られます。彼らからすれば、面倒な対応をするより、あっさり切るのが一番簡単だからです。

あなたは、世界中に何万とある業者の1つにすぎないからです。さらに恐ろしいのは、あなたが儲けていることを大手ECが察知したとき。

「これは儲かる!」と大手ECが直接サプライヤーと取引をはじめてしまうことです。昨日の友が今日の敵になってしまうのです。

消費者からすれば、「よくわからない個人商店から買うより、大手ECから買ったほうがいい」ですから、すぐに乗り換えられてしまいます。

そうすれば、たちまち、あなたの売り上げは減少していくことでしょう。おまけに、販売価格は自由にならず、大手ECにも手数料を払うので、利益率がとても低くなってしまい、「働けど働けど」な状態に陥りやすい。

だからこそ、輸入ビジネスの王道であるBtoBでやるのです。輸入ビジネスはしっかりした土台の上に立つビジネスとして取り組む価値があります。BtoBとして自分の仕組みでビジネスをしていくとき、必ずやっておかなければならないことがあります。

それはメーカーの責任者と必ず直接会うことです。これがとても重要なのです。確かにインターネットの普及によって、遠隔地とも簡単にリアルタイムでやりとりができてしまいます。ECでの販売活動なら、誰にも会うことなく進めることができます。

ですが、こういう時代だからこそ、必ず会うことを実践していただきたいのです。なぜなら、これから10年、20年と長く取引を続ける関係を築くのが前提だからです。パートナーシップを強固に築きたいのです。

どんな顔をした社長が、どんなところで製品をつくっているのか。どんな考え、コンセプトを持っているのか。必ず会ってご自分の目で確かめてください。販売店に対しても同じです。

この商品を消費者に届けてくれるのは販売店ですから、どのような人が経営し、どのように販売しているのかを知らないで取引をすることはありえません。

私も何度も何度も痛い目に遭ってきましたので、せめてご縁があったあなたには、慎重の上にも慎重に取引をして欲しいと心から願っています。

そして、できるだけトップと会うことを心がけてください。順調なときは、会わなくてもうまくいくでしょう。でも、何か起きたときのことを考えてください。

不良品が出たとか、クレームが出たといったときに、どう対応するのかは、重要なポイントになります。何かトラブルがあったときに、トップに会っているかいないかで、自ずと対応に差が出てしまうことでしょう。頻繁に会うことのできない相手だからこそ、きちんと一度は会って話をしましょう。

4ビジネスの秘訣は諦めず長く続けること

野球の打率で3割ならトップの成績です。商品発掘もそれくらいの打率で十分に成功できます。10個のうち3つ売れれば、大成功と言えます。大切なことは、打席に立ち続けることです。

「絶対にホームランを打つ」と宣言して打席に立ち、打てなかったら、次のチャンスがないとすれば、その人には二度とホームランを打つチャンスはきません。

あなたもくれぐれも「一発当てる」ために、1回だけ輸入ビジネスを試そうと多大な資金を投じたりしないようにしてください。それよりも少ない資金、少人数ではじめて打席に立ち続けることを目標にしてください。

少人数で対応するためには、1つメインのメーカーを見つけ、他に2社ぐらいのメーカーを保険として常に用意できていれば理想的です。

それ以上に増やすと、営業面も管理面も難しくなっていきます。いたずらにメーカーを増やしても、対応できなくなるため結果的に売上増にはつながらないのです。

ヒットを出したい、ホームランを打ちたいと、たくさんのメーカーと交渉したとしても、自分の資本や時間のキャパシティーを超えてしまうことも多いものです。

もちろん思惑がはずれ、まったく売れない、いい反応が得られないこともあります。商品があまりにも進みすぎていると、日本市場にはまだ早すぎたということも起こりえます。

ですが、その場合でも、あなたは最初の100万円(渡航費用、サンプル費用、日本での展示会出展費用)と自分の時間を失っただけです。あとから、ローンの返済だの、責任問題だのがのしかかってくるわけではありません。

「今回はダメだった。じゃあ、次はうまくやろう」と言えるはずです。売れても売れなくても、せっかくの縁なのですから、海外のメーカーにも日本の販売店にも定期的に連絡を取ってください。

「あれは難しかったですね。次はきっといい結果が出るようにがんばります」と、取引の継続を前提に営業活動をしていきましょう。

商売は信用が大事ですが、その信用を感じていただくためには、継続していくことが大事なのです。「商いは飽きない」と言われるように、実直に続けていく姿勢が評価される世界です。

おまけに、輸入ビジネスは、飽きない商いです。おもしろいことがいろいろとあるので、飽きることなく続けられるはずです。

そして、このビジネスの継続のための経費は毎年ほとんど変わりません。商品点数が増えれば、ブースを大きくする、こちらの要員を増やすといったことも将来は考えられるでしょう。

それだけ経費は上昇しますが、そのときは、そもそも売り上げが大きくなっているはずです。成長しているのです。机の上でパソコン相手にビジネスをしていたのでは、こうした成長はなかなか体験できないのではないでしょうか?

5既存の顧客を考えた商品探し

はじめて輸入ビジネスをしようというときにはちょっと考えられないかもしれませんが、まったく不可能ではないのがオリジナルベースの開発輸入という手法です。

あなたが「こういうものを売りたい」と思っている商品を、海外メーカーにオリジナルでつくってもらうのです。つまり、自主企画商品です。あなたの会社で今販売しているものに加えて、「当社オリジナルの商品」を開発するのです。

オリジナル商品のいいところは、競合がないので安売り競争に巻き込まれる可能性が低く、ブランドイメージをつくりやすいことです。

もちろん、いくらで売るかは、あなたの考え次第。好きな価格をつけられます。さらに「開発もやっているのか」と、あなたの会社のパワー、ユニークさをアピールすることもできます。

もちろん、いいことばかりではありません。場合によっては、開発にかかる初期費用の負担を求められることがあります。例えば、プラスチック製品の場合、新たに金型をつくることになるので、その費用を請求されるかもしれません。

また、この場合は合意が成立したあと、ある程度のボリュームで購入することが求められるでしょう。そのため、それを売りきる営業力も必要になります。実は、最近、日本のメーカーの人たちも私の輸入ビジネスセミナーにやってきます。

これから売り上げを増やすには、自社で新製品を開発するか、これまでの製品をさらにたくさんつくって売るか。いずれにせよ、開発費、製造ラインなどの設備投資費用がかかります。さらに環境にも配慮しなければなりません。

そうしたことを考えると、設備を持たずに商品の幅を広げられるとして、輸入ビジネスに注目するのは当然のことでしょう。

OEMのように、自社ブランドとして販売することも可能です。小売業なら、プライベート・ブランドのように販売することもできます。

私の経験として、大手のブランドから「こういう商品はつくれませんか」と、設計図を持ってきて依頼されたこともありました。

そのときは、さっそく友好的な海外メーカー数社に声をかけ、見積もりを取り、サンプルをつくってもらい、その中で一番条件のいいところで製作し納品したのです。

海外メーカーも大喜びです。「日本の大手ブランドの商品をつくった」という実績になるからです。

これまでは単なる輸入だけでしたが、メーカーにとっても格が上がる仕事を取り次ぐことができ、パートナーとしての関係性が深まりました。

開発まではいかなくても、すでにあなたに顧客がいるなら、その顧客の欲しいものに特化して商品を発掘してくるのも有効です。

身近な例で言えば、美容院などでお客様向けに他では手に入らないシャンプーなどを用意していますが、発想としては同じです。

もしあなたがスクールを展開しているなど、多くの会員や生徒を抱えている会社であれば、その会員や生徒向けに商品を輸入して販売することができるでしょう。

日頃、お客様の声を聞いているあなたのことですから、「こうなればいい」「ああいうのはないか」といった意見を参考にして、商品を探すこともできるのではないでしょうか。

こういったことをすることによって副次的効果もあるのです。例えば、次の3つはその代表的なものでしょう。

  • 自分たちの欲しいものを提供してくれるいい会社、というイメージ
  • 自分たちのニーズをちゃんと聞いてくれる姿勢への評価
  • 顧客のために努力してくれる、という信頼感

お客様に対して、定期的にニーズ確認をし、注文を受けてから海外メーカーに発注するなどすれば、ロスもほとんどなく、しっかりと利益につながるはずです。

「他では手に入らないものが買える」わけですから、お客様のあなたの会社へのロイヤリティも高まることでしょう。特別な会社だ、と位置づけてもらえるかもしれません。その結果、口コミなどによってお客様の数が増えていくことも考えられます。

輸入ビジネスの実践者たち⑤北海道に居ながら全国展開。

メーカーからの信頼も厚い◎ハナエミグローバル合同会社代表保住智絵さん(http://hanaemiglobal.jp/)ハナエミグローバル合同会社(北海道帯広市)の代表・保住智絵さんは、3人のお子さんを育てながら、ユニークなキッチン用品などの輸入ビジネスに取り組んでいます。

──展示会でとてもすばらしい出会いがあったそうですね2018年に海外展示会「メゾン・エ・オブジェ」(パリ)でスイスのメーカーであるBettyBossi(ベティ・ボッシ)と出会って、独占販売権を得ました。

ビジネスパートナーとして信頼関係を築くことができ、ベティ・ボッシの国際部門の人たちと「これから日本市場を大きくしていこう」と話をしています。

2019年にはベティ・ボッシの各国代理店の集まるワークショップがあり、そこで日本の代理店として紹介していただきました。スイスが本社ですので、北海道と気候なども似ていて親近感があります。

──どのような商品なのですか?マヨネーズを簡単につくれる器具や、ハッシュドポテトメーカーやスライサーなどのキッチン用品が中心です。

便利な上、安全に調理ができるので、お子さんと一緒に料理ができて家庭が楽しくなります。

──はじめるときは不安もあったのでは?英語の面で意思疎通がとれるのか、と少し不安でしたが、問題ありませんでした。

こちらは買い手だからでしょうが、「そんなの気にしなくていいよ」とメーカーさんが言ってくれることが多かったのです。仕入れは通関業者さんに任せたので問題もなくスムーズでした。

──販売面も順調そうですね問屋を通してヨドバシカメラ、ビックカメラに商品を置いてもらっています。

帯広に住んでいるので、何かと不便ではないかと思われるかもしれませんが、まったく問題ありません。問屋さん、小売店のバイヤーさん側が「次にこちらにくるときに連絡をください」と言ってくださって、私の予定に合わせて商談をしていただきました。ただ、やってみて難しかったのは海外メーカーとの契約でした。かつて貿易実務を経験したことがあったのですが、契約については経験がありませんでしたから。

──テレビショッピングも予定されているとか?ベティ・ボッシの製品はキッチン用品ということもあって、テレビショッピングなどへの展開も可能性があります。

そこに卸す問屋さんがとても乗り気なので、タイミングを見ているところです。小売店もロフト、東急ハンズなどでの販売を目指しています。また、地元の北海道のお客様も開拓していく予定です。

※BettyBossi(https://www.bettybossi.jp/ja)

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