認識の修正は、怒りの客観視から始まる イライラ、ムカムカを具体化する
では、さっそく本章では、「認識の修正」つまり「怒りを生み出してしまう仕組み」を修正するための具体的な方法について述べていきましょう。
ここでは、まず、自分がどのように物事を認識して、どのように怒りを感じて、そしてどのように行動しているのかを自分自身でよく知ることが基本です。
「認識の修正」は自分自身の怒りを客観視して、よく知ることから始まります。どうしてイライラしてしまうのか、どのような状況で怒りを抱くのか、どのくらい強い怒りなのかなど、単なる「イライラする」「怒る」ではなく、もう少し具体的に「イライラ、怒りの正体」を知るのです。
「スケールテクニック」で怒りを測る
では、まずは初歩的な方法をここで一つご紹介します。
それは、「怒りの強さを自分なりに数値で計測すること」です。これはアンガーマネジメントでは、「スケールテクニック」と呼ばれます。スケールテクニックは、怒りの強さを自分なりに測ってみる方法です。
多くの人が怒りについて誤解をしています。
怒りは「怒っている」か「怒っていない」の2種類しかない、と。
けれども、それは違います。
怒りには段階があるのです。「軽くイライラしている程度の怒り」から、「誰かに文句を言ってしまうような怒り」、「腹いせに人を攻撃したり、物を投げたりするような強い怒り」などいろいろな種類の怒りがあり、いろいろな強さの怒りがあるのです。
怒りには強さの段階があるということが理解できると、自分自身で、「このくらいの強さの怒りであれば全然問題ない」「これくらいの強さの怒りだから少し気をつけて対処をしていこう」など、今、自分の感じている怒りについて、どのように対処すればいいのか判断できるようになります。
仕事でも、その難易度に応じて「楽に自分で処理できる」「労力はかかるが自分でできないことはない」「誰かに手伝ってもらったほうがいい」「上司にまかせよう」などの判断ができるようになると、ムダに不安にならず、スムーズにいくようになりませんか。
それと同じです。
怒りの段階を自分で測れるようになると、目の前の怒りに対処しやすくなるのです。スケールテクニックでは、あらかじめ怒りの段階と対処方法を決めておきます。
例えば、次の図表のように、怒りを10レベルに段階分けして、対処法を考えておくのです。
そして、怒りを感じたときに、この図表を思い出し、「あ、今、レベル3の怒りだな。軽いイライラとはいえ、もう少しで強い怒りになりかねないからな」「この件に関しては、レベル8の怒りだな。すごく強いムカつきを感じる。これは早急に手を打たないと」と、自分で自分の怒りを判定するのです。この訓練をしていくことで、あなたはだんだんと「怒り」を客観的に見ることができるようになります。
すると、あなたが感じるムカムカやイライラ、衝動は、今よりももう少し「対処できるもの」になっていくのです。
では、実際にスケールテクニックをやってみましょう。
今の自分の怒りは、10段階のどのレベルか
「スケールテクニック」はこのように行います。あなたは今、出社するために電車に乗っています。すると、「社内忘れ物調査のため、少々停車します」というアナウンスが流れてきました。
アナウンスを聞いて、あなたは、「なんだよ、こんな朝っぱらから。忘れ物調査って!」と軽くイラッとしました。
ここからがスケールテクニックです。
この軽くイラッとした気持ちをコントロールするために、まずスケールテクニックを使って、この怒りを10段階評価してみました。
今のイラッとした感情を先ほどの10段階に当てはめてみると、レベル2くらいのものと思えました。
十分にコントロールできる怒りの強さです。
そこで、次にコーピングマントラ(第4章『コーピングマントラ……魔法の呪文を唱える』参照)を唱えることにしました。
「大丈夫。少しくらい遅れても問題ない」「こんなことくらいなんでもない」と、呪文のように何度かそう自分に言い聞かせるうちに、イラッとした気持ちはどこかへいってしまいました。
そして、「あぁ、そうだ、せっかくだからもう少し新聞を読むことにするか」と頭を切り替えて、新聞を読み始めるのでした。
いかがでしたでしょうか。
自分の今の怒りがどの程度の強さのものかや、その対処法を知っていれば、怒りを感じても焦らず冷静にコントロールできるようになります。
スケールテクニックは、自分の怒りの強さを自分で測り、それに対する対処法を考えておくことで、怒りをコントロールしやすくするテクニックです。
ふだんから怒りを感じるごとにスケールテクニックを使って、怒りを測ってみてください。
何度も行ううちに、意識せずとも怒りの強さを知ることができ、その怒りに対して自然に対処法を行うようになれるでしょう。
見えると「怒り」は扱いやすくなる 怒りの自己観察ツール「アンガーログ」
さて、怒りに段階をつけるスケールテクニックで、怒りを客観視することを知っていただいたと思います。では次に、もっと具体的に怒りを客観視する方法に入っていきましょう。
それは、「アンガーログ」と呼ばれる自己観察ツールを使って、自分が物事をどのように認識しているのか、どのように怒りを感じているのか、どのように行動したのかを記録していくという手法です。
怒りを、記録することで「見える化」するのです。アンガーログは、「怒り」を紙に書いて記録します。紙に書いて記録することは大きなメリットがあります。紙に書くためには、ある程度情報を整理しないと書けません。
頭の中でなんとなくわかったつもりになっていたことでも、いざ紙に書こうとすると書けないことは結構あります。漢字で「薔薇」という字を読める人は多くいても、実際に書ける人は少ないのとよく似ているのかもしれません。
また、紙に記録を残しておくことで、自分の認識の変化、考え方の変化、感情の変化、行動の変化などがあとから振り返って分析しやすくなります。
「紙に書く」ことで自分の感情を客観視する
「アンガーログ」は次のような形式で、各項目を記録していきます。
- 日時……………怒りを感じた日時を書きます
- 出来事…………怒りを感じた状況について簡潔に書きます
- 思ったこと……その状況をどう思ったのかを書きます
- 感情……………その時どのような感情をもったのかを書きます
- 感情の強さ……スケールテクニックを使って感情の強さを測ります
- 行動……………どのような行動をとったのかを書きます
- 結果……………行動をした結果、どのような結果になったのかを書きます
アンガーログは怒りを感じたら、そのたびに記録をしてください。一日に何度も怒りを感じるのであれば、一日に何度も記録をしてください。記録をつけることで、自分の怒りを形あるものとして認識できるようになります。
形あるものとして認識できるようになれば、問題解決もしやすくなります。すべての項目を書かなければいけないということではありません。書けるものだけをサラッと書き留めるだけでもOKです。
参考までに、他の人のアンガーログを一緒に見てみましょう。
一人目は、メーカーで営業事務をしている女性の石井さんです。
石井さんはお酒の席が好きではありません。
でも社内には酒好きの先輩がいてしつこく酒の席に誘ってきます。
そんな石井さんのある日のアンガーログです。
- 日時……………7月25日午後3時
- 出来事…………先輩から飲みの誘いを受けた。
- 思ったこと……またなの……。何度も酒の席が好きじゃないって言っているのに、なんでこの人はわからないんだろう。
- 感情……………イラ立ち。徒労感。
- 感情の強さ……5/10段階
- 行動……………一度は断ったものの、結局断りきれずに同席した。
- 結果……………相変わらず酒の席はつまらなかった。
来たことを後悔し、断れなかったことを後悔し、とにかく面白くなかった。
二人目は、経営コンサルタントとして働いている男性の高橋さんです。
高橋さんのある日のアンガーログです。
日時……………月曜日の午前の会議中
出来事…………社内会議でプレゼン中に同僚から今後の計画について見込みが甘いと内容をこき下ろされた。
思ったこと……何言ってんだこいつ。俺に恥をかかせる気か。
感情……………怒り。悔しさ。
感情の強さ……6/10段階
行動……………指摘してきた相手の見込みこそ甘いし、自分の見込みはデータに裏付けられているから問題ないと反論した。
結果……………口論になり、上司が仲裁したものの、会議は気まずい雰囲気に。
このようにして、怒りを感じたときに、紙に記録していくのです。
紙に記録すると、「怒り」が具体的になり、自分がよりはっきりと見えてくるのではないでしょうか。これが怒りの「見える化」、アンガーログです。
アンガーログはこう書こう
さて、それでは「アンガーログ」をつけてみましょう。紙とペンを用意してください。必ず紙に書き出すことが大切です。では、まずは最近感じた軽い怒りを思い出してみてください。慣れないうちは、怒りは軽い程度のものがいいでしょう。
【日時】まずは日時です。それはいつの出来事だったでしょうか。日付、時間がわかれば、詳しく書いてください。「今日の昼」「昨日の夜」といった感じでも問題ありません。
【出来事】次に出来事を書いてみましょう。それはどのような出来事だったでしょうか。ここでは自分が思ったことや感じたことなどは一切入れずに、なるべく事実だけを客観的に書くよう気をつけてください。
【思ったこと】そして、その出来事があった際にどのように思ったのかをなるべく詳しく書いてください。そう思った理由についても書くとよいでしょう。
【感情】どのような感情を抱いていたのか書いてみましょう。怒りにもいろいろな種類があります。軽いイライラ、怒り、憤り、ムカつく、激怒など。複数の感情をもったのであれば、複数の感情を書いてみましょう。
【感情の強さ】スケールテクニック(第5章『「スケールテクニック」で怒りを測る』参照)を使って、自分の感情の強さを計測してみましょう。強い、弱い、普通といった尺度ではなくて、10段階のうちのいくつといった感じで、はっきりとした数字にしてみましょう。
【行動】その時にどのような行動をとったのかを書いてください。具体的に書いてみましょう。その時に何かを言ったのであれば、実際に言った言葉を書いてください。もし何かに当たったのであれば何に当たったのかを書いてください。
【結果】自分が行動をした結果、どのような結末になったでしょうか。誰かに何かを言われたでしょうか。相手がいたら、相手はどのような態度になったでしょうか。これもできるだけ詳しく書いてみましょう。
主観・分析は、書き込み禁止
アンガーログをつける際のポイントがいくつかあります。
まず、アンガーログは、できればムカッときたり、イライラして仕事が滞ったり、誰かを怒ってしまったときに、なるべく一つひとつ記録してください。
できることなら、怒りを感じたときにすぐ書くことがコツです。手帳なりメモ帳なりを持ち歩いていて、怒ったときにすぐアンガーログをつけるようにするのです。
アンガーログをつける用紙はなんでもかまいません。
スマホを持っているなら、自分宛にメールを送ってログとしてもよいのです。
それとログをつける際にとても大切なこと。
それは、記録している最中に、「なぜ自分はそのように考え、怒ってしまったのか」「なぜ自分はそのような行動をしてしまったのか」ということをあまり深く強く考えないようにすることです。
できるだけ主観や分析を入れないようにアンガーログをつけるのです。
自分の怒りを、自分の怒りではないかのように冷静に振り返って忠実に記録することを心がけてください。これは「記録」という意味でとても大切なことです。主観が入りすぎると、あとで分析するときに狂いが出てしまいます。
また、第3章で説明したように「思い出し怒り」にもつながってしまいます。
そして、もう一つ大切な役割があります。
それは、怒っているときに、「記録しなければ」という怒り以外のことに目を向け、怒りを抑えるという意味合いもあるのです。
たとえ怒ることがあっても、アンガーログを冷静に客観的に記入していくうちに、ふっと、「あ、こんなことで自分は怒っていたのか」とわかると同時に、怒りが小さくなっていることに気づくでしょう。
繰り返すほどに、効果はアップする
アンガーログは、最初のうちは、怒りを感じるたびに記入してみてください。
また、このあとの第6章で、深く「認識の修正」をする際に、記入したアンガーログを使うので、その記録は多いほうが有効でしょう。
とはいえ、アンガーログをつけること自体が負担になって、イライラしがちになっては元も子もありませんから、できる範囲でOKです。
アンガーログを何度も何度も記録していくうちに、自分の頭の中でもアンガーログができるようになります。
「あ、今、私は、この書類のこの部分にイラ立っていて、その大きさはレベル4くらいだな。ムカムカムカーッ!!というよりは、イライラッて感じだな。そして、その怒りによって同僚にキツイ言い方をしてしまったな。結果、彼もすごくイヤな顔をして、嫌味を言って出ていってしまった。次からは、たとえイラッときても、その場では、『ありがとう』と言うようにしよう。そしてそのあとに、提案という形で意見を言ってみたらどうだろう」
これができれば、かなり怒りをマネジメントできるようになります。
ストレスログをつける人はストレスが多いほど怒りやすい
「認識の修正」をする際、大切なことがあります。それは、自分の置かれている環境をなるべく「怒りにくい状態」にしておくことです。
アンガーマネジメントの重要ポイントは、自分の思考回路の中に「いかに怒りにくい仕組みをつくるか」、ということです。
けれども、いくら自分の思考回路が「怒りにくい仕組み」になったとしても、ストレスの多い環境に身を置いていたらどうでしょうか。やはり、どうしてもイライラ、ムカムカしてしまうことでしょう。
人はストレスが高くなると怒りやすくなります。
大好きなことをしてリラックスしているときと毎日が忙しくて寝る暇もないときとでは、どちらが怒りやすいかといえば、明らかに後者です。「ストレス」と「怒り」の感情は深く関係しています。
とはいえ、ストレスがなくなればいいのですが、残念ながら私たちの日常からストレスがなくなるということはありません。
そのため、ストレスに対する考え方も怒りに対する考え方と一緒で、ストレスをなくすことを考えるのではなく、ストレスと上手に付き合える自分になっていくことを考えます。
ただ、ストレスは私たちを毎日のように悩ませるものですが、多くの人が、自分にとって何がストレスかをあまりよく知りません。
何がストレスになるのかは人によってさまざまです。人間関係がストレスになる人もいれば、仕事が忙しいことがストレスになる人もいます。
一方で仕事が暇なことがストレスになる人もいれば、一人ぼっちでいることがストレスになる人もいます。
アンガーマネジメントをするうえでも、自分にとってのストレスを知ることは大事なことです。そのためにやってほしいことが「ストレスログ」をつけることです。
ストレスは4つに分類できる
極端な例ですが、私のところに相談に来た人に「地球の未来が心配で夜も眠れない」という女性がいました。彼女は地球の未来のことを考えるとそれがストレスでしかたがないと言うのです。
彼女のストレスとは、地球上で起こる戦争だったり、人種差別だったり、石油の枯渇、食糧問題だったり、かなり漠然としていて曖昧なもの。
でも、彼女はいたって真剣です。けれども、彼女がいくら地球の未来を心配したところで、地球は彼女の思うように動きはしません。彼女が望んだからといって、とたんに人種差別がなくなったり、石油が湧いて出たりはしないのですよね。
心配しようが心配しまいが、「自分で変えられないこと」です。
ストレスを感じても何もできない、変えられないのなら、受け入れていったほうが賢い選択といえるのではないでしょうか。
彼女のようなわかりやすい極端な例ではないとしても、意外に私たちは変えられないものをいつまでもストレスに思いがちです。
「もっと目が大きくて、キリッとしてたら」「背が高かったら」などといった外見のことだったり。
「姑の大雑把な物言いがイヤだな」「夫ののんびりしているところが腹立つ」など他人の性格や言動のことだったり。
「あと5歳若かったら」「大学に行けていたら」といったような過去のことだったり。
「夏に暑いのがストレス」「冬に寒いのがストレス」といった自然条件だったり。
ストレスにも変えやすいものと変えにくいものがあるのが現実です。
「毎朝、会社に行くのがストレス」と思っても変えづらいですが、「毎朝、満員電車に乗って会社に行くのがストレス」であれば、早めに出る、違う路線で通うなど、ストレスをなるべく感じない方法を選べます。
このように、除けるストレスは除いて、それ以外は受け入れていくほうが建設的といえます。
そのための方法として、次のようにストレスを4つに分類する「ストレスログ」をつけることをおすすめしています。
- 1.「重要」かつ「自分で変えられる」
- 2.「重要」かつ「自分で変えられない」
- 3.「重要でない」かつ「自分で変えられる」
- 4.「重要でない」かつ「自分で変えられない」
自分がストレスに思っていることを紙に書き出し、次に、ストレスをこの4つの基準で分類するのです。
そして、自分の人生にとって重要でないストレスならなるべく受け入れたり、自分で変えられないものは「受け入れるしかない」と自分に言い聞かせるのです。
一方で、「自分で変えられる」ものや重要なものは、「どうしたらストレスを除けるか」を考えればいいのです。ストレスにも優先順位をつけるということです。
ストレスログをつけながら、自分にはこのストレスが重要なのか、重要でないのか、そしてそのストレスを自分の責任で変えることができるのか、変えることができないのか、ふり分けをやってみてください。
すると、「このストレスは感じていても解消しようがないから、なるべくしょうがないと受け入れて、感じないようにしよう」などと分類し、意味のないストレスから解放されるようになっていきます。
そして、ストレスと感じても自分ではどうにも変えることができないようなものであるならば、現実にはそういうことがあるということを受け入れて、他のことを考えることに時間を使いましょう。
あなたには、変えられることはほかにもたくさんあります。
書くだけで、ストレスは激減する
ストレスログを具体例でみていきましょう。例えば、車の営業をしている高橋さん(29歳)のケースです。
高橋さんは、最近、ストレスが多くて、イライラして怒りやすくなったな、と思っています。彼は、ストレスの原因として次のようなものをあげています。
- 1.営業ノルマがきつく、ノルマが全然達成できない
- 2.若者の車離れが深刻で一般的に新車が売れない
- 3.朝起きるのが苦手
- 4.自分の容姿にコンプレックスがある
これを先ほどの4つに自分でふり分けます。
そして、ふり分ける際に、どうしてそのようにふり分けたのか、具体的な理由を書きます。
◎営業ノルマがきつく、ノルマが全然達成できない(重要/自分で変えられる)
〈理由〉確かに営業ノルマはきつく、今は全然達成できないが、同じ営業所の人間で同じノルマを達成している人はいる。営業成績を上げることは重要なんだから、自分の責任で上げていくしかない。自分にも達成できないことはない。例えば、うまくいっている人にコツを聞く、上司に相談して打開策のアイデアをもらうなど、まだできることはあるはずだ。
◎若者の車離れが深刻で一般的に新車が売れない(重要/自分で変えられない)〈理由〉世間的に新車が売れなくなっていることは事実。
これは自分がどうこうして変えられる問題じゃない。そう考えれば、全国の車の営業担当者が同じ問題を抱えている。現実の条件はそういうものとして受け入れてやっていくしかない。いくら愚痴を言ったところで、若者が車を買うようになるわけでもないから、愚痴を言うぐらいなら、他のことを考えるようにしよう。
◎朝起きるのが苦手(重要でない/自分で変えられる)
〈理由〉社会人として朝が弱いのは重要でないことはないけど、遅刻しているわけじゃない。ただ、もう学生じゃないんだから、飲み過ぎたり、深夜までゲームするのを少しセーブしよう。最初のうち少し我慢すれば、朝型人間にだってなれると思う。
◎自分の容姿にコンプレックスがある(重要でない/自分で変えられない)
〈理由〉正直言うと、もう少し背を伸ばしたい。でも今さら伸びるわけがないのは知ってる。それに背が伸びても何が変わるわけでもないと思う。別に今だって彼女もいるし、彼女も自分の背のことを言ったことなんてない。
変えられることに意識を集中する
ストレスログを書くときは、「自分は何を最優先したいのか」をよくよく考えて、それを基準にして重要か重要でないかをふり分けてみてください。
車の営業の高橋さんの例でいえば、高橋さんにとって今の最優先事項は「営業成績を上げること」です。
ですから、早起きや容姿も自分にとってはそれなりに重要なのですが、営業成績を上げるという目的からすると、やや重要度が下がるので、重要ではないということにしたのです。
さて、あなたも実際にストレスログをつけてみましょう。あなたにとって、ストレスを感じるのは何ですか。それをまずは考えてみましょう。
ストレスログをつけることで、自分が変えられること、変えられないことの区別がつくようになります。変えられないことは受け入れるように心がけましょう。それだけで、ストレスにふりまわされることはグンと減るはずです。
本章では、自分の頭の中に「怒りにくい仕組み」をつくるために、まずは、自分がどのようなことで怒っているのかを記録し、「見える化」することを学びました。
今までにあげたような「記録する」「客観視する」テクニックで、ずいぶんと自分の「怒り」を知ることができたと思います。
アンガーログを見ていると、意外なことで自分が怒っていることに驚いたり、ちょっと時間をおけばたいしたことのないことで怒っていることに気づきませんか。
これは、「怒りをマネジメントする」という意味でとても大切なことです。
怒りを記録化、客観視するだけで、ずいぶんとアンガーマネジメントができる人が多くなるほどです。
さらに、いくら自分の中に「怒りにくい仕組み」をつくっていっても、ストレスフルな環境だとイライラしがちになるため、ストレスと向き合うことも学びました。
この二点が、アンガーマネジメントの「認識の修正」の基本のステップでとても大切なことなのです。
これをふまえた上で、ではさらに応用編の第6章へいきましょう。
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